二人の殺し屋が主人公のアクションコメディ
富田結途は見た目は平凡ながら、幼い頃から人を殺す技術と知識を身につけた超一流の殺し屋。武器の扱いに長(た)け、ターゲットの目を欺く変装も得意としている。ある日、組織から「今から出会う相手を殺せ」と命令を受け、自分と同じ容姿を持つ少年と出会うが、相手も自分が「富田結途」だと主張し、見た目も同じで殺し屋を生業としていた。奇妙な出会いを遂げた二人は、それぞれが「トミタ君」「ユズ」と呼ばれ、タッグを組んで殺人の依頼を遂行することとなる。序盤は殺し屋としての活動が主に描かれるが、ストーリーが進むにつれて、二人の秘密が少しずつ明らかになっていく。
同じ名前と容姿の殺し屋「富田結途」
二人の富田結途は瓜(うり)二つで、長らくいっしょに暮らしている駒谷勇気をもってしても、どちらが自分が育てた結途(トミタ君)なのか見分けがつかない。しかし任務のため、潜入した高校では双子として生活していることもあり、少しずつ異なる個性を持つようになる。そんな中、ユズはトミタ君に思いを寄せる同級生の唐墨時世に淡い恋心を抱くが、女装して生活しているユズは唐墨から同性だと思われており、さらに彼女がトミタ君に片思いしていることも知る。殺し屋のため恋愛は厳禁ながら、ユズは唐墨への思いをどうしてもあきらめきれない。そんなユズの苦悩と、唐墨のかみ合わないハイテンションなやり取りが本作の見どころとなっている。
規格外のヒロイン、唐墨時世が波乱を巻き起こす
本作のヒロイン、唐墨時世は、モデルや女優として活動している人気芸能人。一見すると清楚(せいそ)な美人ながら性格は豪快そのもので、目的のためならば自分が傷つくことをも厭(いと)わない。思い人の富田結途(トミタ君)のためならば、殺し屋の駒谷勇気にも拳一つで挑んでいく。また、自殺願望を抱くヤンキー女子の滝田に対しても、拳を交えて説得するなど、情に厚い一面を持つ。ほかにも唐墨の熱狂的なファンで、地球代表を自称する殺し屋の針太郎や、彼女の殺害依頼を受けて性癖をこじらせたイケメン暗殺者の石田ケンイチなども登場し、唐墨の存在が本作に予想外の展開を生み出している。
登場人物・キャラクター
富田 結途 (とみた ゆず)
殺し屋を生業にする男子。現在は任務を受けて一般生徒として高校に潜入している。女装すると、とんでもない美少女に変身する。ある日突然、組織から「今から会う奴を殺せ」という指令を下され、すったもんだの末に自分と同じ名前と外見を持つ富田結途とタッグを組むこととなる。殺し屋仲間からは二人を区別するため、「トミタ君」と呼ばれている。実父も殺し屋だったが、敵対する組織の襲撃に遭い死亡。自分自身も殺されそうになったが、殺し屋の駒谷勇気に命を拾われ、育てられた過去を持つ。そのため駒谷に絶大な信頼を寄せており、彼に恋愛感情に近い思いを抱いている。ユズに関しては自らの世界に、もう一人の自分が迷い込んできたと認識している。現在は双子のヒットマン「ヒッツ」として、殺し屋界隈で名が通り始めている。
富田 結途 (とみた ゆず)
殺し屋を生業にする男子。現在は任務を受けて一般生徒として高校に潜入している。突然現れた自分と同じ名前と外見を持つ、もう一人の富田結途とタッグを組むこととなった。殺し屋仲間からは二人を区別するため、「ユズ」と呼ばれている。もう一人の自分である「トミタ君」の世界に迷い込んでいると認識しているが、環境のすべてが同じなので、さしたる不便を感じていない。潜入先の高校では女装し、「富田結途子」という名前の女子生徒として過ごしている。同級生の唐墨時世に恋をしているが、自らが恋愛を禁止された殺し屋であること、さらに彼女からは同性だと認識されていることから、告白できずにいる。
クレジット
- 原作
書誌情報
ヒッツ 8巻 ヒーローズ〈ヒーローズコミックス〉
第1巻
(2021-01-09発行、 978-4864687737)
第7巻
(2024-03-05発行、 978-4864682428)
第8巻
(2024-09-28発行、 978-4864682886)