あらすじ
第1巻
なでしこ商事の営業二課で働くOLの小森美緒は、営業成績は毎月上位で、狙った女性も虜にして公私共に充実していた。そんな中、社内では異動辞令が出る時期を迎え、小森は花形部署である海外事業部に異動して各国の美女を侍(はべ)らせるという妄想を抱いていた。しかしその願いは叶わず、小森は地味な人事部への異動辞令が出されてしまう。人事部に異動して数日後、仕事が変わったことによるストレスを、かつての取引先の女性と愚痴りあった小森は、そのまま彼女をラブホテルに誘うことに成功する。そして小森は、ラブホテルの入り口で人事部の先輩である山野辺恭子が、女性を連れて部屋を選んでいる姿を目撃してしまう。(case1「期待を上回る女」。ほか、9エピソード収録)
第2巻
山野辺恭子の指導もあり、人事部での仕事にもやりがいを感じるようになった小森美緒は、次々に仕事をこなしていく。一方で、恋人だと思っていた女性から現実を突きつけられるなど、プライベートでは散々な目に遭っていた。落ち込む小森に対して、山野辺の同期である九条奈都が彼女を合コンに誘うと、小森は参加すると即答する。そんな小森の様子を見た山野辺は、自分の恋愛の価値観を決定づける苦い過去を思い出すのだった。(case12「振られる女」、case13「恋を知らない女」。ほか、6エピソード収録)
登場人物・キャラクター
小森 美緒 (こもり みお)
なでしこ商事の人事部で働く女性。年齢は25歳。以前は営業二課に所属して成績も優秀だったが、社長直々の命令で人事部に異動となった。同性を恋愛対象としており、狙った女性の期待を上回る女であることを信条としている。明るく積極的な性格ながら、調子に乗りやすくすぐに本音が出てしまう。山野辺恭子のことは頼れる先輩としてだけではなく、同性愛者同士として信頼しており、さまざまなことを相談している。
山野辺 恭子 (やまのべ きょうこ)
なでしこ商事の人事部で働く女性。年齢は29歳。会社では地味に振る舞っているが、プライベートでは多くの女性と付き合っているなど、公私の差が激しい。大学生から社会人になった時期に、初めて恋人関係となった女性からひどい裏切りを受けた過去があり、女性と肉体関係になっても一歩引いた距離を保っている。山野辺恭子自身は、そんな恋愛観は他人に口外しないが、大学時代に親しかった渡春馬と、同性愛者の小森美緒にはその秘密を話している。
九条 奈都 (くじょう なつ)
なでしこ商事の広報部で働く女性。年齢は29歳。容姿端麗でありながら、仕事もできるため自分に絶対の自信を持っている。新入社員時代に、何度勝負しても勝てなかった同期の山野辺恭子をライバル視している。それぞれが別部署になってからも、何かと山野辺に対抗心を燃やしている。
渡 春馬 (わたり はるま)
コンサルティング会社「ブロンズコンサルティング」に勤める男性。山野辺恭子とは大学の同級生で、社会人になってから恭子に告白したがフラれてしまう。なでしこ商事の社員研修の打ち合わせで、山野辺と再会してギクシャクしながらも付き合いが復活する。