概要・あらすじ
有史以前、神々がこの世界を導いていた神話の時代。小国ルーン王国の王子クルトは、母ガラティアが妖魔メデューサにより石へと変えられてしまったことを知り、メデューサを倒すための旅に出る。
母ガラティアが残した黄金の守護像と、大地の女神ユリアナから授けられた、持ち主の意思で短剣にも巨大な剣にも姿を変える「大地の剣」を手に、占いの娘小さいオリエと精霊のオリエ、竜の谷のドラゴンレオンたちに助けられながら、西を目指し大海原を渡り、メデューサの城を目指す。
登場人物・キャラクター
クルト
ルーン王国王国の王子。精霊の血を引き、祖父アガナードの加護により、地形を変えてしまうほどの怪力を持つ。妖魔メデューサが母を含め、村人を石に変えたと知り、メデューサを倒すために旅立つ。 母ガラティアが残した黄金の守護像と、大地の女神ユリアナから授けられた、持ち主の意思で短剣にも巨大な剣にも姿を変える「大地の剣」を手に、占いの娘小さいオリエと精霊のオリエ、竜の谷のドラゴンレオン助けられながメデューサの城を目指す。
オリエ
大きな水晶玉に映し出される星の巡りを見て、様々な事象を占う人間の少女。「運命に関わる人が西にいる」という占いに従い、西へ向かう旅の途中でクルトと出会う。養母の率いるキャラバンで占いによって稼ぎを得ていたが、メデューサを倒すクルトの旅に同行する。
精霊オリエ (せいれいおりえ)
クルトの母ガラティアの妹。大地の女神ユリアナの試練を受け、白い力」を身につけ、クルトを影ながら助ける。ガラティアが残した黄金の守護像には「三つの力が宿っている」と告げる。
レオン
知恵あるトカゲの住む谷で出会った、拾われっ子のトカゲ。谷の住民が酒と生贄を捧げ続けていた、巨大な一つ目の怪物を、クルトと協力して倒す。術が解けた谷の住民は人間の姿に戻るが、そのままの姿だったレオンはクルトの旅に同行。 聖ザドスの国の神官に、竜の子だと教えられて以来、火を吹けるようになる。とても賢く、クルトの危機を幾たびも救う。
ギルガドール
巨大な一つ目の怪物。谷の住人たちをトカゲの姿に変え、酒と生け贄を捧げ続けさせていたが、クルトとレオンによって退治される。メデューサの使徒サロメによって目玉だけの姿で再生。レオンに酒で懐柔されて以来、クルトたちとの間に友情が芽生え旅に同行。 普段はクルトの守護神の袋の中で大人しく眠り、クルトの呼びかけや酒を与えることによって、巨大化してクルトたちを助ける。
アスナス
影からクルトを見つめる謎の男。正体はメデューサの兄。エルゾの後継者だったが、窮屈な生活を嫌い出奔。放浪の旅の途中で、ガラティアの石像を目にし、その美しさの虜となる。クルトに協力するでもなく、助けもしないが、エルゾの鏡の欠片を集めるなど、謎の行動をとる。 エルゾの逆鱗に触れ人間にされるが、マリウスとメデューサの助けで魔力を取り戻す。
マリウス
メデューサの息子と呼ばれる人間。銀騎士とも呼ばれ、人間でありながら魔物を倒す優れた剣の腕を持つ。幼い頃、妹を助けられたことから、メデューサの息子となることを誓った。雌の銀竜シルヴァーナを従者として、武者修行の旅の途中でクルトと出会う。 クルトの人柄に触れ、メデューサの本当の姿を見極めようと、ともにメデューサの城を目指す。
シルヴァーナ
マリウスの従者の雌の竜。マリウスの為には体を張って戦う。同じ竜族のレオンとはライバル心もあり、互いに炎を吹いて戦う。そのせいで火山に封印されていた火を噴く怪物を解放してしまう。
ステファン王 (すてふぁんおう)
ルーン王国の国王。クルトの父。善神アガナードの娘、精霊ガラティアと恋におち、特例として婚姻を許され、クルトが誕生した。メデューサによって一つの村の住民全てとガラティアを石化させられ、現れた使徒ドノマーガに産まれたばかりのクルトの命乞いをし、8年の猶予を与えられた。
ガラティア
善神アガナードの娘で、クルトの母。精霊の身でありながら、人間であるルーン王国の国王ステファンの妃となった。メデューサに襲われ石に変えられ、ルーン王国城内の一室に安置され、アガナード神の強力な力に守られており、その魂は人間の彫刻家バッコスの彫った精霊の像に宿る。
メデューサ
クルトの母ガラティアを石化した妖魔。本性は地を覆い尽くす巨大な蛇。悪神エルゾの後継者となるべく、各地の権力者に、自らの黒い血を飲ませ服従させる。妖魔となった使徒によって、クルトの邪魔をするが、真の目的は不明。 時折、妖魔故子を持てぬ苦悩も垣間見せる。
糸紡ぐおばば (いとつむぐおばば)
北の荒地に住むおばば。死の山の王大猪のゼオを倒したクルトが、ゼオの遺言で右の牙を届けた。本当の姿は大蜘蛛で、メデューサの乳母だった。メデューサからクルトを庇う。クルトに「お前の額にある“星”を大切にするが良い」と言い残す。
アガナード
天界を統べる神。精霊たちの父でもあり、ガラティア、精霊オリエたちの父。クルトの祖父にあたる。クルトの慢心を心配し、時折語り部の老人などに化けてアドバイスし、クルトの旅の行く末を見守っている。
エルゾ
黄泉を統べる神。悪心と呼ばれ、妖魔たちの父。コウモリの翼を生やした悪魔のような姿をしている。メデューサとアスナスの父。長男であるアスナスを疎んじ、メデューサを後継者と目し、悪の勢力を強めようと企む。 エルゾの鏡を100片以上のかけらに分割し、強力な妖魔たちの体内に埋め込んで支配している。
ユリアナ
大地の女神。大地の意思を司る女神で、中立の立場にあるため、善悪の戦いを自らは動かずに見守っている。ガラティアと親友だったことから、クルトに所有者の意思で自在に大きさを変えることができる「大地の剣」を授け、黄金の鷹の姿でクルトを導いた。
ペレ
牛の頭を持った火の神。地の底で溶岩を使い鍛冶仕事をする。クルトがユリアナから授けられた「大地の剣」を鍛えた。お調子者でおだてに乗りやすい。メデューサの鱗に阻まれ折れてしまった大地の剣を鍛え直す為に訪れたクルトに。 次々と謎の質問を投げかける。
ドノマーガ
メデューサの使徒。ルーン王国国を襲撃し、赤子のクルトの引き渡しを迫る。刃向かって命を落とした兵士の数にちなみ、8年の猶予を言い渡す。クルトの8歳の祝いの式典に現れ、真相を知ったクルトと戦う。 本来の姿は手足の無い醜い竜。アガナードの雷に打たれ命を落とす。
サロメ
メデューサの使徒。殺害したセレネの都の王女メズリールの顔の皮を剥いで、王女になりすまし、王を唆しクルトを苦しめる。トカゲの谷の怪物、ギルガトールを蘇らせ手下にするが、レオンの機転で酒で懐柔されたギルガトールは役に立たず、力を取り戻したクルトに倒される。
その他キーワード
黄金の守護像 (おうごんのしゅごぞう)
『ピグマリオ』に登場する、精霊は誰もが1人1体ずつ持っている黄金の守護像。持ち主の身に危険が及ぶと天・地・人、3つの「力」が現れる。クルトに授けられた守護像は、母ガラティアが人としてルーン王国国王の妃となるため、天界を離れる際に残していったもの。
大地の剣 (だいちのけん)
『ピグマリオ』に登場する、大地の女神ユリアナからクルトに授けられた剣。所有者の意思で、自在に姿を変え、長剣にも短剣にも巨大な剣にもなる。使いこなせば剣の大きさをかえずに、強さだけを変えることもできる。 クルトはアガナードに授けられた怪力と大地の剣により、時に大暴れし、地面を大きく引き裂いてしまうことがある。
黒い血 (くろいち)
『ピグマリオ』に登場する、妖魔の勢力を拡大するため用いた、メデューサの血。死者をも蘇らせ、飲んだ者は絶大な力を得られるが、メデューサの下僕となる。クルトの8歳の祝いの場に現れたドノマーガが、クルトに飲ませようとした。
水晶玉 (すいしょうだま)
『ピグマリオ』に登場する、星の巡りを映し出す大きな水晶玉。水晶の姫小さいオリエが占う際に使用する大きな水晶玉で、映し出された星の巡りを見てさまざまな事象を予言する。小さいオリエがクルトの旅に同行を決めた際、語り部に化けたアガナードによって、持ち運びのしやすいよう小さいオリエの髪飾りにその力が移された。
エルゾの鏡 (えるぞのかがみ)
『ピグマリオ』に登場する、悪神エルゾの凍てついた魂。100以上の欠片となって、有力な妖魔の体内に埋め込まれている。クルトは語り部に化けたアガナードから、その欠片を集めることにより、メデューサとの戦いの切り札となると教えられる。 密かにアスナスも欠片を集めていた。
白い力 (しろいちから)
『ピグマリオ』に登場する、善でも悪でもない中立の力。大地の神ユリアナの試練を乗り越え、精霊オリエが手に入れた。アガナードとエルゾが長い争いの末にそれぞれの領域を分け、境界線を守ることで均衡を保つこととし、エルゾの領域では精霊が、アガナードの領域では妖魔がそれぞれ力を失うが、白い力は、どちらの領域でも失われることのない中立の力である。