概要・あらすじ
まだ神々が人々の目に見えて導いていた時代。ルーン国の王子クルトは、母親の顔を知らず育ったが、それはかつてこの国をメデューサが襲いクルトの母が石に変えられてしまったためであった。この真実を知ったクルトは、旅に出る事を決意し、この旅を通して大きく成長していく。
登場人物・キャラクター
クルト
ルーン国の王子で、人並はずれた怪力を持つ。まれに、額に光が現れることがある。生まれ持った優しさと正義感で誰とでも分け隔てなく接する。8歳の誕生日を前に、石像と化した母、ガラティアを発見。さらに持ち前の怪力から石壁をどかし、その奥に封印されていた石像と化した国民たちの姿を目にする。 これは、悪神エルゾの娘メデューサのしわざだった。クルトは8歳の誕生式にメデューサに忠誠を誓うことを条件に生き延びさせられていたのだ。だが、その式でメデューサの使いを倒し、金色の鷹に導かれてメデューサの住む西へと旅立つ。旅の途中で、善神アガナードから母の守護像を渡され、ガラティアの妹にあたる精霊のオリエと知り合い、彼女の導きにより、大地の女神ユリアナから大地の剣をもらう。 さらには、正統のドラゴンの子レオンと酒好きの魔物ギルガドールが仲間となるのだった。北の大地でメデューサと遭遇し、立ち向かったが大地の剣を折られ敗退。決意を新たに、西へ向かうと水晶の姫オリエも旅に加わった。 大地の剣は火の神ペレの手により修復。像の姿を借りたガラティアに教えられた虹の谷で、谷の主アブアブからクルトはメデューサの子だと教えられる。真実を確かめるためにメデューサの居城へと急ぐが、レオンと別れ、ギルガドールは倒され、小さいオリエも敵の手にかかって命を落とす。 メデューサとの戦いが始まると、アガナードとエルゾの戦いも始まった。明かされた真実はガラティアとメデューサはピグマリオの母となるはずだった一人の女性ということであった。ガラティアの石像を砕かれ、クルトはピグマリオとして覚醒し、メデューサに立ち向かう。
オリエ
腰まで届く長い黒髪の少女。水晶を使い、未来を予知することができる。占いのときには、水晶を額のところに嵌めた髪飾りをする。オリエの占いを稼業にするキャラバンで旅を続けていた。悪用する事はなく、国の危機を避けることなどに使われるが、母のエバは稼ぎにうるさい。出自は明らかではなく、赤ん坊の頃に小さな籠に水晶と一緒に乗せられて川を流れていたところをエバに拾われたという。 運命の人を示す星を追って旅をしていた。魔物の毒で苦しんでいたクルトを助け、一度は別れたが、その向かった方向から「運命の星の人」だと確信。再会を果たした後、共に旅をすることを決意。道中では髪を頭の左右で三つ編みにしていた。水晶の力で魔物から姿を隠したり、水晶を剣の形にして戦ったり、かなりの戦力となった。 しばらく大人になる夢の実の力で成長したクルトを見て、淡い恋心はハッキリとしたものに変わった。大地の女神ユリアナから予言された通り、クルトをかばってネイアスの毒を受ける。生き長らえる方法としてメデューサの血が供されたが、クルトを愛したオリエのまま死ぬことを選んだ。 精霊のオリエとは同名で、クルトを愛したこと以外に特別な因縁はない。
オリエ【精霊】
精霊でガラティアの唯一の妹にあたる。クルトの冒険を助けているうちに、本人も気付かないうちに異性として愛していく。大地の女神ユリアナに課せられた黄泉の国での試練で剣を手に入れ、直接戦うようになる。天界でバッコスに出会い、アスナスを満足させた像のモデルとなった。 メデューサとの最後の戦いにも加わり、力の根源であるゴーゴンの指輪を破壞して絶命。小さなオリエの魂と同化した。蜘蛛が苦手。
レオン
トカゲ谷で育てられていた正統のドラゴン。竜の谷の王の息子だったが、卵のときに大洪水で流されてトカゲ谷に運ばれたらしい。クルトが抱えられるほどのサイズ。翼があり、空を飛べる。谷のトカゲたちと姿が違うことに悩んでいた。しかも、トカゲたちはクルトの活躍で呪いが解かれ、人間の姿に戻った。 育ての親に引き止められたが、クルトと共に行くことを選択。頭に血が上りやすいクルトを抑えることが多い。旅の途中で火を吐けるようになった。火の神ペレから教えられた通り、旅の途中で竜の谷近くに到達。クルトの勧めもあって谷に向かう。若竜となって変身能力に目覚めたことで魔法使いの少年ジャジャとしてクルトに合流。 さらに最終決戦では大地深くに埋まっていたエルゾの鏡を掘り出して倒れる。
メデューサ
悪神エルゾの娘。青黒く光るうろこに全身を包まれ、赤く燃える瞳と避けた口で、山を一巻にする巨大な蛇の体と髪をした妖魔だが、長い黒髪の人間の姿になることもある。ピグマリオの誕生を待っていた母なる人が、悪神エルゾに虹の谷を襲われて絶命したとき、分かれて黄泉に落ちた半身から生まれた。 それに気付かなかったエルゾにより後継者として育てられた。後継者としてエルゾによってその姿の影が送り込まれたが、本人はあまり城から出ない物静かな娘だったらしい。だが、半身のガラティアが人間となって子を産んだことで逆上。ガラティアだけが幸福になることを赦せず、悪神への道を歩み始めた。 息子として迎えたマリウスを見舞いに人間のふりをしてグリーン・ノアで暮らしたとき、グリフォス王に心を許したことがある。正体を明かしてもなお言い寄るグリフォスを迷った末に石像にして砕いた。エルゾがアガナードとともに倒れたとき、世界を制する神となった。
アスナス
旅を続けるクルトの前に現れた妖魔。角を持つ獣の頭蓋骨の兜を愛用する黒髪の美青年。実は悪神エルゾの息子。エルゾに従わず、後継者の地位を蹴って自由に振る舞っている。ルーンの城にあったガラティアの石像が気に入って、バッコスに複製を作らせた。密かに強力な妖魔であるメデューサの使徒たちの体内に埋め込まれたエルゾの鏡の欠片を集め、エルゾ打倒を企てていた。 それが発覚して妖力を奪われ、人間として暮らして、その生き方に圧倒される。マリウスに頼まれたメデューサが妖力を戻しに現れたとき、人間のままでよいと断った。だが、メデューサに妖力を戻され、アスナス城へ帰還。 人間のときに体を壊してまで世話をしてくれた娘リシェンヌを城に置く。クルトとメデューサの決戦では、メデューサの力が集まるゴーゴンの指輪の破壊に協力し、エルゾの手にかかる。
マリウス
長い髪の青年騎士。全身を覆う銀色の鎧から「銀騎士」と呼ばれる。人間ではあるがメデューサに息子として迎えられている。幼いころに妹エルザをメデューサの黒い血で救われており、人間として強く登り詰めた後に、黒い血を飲んで名実共にメデューサの息子になることが夢。そのために剣士としてのアスナスを超えようとしている。 旅の途中で、罠にかかった少女を助けたところ、正体は若いメスの竜シルヴァーナであり、それから彼女は旅の供となった。クルトが石像となった母親を救うために旅をしていること、メデューサが罪のない人々を石にしていたことなどを知って、真実を知ろうとし始める。目標だったアスナスが人間になっていたためメデューサに妖力を戻してほしいと頼む。 クルトとメデューサの決戦が迫り、城に戻ったところエルザが妖魔に変身するところを目撃。アガナードから人間に戻る術がないことを知らされ、エルザと話をしようとする。だが、妖魔になればよいと諭され、剣を交えて自らの手で倒した。
シルヴァーナ
マリウスと一緒に旅をする若いメスの竜。額につけた飾りとクリッとした目が特徴。少女の姿で狩猟用のワナに掛かっていたところをマリウスに助けられ、これに恩を感じて同行している。正体はマリウスが背中の翼の間に立つことができるほど大きな竜。人間の姿はツリ眼で長い髪をしている。5メートルはあろうかという巨体だが、小さくなることも可能。 その内面はマリウスが好きで好きでたまらない、恋する女の子であり、マリウスと二人きりで旅を続けたいため、彼がクルトと関わることが気に入らない。
ガラティア
クルトの母で元精霊。ルーン国のステファン王と恋に落ち、父である善神アガナードに黄泉に堕されたが、ステファン自らが赴き救い出して赦され人間となった。実はピグマリオの誕生を待っていた母なる人が、悪神エルゾに虹の谷を襲われて絶命したとき、分かれて天界に落ちた半身から生まれた。 そのことはアガナードも知らなかった。精霊では子供を産むことはできないが、人間となったためクルトを授かる。それが半身のメデューサの怒りを買い、石像にされた。魂は天界の聖殿に封印されていたが、バッコスの闖入によって放たれ、クルトの前に姿を現して虹の谷に向かうよう助言する。
アガナード
天界の主で、巨大な壮年の男性姿で現れる。ガラティアがステファンに嫁ぐときに置いて言った守護像をクルトに託した。その後、くすんだ肌の色をした老人の語り部として、クルトやオリエたちの前に現れた。そのとき、クルトが母と会う未来を予知し、ガラティアとメデューサが一人の母なる人だったことを知る。 世界の均衡を守るためにエルゾとも交渉してきたが、ついに天界を動かし激突する。
エルゾ
妖魔界の王でメデューサの父。全身は黒く蝙蝠のような翼があり、髪の生え際は後退気味。黄泉の闇に沈んでいて、闇の世界の支配は後継者のメデューサに委ねていた。世界の均衡を守るためアガナードと交渉をしていたが、宇宙すべてを闇に沈める野心があり、世界に新たな秩序をもたらすピグマリオの誕生を阻止するために母なる人のいる虹の谷を襲った。 また、虹の谷以外からも黒い血で妖魔を生み出すなど、密かにアガナードとの協定を破って闇の勢力を増強していた。その凍てついた魂がエルゾの鏡で、108の欠片になってメデューサの使徒たちに与えられている。アガナードが天界を動かしたため、迎え撃つためにすべての妖魔を自分を守るために集めた。
ギルガドール
トカゲ谷の近くの密林に住む魔物。巨大な目と5本の触手に軸のような足だけ。足の先も何本かの触手となっている。目の裏側に口もある。触手の先から粘液を発射することが可能。年に一度、トカゲ谷にやってきて、生贄と酒を満喫すると帰っていく。実は生贄よりも酒が好き。クルトの機転で倒されたが、妖魔サロメの力で眼球のみの姿で復活。 ところが、妖魔への服従よりも酒への欲求が強く、クルトたちから酒をもらってなついてしまう。それ以降、空を飛べることもあって、心強い旅の味方となる。眼球だけだが、小さくなって手荷物の中に紛れ込んだり、全身から体液を出して元の魔物に戻ったり、溶けていくつもの眼球になったりと自由度が高い。 メデューサとの決戦にもクルトを乗せて参加した。何も考えていないようにしか見えないが、知能はしっかりとある。
ユリアナ
大地の女神。地の底の城で、自らの力で全身を大地で縛めている。ガラティアとは精霊時代からの友人で、オリエも気に入っている。クルトに大地の剣を授け、金色の鷹で行くべき道を指し示した。正にも邪にも与しない存在で、アガナードとエルゾの激突に際して、無関係な地上のものを守るために縛めを解いて立ち上がった。
ペレ
火の神。黒い肉体に牛頭。大地の剣を作った陽気な神。誉められるとうれしい、判りやすい性格をしている。AC118クルトがピグマリオだと確信し、多くの神々から力をクルトに分けてもらうため、メデューサの結界を全力で破り倒れた。
ステファン
ルーン国王でクルトの父。長い黒髪を後ろに垂らし、顎鬚を整えている。精霊のガラティアと恋に落ちた。精霊の禁忌を犯した罪で善神アガナードによって黄泉に落とされたガラティアを自ら迎えに赴いた。メデューサにガラティアとワタンカ村の人々を石にされたとき、クルトの命を救うために逆らわないことを約束。 メデューサの使徒がクルトの恭順の意を確認にくるまでの8年間、メデューサによる襲撃をクルトに隠し通した。クルトにはガラティアを見捨てたと非難されたが、それを甘んじて受け、帰国を待っている。王として民の人気は高く、国を平和に治めている。
ダーレス
ルーン国のステファン王の側近。坊主頭に顎鬚をしている。クルト王子の教育係などの重責を担っている。クルトがすぐに城を抜け出して城下のワタンカ村に遊びに行ってしまうのが悩みのタネ。
ゲオルグ
北方のトカゲ型民族の国の暴れ者。3人兄弟でメデューサの配下に入るために、クルトの命を狙う。その弱点としてオリエたちが隠していたガラティアの石像を奪おうとしてアガナードからの一撃で倒された。だが、死に切れずにいたところメデューサの使徒ドルバロームに三つ首の妖魔として命を与えられる。 クルトを追う道すがら、クルトに倒された、食欲に取り憑かれた土ガニの魔物を喰らい一体化。クルトに追いつくが土ガニの食欲のためにまともに戦えず敗退した。それでもドルバロームに懇願して甦り、小さいオリエを人質にして襲いかかる。大地の剣で中から貫かれたが、長兄のドクロが守護像を奪って故郷のイシダリ王の国に逃げ帰った。 平和を好んでいたイシダリ王を襲って、その首とすげ替わり、周辺国に侵攻を始めた。北の地の王となって守護像を直接メデューサに献上するため。だがアスナスの守護像を捨てるようにという助言に従わなかったために計画が破綻し、ついにクルトに倒された。ただ、そのドクロからはメデューサからもらおうとしていた黒い血が流れ出していた。
ル・ルージュ
聖ザドスの口の神殿に使える巫子。神官をつとめる家系で、巨神ゴレムを操る笛を吹くことができる。聖ザドスはエルゾの守護を受けた地で、魔神を封じた封印石を守ってきた。ここでの善神はエルゾ。国の危機には封印石を巨神ゴレムに変えて防衛に当たらせる。伝説の妖術師オズに攫われ、全身を拘束着で、さらに額にも封印をされて、ゲオルグの命ずるままに巨神ゴレムを操ってしまった。 笛はアスナスに奪われ、さらにその手を離れたことで巨神ゴレムは暴走。オズの拘束が解けて後悔したル・ルージュは命を捧げようとする。
イリューズ
メデューサの使徒。仮面をした女妖魔で、正体は青い小さな魚。ポセイドンとネプチューンの兄弟喧嘩が原因で発生した嵐によって一族が滅び、復讐のために妖魔になった。クルトに化けて悪事を行うなどでクルトを苦しめた。アスナスに憧れていたらしい。メデューサ城にクルトが突入するまで生き延びた。
オーラ
メデューサの乳母。クルトが死の山の王ゼオに頼まれて右の牙を届ける相手だった。正体は大きな蜘蛛。自分の子蜘蛛のために人間を襲い、その罪から自分の子蜘蛛を人間の子供と見誤って殺す罰を受けた後、転生して乳母となった。メデューサの出生の秘密を知っており、口止めのためアスナスに殺される。 だが、その魂がクルトに虹の谷の景色と母なる人の姿、そしてピグマリオという言葉を伝えた。また、クルトに額の星を大切にするように言いつけた。
バッコス
アスナスが攫ってきた、当代随一の彫刻師。頭髪が薄い小太りの男。アスナスからガラティアの石像を掘るように命じられて、世界中の美女のエッセンスを持つ石像を次々と彫りあげたがアスナスには気に入られず全て破壊された。モデルが精霊だと聞かされ、精霊を見るために天界へと向かう。 虹の橋を岩山に彫りあげると、虹が本物と勘違いしてつながり、それを上って天界に侵入。天界を守るマルスたちの目を盗んでオリエと出合い、大量のスケッチを描き上げた。帰途についたがマルスの激しい追撃に聖殿に逃げ込み封印を解いてしまう。封印されていたのはメデューサに石化された人々の魂。ガラティアの魂は地上に降りてステファン王やクルトと短い再会を果たす。 自身はアスナス城に戻って渾身の一体を彫りあげた。アスナスが出来ばえに満足する表情に、自分の仕事への思いを新たにする。希望をなんでも叶えると言われたが、請け負った仕事を続けるために自宅に戻った。
エルザ
マリウスの妹。両親を失って兄妹だけで暮らしていたが、熱病で倒れて最後の望みとしてマリウスに神の山の果実をねだる。だが、マリウスの帰りを待たずに絶命。神の山の果実はメデューサのためのもので、マリウスの事情を知ったメデューサから黒い血を与えられて復活した。それから約10年。 メデューサの息子となったマリウスが騎士として上り詰め黒い血を飲んで凱旋する日をメデューサ城で待っている。人間として成長した姿になっているが、中身は妖魔である。変身するところをマリウスに見られて悩んだが、同様に妖魔化するためにマリウスも黒い血を飲むように勧めた。マリウスによって倒された彼女の屍は、10年前の姿のままだった。
エバ
小さなオリエの母。ちょっと太めの女豪傑。小さな籠に水晶と一緒に乗せられて川を流れてきた赤ん坊のオリエを拾い育ててきた。それまでは盗賊団のキャラバンだったが、オリエが星占いの力を発揮すると、星占いのキャラバンに変更。盗賊だったことはオリエには秘密にしていた。オリエを大きな国の妃にして幸せにするのが夢。 占いで莫大な報奨を得ている。オリエを飾りたてるのが大好き。オリエがクルトについていってからは再び盗賊団として活動している。メデューサ城に向かう道の呪いが解かれた後、オリエたちが宿泊していた宿を盗賊として襲撃して再会。メデューサ城への道が開かれたことを世に知らせるため、東に向かう。
オルレアン
周囲を壁に囲まれた王国の王子。カバのような顔だちをしている。王族であるというプライドだけが高く、クルトのことも見下していたが、魔物を倒す姿を見て自信を喪失。自らの存在の小ささに悩み、オリエに相談をして今からでも間に合うと諭される。王子として目覚めて、たまたま顔が似ていたこともあって、妖魔ガチャチャガが国に仕掛けていた罠を解くために大活躍。 さらに人が変わったように王子として働き始める。
グリフォス
グリーン・ノアの王。短髪の若い青年。隣国との争いに頭を痛めている。銀騎士マリウスが逗留していることを聞きつけ、病床に臥せっているところを召しだそうとしてメデューサに撃退される。そのメデューサの瞳に惹かれ、毎日のように通う。隣国から弟王子との婚儀を持ちかけられたが、事実上の人質なので悩む。 メデューサから伝染病を装うための塗り薬を提供され、そのお陰で婚儀の件はなくなった。その仕掛けが露顕して隣国との戦争が始まるが、マリウスの銀仮面をまとったメデューサの働きもあって大勝。その後、王位を弟に譲って城を出たメデューサの後を追う。王位を捨てたことを告げると、メデューサもともに生きたいと答えた。 だが、子供が欲しいと言ったことが引金になって、メデューサは正体を顕現。それでもグリフォスは、その姿を恐れることなく、戻るように叫んだが、これを拒んだメデューサによって石に変えられ、砕かれた。
ポセイドン、ネプチューン
双子の海神。顔をあわせては支配地をめぐってケンカをして海を荒らしてしまうが、反省してお詫びに大漁をもたらすことの繰り返しを続けていた。イリューズが化けたクルトに襲われ、途中からは兄弟を諫めようとした本物のクルトと戦う。海の魔物を封じた真珠で作られた真珠の塔を、怒りにまかせて暴れたクルトが破壊。 兄弟に封印されたクルトに代わってオリエが真珠を集めたことで、二人に興味を持ち始めた。イリューズが、兄弟喧嘩の余波で滅んだ一族の生き残りだと知って、兄弟はひどく後悔する。クルトの提案で、暖流と寒流に分かれて統治することを決めた。
アブアブ・アズナブール
虹の谷の主。クルトよりも大きな、甲羅が真珠色の蟹。「精霊の谷」と「妖魔の谷」を隔てる洞窟で暮らしている。クルトにメデューサの子であることを明かし、メデューサ城の場所を知らせた。虹の谷の崩壊に身を任せた。
キメラ三姉弟 (さんきょうだい)
長女キメラ、長兄ネイアス、末弟ギャルガの3人。メデューサ城に至る水晶の原を守っている。長女キメラは末弟のギャルガを女としても愛しているという。ギャルガは天空の城を居城とし、配下のザコンの呪術で迷いの霧を発生させ、多くの人間を西に向かわせなくしていた。 不死身と豪語し、クルトを瀕死に追いこんだ。正体は巨大な甲虫で、天空の城そのものに姿を変えていた。守護像に貫かれ、ピグマリオとして覚醒したクルトに倒された。ネイアスは城をメデューサに滅ぼされ、姉キメラが育てていた魔物ザムザを使ってクルトを襲撃。小さなオリエの水晶の剣に貫かれたが、サソリの正体を現しオリエを毒針で刺して倒れた。 長女キメラの城は、5万の兵士に守られた堅固な砦であり、兵士はいずれも女性で、キメラの印で黄金の獅子に変身する。ネイアスから聞かされたオリエの解毒剤を求めて正面から乗り込んできたクルトに、自ら立ち向かうことを決意。巨大な人面獣身の正体を現す。 守護像が黄金兵として城を攻め始め、ついにクルトに倒された。ただオリエの解毒剤だとネイアスが言っていたものは黒い血のことだった。キメラはクルトに倒されたとき、まだ復活できたが、弟ギャルガのいない世界に未練はないと死を選んだという。3姉弟いずれも、倒された直後にメッセージを遺した。
リシェンヌ
人間になって行き倒れたアスナスを助けた女性。病床のアスナスのために鉱山で働き、鉱毒に冒されてしまう。病が癒えて今度は自分を看病するようになったアスナスに、ベッドで苦しみながらも笑顔を見せていた。妖力を取り戻したアスナスによって鉱毒を中和されて健康になり、自ら望んでアスナスについていくことにした。 アスナス城での下働きにやりがいを感じている。
場所
金色の鷹
『ピグマリオ』の登場する鳥。クルトがルーン国でメデューサを討つことを決意した8歳の誕生式で、最初のメデューサの使徒が倒された後に現れた。当初はメデューサ城のある西を目指して飛んでいたが、守護像が奪われたときは北に向かうなど、クルトの目指すべき場所を示す。すべての戦いが終わった後に、ユリアナのものだと明かされた。
ルーン
『ピグマリオ』の登場地名。クルトの故郷。ステファン王が治める平和な国で、王城は山にある。城下町にあたるのがワタンカ村。メデューサに石像にされた村人たちは、岩山の中に封印されている。現在の村人は各地から集められた入植者。クルト王子に真実を伝えないように言い含められていた。
その他キーワード
守護像 (しゅごぞう)
ガラティアがステファンに嫁ぐとき、アガナードに遺した黄金の像。金の中に溶かしこんでも元の姿に戻る。クルトに託された。持ち主を守る、天・地・人の三つの力が秘められている。まばゆいばかりの浄化の光を発する、星が守護像の形になって弾丸のように降り注ぐ、無数の黄金兵となって戦うことの三つ。 精霊たちが力を失うエルゾの領域では爆発的な力を発揮する。
大地の剣 (だいちのつるぎ)
大地の女神ユリアナの剣。火の神ペレの作。ユリアナの巨体に見合った大きさで、優に数十メートルはあるため、普通に扱える人間は存在しない。ガラティアの子ということでクルトに譲られた。いつもは小さく、軽くなっているが、善神アガナードと大地の女神ユリアナの名においてクルトが命じることで、元の巨大な剣や、手頃な戦いの剣に変化する。 一度メデューサに斬りかかって折られたが、火の神ペレの手で打ち直された。最後のメデューサとの戦いではピグマリオの剣となった。
創世王 (そうせいおう)
『ピグマリオ』の用語。神々の間で伝えられてきた伝説の王。世界が始まって不安定で荒れ狂う大自然の管理者が神々だった。時を経て自然が安定した頃に生まれるのが、次代を統べる創世王。創世王を生み出す母なる人は、神々と同時に生まれた虹の谷で暮らしていた。創世王の誕生は神々の世界の終わりを意味するため、宇宙を闇に沈め我が物にしようとするエルゾは、これを阻止するために虹の谷を襲撃した。 母なる人は分裂したがガラティアに子が生まれ、創世王として覚醒。新たな次代が始まる。