概要・あらすじ
放浪の戦士ゼノは、ある日、数人の刺客によって追い詰められていた瀕死の男に加勢。刺客を追い払ったゼノは、男から謎の古ぼけた剣を託され、剣を処分して欲しいと懇願される。男の最期を見取ったゼノは、約束を果たすため鍛冶屋に出向く。しかし、未知の素材で作られた剣を破壊することはできなかった。その刹那、先ほどの刺客が仲間を引き連れて鍛冶屋を強襲。
ゼノと刺客たちは謎の剣を巡り、命を賭けて切り結ぶことになるのだった。
登場人物・キャラクター
ゼノ
各地を放浪している鋭い目をした長身の男性。赤いマントを羽織り、肩には聖獣といわれる白いガムルを乗せた無頼の戦士。その圧倒的な剣の腕と獣のように苛烈な戦い方から「赤い野獣のゼノ」と呼ばれ、ほかの剣士や暗殺者などから恐れられている。「死んだ男との約束は守る」という強い信念の持ち主。5年前にホークによって殺害された友人バロが死に際に残した「生きろ」という言葉を守り、仇を討つためにホークを探して旅を続けていた。 その信念はどんな状況にも揺らぐことはない。刺客から狙われていた男を助けた際に彼から託され、破壊を懇願されたファラムーンの剣も、約束を守って律儀に破壊しようとした。川で水を飲んでいたシーナの目の前で小便をしても、一向に悪びれなかったり、偶然討ち取った賞金首の報奨金には目もくれないなど、常識にとらわれない、奔放な自由人としての生き方を実践していく。
シーナ
鍛冶屋の娘。川で洗濯をしていた際に、目の前で小便をしていたゼノと出会う。その後、ファラムーンの剣を破壊するために鍛冶屋に寄ったゼノと再会する。ゼノのことは無神経で粗野な男として嫌い、悪態をついていた。ファラムーンの剣を狙った刺客たちの襲撃で、家と父さんを一度に失い、やむなくゼノとともに別の大陸へと逃れようとする。 ゼノには度々悪態をつくが、本当は心優しく、おしとやかな少女。旅のさなかで、無軌道でぶっきらぼうなゼノの振る舞いに隠された、彼の純粋さと正直な性格に、徐々に惹かれていく。ゼノが連れていた白いガムルを気に入り、彼女をアンと名付けた。
ホーク
剣士の男性。多くの配下を操り、ファラムーンの剣を手中に収めようとしていたが、その剣がゼノの手に渡ったため、計画が頓挫。自らゼノのもとに出向いて、ファラムーンの剣を奪おうとする。剣術の技量はゼノに匹敵するほどで、さらに強力な魔法も使いこなす魔法剣士でもある。非情な性格をしており、例え部下であっても、失敗した者には一切容赦しない。 実は5年前にバロを打ち負かし、ゼノを魔物の森へと突き落とした張本人。恋人のシュラは仕事上のパートナーで、互いに強固な絆で結ばれている。
シュラ
ホークの恋人。妖艶な雰囲気を漂わせる魔術師の女性。非常に高度な魔法を扱うことができ、本物かと見間違うあらゆる幻覚を攻撃対象に見せ、精神的に苦しめることができる。何かと激昂しやすいホークを諫める役割も担っていた。
バロ
ゼノの友人の男性。高い技量を持った剣士だった。5年前にホークとの戦いに敗れ、さらに魔物の森に落とされたゼノをかばって命を落とした。死に際に「生きろ」との言葉を残し、ゼノが「死んだ男との約束を守る」という信念を持つきっかけを作った。
父さん (とうさん)
シーナの父親。鍛冶屋の男性。ゼノが持ち込んだファラムーンの剣を破壊するために手を尽くすが、秘術を尽くしても、目的を果たすことはできなかった。シーナとは血縁関係はないが、実の娘のように可愛がっていたため、彼女からも慕われていた。ファラムーンの剣を奪いに来た刺客の襲撃により、命を落とす。
アン
「ガルム」と呼ばれる生き物の子供。ゼノが連れていた。性別はメス。人間並に賢く、長い首と翼を特徴とし、口から高熱の炎を吐き出すこともできる強靭さを誇る。特に名前はなかったが、彼女のことを気に入ったシーナによって、「アン」と名付けられた。
その他キーワード
ファラムーンの剣 (ふぁらむーんのけん)
謎の剣。伝説の魔人ファラムーンが残したと伝えられる「ファラムーンの財宝」を、手に入れるためのカギとされている。未知の素材で作られており、ゼノが処分を試みてハンマーで叩いた際も、傷ひとつつかなかった。