あらすじ
第1巻
女子高校生の森谷美鈴は、小学生の時に周囲の時間を3分間だけ止められる能力を身につけた。人付き合いの苦手な美鈴は、それ以来都合が悪くなると時間を止めてその場から逃げ出すことを繰り返し、気がついた頃には友達をつくれなくなっていた。そんな美鈴の楽しみは、学校で時間を止めているあいだに行う人間観察。誰にも知られることなく、他人を覗き見るのは刺激的だった。ある日、美鈴はいつものように時間を止めているあいだに、美人で明るく、クラスの中心人物である村上遥のスカートをまくってパンツを見ていた。しかし、周囲の時間が止まっている中、遥の時間だけは止まっておらず、美鈴が時間を止められることを遥に知られてしまう。みんなにこの秘密をバラされると焦る美鈴は、なんでも言うことを聞くから内緒にしてほしいと遥にお願いするのだった。(第1話「時間が止められたらあなたなら何をしますか?」。ほか、8エピソード収録)
第2巻
森谷美鈴は、村上遥に時間を止められることを知られてしまったものの、それがきっかけであこがれの遥と秘密を共有し、付き合う関係が続いていた。しかしある日、止められる時間がこれまでより少し短くなっていることに気づき、自分の部屋で正確に測ってみると2分48秒で、12秒短くなっていた。翌日、寝不足のために保健室のベッドで横になっていた美鈴のもとへ遥がやって来て、美鈴を誘惑する。美鈴は大いに動揺し、止められる時間が短くなっていることを遥に伝えるチャンスを失ってしまう。(第9話「したがってるようなことしてあげるよ」。ほか、8エピソード収録)
登場人物・キャラクター
森谷 美鈴 (もりたに みすず)
共学の高校に通う2年生の女子。小学生の時、一日に一度、3分間だけ周囲の時間を止められる能力を身につけた。人付き合いが苦手なことから、誰にもかかわりたくないと考え、都合が悪くなると時間を止めて逃げ出すという行為を繰り返している。そのために友達をつくることができず、教室ではいつも一人で本を読んでいる。人付き合いは苦手なものの人間観察には興味があり、学校では時間を止めてクラスメートたちを観察している。森谷美鈴の時間を停止させる能力が唯一きかない村上遥と親しくなり、あこがれの存在でもある遥に強く惹かれていく。
村上 遥 (むらかみ はるか)
共学の高校に通う2年生の女子で、森谷美鈴のクラスメート。クラスの中心的な存在で、美少女ながら学年2位と成績も優秀。美鈴の時間停止がきかない唯一の人物で、時間が止まっていると思い込んでいた美鈴からスカートをまくられてパンツを見られていることに気づく。優等生を演じているが、美鈴が時間を止めている3分間のあいだに大胆な行動を取ることもある。美鈴が時間を止められるという秘密を共有し、親密な関係を築いていく。
小林 (こばやし)
共学の高校に通う2年生の女子で、森谷美鈴のクラスメート。ショートカットで眼鏡を掛けた地味な見た目をしている。所属する卓球部の部員不足を解消するため、美鈴に入部をお願いする。美鈴にとっては唯一自分の気持ちを正直に話せる存在で、徐々に親しくなっていく。将来は漫画家になることを目指している。