概要・あらすじ
瀬川るりは第一志望に落ちてしまい、滑り止めで受かった高校にはあまり期待していなかった。新学期早々に知り合った小津奈槻の強い勧めで美術部に入部したるりは、池住颯太や三島天志(テンちゃん)とも親しくなり、この学校に入って本当に良かったと満足する日々を送っていた。優しくて包容力のあるテンちゃんにいつしか惹かれていくるりと、彼女を暖かく見守る颯太。
それぞれの男女の想いが交錯する。
登場人物・キャラクター
瀬川 るり (せがわ るり)
料理が得意な高校1年生の女子。仕事が忙しく家事オンチな母親の代わりに一家の主婦がわりをしている。絵を描くのが好きなのだが、有名イラストレーターである母の娘であるということがプレッシャーとなり、描けなくなる。小津奈槻の強力な押しで美術部に入部する。三島天志のことが好き。
池住 颯太 (いけずみ そうた)
瀬川るりのクラスメイトの少年で、美術部に所属。シャイで無口だが、純朴で一途なところがある。笑うとえくぼができる。るりのことが好きで、彼女が三島天志に切ない片思いをしているのを見守り続ける。小津奈槻とは幼なじみ。好きな食べ物は卵焼きで、偏食が激しい。
小津 奈槻 (おづ なつき)
瀬川るりのクラスメイトの少年で、髪をオレンジ色に染めている。留年しているので2度目の1年生。美術部に所属しており絵画の才能はあるものの、個性的過ぎて、観る者の評価が賛否両論に分かれる。お金持ちの息子だが、父親に反発して家を飛び出し、一人暮らしをしている。
三島 天志 (みしま たかし)
美術部の部長を務める高校3年生の男子。気さくで優しく、面倒見の良い性格。多葉田要子と付き合っていたのだが、東京の美術大学を受験するという目標を反対され、関係がぎくしゃくしている。誰にでも優しいので八方美人だと誤解される。
多葉田 要子 (たばた かなこ)
美術部の副部長を務める高校3年生の女子。三島天志と付き合っていたが、彼が東京の美術大学へ進学したいという夢を応援することができないことからケンカが増え、ぎくしゃくした関係になっている。美人だが、たまに突拍子もない行動を取る。
瀬川 梓弓 (せがわ あずみ)
瀬川るりの母で、プロのイラストレーター。テレビに主演することもある、ちょっとした有名人。家事が苦手で、一切をるりに頼っている。派手な外見の小津奈槻とるりが友達付き合いしているのを心配している。
瀬川 俊彦 (せがわ としひこ)
瀬川るりの弟で野球をやっており、ちょっぴり生意気で口が達者な小学生。姉のことを呼び捨てにしたり、所帯くさいと悪口を言ったりするが、るりが落ち込んでいたり元気がない時は心配してくれる。
藤野 小毬 (ふじの こまり)
小津奈槻の住むマンションの隣に住んでいる中学1年生の女子。お嬢さまの多い私立の中学校に通っているが、ちょっぴり周りから浮いている。瀬川るりに憧れていて、るりの通う翠ヶ丘高校の自由な校風が気に入っている。