ヴァニタスの手記

19世紀のパリを主な舞台として、吸血鬼に呪いを振りまくというヴァニタスの書を巡る物語を描いたスチームパンク・ダークファンタジー。「ガンガンJOKER」2016年1月号から連載。

正式名称
ヴァニタスの手記
作者
ジャンル
ファンタジー
レーベル
ガンガンコミックスJOKER(スクウェア・エニックス)
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あらすじ

第1巻

人間に混じって吸血鬼達が生きる、19世紀のフランス。吸血鬼の青年、ノエは、田舎を離れパリへ向かっていた。ノエの目的は、先生からの手紙に書かれていた、伝説の魔導書(グリモワール)「ヴァニタスの書」を見つける事だった。ノエはパリへ向かう飛空船の中で、吸血鬼の女性、アメリアと知り合う。しかし、呪い持ちだった彼女は呪いを発現してしまう。暴走して周囲の人を襲うアメリアを止めようとするノエの前に、ヴァニタスを名乗る謎の青年が現れる。「吸血鬼の専門医」を名乗るヴァニタスの手元には、ノエが探し求めていたヴァニタスの書があった。

第2巻

謎多き青年、ヴァニタスと世間知らずの吸血鬼、ノエは、互いに翻弄し合い、ぶつかり合いながらも、二人で旅を続けていた。パリに滞在しているノエはオルロック伯爵の屋敷で、幼ななじみのドミニクに再会する。その頃、異界では吸血鬼の仮面舞踏会が開催され、ヴァニタスはノエとドミニクと共に異界に渡り、半ば無理やり舞踏会に参加する事となる。吸血鬼達の陰謀が渦巻く舞踏会の途中、ヴァニタス達とはぐれたノエは、ルカと再会する。

第3巻

吸血鬼の仮面舞踏会での騒動のあと、ヴァニタスノエルカ達と共に、異界のカフェにて束の間の休息を楽しんでいた。そしてヴァニタスとノエはルスヴン卿の執務室を尋ね、呪い持ちに関する情報を得ようとする。呪い持ちの吸血鬼が出る原因は、吸血鬼達の女王にあると考えるヴァニタスは、女王への謁見をルスヴン卿に求める。ルスヴン卿の怒りに触れたヴァニタスはそのまま異界から追放されるが、オルロック伯爵のもとには、新たな呪い持ちに関する事件の情報が舞い込んでいた。

第4巻

吸血鬼の連続誘拐事件を追って、狩人の住処、ノートルダム大聖堂に潜入したヴァニタスノエは、狩人の青年、ローランと出会う。地下迷宮ではヴァニタスの過去を知る狂科学者のモローが、新たな実験を企てていた。ノエの説得によってローランと和解したヴァニタス達は、ローランと共にモローの実験室に向かう。しかしそこには、すでに呪いを発症した呪い持ちの吸血鬼が封じられていた。ヴァニタス達はローランと協力し、暴食の化物と化した呪い持ちを止めようとする。

登場人物・キャラクター

ヴァニタス

本名や経歴などが一切不明で、謎の多い青年。年齢は18歳。所持している「ヴァニタスの書」の力を使いこなし、呪い持ちとなった吸血鬼を治療することが可能で、「吸血鬼の専門医」を自称している。パリへ向かう飛空船でノエと出会い、行動をともにするようになる。

ノエ

「ヴァニタスの書」を探してパリにやって来た、吸血鬼の青年。年齢は19歳。パリへ向かう飛空船でヴァニタスと出会い、行動をともにするようになる。森の奥にある村で幼少期を過ごし、田舎暮らしが長かったため、パリのような都会が珍しく、世間知らずな面がある。「ムル」という白い猫を飼っている。

アメリア

ノエが飛空船で出会った吸血鬼。猫好きの穏やかな性格の女性。実は呪い持ちで、ヴァニタスの診察を受けるためにパリに向かっていた。飛空船内で呪いを発症し暴走するが、ヴァニタスに治療されて正気を取り戻す。

オルロック伯爵

パリに住む吸血鬼の男性。人間の世界に混じる吸血鬼達を監視し、人間側との均衡を保つ役割を持っている。頭の大きな傷跡を始め、体のあちこちに傷跡がある。

ルカ

パリの工場地帯でヴァニタスたちが出会った吸血鬼の少年。護衛であるジャンヌと行動をともにしている。ジャンヌを家族のように大切に想っており、彼女をたぶらかすヴァニタスを快く思っていない。呪い持ちの兄のために、「ヴァニタスの書」を求めている。

ジャンヌ

ルカのシュバリエとして忠誠を誓う吸血鬼の女性。ルカの護衛になる前は、裏切り者の吸血鬼を処刑する処刑人として、多くの吸血鬼たちを1人で滅ぼしてきた過去を持つ。高い戦闘力を持ち、大きな紅いガントレット「カルペディエム」を武器に戦う姿から、「業火の魔女」の異名を持つ。

ドミニク

ノエの幼なじみ。吸血鬼の女性。年齢は20歳。田舎者で世間知らずのノエを心配し、彼を追ってパリにやって来た。得体の知れない人間であるヴァニタスと行動をともにしているノエのことを気にかけており、2人を引き離そうとする。

ルイ

ノエの初めての友人。ドミニクの兄。故人。物知りで大人っぽい性格の少年だった。生まれつき呪い持ちの吸血鬼で、幼い頃より祖父である先生の城で暮らしている。呪い持ちであるため、妹のドミニク以外の家族からは死人扱いされている。呪いを発症し、先生に首を刎ねられて命を落とした。

ダンテ

吸血鬼と人間の混血児である「ダムピール」の青年。年齢は18歳。主な依頼主であるヴァニタスを「ヤブ」と呼んでいる。情報屋だが、金次第であらゆる依頼をこなし、なんでも屋に近い仕事をしている。パリで起こるさまざまな事件の情報を、ヴァニタスたちに高値で提供している。

先生

ノエの恩師である吸血鬼の男性。ドミニクや、ルイの祖父でもある。競売にかけられていた幼いノエを買い取り、弟子のように育ててきた。ノエを「モンシャトン(私の可愛い子猫)」と呼んでいる。弟子のノエに手紙を送り、「ヴァニタスの書」を見つけて、その正体を見極めることを命じる。

ルスヴン卿

ルカの叔父。穏健派の吸血鬼。吸血鬼たちの女王の側近を務める元老院の1人。吸血鬼と人間の戦争を終結に導いた和平の立役者として、現在でも英雄と称える者が多い。黒い炎を操ることができる。呪い持ちに関する研究をしている。

ベロニカ

ドミニクの姉の吸血鬼。「女王の牙」の異名を持つ。気性の荒い性格で、人間と男性を激しく嫌っている。吸血鬼たちの仮面舞踏会に紛れこんだヴァニタスを抹殺しようとする。氷や冷気を操ることができる。

ローラン

狩人の青年。パリの地下納骨堂にて、ヴァニタスたちが遭遇した。狩人を束ねる隊長である「パラディン」の1人。ヴァニタスとともにいたノエを抹殺しようと命を狙う。「デュランダル」という大きな槍に似た武器で戦う。

リーチェ

吸血鬼と人間の混血「ダムピール」で、ダンテやヨハンと共に、情報屋をしている女性。事件などの情報だけでなく地下納骨堂などの知識に富んだ博学な人物。

ヨハン

吸血鬼と人間の混血「ダムピール」の青年で、ダンテやリーチェと共に、情報屋をしている。オネエ口調で話すオカマ。リーチェに対しては少々過保護気味に接している。

女王

吸血鬼達の女王。かつては吸血鬼達をまとめていたが、謎の病にかかって以来、異界の城に篭ったまま姿を現さなくなっている。オルロック伯爵などの領主を通して、人間側との均衡を保とうとしている。

モロー

ヴァニタスの過去を知る謎の科学者の男性。かつては高名な生理学者だったが、スキャンダルによって危険視され学会を追放されたのち、フランスに渡る。狩人の教会に居た頃の少年時代のヴァニタスに目をつけ、彼を実験台にしていた過去を持つ。数々の危険な実験を重ね、人工で吸血鬼を作り出そうとしている。

集団・組織

狩人

教会の戦闘集団。吸血鬼を「神が創った世界の理を捻じ曲げる異端者」として、排除しようとしている。神に熱い信仰心を抱く信徒で編成されており、吸血鬼との戦闘時は、特殊な薬で身体能力を上昇させて戦う。パリで起こる吸血鬼失踪事件に関与している。

場所

異界

吸血鬼だけが住まう異世界の総称。世界各地にある境界を渡る事で行けるようになっているが、境界を渡れるのは基本的に吸血鬼のみとなっている。ただし、普通の人間でも吸血鬼の手に触れていれば、境界を渡り異界に辿り着く事ができる。

地下納骨堂

パリの地下にある巨大な納骨堂で、「カタコンブ・ド・パリ」とも呼ばれる。かつての採石場を利用して作られた。約20万人もの遺骨が納められており、「死の帝国」と呼ばれる事もある。観光地化されており、地下迷宮のようになっている。

その他キーワード

ヴァニタスの書

ヴァニタスが持つ、特殊な能力を持った魔導書。葵月の吸血鬼が、紅月の吸血鬼たちに復讐するために作ったとされている。黒いページを持つ機械仕掛けの本になっており、所有者であるヴァニタス以外は開くこともできない。呪い持ちとなった吸血鬼を治療する能力を持つ。

星碧石

混沌によって各地に生まれた、新しい鉱物の総称。機械や飛空船などのエネルギー源など、さまざまな場面で活用されている。その万能さから「万能石」と呼ばれる事もある。「世界式」と呼ばれる式を書き換える事で、性質を変化させる事もできる。

吸血鬼

混沌によって世界に生まれた異種族の総称。「ヴァンピール」とも呼ばれている。口に牙と、紅い目を持っているのが特徴。「世界式」と呼ばれる式を書き換える(干渉する)事で、氷や炎をあやつるなど、人間にはない能... 関連ページ:吸血鬼

葵月の吸血鬼

葵い月の夜に生まれた吸血鬼。古くから不吉の象徴とされており、紅い月の夜に生まれた紅月の吸血鬼たちから迫害されてきた。このため、紅月の吸血鬼には強い恨みを持っており、「ヴァニタスの書」を作って呪いを振りまこうとする。

呪い持ち

何者かに命同然の真名を奪われ、汚された吸血鬼。吸血鬼の間では治療法が見つかっておらず、特殊な薬で症状を抑えることしかできない。呪いを発症すると、普段は抑えることができる吸血衝動が起こり、我を忘れたように、周囲の人間や吸血鬼を襲うようになる。

真名

吸血鬼が持つ真の名前。吸血鬼の存在を形作る構成式とされる。すべての吸血鬼にとって命そのものといえる名前で、これを他人に奪われて歪められてしまうと、呪い持ちとなってしまう。「ヴァニタスの書」はこの真名に干渉し、呪いを排除して正常な状態に戻すことができる。

処刑人

裏切って人間側についた吸血鬼を処刑する、同族殺しの吸血鬼。人間と吸血鬼が戦争していた時代の、ジャンヌの肩書きでもある。また呪い持ちとなった吸血鬼の首を刎ねて、処刑する役割も担っている。ジャンヌをはじめ、皆が高い戦闘力を持っている。

境界

混沌によって世界各地に発生した、現実の世界と異界をつなぐ、空間の歪み。パリのあちこちにも存在するが、吸血鬼以外は簡単に入れないようになっている。

混沌

過去に起きた実験事故による事件や、数々の天変地異の総称。この事件により世界に吸血鬼が生まれ、世界各地に境界と呼ばれる空間の歪みが発生した。また「星碧石」と呼ばれる新しい鉱物なども生まれており、世界の理を書き換えるほどの大きな出来事であったとされる。

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