ブレイクショット

弱小ビリヤード部に所属する高校生の織田信介が、伝説とされたダグラスショットを駆使して、並み居るビリヤードの猛者を打ち倒しながら成長し、日本ビリヤード界の頂点を目指す過程を描いたスポーツ漫画。「週刊少年マガジン」誌上で1987年21号から1999年28号まで不定期に掲載された。

概要・あらすじ

部員が自分一人しかいない弱小ビリヤード部に所属していた高校生の織田信介は、乏しい部費のアップを生徒会長である早川麻子に懇願。実績がないことと部員が少ないことを理由に依頼を断られた信介は、他の部活の部長を立会人として、沢渡零とのビリヤード勝負をセッティング。零には全日本学生ポケットビリヤード大会での優勝経験があった。

この勝負に勝ち、自分の力を麻子に見せつけることによって予算の確保を狙うのだった。零との勝負に挑んだ信介は、その秘められた実力をいかんなく発揮し、プレッシャーを跳ね除けてワンショットで零を撃破。部費のアップと新入部員の麻子を加えることに成功した信介は、持ち前の度胸と創意工夫を駆使した技の数々をもって、ビリヤード界のトップに続く階段を駆け上がっていく。

登場人物・キャラクター

織田 信介

清城高校に通う男子高校生で、校内で唯一のビリヤード部員。17歳。荒削りだが抜群のビリヤードのセンスを持ち、柔軟な発想から生み出される多彩な技を誇る優れたプレイヤーでもある。ボールを浮かすジャンプショットを得意としており、手球と的球が難しい配置にあっても的確な判断を下し、ボールをポケットできる特異な能力の持ち主。部費の配分すらままならない状態で細々と部活動にいそしんでいたが、元学生日本一のプレイヤーである沢渡零とのビリヤード対決に勝利。 生徒会長の早川麻子を部員に加えて部を公認させることに成功してからは、都内のビリヤード大会をはじめとする各地のナインボールの大会に積極的に出場。いずれの大会でも破竹の勢いで上位に進出し、ずば抜けた才能を多くの人々に見せ付けることになる。 のちに米海軍の伝説的なハスラーであったダグラス・モードが開発した特殊な「ダグラスキュー」を使い、高度な技術を駆使したジャンプショットの一種であるダグラスショットを現代に蘇らせ、大会で披露。伝説化していたテクニカルなスーパーショットで並み居る凄腕のプレイヤーたちを打ち倒していく。 ビリヤードに対する情熱と探究心は人一倍だが、ひとたびビリヤードを離れればごく普通の高校生。美人女性プレイヤーの佐伯陽子から電話を受けた時は、年頃の少年らしくデレデレしていた。

早川 麻子

清城高校の生徒会長を務める女子高生。美人で気さくなうえ、気配りもできる性格なため、周囲の男子からは高嶺の花として憧れの的になっている。部費の配分の件で、織田信介が所属するビリヤード部をたずねたことがきっかけとなり、ビリヤード部に入部することになった。入部後は信介とともに各地のビリヤード大会に出向き、試合で活躍する信介を陰からサポートする。 マネージャーではなく、あくまで一般部員だが、技量の問題で試合には出場していないため、周囲の人間からはマネージャーと勘違いされることが多かった。信介のビリヤードに懸ける情熱に感嘆し、彼を応援し続けている。信介のことを異性として意識しているそぶりを見せることもある。夏休みは家族そろってハワイで過ごすなど、お金持ちのお嬢様。

加納 涼二

東都高校に通う男子高校生。眼鏡をかけ、知的で落ち着いた雰囲気を持つ。高校生ながら、全国で5本の指に入るほどの実力を備えるトップクラスのビリヤードプレイヤー。機械のように正確で、細身な体型には似つかわしくないパワフルなショットを得意とする。ほとんどのセットをスリーショットで決めることから、「スリーショットの加納」という異名も持っている。 はじめて対戦する相手の実力を測るため、試合前の手合わせを所望することがある。大会に参加した織田信介とも練習試合をしていたが、その時は利き腕とは反対の右腕でボールを突いて実力を隠していた。利き腕から繰り出される強烈な「ショットガンショット」は、硬質プラスチックの手球をバラバラに打ち砕くほどの威力を誇る。 練習ではあえて重量のある鉄のキューを使用して、腕力を鍛えている。のちにその実力を買われ、ジョナサン・ムービルの会社が主催する日米高校ナインボールゲーム選手権の日本代表に選ばれた。

土門 巌

大企業・土門グループの取締役社長の男性。鉄道、船舶、建築など、あらゆる事業に携わる。全米で行われるビリヤード大会・アメリカンサーキットを制した経験のある唯一の日本人。その証となるゴールドキューを所持している世界でも有数の実力者である。賭け試合の最中に出会った織田信介に興味を持ち、信介との手合わせ中に手球を視界から消すスーパーショット「D(ドモン)・スペシャル」を披露して圧勝を納めていた。 普段は飄々としているが、ことビリヤードでの試合中には別人のように変貌し、計り知れないプレッシャーで対戦相手を圧倒する。自らを「勝負師」と認識しており、困難な目標に挑み続けることを生きがいとしている。そのためアメリカンサーキットを制したあとにビリヤードを止め、新たなる困難に挑むために実業家の道へと進んだ。 実業家として成功を収めたことで昔の血が騒ぎ、再び厳しい勝負を体験できるビリヤードの世界へと舞い戻った。

佐伯 陽子

女性ビリヤードプレイヤー。九州出身の20歳。通りを歩けば誰もが振り向くほどの美人。キュー尻に水晶の髑髏が付いたオリジナルのキューを扱う天才肌のプレイヤーで、手球から的球を連携させて最後に的球を落とすコンビネーションショットの達人でもある。貿易商だった祖父・佐伯大吾の死に関する疑惑を調べているうちに、伝説のハスラーであったダグラス・モードのことを知り、織田信介と土門巌の協力を得て、共にダグラスの秘密へと近づいていく。 全国大会では信介と決勝進出を賭けて対戦する。

日高 透

アマチュアのビリヤードプレイヤーの男性。眼鏡をかけた優男風の青年。不慮の事故で片腕を失うまでは、土門巌と並ぶほどの実力者と謳われていた日高守を父親に持つ。参加した関東大会では対戦相手がことごとく自滅したため、ラッキーのみで勝ち進んでいたと思われていた。実はそれらは父親仕込みの高度なテクニックを駆使したセフティプレイで、意図的に対戦相手のミスを誘ったものであった。

ジェフリー・ボイド

シカゴのハイスクールに通うアメリカ人の学生。日米高校ナインボールゲーム選手権のアメリカ代表。クールな性格だが、勝負事に対してはハングリーで貪欲。突いた手球が途中で消えるスーパーショット「ミラクルスルーショット」の使い手。元々は貧民街の出身で、妹を養うために賭けビリヤードで日銭を稼いでいた。賭け試合でのトラブルがもとで人差し指の自由を失っているが、それがミラクルスルーショットを繰り出せる秘密となっている。

加山 仁

佐和高校に通う男子高校生。都内で行われたビリヤード大会の初戦で織田信介と対戦した。右腕の筋肉が発達しており、強烈な回転をかけた軌道の美しいマッセを繰り出せる。

青野 実

男子高校生。都内で行われたビリヤード大会の2回戦で織田信介と対戦した。大人しい性格だが、ビリヤードのプレイ中は高い集中力を発揮し、引き球を正確にコントロールしていた。大会終了後にジョナサン・ムービルの会社が主催する日米高校ナインボールゲーム選手権の日本代表に選ばれる。

唐沢 勇

初音高校に通う男子高校生。都内で行われたビリヤード大会の3回戦で織田信介と対戦した。腕前には定評があるが、勝利のためには手段を選ばないずるがしこい性格。試合中もわざと大きな音をたてて伸介の集中力を乱すなど、何度かアンフェアな行為を働いていた。

大垣 強

吾妻高校に通う男子高校生。都内で行われたビリヤード大会の4回戦で織田信介と対戦した。恵まれた体格を活かしたマッセを駆使して、手球にすさまじい回転を加えてボールを弾き飛ばしていた。パワーを買われ、ジョナサン・ムービルの会社が主催する日米高校ナインボールゲーム選手権の日本代表に、信介らと共に選ばれた。

ロジャー・ムービル

アメリカンスクールに通う男子。都内で行われたビリヤード大会の準決勝で織田信介と対戦した。ジョナサン・ムービルの孫で、初対面の早川麻子に親愛の情であるとして、いきなりキスをするほどナンパな性格。本場仕込みのパワフルなビリヤードを得意としており、サービスエースを意図して狙えるほど強烈なブレイクショットを繰り出せる。

ジョナサン・ムービル

ロジャー・ムービルの祖父。ムービル石油会社の社長を務める恰幅のいい男性。ビリヤードに対する造詣が深く、都内の大会でロジャーを倒した信介に興味を持ち、自社が開催する日米高校ナインボールゲーム選手権に日本代表として彼らを招待する。世界中に大きな別荘を持つ資産家。

ニック・メイヤー

アメリカ人の男性でジェフリー・ボイドの親友。ビリヤードによる華麗な曲芸であるアーティスティック・ビリヤードの天才。ダグラシュショットに続く新しいショットを開発しようとしていた織田信介が、彼にアドバイスを求めていた。

巴 五郎

プロのビリヤードプレイヤーの男性。全国大会で織田信介と対戦した。実力は確かだったが、スランプに陥った際に酒におぼれて身を持ち崩し、ビリヤード界から姿を消していた。一人息子である巴太郎の支えで復活し、的確なプレイで信介の前に立ちはだかる。

巴 太郎

巴五郎の一人息子。明るく正義感の強い男の子で、いつも野球帽を目深にかぶっている。酒におぼれたうえに妻にも逃げられてしまった父親を、一人で支え続けた献身的な性格の持ち主。五郎のもとを去った母親を呼び戻すため、陰で努力を続けていた。

出島 哲郎

凄腕のビリヤードプレイヤーの男性。全国大会の準々決勝で織田哲郎が試合をした。周囲の人間に気づかれることなくナインボールをポケットする「ゴーストボール」を得意とする。

沢渡 零

ビリヤード店のオーナーの男性。元学生日本一のプレイヤーだが素行が悪く、不祥事を起こしたために連盟から追放された。部の実績を早川麻子に認めさせようとする織田信介との勝負に挑んだ際は、勝利の報酬に麻子を指定していた。

イベント・出来事

アメリカンサーキット

全米の各地で行われるビリヤード大会。アメリカ全土の50州と諸外国からプロ、アマチュアを問わずに代表を選出する。日本人でアメリカンサーキットを制したことがあるのは土門巌ただ一人。

その他キーワード

セフティプレイ

対戦相手が手球を突く時に不利になるように、手球や的球を意図的に任意の位置まで移動させる突き方。日高透は、持ち前の高度なテクニックを駆使して密かにセフティプレイを完成させ、対戦相手を自滅へと誘い込んでいた。

ダグラスショット

手球を大きく曲げて飛ばす伝説化したジャンプショットの一種。伝説のハスラーであるダグラス・モードが開発した。特殊な「ダグラスキュー」を回転させてパワーを増幅し、手球に大きな回転力を与えてジャンプさせることで、斜めに大きく軌道を変化させる。キューの回転中にキュー尻からサイドワインダー(ガラガラヘビ)の威嚇音に似た音が鳴ることから、「サイドワインダー」とも呼ばれていた。 のちに織田信介は手球と的球を同時に弾き飛ばす「ダグラス・へッデッド・スネーク」という応用技を会得する。

書誌情報

ブレイクショット 全16巻 講談社〈少年マガジンコミックス〉 完結

第1巻

(1987年11月発行、 978-4063112986)

第2巻

(1987年12月発行、 978-4063113044)

第3巻

(1988年2月発行、 978-4063113181)

第4巻

(1988年4月発行、 978-4063113372)

第5巻

(1988年6月発行、 978-4063113563)

第6巻

(1988年9月発行、 978-4063113792)

第7巻

(1988年11月発行、 978-4063114010)

第8巻

(1989年2月発行、 978-4063114218)

第9巻

(1989年5月発行、 978-4063114485)

第10巻

(1989年7月発行、 978-4063114676)

第11巻

(1989年9月1日発行、 978-4063114867)

第12巻

(1989年12月発行、 978-4063115123)

第13巻

(1990年3月発行、 978-4063115383)

第14巻

(1990年5月発行、 978-4063115611)

第15巻

(1990年7月発行、 978-4063115826)

第16巻

(1990年8月発行、 978-4063115949)

ブレイクショット 全8巻 講談社〈講談社漫画文庫〉 完結

第1巻

(2001年7月発行、 978-4063600261)

第2巻

(2001年7月発行、 978-4063600278)

第3巻

(2001年8月発行、 978-4063600285)

第4巻

(2001年8月発行、 978-4063600292)

第5巻

(2001年9月発行、 978-4063600308)

第6巻

(2001年9月発行、 978-4063600315)

第7巻

(2001年10月発行、 978-4063600322)

第8巻

(2001年10月発行、 978-4063600339)

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