概要・あらすじ
明るくて活発な新高校一年生荻野目夏は、ヒップホップに憧れてダンス部へ入部することに。しかし、そこはヒップホップではなく社交ダンスを踊る部活だった。初めは社交ダンスに対して戸惑っていたものの、先輩二宮和実と踊ったことがきっかけで社交ダンスに惹かれていった夏は、自分も挑戦してみようと心に決めるのだった。後日、男女でペアを組むことになり、無理やりダンス部に入れられたオタク少年・端場敬弘と一緒になった夏。
内向的な端場と足並みが合わず、何度も衝突する夏だったが、ペアで踊っていくうちに次第に彼と打ち解けていく。
登場人物・キャラクター
荻野目 夏 (おぎのめ なつ)
基本的に明るい性格だが、少し人見知りしてしまう女子高生。言葉が足りずせっかちなところが玉に瑕。明彗学院高等学校のダンス部が社交ダンスを専門としていると知らず、ヒップホップに憧れてダンス部へ入部してしまう。入部当日に副部長の二宮和実と一緒に踊ったことがきっかけで社交ダンスに興味を持ち始めて夢中になっていく。 性格が正反対の男子高校生端場敬弘とペアを組むことが決まった当初は、社交ダンスに対する価値観の違いから彼と何度も反発していた。しかし、一緒に踊っていくにつれて、段々と息が合うようになっていく。一時期、失敗することや恥をかくことを恐れて自身の心をふさぎ込んでいたが、端場やクラスメイトの谷渡ひかりの言葉に感化され、心境の変化が生じる。
端場 敬弘 (はば たかひろ)
オタクでネクラな性格の男子高校生。明彗学院高等学校へ入学した際、アニメ研究会へ入ろうと思っていた。しかし、同じ中学出身の村谷勇樹に勝手にダンス部への入部届を出されて受理されてしまう。最低3カ月間は部活動の退部が認められないという学校の規則に従って、渋々ダンス部に参加していたが、時間が経つにつれて社交ダンスの魅力にはまっていった。 3カ月を過ぎた後もダンス部に残ることを決める。ペアを組むことになった荻野目夏とは入部当初から反発し合うことが多かったが、夏がダンス部を辞めるかもしれないと感じたときは部内の誰よりも心配した。
掛井 涼 (かけい りょう)
宝塚歌劇が大好きで、少しでも近づきたいために社交ダンスを専門的に扱い活動しているダンス部に入った。同学年の柘百合子とペアになる。極力人に迷惑をかけたくないという思いから要領よく生きようとする生き方が身に付いた。高身長なうえにスッキリした顔立ちをしていることから学校内でも目立っており、密かに上級生からの人気もある。 昔、グレていた兄のことを嫌っており、彼とは仲が悪い。
柘百 合子 (つげ ゆりこ)
猫背を直すために社交ダンスを専門的に扱い活動しているダンス部に入った。同学年の掛井涼とペアになる。自身の体型や身長の高さにコンプレックスを抱いており、中学時代に茶化してきた当時のクラスメイト秦征夫のことをひどく憎んでいる。また、自分の顔にも自信がなかったため、ずっと前髪を伸ばして顔を隠していた。 しかし、荻野目夏やダンス部顧問の鬼田健吾に背中を押されて、出で立ちを大きく変える。
高岡 始 (たかおか はじめ)
社交ダンスを専門的に扱い活動しているダンス部の部長。副部長を務めているダンス部の創始者二宮和実のことが気になっている。彼女に誘われてダンス部に即加入した。理由は二宮が好きなものだったから興味を持ったため。荻野目夏ら新入部員がやってくるまでは二宮とふたりで活動していた。 そのため、部活開始当初から二宮とペアを組んでいる。初心者だったこともあり、ひとりで自主練をしていた時間が長い。二宮の好きなダンスしか踊れない。
二宮 和実 (にのみや かずみ)
社交ダンスを専門的に扱い活動しているダンス部の副部長。ダンス部を立ち上げた張本人でもある。部長を引き受けてくれた高岡始とペアを組んでいる。感情を表に出すことは滅多になく、つねに冷静さを保っているが、反面、遅刻や忘れ物が多かったりといいかげんな性格である。荻野目夏と柘百合子の個人練習に最後まで付き合ったり、後輩想いな一面もある。
鬼田 健吾 (きだ けんご)
1年B組の担任で、現代国語を担当している。社交ダンスを専門的に扱い活動しているダンス部の顧問も務めている。社交ダンスに関して無知なため、基本何も口出しをしない。柘百合子らが他校生ともめていた際には、たまたま居合わせて、その場を丸く収めようとした。また、体育祭で頑張ったダンス部員の荻野目夏たちに飲み物をおごったこともある。
斎島 かえ (さいじま かえ)
明彗学院高等学校に通っている。ブラスバンド部に所属。同じ中学校出身の荻野目夏と仲が良く、クラスが一緒になったと分かったときには抱き合って喜んだ。以降、部活動以外では夏と共に行動することが多い。夏の本質を十分に理解しており、夏から相談を受けた際は遠慮なしに彼女の欠点を物申した。
村谷 勇樹 (むらたに ゆうき)
勝手に端場敬弘の名前を書いた入部届をダンス部へ提出した張本人。端場と同じ中学校出身で、当時から彼のことをいじめている。端場の様子を見るためにダンス部を訪れた際は、部のメンバーと息を合わせて踊っている端場の姿に対して面白くないと感じ、その場を立ち去った。歯向かうようになった端場に対して苛立っている。
宇塚 京介 (うづか きょうすけ)
世界大会に出場した経験があるプロダンサー。明彗学院高等学校の卒業生。同校にあるダンス部を作った二宮和実にダンスを教えた。明彗高校の近くで用事があった際に、ダンス部を訪れ、荻野目夏たちダンス部メンバーの踊りを見る。普段はダンススクールの先生として奥様方に踊りを教えたり、出張で踊りに行ったりしている。
早川 (はやかわ)
明彗学院高等学校に通っており、アニメ研究会に所属している。同じ中学校出身の端場敬弘と仲が良い。中学時代、端場が目の前で村谷勇樹にいじめられていたのにもかかわらず、黙って見ていた自分に対してずっと罪悪感があった。端場が所属するダンス部が文化祭で衣装が必要になったとき、服飾科のある高校に通う幼馴染米原美也を紹介する。
米原 美也 (よねはら みや)
服飾科のある高校に通う女子高生。髪の毛をピンクに染めたうえに、銀色のカラーコンタクトを入れているためパッと見派手な外見をしている。場に馴染むのが苦手で、気分屋な一面もある。明彗学院高等学校に通う幼馴染早川から、明彗高校ダンス部員の衣装作りを頼まれて承諾する。
谷渡 ひかり (やわた ひかり)
明彗学院高等学校に通う女子高生で荻野目夏のクラスメイト。生徒会に所属している。誰に対しても気さくで親しみやすい性格であり、話したことのない相手に対してもいきなりニックネームをつけて声を掛ける。体育祭の入場曲を何にしようか考えていたとき、音楽に詳しそうな夏に意見を求めた。
集団・組織
明彗学院高等学校 (めいすいがくいんこうとうがっこう)
『BUTTER!!!』に登場する学校名。活発な女子荻野目夏やネクラ男子端場敬弘らが通っている本作の舞台。制服は男女ともにグレーのブレザーを着用している。特に部活動に力を入れている学校であり、部活動も成績評価対象となっている。また、最低1学期の在籍がなければ退部は認められないという特別な規則がある。部長を務めている生徒は、部活動への在籍義務の期限が近づいた際、必ず部員たちに続けるかどうかの確認をとらなければならない。