ブンの青シュン!

ブンの青シュン!

病で早逝した父・文太の遺志をつぎ、野球へ打ち込む少年・ブンこと文部瞬。ブンはライバル達に出会い、競い合いながらひたむきに野球へ青春をかけるが、その明るさの陰には父譲りの持病が影を落としていた。実在の野球選手で、連載時期と前後して引退した、王貞治が重要人物として登場する。

正式名称
ブンの青シュン!
ふりがな
ぶんのせいしゅん
作者
ジャンル
ラブコメ
 
野球
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概要・あらすじ

文部文太と息子のブンは、毎日トレーニングに精を出す野球好き親子。だが己の死期を悟った文太は、王貞治に勝負を挑み、三球三振に取るもその場で絶命する。亡き父の遺志をついで特訓を続けるブンは、天才的中学生スラッガー・氷河勝にライバルと見込まれ、肩の故障に苦しみながらも氷河との練習試合に勝利する。

2年後、中学に進んだブンは神城中野球部でエースとなり、氷河の率いるチームと関東大会決勝戦で対決するが、激闘の末敗れる。さらに2年後、高校進学を控えたブンは甲子園出場を目指して氷河の誘いを受け、同じ高校へ進む決意をする。

登場人物・キャラクター

文部 瞬 (ぶんぶ しゅん)

物語の開始時点では10歳の少年で、後に作中で中学1年生、中学3年生となる。天真爛漫で常に野球と、野球に必要な筋力トレーニングに明け暮れているが、亡き父・文部文太に対しては真摯でひたむきな感情を抱いている。腕をブンブンと音がするほど振り回してシュンという音と共に投げるピッチングを得意とし、自分の名を名乗る代わりとすることも多い。 氷河勝曰く「100年にひとりの肩」を持ち、一時肩を故障していたが、氷河との練習試合中に復調し、文太ゆずりの「初速よりも終速の方が速い球」を投げるようになる。小学生、中学生と野球を続け、常に明るく振舞っているが、父親と同様の心臓病を持ち、苦しみに耐えながらプレイしている。 恋愛には非常に鈍感だが、幼なじみの市川ひろ子には開けっぴろげな好意を示している。

文部 文太 (ぶんぶ ぶんた)

ブンの父親。野球好きで、稼業の八百屋を妻に任せ、ブンとトレーニングに明け暮れる日々を送っていた。初速よりも終速の方が速いという、物理法則を越えた球を投げる。心臓病を患っており、死期を悟ったときブンと共に巨人軍のグラウンドを訪れ、王貞治に勝負を挑み三振に取ったがその場で倒れ、死去した。 死後もブンのキャッチボール相手が務まるようにと、自らの墓石をストライクゾーンの型に注文していた。高校時代にも王貞治と対戦して打たれており、再戦を期していたが今度は直前の試合で心臓病が発症し、在学中の再戦は実現しないままであった。

文部 文子 (ぶんぶ ふみこ)

ブンの母親。野球のトレーニングに明け暮れる夫・文太と息子に代わり、稼業の八百屋を切り盛りしている。文太とは高校時代から交際しており、当時、心臓病で野球を断念しようとした文太を叱咤した。普段は陽気に振舞っているが、文太とブンに持病があることは知っており、命を縮めながら野球に打ち込む二人に悲しみながらも、見守り支えようとしている。

市川 ひろ子 (いちかわ ひろこ)

ブンの隣の家に住む、同い年で幼なじみの少女。しっかり者でブンと文太の監視役を文部文子から頼まれることもある。ブンの大胆な行動にいつも振り回されるが、次第にブンを異性として意識するようになる。中学ではブンと同じクラスで、野球部にマネージャーとして入部。 ブンとは相思相愛ながらも仲が進展しないでいるが、周囲からはほぼ公認のカップルとして扱われている。

王 貞治 (おう さだはる)

ホームランの世界記録を持つ、プロ野球の国民的大打者。練習中のグラウンドに現れた文部文太の投球に脅威を感じ、本気で打とうとするも三振に取られる。そのまま死去した文太と再戦できないことを嘆いていたが、ブンが文太と同様の「初速よりも終速の方が速い球」を投げると知り、ブンの成長を見守るようになる。 ブンと氷河勝の初対決においては、ブンのチームに助っ人として参加した。その後、中学時代のブンの成長を促すライバルとすべく氷河勝にコーチし、一本足打法を伝授した。

豪快 太郎 (ごうかい たろう)

ブンと同い年の野球少年で、関東一のリトルリーグチーム・「エンペラーズ」の五番打者。球場で王のホームランボールにサインを貰うため現われ、そこでブンと出会う。当初はブンをライバルとしてつけ狙うが、ブンと氷河勝の練習試合ではブンのチームに入る。中学ではブンやひろ子と同じクラスで、野球部でも五番打者の座を先輩から勝ち取った。 同じクラスのメガネをかけた女生徒(メガネ子)に恋をし、やがて相思相愛となる。

氷河 勝 (ひょうが まさる)

関東一のリトルリーグチーム・「エンペラーズ」のキャプテン、およびエースで四番打者を務める野球少年。天才的なバッターであり、全身バネ仕掛けで負荷をかけながらトレーニングをするなどストイックな向上心を持つが、リトルリーグにライバル不在の現状を嘆いていた。町で出会ったブンを「100年にひとりの肩」の持ち主と見て、己のライバルとなりうる存在として期待をかける。 小学生時代のブンとは練習試合で激闘の末敗れるが、その後2年間、王貞治の指導を受けて一本足打法を会得し、関東大会決勝戦でブンのチームを下す。凡庸な投手を前にすると心に寒さを感じて体がふるえるという「むなしさのふるえ」を起こすことがある。

丘 椎菜 (おか しいな)

中学時代のブンの同級生となった美少女。自分の容姿に自信を持ち、学校中の男子を虜にするはずだったが、入学当日に出会ったブンに魅力が通じず、屈辱を晴らすため野球部のマネージャーになってブンを陥れようとする。しかしブンとひろ子の絆を知って改心し、以後も野球部に残る。 部長の嵐山大吾から好意を持たれているが、特に相手にはしていない様子。

行狩 正夫 (いきがり まさお)

ブンの同級生で、隣のクラスにいる美男子。本人曰く「頭脳明せき・運動神経バツグン」で、女生徒たちによるファンクラブを持つ。テニス部に所属し、野球を泥臭いスポーツと軽蔑していたが、ブンの挑戦を受けて認識を改め、野球部へ入部。三番サードのポジションを得る。

南田 神太 (みなみだ かんた)

中学時代のブンのクラスメイトだが、入学後10日たって初めて教室に現れた。「大物」を自称し、言動はマイペース。野球部に現れ、敏捷な動作の守備と、小柄な体に似合わぬ長いバットでのスイングを見せる。ブンとの三球勝負に敗れるが、以後も野球部に現れ、一番セカンドのポジションを得る。遠足中、須芽葉都に篭絡され、野球部と都のチームとの親善試合では都側についた。

嵐山 大吾 (あらしやま だいご)

ブンが入った中学の野球部キャプテン。早々にブンたち一年生の実力を認め、レギュラーに抜擢する。「青春だ」が口癖。丘椎菜に片思いしているが、あまり相手にされてはいない様子。ポジションは四番キャッチャー。

桜井 めぐみ子 (さくらい めぐみこ)

ブンのいる野球部を取材に来た、女性新聞記者兼カメラマン。ブンの投球に興味を持ち本格的に取材するが、その過程でブンの心臓病を知ってしまう。ブンの病を公表すれば選手生命が絶たれると悟り、記者としての義務と板挟みになった末、新聞記者を辞めてブンの応援団長となる。記者を辞めた後はバスガイドとなってブンたちの遠足に同行した。

メガネ子

中学時代のブンのクラスメイトで、メガネをかけた女生徒。詩などの文学を好む。豪快太郎から好意を持たれ、当初は趣味での接点がなく豪快を軽蔑していたが、やがて相思相愛となる。本名は判明せず、ブンたちからは「メガネ子」、「メガネちゃん」と呼ばれている。

須芽葉 都 (すめば みやこ)

中学時代のブンの同級生で、ロングスカートを履き口をマスクで覆った、スケ番スタイルの女生徒。自分のつっぱりは筋金入りと称し、スカートの中では両足に金属の棒を結びつけている。そのため、座っても曲げられない。明るく爽やかなキラキラした者を敵視しており、ブンを目の敵にする。マスクで隠した口は開くと八重歯が目立ち、その八重歯を見せた笑顔で多くの男を篭絡してきた。 しかしその笑顔もブンには通用せず、逆恨みから配下の不良少女を中心としたチームで野球部に挑戦する。試合の中でブンへ恋に落ち、以後はスケ番スタイルを捨ててブンへ積極的にアタックするようになる。

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