ヘヴンリー・キス

ヘヴンリー・キス

宮川匡代の『ラブホリック』の続編。朝比奈優駿との結婚生活を送りながら、働く女性としての蒲生志げ留の姿を描いたワーキングラブストーリー。「別冊コーラス」「コーラス」に2004年Autumn号から2011年11・12月合併号にかけて連載された作品。

正式名称
ヘヴンリー・キス
ふりがな
へゔんりー きす
作者
ジャンル
キャリアウーマン
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概要・あらすじ

蒲生志げ留朝比奈優駿は社内恋愛禁止の会社で働いており、2人が結婚していることは秘密にしていた。そのため、志げ留は旧姓のまま働き、優駿との関係をひたすら隠し続けていた。優駿に過去の女性が近づいたり、優駿に憧れる女子社員が迫る姿を目にしても、本当のことを言えないため、志げ留はストレスを溜めていく。それでもケンカを重ねながらお互いを理解し合い、このまま夫婦としてどうにかやっていけそうだと感じていた。

そんな矢先、優駿のパリ支店への異動が決定。かくして、秘密の夫婦は遠距離恋愛という新たな試練と向き合うことになる。

登場人物・キャラクター

蒲生 志げ留 (がもう しげる)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」のレストラン事業部に所属している20代半ばのOL。以前に所属していた部署で直属の上司だった朝比奈優駿と結婚した。しかし、社内恋愛禁止の会社内では内緒にしており、戸籍上の名前は「朝比奈志げ留」だが旧姓で通している。ズボラでだらしない性格ながら、ここぞという時の集中力があり、逆境においてもへこたれないガッツがある。

朝比奈 優駿 (あさひな ゆうしゅん)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」の新商品開発部で課長を務める男性。蒲生志げ留の夫。美大出身で、学生の頃はキュレーターになりたいと夢見てパリに留学していたこともある。割と仕事ができるタイプで、プライドが高く意地っ張りなところもあるが、パワーの面では妻である志げ留には敵わない。

坂口 (さかぐち)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」のレストラン事業部に所属している男性。無表情で感情が読みにくいが、年下の上司である蒲生志げ留のことを認めており、仕事においては良きパートナーとなっている。志げ留と朝比奈優駿が夫婦であることを知っているが、誰にもしゃべっていない口が堅い人物。実は志げ留に想いを寄せている。

佐々木 (ささき)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」のレストラン事業部に異動して来た女性。さっぱりした性格をしている。以前はファストフード部門でヒット作品を生み出していた優秀な人物。蒲生志げ留が妊娠し、育児休暇を取る間のフォローとして移動して来た。赤ちゃんを望んでいるため不妊治療を受けている。

小野 (おの)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」に中途採用で入社して来た女性。朝比奈優駿の部下でもある。実は10年前に優駿と付き合っていた過去があり、優駿に対してまだ未練があるようなそぶりを見せる。その後、レストラン事業部に異動になり、蒲生志げ留の優秀な右腕として活躍する。姉後肌なところがあり、後輩を育てる時は丁寧に教え過ぎないようにするのがモットー。

伊藤 容子 (いとう ようこ)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」の新商品開発部に所属している女性。蒲生志げ留にとっては1年後輩で、留学の経験がある。いつも眼鏡をかけており、きりっとまとめた髪の毛でパンツスーツを身に着けている。朝比奈優駿に想いを寄せており、過去に振られているがまだ諦めていない。

香坂 誓也 (こうさか せいや)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」に所属している男性。朝比奈優駿とは学生の頃からの友達であり、同期。眼鏡をかけた知的なイケメンで、穏やかな雰囲気の持ち主。また女性を喜ばせるツボを心得ているため、女性人気が高い。蒲生志げ留と優駿の関係を知っている数少ない存在。志げ留にとっては結婚前から仕事で関わりがあった相手で、今は良き相談相手となっている。

今村 美加 (いまむら みか)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」に所属している女性。香坂誓也と付き合っている。基本的にはおとなしくて控えめな性格ながら、言いたいことがあればハッキリと口に出し、時に毒舌になることもある。日本の子育て制度に疑問を抱いており、保育園事情などにも詳しいので、新米ママである蒲生志げ留にとって良き相談相手となっている。

鈴木 恵玲奈 (すずき えれな)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」のカフェスイーツ部門に所属している女性。100周年記念事業において、蒲生志げ留のアシスタントとして配属された。今年入社したばかりの新人で、鈴木恵玲奈本人は自主的に動こうとせず、いつも指示を待っている。プライベートと仕事はハッキリ分けたいタイプ。

佐藤 輝大 (さとう こうだい)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」のコンビニエンスフード部門に所属している男性。100周年記念事業において蒲生志げ留のアシスタントとして配属された。今年入社したばかりの新人で、リスクを恐れて、挑戦することをしない消極的なタイプ。

朝比奈 宗駿 (あさひな そうしゅん)

朝比奈優駿の父親で、有名な書家でもある。夢を諦めた優駿のことを厳しい口調でののしるが、その根底には優駿を心配する気持ちがある。感情をあまり表現しないが、蒲生志げ留のことは気に入っている。芸術家だけあって、自分の意見を曲げない頑固な性格。

朝比奈 照園 (あさひな しょうえん)

朝比奈優駿の母親で、華道家でもある。いつもきっちりと和服を着こなしている上品な女性。一方で、性格は意外とくだけたところがある。夫や子供たちの性格をよく把握しており、手のひらの上でうまく転がしている。蒲生志げ留のことは、朝比奈宗駿同様に気に入っている。

朝比奈 詠駿 (あさひな えいしゅん)

朝比奈優駿の兄。職業は指揮者で、普段はウィーンに在住している。訴訟が好きで、土日も働かせるようなブラック企業は訴訟するべきというのが口癖。蒲生志げ留のことは義理の妹として可愛がっているが、何より自分が一番でなければ気が済まない自己愛溢れる性格。

朝比奈 駿雪 (あさひな しゅんせつ)

朝比奈優駿の姉。職業は建築家で、普段はニューヨークに在住している。自信家で、自分の才能と努力で今の地位を勝ち取ったことに強い誇りを持っている。蒲生志げ留のことは義理の妹として気に入っているが、何より自分が一番でなければ気が済まない自己愛溢れる性格。

朝比奈 白雪 (あさひな しらゆき)

朝比奈優駿と蒲生志げ留の間に生まれてきた赤ちゃん。少しふてぶてしいところがあるが、可愛らしくて憎めない性格。人見知りすることなく、誰に抱っこされても平気でいる。志げ留の職場復帰と同時に、満1歳から保育園に預けられることになる。ちなみに一番最初に発した言葉は「ママ」でも「パパ」でもなく「鮑(あわび)」。

八木 (やぎ)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」のレストラン事業部に勤務している57歳の男性。もとは食玩部に在籍していた。ほのぼのとした癒し系タイプで、若い社員たちから密かに八木じいと呼ばれている。蒲生志げ留を元気づけるために、変な味の飴を食べさせたりすることがある。業績悪化のあおりを受けて、リストラされてしまうも、朝比奈宗駿のギャラリーで働くことになる。

宮前 瑞生 (みやまえ みずき)

グラススタジオ「まる硝子」を主宰している男性で、硝子に対する思い入れが非常に強い。蒲生志げ留の依頼を受け、食品メーカー「ユニバーサルフーズ」が経営している三宿のレストランに食器を納品することになる。朝比奈優駿とはかつて美大で同期だった。

緑子 (みどりこ)

食品メーカー「ユニバーサルフーズ」の専務の娘で、かつて朝比奈優駿とお見合いをした女性。美術に対する造詣が深く、美術館の解説を手伝ったりすることもある。キュレーターになりたいという優駿のかつての夢を呼び起こさせ、もう一度挑戦させようとする。

場所

ユニバーサルフーズ

蒲生志げ留、朝比奈優駿らが勤務している食品メーカー。社内恋愛は禁止で、恋愛が発覚するとトロール部に飛ばされてインド洋でまぐろ釣りをしなければならないという制度がある。女性の社会進出に対してあまり門戸を開いておらず、女性社員の出産に対する理解も低い。

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