ペルソナ5

ペルソナ5

TVゲーム『ペルソナ5』のコミカライズ作品。無実の罪を着せられた少年の来栖暁がペルソナを扱う能力に目覚め、自分と同様に孤立している人々と力を合わせながら、密かに世直しを進めていく姿を描いたピカレスクロマン。『裏サンデー』で、2016年9月22日より配信の作品。

正式名称
ペルソナ5
ふりがな
ぺるそなふぁいぶ
原作者
ATLUS
漫画
ジャンル
アクション
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

来栖暁は、暴漢と思しき男に襲われそうになっている女性を助けるが、大きな権力を持っていた男の策によって無実の罪を着せられ、通っていた高校を退学させられてしまう。保護観察処分となった暁は、身元引受人である佐倉惣治郎の営む喫茶ルブランに身を寄せつつ、私立秀尽学園高校に通う事となる。しかし転入初日、暁は偶然出会った不良少年の坂本竜司と共に、カモシダ・パレスに迷い込んでしまう。そこに、竜司と因縁を持つ悪徳教師である鴨志田卓に酷似した存在であるカモシダ・アスモデウス・スグルが現れ、竜司に暴行を加えた挙句処刑しようとする。それを目の当たりにした暁は、内心に眠る反逆の心を解き放つ事で、ペルソナアルセーヌを覚醒させてその場を切り抜け、さらに別の場所に捕らわれていたモルガナと共に脱出に成功する。無事に秀尽学園にたどり着くが、暁を見る周囲の視線は冷たく、さらに鴨志田の悪行の余波を受ける形で、またもや退学の危機に陥ってしまう。暁と竜司はモルガナの助言を受け、イチかバチかの賭けとして、カモシダ・パレスのオタカラを盗み出し、鴨志田を改心させる事を決意。パレスに潜入し、待ち構えていたカモシダへの怒りから、竜司はペルソナ、キャプテン・キッドを覚醒させる。

第2巻

来栖暁坂本竜司、そしてモルガナは、それぞれのペルソナ能力を駆使して、ついにカモシダ・パレスオタカラの在処を見つけ出す。モルガナのアドバイスから、オタカラを実体化させるためには、パレスを生み出した本人に欲望を奪われる事を意識させる必要がある事を知った二人は、私立秀尽学園高校の掲示板に鴨志田卓の悪行を糾弾する旨の予告状を貼り付ける。そして再度カモシダ・パレスに潜入し、実体化したオタカラと対面するが、それを盗み出した暁達の前に、高巻杏を人質に取ったカモシダ・アスモデウス・スグルが現れる。カモシダは、杏の身の安全を条件にオタカラを返却するよう求めるが、カモシダは約束を守る気はさらさらなく、オタカラを奪うと杏を処刑しようとする。しかし、親友の鈴井志帆を傷つけられた事で強い怒りを抱いていた杏は、内に潜む反逆の心を解き放ち、ペルソナ、カルメンを覚醒させる。暁達は杏と力を合わせ、異形の姿になったカモシダと戦い、これを打ち倒す。オタカラを奪う事で欲望が消失したカモシダは、自らが過去の栄光にすがっていた事を認め、これまでの罪を告白する事を約束して鴨志田の中に帰っていく。これによって鴨志田は改心し、暁達の退学の危機は去るのだった。

第3巻

鴨志田卓改心させる事に成功した来栖暁坂本竜司高巻杏モルガナは、鴨志田のように自らの欲望で他者を苦しめる悪党を改心させるため、心の怪盗団、ザ・ファントムを結成する。三島由輝の立ち上げたサイト、怪盗お願いチャンネルから、ストーカー行為を働く中野原夏彦を改心させてほしいという依頼を受けた一行は、メメントスに潜入して中野原の影を撃破する。こうして中野原を改心させる事に成功するが、彼もまた、芸術家の班目一龍斎の所業に苦しめられた一人である事が発覚する。中野原から班目の悪行を聞いた暁達は、班目の弟子である喜多川祐介と遭遇。杏に絵のモデルになってもらうように頼む彼を利用して班目の家に潜入し、事の真相を調べようとするが、班目に恩義がある祐介に反発されてしまう。しかし、モルガナが偽造された名画「サユリ」を発見すると、穏やかだった班目の態度が一変する。祐介を連れてそこから逃れたモルガナと杏は、マダラメ・パレスに迷い込み、先んじてパレスに潜入していた暁達と合流する。パレスの中で班目の実態を垣間見た祐介は、そこに現れたマダラメ・アザゼル・イチリュウサイに対して決別を宣言。さらに、ペルソナゴエモンを覚醒させる。

第4巻

心の怪盗団ことザ・ファントムは、班目一龍斎の悪行の証拠をつかむものの、逆に班目から訴訟を起こすと宣言されてしまう。芸術の世界を牛耳る班目に、正攻法では適わないと判断した来栖暁達は、マダラメ・パレスからオタカラを盗み出し、班目を改心させる事を決める。ペルソナゴエモンを覚醒させた喜多村祐介を加えた一行は、首尾よくオタカラを発見。それを具現化させるため、班目に予告状を送りつけるが、オタカラの奪取を警戒するマダラメ・パレスの城主、マダラメ・アザゼル・イチリュウサイは、先んじてオタカラを偽物にすり替え、怪盗団を一網打尽にしようと襲い掛かる。さらにマダラメは、名画「サユリ」が祐介の母親の自画像である事と、「サユリ」の価値を上げるために持病の発作を放置して彼女を死亡させた事、さらに祐介を引き取った理由が、その事実に気づいた際にいつでも始末するためである事を語り、祐介を激怒させる。怪盗団のメンバー達はマダラメを撃破し、オタカラを盗み出す事で班目を改心させる。そして、祐介をザ・ファントムの正式なメンバーとして迎える。一方その頃、私立秀尽学園高校の生徒会長である新島真が、怪盗団を調査するために動き出していた。

登場人物・キャラクター

来栖 暁 (くるす あきら)

私立秀尽学園高校に通っている2年生の少年。もともとは都心から離れたところで暮らしていたが、無実の罪を着せられてしまい、通っていた高校を退学になったばかりか、保護観察処分となって秀尽学園に通う事を迫られた。転校初日に、所持していたスマートフォンにいつの間にかインストールされていたアプリ、イセカイナビの力により、カモシダ・パレスの中へと迷い込む。 さらにその中で、パレスの支配者であるカモシダ・アスモデウス・スグルの手勢に襲われるが、その最中、心の中から呼びかける声をキャッチする事で、ペルソナ、アルセーヌが発現し、ペルソナ使いとして覚醒した。同じ力を持つ坂本竜司や高巻杏、モルガナなどの仲間と共に心の怪盗団・ザ・ファントムを立ち上げ、「ジョーカー」というコードネームを名乗る。 その経歴から周囲からの目は冷たく、学内では不良のレッテルを張られてしまっている。しかし実際は、礼儀正しく正義感の強い性格の持ち主で、来栖暁の事をよく知るモルガナや竜司、杏からは、その人柄を高く評価されている。「ワイルド」と呼ばれる力を持ち、ほかのペルソナ使いにはできない、ペルソナの自由な付け替えを可能としている。

アルセーヌ

来栖暁が使役するペルソナの一体。シルクハットをかぶり、マントを羽織った姿をしており、その表情は禍々しい。暁がカモシダ・パレスに迷い込んだ際に、その城主であるカモシダ・アスモデウス・スグルの差し向けた鎧の騎士に襲われて発現し、それ以降は暁のペルソナとして、幾度も彼の危機を救っている。銃を使った攻撃や「エイハ」など闇の魔法を得意としており、「コウハ」など聖なる魔法を苦手としている。 モーリス・ルブランの小説『怪盗紳士ルパン』などに登場する「アルセーヌ・ルパン」がモデルとなっている。

坂本 竜司 (さかもと りゅうじ)

私立秀尽学園高校に通っている2年生の少年。運動神経に優れているが、学校の成績は悪く、考えるより先に手が出るタイプで、素行の悪さから学校では不良扱いされて孤立している。もともとは陸上部に所属しており、熱心に練習を重ねていたが、鴨志田卓の手によって部全体が理不尽な扱いを受け、坂本竜司自身もケガを負い、耐えかねて鴨志田を殴った事で退部させられる事となった。 そのため鴨志田を強く憎んでいるが、彼が学内では信頼を得ているため、逆に孤立している。通学途中に偶然出会った来栖暁と共にカモシダ・パレスに迷い込み、カモシダ・アスモデウス・スグルの部下に襲われるが、ペルソナ能力に目覚めた暁や、パレスの中で出会ったモルガナの援護を受けて、無事に生還。 のちに鴨志田の手により暁ともども退部の危機に陥るが、それを阻止すべく鴨志田を改心させようとカモシダ・パレスに潜入した先で、ペルソナ・キャプテン・キッドが発現する。鴨志田の改心に成功すると、暁やモルガナ、高巻杏と共に、心の怪盗団、ザ・ファントムを立ち上げ、怪盗服の形状が骸骨に近い事から「スカル」というコードネームを名乗るようになる。

キャプテン・キッド (きゃぷてんきっど)

坂本竜司が使役するペルソナ。キャプテンハットをかぶった骸骨のような形状をしている。私立秀尽学園高校で暴虐を尽くし、その挙句竜司や来栖暁を退学処分にしようとする鴨志田卓を改心させるべく潜入したカモシダ・パレスで、城主のカモシダ・アスモデウス・スグルと相対した際に、彼に対する強い反逆心が引き金となり、発現した。 その怪力を活かした直接攻撃や、「ジオ」など電撃の魔法が得意。ただし、「ガル」などの疾風系攻撃を受けると、大きなダメージを被ってしまう。なお、竜司が「スカル」を名乗った理由は、本人の怪盗服のほか、キャプテン・キッドの姿も影響している。スコットランド出身の海賊船長である「ウィリアム・キッド」がモデルとなっている。

高巻 杏 (たかまき あん)

私立秀尽学園高校に通っている2年生の少女。アメリカ人の祖母を持つクォーターで、その美貌からモデルのアルバイトをしている。その目立つ容貌から、周囲との折り合いは悪かったが、そんな時に唯一自然に語り掛けてくれた鈴井志帆と親友になり、それ以来、彼女の事を大切に思っている。現在はバレーボール部に所属する志帆を守るために鴨志田卓と親密な関係になっており、ますます孤立してしまっていた。 さらにその事情を誰にも話せずにいたため、幼なじみである坂本竜司とも疎遠になっていたが、ある時来栖暁と竜司が鴨志田を改心させようとしている事を知り、その活動に興味を抱いて彼らを追う。その際、向かった先のカモシダ・パレスでカモシダ・アスモデウス・スグルに捕まり、暁と竜司、モルガナへの見せしめとして、処刑されそうになってしまう。 しかし、内心に眠っていた鴨志田への怒りからペルソナ、カルメンを発現させ、ペルソナ使いとして覚醒。暁達と共にカモシダを倒し、鴨志田を改心させる事に成功する。それからは、鴨志田のような悪党を改心させるため、彼らと共に心の怪盗団、ザ・ファントムを立ち上げ、「パンサー」というコードネームを名乗る事になる。

カルメン

高巻杏が使役するペルソナ。高貴さと威圧感を同時に漂わせた婦人のような形状をしており、杏の内面に存在する情熱を現しているとされる。「アギ」をはじめとした火炎系の魔法と、「ディア」などの回復系魔法を得意としており、攻守共に優れたペルソナといえる。ただし、「ブフ」などの氷系魔法に弱い。プロスペル・メリメの小説『カルメン』の主人公、カルメンがモデルとなっている。

モルガナ

来栖暁、および坂本竜司が迷い込んだカモシダ・パレスの中で出会った正体不明の生物。猫をかたどったぬいぐるみのような姿をしているが、人間の言葉を話せる上に自分が人間であると主張し、猫扱いすると怒りだす。過去の記憶がないが、ペルソナ、ゾロを最初から使いこなしたり、パレスの中枢といえるオタカラに対して執着するなど、いくつかの妙な性質を持っている。 パレスやメメントスの事を熟知しており、鴨志田の暴虐を目の当たりにした暁や竜司に対し、カモシダ・パレスのオタカラを盗み出して鴨志田を改心させてはどうかと持ち掛ける。突拍子もない事から当初は疑問視されるが、やがて鴨志田の手で退学の危機に陥った事で同意を得る事ができ、さらにペルソナ使いとして覚醒した高巻杏も加える事で、見事オタカラを盗み出す事に成功する。 のちに心の怪盗団、ザ・ファントムが発足した際には、暁達の悪人を改心させるという目的と、オタカラを盗み出すというモルガナの目的がほぼ一致したため、共闘する事になる。その際、「モナ」というコードネームを名乗った。 なお、モルガナは現実世界に移動すると本物の猫のような姿になるが、ペルソナ使いとのみ会話が可能。

ゾロ

モルガナが使役するペルソナ。怪傑ゾロ同様、覆面を被ったような形状をしているが、猫を思わせるようなところもある。「ガル」などの風属性魔法を得意としているほか、カルメン同様「メディア」などの回復魔法にも精通している。また、高い確率で敵の急所を突く技「ラッキーパンチ」も使用可能。一方で、「ジオ」などの電撃系魔法を弱点としている。 モルガナは、来栖暁や坂本竜司に出会った当初からこのペルソナを発動していたが、発現の経緯などについてはモルガナ本人も知らない。ジョンストン・マッカレーの小説『怪傑ゾロ』の主人公、怪傑ゾロがモデルとなっている。

喜多川 祐介 (きたがわ ゆうすけ)

都立洸星高校に通っている2年生の少年。見目麗しく、類稀なる芸術の才能を誇るが、どこか浮世離れしたところがある。もともと母子家庭であったところを、親子で画家の班目一龍斎に拾われており、喜多川祐介自身も彼に対して強い恩義を感じていた。そのため、彼が盗作や弟子への虐待などの悪事を働いている事にうすうす気づいていながらも、彼から離れる事ができなかった。 ある時、班目についての情報を集めていた心の怪盗団、ザ・ファントムのメンバー達と偶然ながら遭遇し、その際に高巻杏の中に美を見出し、彼女をモデルにするため躍起になった事で面識を持つ。さらに班目が、祐介に強く印象を与えた絵である「サユリ」を偽造している事、さらに祐介の母親を、持病の発作を放置した事で結果的に死に至らしめていたなど、さまざまな悪事に手を染めている事を知ったため、ついに彼を告発する決意を固める。 マダラメ・パレスのオタカラを頂戴した事で班目を改心させたあとは、その過程でペルソナ、ゴエモンが目覚めた事もあり、心の怪盗団、ザ・ファントムの一員として共に活動する事となった。 なお、「サユリ」は祐介の母親の自画像だったのだが、その事実は班目によって隠匿されていた。

ゴエモン

喜多川祐介が使役するペルソナ。煙管を持った歌舞伎役者のような外見をしている。刀を使った攻撃や、「ブフ」など氷結系の魔法を得意としているが、「アギ」などの火炎系の魔法を苦手としている。班目一龍斎の悪事の一端を知ってしまった祐介が、彼の手を逃れるために高巻杏、およびモルガナの協力を得る形でマダラメ・パレスに進入した際に、パレスの内装から班目を信じるに値しないと自覚した事で発現した。 安土桃山時代において暗躍したとされる盗賊、石川五右衛門がモデルとなっている。

新島 真 (にいじま まこと)

私立秀尽学園高校に通っている3年生の少女。新島冴の妹で、現在は姉と二人で暮らしている。かつては仲のいい姉妹だったが、現在は文武において敵わない冴に対して、負い目とコンプレックスを抱いている。学内では生徒会長を務めており、生徒や教師に受けがいいが、これも負い目を払しょくさせるための一面に過ぎず、内心では窮屈さを感じている。 来栖暁をはじめとする心の怪盗団、ザ・ファントムのメンバーとは面識がなかったが、ある時、鴨志田卓の改心を不思議に感じた校長から呼び出され、何らかの裏がないか調査するよう求められる。

明智 吾郎 (あけち ごろう)

都内の高校に通っている3年生の少年。高校生でありながら探偵としていくつかの難事件を解決に導いており、世間からは、かつて存在したとされる「探偵王子」の再来と呼ばれている。その経歴から警察からも頼りにされており、検事局の新島冴とはたびたび情報交換をする間柄で、冴の妹である新島真とも面識がある。その人気からテレビ番組などに出演する事も多く、その収録に向かった際に、私立秀尽学園高校の、社会科見学の一環としてテレビ局に訪れた来栖暁、坂本竜司、高巻杏、モルガナと面識を持つ。 その際に収録した番組の中では、班目一龍斎を改心させた事で世間から注目を集めていた心の怪盗団、ザ・ファントムについてのコメントを求められるが、あまりに唐突すぎる改心について、何らかの洗脳、あるいは脅迫などが絡んでいるのではないかと、若干否定的な見解を示している。

新島 冴 (にいじま さえ)

検事局に勤めている女性。新島真の姉。検事としては優秀で、検事局長からも頼りにされている。その能力は死に物狂いの努力によって培ったものだが、その過程でやや視野が狭くなり、妹の真に対しても若干厳しく当たるようになっている。昨今都内を騒がせている精神暴走事件についての調査を検事局長から任されるが、原因不明の難事という事もあり、手掛かりを一つも見つけられずにいた。 しかし、心の怪盗団、ザ・ファントムによる班目一龍斎の改心を知り、これが精神になんらかの作用が及んだ結果だと考えた事により、精神暴走事件と改心の間に共通点があるのではないかと訝しむようになる。

イゴール

来栖暁の夢の中に頻繁に現れるようになった謎の男性。ベルベットルームの主を自称しており、暁に対して更生を望む旨の言葉を残している。物腰は若干威圧的だが、暁に対しては協力的で、彼の持つ「ワイルド」の能力に着目し、従者であるカロリーヌ、およびジュスティーヌに命じて、暁の中に存在する複数のペルソナ同士を合体させて、より強力なペルソナを生み出させるなどのサポートを行う。 更生に関しては多くを語らず、その謎めいた言動によって暁を翻弄する事も多いが、心の怪盗団、ザ・ファントムの活躍を期待しているような素振りも見せる。

カロリーヌ

来栖暁の夢の中に頻繁に現れるようになった謎の少女。ジュスティーヌの双子の姉。上半身を青い衣装で包んでおり、右目に眼帯を付けている。ジュスティーヌ同様、自らをベルベットルームの看守と称しており、暁に対しては「囚人」と呼び、つねに威圧的に接している。ベルベットルームの中では、暁の使役するペルソナ同士を合体させる役割を担っている。 やや乱暴な口調で、暁が反抗的な態度を取った際には容赦なく折檻をすると脅しをかけている。一方で、暁が評価に値する行動を取った際には、素直でないながらも彼を認める言動を見せる事もある。

ジュスティーヌ

来栖暁の夢の中に頻繁に現れるようになった謎の少女。カロリーヌの双子の妹。上半身を青い衣装で包んでおり、左目に眼帯を付けている。カロリーヌ同様、自らをベルベットルームの看守と称しており、暁に対しては「囚人」と呼び、つねに冷徹な態度を取っている。ベルベットルームの中ではカロリーヌと協力し、暁の使役するペルソナ同士を合体させる役割を担っている。 カロリーヌとは対照的に冷静な発言が多いが、皮肉もかなり目立ち、その対象は暁のみならず、姉であるカロリーヌにまで及ぶ事も多い。

佐倉 惣治郎 (さくら そうじろう)

喫茶ルブランの店主を務めている中年の男性。保護観察処分となり、私立秀尽学園高校に通う事になった来栖暁の身元引受人となった。気だるげな態度を取る事が多く、当初は暁を厄介者と認識して煙たがるような様子を見せていた。しかし、暁の親が客の友人であるという理由で身元引受人を買って出るなど、人間味を感じさせる面もある。 また、暁が実際は真面目で正義感の強い少年である事を知るにつれて、徐々に態度を軟化させていく。心の怪盗団、ザ・ファントムが打ち上げのために喫茶ルブランを訪れた際には、高巻杏から暁の人柄を高く評価している事を聞き、喜んでいる様子も見せた。

三島 由輝 (みしま ゆうき)

私立秀尽学園高校に通っている2年生の少年。やや気弱な性格で、来栖暁と出会った時も明らかに無気力な様子を見せていた。また、その際に身体に痣があった事から、暁と同行していた坂本竜司は、鴨志田卓による体罰を指摘するが、事を荒立てたくないという理由から、それに取り合おうとはしなかった。しかし、心の怪盗団、ザ・ファントムが鴨志田の改心を成し遂げると、その正体も知らないまま彼らに心酔するようになり、ファンサイトである怪盗お願いチャンネルを立ち上げる。 三島由輝本人に悪気はないのだが、かつていじめられていた事からネガティブな面が目立ち、それが周囲に悪影響を及ぼす事もある。

鈴井 志帆 (すずい しほ)

私立秀尽学園高校に通っている2年生の少女。高巻杏の親友で、お互いを大切に思いあっている。バレーボール部に所属しており、熱心に活動に取り込んだ結果、レギュラーの座を獲得する。しかし実際は、バレーボール部を牛耳っている鴨志田卓が、鈴井志帆をレギュラーにするため、杏にプライベートの付き合いを了承させたためであり、無論志帆自身はそれを知らなかった。 しかしある時、鴨志田自身からその事を告げられたうえに暴行を受け、それを苦に自殺未遂を起こしてしまう。この事によって坂本竜司や来栖暁の鴨志田に対する怒りは頂点に達し、杏もまた、真っ向から鴨志田に歯向かう決意を固める事となった。鴨志田が改心してからも、入院生活を送っていたが、杏が頻繁にお見舞いに訪れる事で、徐々に立ち直りつつある。

川上 貞代 (かわかみ さだよ)

私立秀尽学園高校の女性教師。来栖暁のクラスの担任を務めている。犯罪者の汚名を着せられた暁がクラスに入る事を露骨に煙たがっており、彼が坂本竜司とつるんで鴨志田卓に反抗していた事を快く思っていなかった。ある事情から多額の金を必要としており、昼間は教師として働いている傍らで、学校に内緒でメイド派遣サービスと呼ばれる家事派遣のアルバイトを行っており、その際は「べっきぃ」と名乗っている。

鴨志田 卓 (かもしだ すぐる)

私立秀尽学園高校で教員を務めている男性。かつてはバレーボール選手で、オリンピックに出場して金メダルを取った実績を持つ。そのため、学内における信頼は厚いとされていたが、その実態は傲慢な卑劣漢で、部活動を指導する際は体罰としか言いようのない行いをしたり、複数の女子生徒に言い寄っていたりと、およそ教師にあるまじき行動を多く取っていた。 そのため、被害者である坂本竜司からは憎まれているが、鴨志田卓本人は彼を取るに足らない存在として、半ば放置していた。しかし、鈴井志帆が自殺未遂を起こした際に、鴨志田に詰め寄る竜司と来栖暁を目障りに思い、自殺未遂を彼らの仕業と決めつけたうえで退学処分にしようとする。その強い欲望からカモシダ・パレスを現出させていたが、鴨志田のシャドウであるカモシダ・アスモデウス・スグルが心の怪盗団、ザ・ファントムに敗れ、オタカラを奪われた事で改心し、全校集会で自らの悪事を公開した事で警察に逮捕された。

カモシダ・アスモデウス・スグル (かもしだあすもでうすすぐる)

鴨志田卓のシャドウ。カモシダ・パレスの城主に君臨している。姿は鴨志田と同じだが、パンツ一丁にマントを羽織り、王冠をかぶっているなど、その格好は悪趣味の一言に尽きる。さらに、他者を奴隷扱いし、苦しむさまを見て楽しんだり、パレスに侵入した来栖暁や坂本竜司、モルガナを容赦なく殺害しようとするなど、性格も鴨志田に負けず劣らずの外道である。 三人が鴨志田を改心させるべくオタカラを狙った時は、彼らが悔しがる顔を見たいというだけの理由で、パレスに進入していた高巻杏を人質に取る事でオタカラの返還を要求し、彼らがそれを飲むや否や杏を始末しようとした。しかしこの暴挙が杏の反抗心に火をつけ、ペルソナ、カルメンが降臨するきっかけとなる。 これに対してカモシダ・アスモデウス・スグルは異形の姿に変化し、バレーボールに関連する攻撃で対抗したが、オタカラとは別に飾られていた王冠が弱点である事を見抜かれて敗北。その後、自らが虚栄心のみで動いていた事を認め、鴨志田本人の中へ戻っていった。

中野原 夏彦 (なかのはら なつひこ)

公務員として働いている青年。かつては画家を志しており、その実力を見込んだ班目一龍斎の弟子として活動し、弟弟子の喜多川祐介とも懇意にしていた。しかし、世話になっていた兄弟子が、手がけた作品を班目に盗作され続けた事を苦に自殺した事を機に、中野原夏彦自身も班目のもとを去る決意を固めた。その後も画家として活動しようと考えていたが、班目の圧力によってどこも取り合ってくれなくなり、絵の道をあきらめざるを得なくなる。 その後、公務員となるが、絵に対する未練によって精神を疲弊させてしまい、自暴自棄になってシャドウ、中野原の影を生み出した挙句、ある女性のストーカーになってしまう。だが心の怪盗団、ザ・ファントムが、メメントスで中野原の影を撃破した事で改心して正気を取り戻し、ストーカー行為もやめる事となった。 その後は祐介が自分や兄弟子のようにならないよう、ザ・ファントムに班目を改心させてほしいと望む。

中野原の影 (なかのはらのかげ)

中野原夏彦のシャドウ。メメントスの内部に潜んでいた。暴走する事で神話の悪魔のような形状になり、その姿は妖怪の「オバリヨン」に酷似している。兄弟子が班目一龍斎の仕打ちによって自殺に追い込まれ、さらに中野原自身も班目の手により絵の道を断たれた事による鬱屈から生まれており、中野原はこのシャドウの暴走により、ストーカーという凶行に走ってしまっている。 中野原の被害者である女性が怪盗お願いチャンネルを通じて中野原の改心を依頼した事で、心の怪盗団、ザ・ファントムと戦う事になる。魔法こそ使えないものの非常に力が強く、その怪力を活かしたパンチと、無数の弾丸を発射する能力で来栖暁達を翻弄するが、坂本竜司の鉄パイプによる打撃に気を取られたところで高巻杏のムチで足をからめとられ、動きを封じられた。 そこにアルセーヌの闇属性魔法を受ける事で敗北し、中野原の姿に戻る。同時に正気を取り戻し、中野原の中に帰っていった。

班目 一龍斎 (まだらめ いちりゅうさい)

日本有数の画家として知られている老年の男性。一見すると穏やかな好々爺といった雰囲気の人物で、絵画の世界においてはもちろん、一般人にも広く親しまれていた。現時点で唯一の弟子である喜多川祐介も班目一龍斎を尊敬してやまず、彼の悪口に対して難色を示すほどだった。しかし、そういった班目の姿は世間の目を欺くための演技に過ぎず、その本性は、弟子を道具のように使いながら、その作品を自分の作品として発表するなど、芸術家にあるまじき男。 中野原夏彦をはじめ、数多くの画家達がその犠牲となっている。祐介も、班目のそういった一面にうすうす気づいてこそいたものの、自身と母親が世話になった恩義があるため、口をつぐんでいた。しかし、中野原の依頼を受けた心の怪盗団、ザ・ファントムにその本性を疑われ、モルガナの活躍によって、祐介が強い印象を受けた絵画である「サユリ」を偽造している事が発覚。 その事を一笑に付したうえで、ザ・ファントムのメンバーと祐介に罪を擦り付けようとした。だが、彼らにマダラメ・パレスを攻略され、自身のシャドウであるマダラメ・アザゼル・イチリュウサイを撃破された事で改心。 自らの罪を告白し、警察に逮捕された。

マダラメ・アザゼル・イチリュウサイ (まだらめあざぜるいちりゅうさい)

班目一龍斎のシャドウ。マダラメ・パレスの支配者。表向きは風格があった班目とは異なり、時代劇の殿様のような珍妙な格好をしており、この事も班目の心が強く歪んでいる事を物語っている。さらに、心の怪盗団、ザ・ファントムと同行していた喜多川祐介に対しても、経済活動以外の芸術などに価値はないと言い放ち、彼の離反、およびペルソナ、ゴエモンの覚醒を招いている。 しかし、ザ・ファントムがオタカラを狙うと対決の姿勢となり、先んじて偽物にすり替えておきつつ、彼らに襲い掛かった。全身を二つの目と鼻、そして口の4枚の絵に変化させる能力を持っており、さらにそれらの絵からは「雪音(ゆきね)」と呼ばれる氷結攻撃や、火炎攻撃の「炎舞(えんぶ)」、疾風攻撃の「辻風(つじかぜ)」など、さまざまな属性の攻撃を使いこなす。 これらの攻撃は、威力こそさほどでもないが、口から放たれる墨汁がかかる事で、ダメージが跳ね上がるという特性を持っている。墨汁による防御力の低下と属性魔法攻撃を組み合わせる事でザ・ファントムを苦しめたが、これを逆手に取られて絵を墨汁で汚されたところに、それぞれのペルソナによる総攻撃を受けて倒された。 その後は祐介に迫られてすべての罪を告白する事を約束し、班目の身体に戻っていった。

マダラメ・パレスの警備員 (まだらめぱれすのけいびいん)

マダラメ・アザゼル・イチリュウサイより、マダラメ・パレスの警備を任されているシャドウ。マダラメがパレスを「美術館」と称している事から、警備員のような格好をしている。しかし、シャドウとしての本性を現すと、妖怪の「ヌエ」のような形状へと変化する。マダラメの命令を受けて、心の怪盗団、ザ・ファントムと、ペルソナ、ゴエモンを覚醒させた喜多川祐介を襲撃した。 ゴエモンの氷魔法を凌ぎきる耐久力と、丸々とした身体からは想像しづらい俊敏さが持ち味で、ペルソナ能力を獲得したばかりの祐介を翻弄する。しかし、モルガナが真正面からパチンコを撃ち込み、そのスキを突いた祐介がゴエモンの氷魔法で足元を凍らせて動きを封じたところに、高巻杏のペルソナ、カルメンの炎魔法を撃ち込んだ事で大きなダメージを負う。 最後に、祐介の刀による一撃を受ける事で消滅した。

校長 (こうちょう)

私立秀尽学園高校の校長を務めている中年の男性。禿頭の肥満体で、世間にうまく取り入る事で権力を得る事を目論んでいる。傷害の罪を着せられ、前の高校を退学した来栖暁を秀尽学園に迎え入れたのも、度量の広さを示すためであり、受け入れたらすぐにクラス担任の川上貞代にすべて任せている。また、オリンピックの金メダリストという理由で鴨志田卓を厚遇し、彼がなにをしているかについてもろくに知ろうともしないなど、責任感は皆無に等しい。 一方で、新島冴の上司である検事局長とは何らかのつながりがあり、彼の依頼を受ける形で、鴨志田や班目一龍斎が改心した事についての調査を引き受け、それを生徒会長である新島真にすべて押しつけてしまう。

集団・組織

ザ・ファントム (ざふぁんとむ)

カモシダ・パレスを攻略し、鴨志田卓を改心させた来栖暁、坂本竜司、高巻杏、モルガナが立ち上げた怪盗団。自分達と同じような目に遭わされている人を減らそうと、悪人を改心させるために結成。悪しき心を盗むという事から「心の怪盗団」の異名を名乗っている。活動内容は、強大な欲望を抱く悪人が具現化したパレスからオタカラを盗み出し、その悪人を改心させる事や、メメントスを探索してシャドウを退治する事、三島由輝が立ち上げた怪盗お願いチャンネルを閲覧し、依頼をこなす事などが挙げられる。 悪人を改心させたいという正義感自体は本物だが、世間からもてはやされるにつれて、より大きな事を成し遂げたいと望むようになるなど、危うさを抱えている面もある。 のちに、班目一龍斎を改心させる過程で、喜多村祐介が新たに加わった。

場所

私立秀尽学園高校 (しりつしゅうじんがくえんこうこう)

無実の罪を着せられ、通っていた高校を退学になった来栖暁が、新たに通う事になった高校。表向きはふつうの学校だが、教師、生徒問わず事なかれ主義が蔓延しており、多少の事態なら見てみぬふりをする事が非常に多い。そのため、素行の悪い坂本竜司や、目を引く容姿を持つ高巻杏、そして犯罪歴を付けられてしまった暁などは、肩身の狭い思いをさせられている。 さらに、金メダリストという理由で厚遇された鴨志田卓が、生徒を虐待していたという問題すらあったが、暁達がカモシダ・パレスを攻略し、鴨志田を改心させるまで野放しとなっていた。そのため、心の怪盗団、ザ・ファントムに対する生徒の人気は高く、鴨志田の改心をはじめとする彼らの活躍を歓迎する人も多い。

ベルベットルーム

来栖暁が夢の中で時折訪れる事になる謎の空間。この場所では、暁が牢獄につながれており、その衣服もまるで囚人のようなものに変化している。ルームの中では、イゴールと名乗る謎の男性と、彼に付き従うカロリーヌとジュスティーヌが暁を待っているが、彼らの暁に対する態度は、まるで囚人に対する看守のような高圧的なものである。 さらに、事情も語らないまま「更生をしろ」と命じ、暁を混乱させる。しかし一方で、彼が心に宿しているペルソナを強化するという役割を担っているため、結果的には有益な場所となっている。

パレス

強い欲望を抱いている人間が生み出す謎の建造物。イセカイナビと呼ばれるアプリを使う事で具現化できる。パレスでは、生み出した人間のシャドウが支配者として君臨しており、その人間が認知する存在が現実のものとなる。例えば、鴨志田卓が体罰を加えている生徒は、カモシダ・パレスの中でひたすら苦しみ続ける事になる。 ただし、認知上の存在と現実の存在は別物であるため、パレスで苦しんでいる認知上の存在を助けても、元となった人間が助かるわけではない。一方で、パレスを生み出した人間の認識を変えると、パレスの構造が変わる事がある。パレスの中にはオタカラと呼ばれる物体が存在しており、それを盗み出す事で生み出した人間の欲望が消失し、それに伴いパレスも消滅する。 また、シャドウに自らの行いを改めると約束させる事で、元となった人間を改心させられる。ただし、パレスの中では一般人はほぼ無力であり、戦闘を行うためにはペルソナ使いに覚醒する事が必須となる。

カモシダ・パレス (かもしだぱれす)

鴨志田卓が生み出したパレス。鴨志田は私立秀尽学園高校を自らが支配する城であり、さらに自らがその城の城主であり、さらに生徒達を奴隷であると考えており、パレスの中では実際にそのような光景が広がっている。内部では、鴨志田のシャドウであるカモシダ・アスモデウス・スグルが支配者として君臨しており、彼に付き従う鎧騎士のシャドウが侵入者を拘束、処刑する役割を担っている。 来栖暁が所持しているスマートフォンにいつの間にかインストールされていたイセカイナビに反応して現れ、坂本竜司と共に暁を中に取り込んだ。そこでカモシダの手下のシャドウに抹殺されそうになった暁が、ペルソナ、アルセーヌを発現させる事となった。 さらに、同じく捕らわれていたモルガナと協力する事で暁らは脱出に成功した。のちに、鴨志田によって退学の危機に陥った暁達が、鴨志田を改心させるために侵入し、オタカラを奪った事により鴨志田の欲望が消失。同時にカモシダ・パレスも消滅した。

マダラメ・パレス (まだらめぱれす)

班目一龍斎が生み出したパレス。班目のシャドウであるマダラメ・アザゼル・イチリュウサイが城主として君臨している。班目は自らの住居を美術館になぞらえており、さらに自分の弟子を作品そのものと考えている。マダラメ・パレスは、そんな班目の歪んだ心境が反映されており、彼が使い潰して来た弟子達の肖像画がずらりと飾られている。 また館内の装飾も、芸術家の皮をかぶった拝金主義の班目らしく、華美で悪趣味なものとなっている。心の怪盗団、ザ・ファントムがイセカイナビを使う事によってその存在を暴かれ、さらに、その内情を目の当たりにした喜多川祐介がペルソナ、ゴエモンを覚醒させ、班目のもとを離れるきっかけとなる。 ザ・ファントムのメンバー達の手によりマダラメが打倒され、さらにオタカラである絵画「サユリ」を奪われた事で、班目の欲望が消失し、マダラメ・パレスも消滅した。

メメントス

不特定多数の人間達の欲望が絡み合う事で生み出されたとされる迷宮。パレスを上回る広さを誇り、移動する際にはモルガナが変形した車「モルガナカー」が不可欠となる。パレスを生み出した鴨志田卓や班目一龍斎ほどではないにせよ、歪んだ欲望を持つ人物のシャドウが闊歩しており、元となった人間が悪事を働いている事を物語っている。 そのため、メメントスのシャドウを撃破する事で、そういった人間達を改心させる事も、心の怪盗団、ザ・ファントムの役目の一つとなっている。最初にメメントスに潜入した際には、ストーカー行為を働いていた中野原夏彦のシャドウである中野原の影が待ち受けていたが、怪盗団の手で倒された事で、中野原も改心している。

その他キーワード

イセカイナビ

来栖暁の持つスマートフォンに、いつの間にかインストールされていた謎のアプリ。消去しても自動的に復活するという特性を持っている。パレスを検知し、具現化させる機能を持っているが、実際に具現化させるには、生み出した張本人がそのパレスをどのような施設、あるいは建造物だと認識しているかを、音声で入力する必要がある。イセカイナビの力によって具現化したパレスは、具現化した本人が近くにいれば誰でも認識する事ができるが、パレスの中はシャドウがひしめいているので、ペルソナ能力を持たない人間がイセカイナビを使用するのは極めて危険な行為となる。

オタカラ

パレスの中枢に存在する、パレスの主が持つ歪んだ欲望の象徴。ふだんは実体を持たないが、パレスを生み出した人間に予告状を送り付け、欲望を盗まれると自覚させる事で実体化し、盗み出す事が可能となる。オタカラは、パレスを生み出した人間に強い影響を与えたものである事が多く、例えばカモシダ・パレスを生み出した鴨志田卓の場合は、かつてオリンピックで獲得した金メダルが、マダラメ・パレスを生み出した班目一龍斎は、偽造する事で財を成すきっかけとなった名画「サユリ」が該当する。 オタカラを奪われると、パレスの主が持つ欲望が消失し、パレスも消滅する。

予告状 (よこくじょう)

心の怪盗団、ザ・ファントムが、パレスを生み出した人間に対して送り付ける書状。歪んだ欲望を盗み出す旨の文言が記載されている。パレスに隠されているオタカラを実体化させられるようになるが、必然的にパレスの主であるシャドウの警戒心が増すため、潜入の難易度も増大する。そのため、予告状を送りつける際は、事前にオタカラが安置されている場所を見つけ出しておくのがほぼ必須となる。

ペルソナ

人の心の海に眠るといわれる、もう一人の自分。神話の神や悪魔、歴史上のトリックスターをモチーフとした姿形をしており、人は自らの所持するペルソナと一体化する事で人知を超えた力を発揮できる。また、ペルソナをまとって戦う能力を持つものを「ペルソナ使い」と呼び、ペルソナを用いて使用する能力を「ペルソナ能力」と呼ぶ事もある。ペルソナは基本的に、一人につき1種類のみとされているが、来栖暁は「ワイルド」と呼ばれる能力を持っており、これによって最初に覚醒させたペルソナであるアルセーヌのほかにも、さまざまな種類のペルソナを使いこなす事が可能となっている。 さらに、暁と絆を深めたペルソナ使いは、意志の力を高める事によってペルソナを強化し、その姿を変化させる事ができる。

シャドウ

歪んだ欲望が意志を得た存在。ペルソナ同様、神話の神や悪魔の姿をとる事が多い。シャドウには、強い欲望に囚われた人によって生み出されるものと、パレスやメメントスに自然発生するものが存在し、前者の方が強力な力を持っているとされる。一方、後者のシャドウはワイルドの力を持つ来栖暁と対話をする事で、彼のペルソナに変異する可能性を秘めている。 シャドウとそれを生み出した人間のあいだには密接なつながりがあり、シャドウの意識を変える事で、元となった人間の精神に影響を与える事がある。また、シャドウを殺害すると、元となった人間は完全に意識を失い、やがて命を落としてしまう。

精神暴走事件 (せいしんぼうそうじけん)

東京と、その近辺で発生しているという事件。ふつうの人間が、前触れもなく狂暴化したり、意識を暴走させてしまうというもので、その原因は不明とされている。精神暴走事件における被害は大きく、来栖暁が東京に来た際には、電車の運転士が精神暴走事件を起こし、列車を脱線させてしまうという大惨事に発展した。人間の精神に作用するという共通点から、検事局に勤めている新島冴は、心の怪盗団、ザ・ファントムが行っている改心と何らかのかかわりがあるのではないかと疑っている。

改心 (かいしん)

パレスを生み出した人間が、パレスに安置されているオタカラを奪われる事で発生する現象。欲望がなくなった事で犯して来た罪の意識に耐えられなくなり、自ら裁かれる事を望むようになる。その様子は、一般的に言われている改心というよりは豹変に近く、明智吾郎や新島冴など、不審に思う人間も少なからず存在する。一方で、心の怪盗団、ザ・ファントムの方針として、改心させる相手は罪のない人を苦しめる人間に限定しているため、多くの人からそれを望まれているのが現状となっている。

怪盗お願いチャンネル (かいとうおねがいちゃんねる)

三島由輝が立ち上げたWEBページ。怪盗団、ザ・ファントムのファンサイトで、彼らに関する意識調査と、ザ・ファントムに改心させたい人間の投票を行ったり、個人的な相談を記載したりと、さまざまな用途に活用されている。来栖暁達は、基本的にこの怪盗お願いチャンネルから得た情報によって行動しており、その結果、怪盗団の世間からの評価は上昇の一途をたどっている。

クレジット

原作

ATLUS

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