ボレロ

ボレロ

フィギュアスケーターの中川環が、コーチの城島雅哉とともにオリンピックを目指す姿を描いたサクセスストーリー。孤独だった環が、雅哉との触れ合いを通じて深い愛情に目覚めていく姿を描く。「ヤングユー」1998年3月号に掲載された作品。

正式名称
ボレロ
ふりがな
ぼれろ
作者
ジャンル
スケート
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概要・あらすじ

中川環は6年前にフィギュアスケートの世界ジュニアチャンピオンに輝いたが、その後はモチベーションが保てずにくすぶっていた。そんな環にとっていつまでも忘れられないのは、6年前に城島雅哉城島優子が見せた「ボレロ」という演目だった。環は雅哉を探し当て、コーチを引き受けるよう強気で頼みながら札束をちらつかせる。

しかし雅哉はそれを断り、体重を5kg落とすよう忠告する。雅哉の指導を諦めきれない環は、短期間で言われたとおりに体重を落とし、再び雅哉の前に現れる。プライドをかなぐり捨て、コーチは雅哉でなくては駄目だと強く訴える環に根負けした雅哉は、環のコーチを引き受けるのだった。強い信頼関係で結ばれた2人は、同じ目標に向かって本気の挑戦を始めるが、同時に異性としても互いに強く惹かれ合っていく。

登場人物・キャラクター

中川 環 (なかがわ たまき)

フィギュアスケートをしている20歳の女性。6年前に世界ジュニアチャンピオンに輝いた経歴を持ちながら、その後は遊びに目覚めてしまい、第一線から退いていた。城島雅哉と城島優子がかつて踊った「ボレロ」を忘れられず、コーチとして信頼できる雅哉についてもう一度スケートで勝負をし、オリンピックで返り咲きたいと願っている。 愛情のない両親のもと、淋しい思いをしながら育ったこともあって気が強い。周囲の相手をつい傷つけてしまいがちだが、一方で愛を強く求めている。

城島 雅哉 (じょうしま まさや)

フィギュアスケートのコーチをしている男性。コーチ料は高額だが、それだけの実力と実績を持つ。中川環の強い要望により、コーチを引き受けることとなった。妻は城島優子で、かつてフィギュアスケートでペアを組んでいた相手。言葉は厳しいが、環とは強い信頼で結ばれており、彼女の可能性を誰よりも信じている。やがて彼女の魅力に惹かれ、妻がいながら付き合うことになる。

城島 優子 (じょうしま ゆうこ)

城島雅哉の妻。足を負傷して車いす生活をしている。旧姓は「間宮」。元フィギュアスケートの選手で、のちに夫となる雅哉とペアを組んでいた。6年前に練習中の事故で足を負傷して以来、車いす生活となった。雅哉に頼まれ、中川環に女性らしい美しい動きをトレーニングする。

光洋 (こうよう)

中川環が付き合っている男性。街で女性をスカウトしては夜の店に送り込む仕事をしており、危険な目に遭うことも多い。環とはわりとドライな関係で、お互いが相手を求めたい時に会い、深く干渉し合わない。フィギュアスケートにはあまり関心がなく、よく知らない。

環の母 (たまきのはは)

中川環の母親で、中川文雄の妻。金には不自由しない生活を送っているが、外に女性を作って遊んでばかりいる夫に対してなにも強く言えず、かと言って世間体を気にして離婚もできずにいる。何かとおろおろしてばかりで、環が自分のもとから去ることを心配している。

中川 文雄 (なかがわ ふみお)

中川環の父親。会社を経営している。金は潤沢に持っているものの、仕事にかまけて家庭を顧みなかったせいで、家庭内不和を招いている。環とのコミュニケーションも金を介したものでしかなく、求められるだけ渡している。弱音を吐けない不器用な性格。

山田 賀代 (やまだ かよ)

中川環と同じスケートリンクで、フィギュアスケートをしている女性。有名で才能もある環に憧れており、環に冷たく扱われてもめげない忍耐強い性格。フィギュアスケート仲間から嫌われている環にとって、唯一言葉をかけてくる稀有な人物。

その他キーワード

ボレロ

6年前、フィギュアパートナーだった城島雅哉と城島優子がアルベールビルで踊った演目。女性のパートを踊るためには、優しさや柔らかさを表現することが重要とされる。この演技が中川環の心をつかんで離さず、再びフィギュアスケートに本気で挑むきっかけとなった。

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