マジン・サーガ

マジン・サーガ

核戦争後の未来に、人類が移住先として選んだ新天地の火星で繰り広げられる地球人類と火星人類との激闘を描く、SFバトルアクション漫画。永井豪の『マジンガーZ』を、大幅に設定を変えて描いたセルフリメイク作品。世紀末思想が色濃く反映され、同時に環境破壊や科学文明偏重の世相に強い警鐘を鳴らしている。「週刊ヤングジャンプ」1991年1・2合併号から1992年15号にかけて連載されたが、物語自体は未完で終了している。

正式名称
マジン・サーガ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
扶桑社(扶桑社)
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あらすじ

第1巻 地球壊滅編

 1990年代、地球環境の破壊から人類を救うために兜博士は超精神物質“Z”の兜を創造し、息子の兜甲児にそれを託してこの世を去る。父親の遺志を継ぎ、“Z”の兜をかぶった甲児は不死身の巨大超人マジンガーZに変身する。そして甲児は2016年にタイムスリップし、第3次世界大戦によって破壊され核の放射能で汚染された未来を見る。人類は荒廃した地球を見限り、火星を新天地として移住を開始していた。甲児はさらに100年後の火星に転生する。2116年の火星では、移住した地球人類と火星人類との熾烈な戦闘が繰り広げられていた。火星人類の圧倒的な軍事力によって劣勢となった地球人類のために、弓さやかアフロダイAを操縦し、一人で火星人類に戦いを挑む。しかしアフロダイAは、火星人類の悪醜羅男爵が繰り出す生体機械獣餓羅蛇K7の攻撃を受け絶体絶命の危機に陥る。その時、さやかからのテレパシーを受けた甲児はマジンガーZに変身し、危機一髪のさやかを救い、甲児はマジンガーZの底知れぬパワーを体感する。こうしてマジンガーZと火星人類軍団との激烈な戦闘の幕が切って落とされるのだった。

第2巻 火星暗黒編

マジンガーZとして餓羅蛇K7との激闘に勝利した兜甲児は、火星市民となった地球人類に迎えられ、弓さやかとの出逢いを通して、火星人類軍団を倒し地球人類を救うという使命感を強くする。そして甲児は火星最大の都市FUJI市に招かれる。そんな中、火星人類の生体機械獣虻銅羅U6ブロッケン伯爵率いる戦闘機群と共にFUJI市を急襲する。どんな金属をも溶かすという生体武器を持つ虻銅羅U6だったが、甲児が変身したマジンガーZの反撃により、逆に溶かされて敗退。さらにマジンガーZは飛行して敵の戦闘機群を殲滅する。しかしその後、ブロッケン伯爵の精神攻撃によってマジンガーZは甲児の身体に戻り、FUJI市郊外の森にテレポートしてしまう。森の中で甲児は、戦い終えて生身の身体に戻った虻銅羅U6と遭遇する。意外にも虻銅羅U6は甲児を攻撃する事はなく、クローン人間として生まれ戦闘兵器として育てられた自身の生い立ちを語り静かに息絶える。甲児は、悲惨な人生を歩んだ敵の最期に涙ぐむのだった。

第3巻 火星風雲編 

兜甲児は、地球人類の火星軍少尉に就任する。だが、火星育ちの兵士達は甲児を快く迎えず、甲児は元プロボクサー兵士とルールなしの決闘をする事になってしまう。激しい格闘の末に甲児は勝利し、ようやく兵士達に認められるのだった。神皇帝が指揮する火星人類は、火星に移住した第一世代の地球人類の遺体からDNAを検出・培養して不死身のサイボーグ人間を作り出し、地球人類撲滅を謀っていた。神皇帝は、火星先史時代に地球人類が創建した亜空間・地獄門に入り、地球人の肉体と火星人の霊体を持った新人類を誕生させ、彼らを強力な軍隊にしたてあげて地球人類を抹殺しようとする。そして、地球人類の一部が居住する北部のビストリカ村を急襲した火星軍は、住民の大半を殺戮し若い女性達を凌辱する。怒りに燃える甲児はマジンガーZに変身して火銅羅M3を打ち負かし、捕らえられていた弓さやかを救出。さらに甲児は敵の旗艦に潜入し、マジンガーZとなって襲い来る生体獣らを殲滅し旗艦を破壊するのだった。しかしビストリカ村に戻った甲児とさやかは、スパルタンV5餓羅蛇K7の襲撃を受け、動きを封じられたマジンガーZは絶体絶命の危機に陥ってしまう。

登場人物・キャラクター

兜 甲児 (カブト コウジ)

日本人の男子大学生。父親である兜博士の意思によって超精神物質「Z」の鎧を授けられ、マジンガーZに変身する。その後、核戦争後の未来にテレポートして火星に移住。火星軍少尉となり、人類の敵となった火星人類と戦うことになる。

マジンガーZ (マジンガーゼット)

人型の巨大超生物兵器。超精神物質「Z」の鎧を装着することにより、兜甲児が変身した姿。甲児の強い精神力によって時空を超越して無限の力を発揮し、身体のサイズも自在に変化できる。甲児が邪悪な心を持つと黒い翼が生え、肢体が濃い青色から黒色に変化する。

兜博士 (カブトハクシ)

世界的な物理学の権威。息子の兜甲児が通学する大学の教授でもある。物理学の研究に行き詰まり、ユングの同時性の研究の末に、超精神物質「Z」を発見。人類の未来を甲児に託した遺言を残して姿を消した。

弓博士 (ユミハクシ)

FUJI火星軍の総指揮官を務める火星総裁の男性。弓さやかの父親であり、アフロダイAを創造した有能な科学者でもある。沈着冷静な性格で、地球人類の存亡をかけて火星人類と戦う。

弓 さやか (ユミ サヤカ)

弓博士の娘。FUJI火星軍に所属する。セクシーなボンデージ風の装備をまとい、アフロダイAの操縦士となって、火星人類が繰り出す生体機械獣と戦う勇敢な美女。予知能力を持っており、兜甲児の夢に干渉することができる。

デューク・フリード (デュークフリード)

FUJI火星軍の空軍大尉。戦闘部隊所属の高速戦闘機「紅蓮コンドル隊」の指揮官の男性。戦闘機の操縦士として超一流の腕を持ち、マジンガーZの援軍として活躍する。誰ともプライベートな付き合いをしないという、謎めいたところがある。

ボース・ベンソン (ボースベンソン)

FUJI市民の青年。仲間からは略称で「ボス」と呼ばれている大男。派手なモヒカン刈りをした力自慢。もともとは札付きの不良だったが、マジンガーZに変身した兜甲児の活躍を見て感激。その後、FUJI火星軍に志願入隊して二等兵となり、甲児の警備を担当するようになった。

カルロス・ムーチャ (カルロスムーチャ)

FUJI市民の青年。仲間からは略称の「ムチャ」と呼ばれている。お調子者で、ボース・ベンソンの不良仲間だったが、マジンガーZに変身した兜甲児の活躍を見て感激。その後、FUJI火星軍に志願入隊して二等兵となり、甲児の警備を担当するようになった。

ダスタフ・ヌケ (ダスタフヌケ)

FUJI市民の青年。仲間からは略称の「ヌケ」と呼ばれている。いつも鼻水を垂らした、どこか間の抜けた感じの男性。不良ではないが、マジンガーZに変身した兜甲児の活躍を見て感激。その後、FUJI火星軍に志願入隊して二等兵となり、甲児の警備を担当するようになった。

合田 将鬼 (ゴウダ マサキ)

FUJI火星軍の陸軍曹長の男性。元プロボクシングのミドル級チャンピオンで、火星生まれでありながら地球人並の筋力を持っている。プロボクサー時代に相手を撲殺した経験があり、現役のまま軍隊に入ったという強者。

剣 鉄也 (ツルギ テツヤ)

FUJI火星軍の陸軍中尉の男性。ニヒルな性格で、帽子を斜めに被り、軍服をはだけて着ている。自身が率いる部隊ごとマジンガーZの護衛を命じられ、兜甲児やボース・ベンソン、カルロス・ムーチャ、ダスタフ・ヌケたちを軍基地で徹底的に鍛える鬼教官。

フランソワ・シロー (フランソワシロー)

ビストリカ村に住む幼い男の子。比丘魔子爵率いる火星軍による村の襲撃から1人だけ逃れた。その後、無人となった村に戻って銃を手にし、敵に戦いを挑む勇気ある少年。のちに兜甲児と義兄弟の契りを交わし、「兜シロー」と名乗るようになる。

ニッキー (ニッキー)

ビストリカ村で両親とともに平穏に暮していた美女。弓さやかと仲が良い。音楽が趣味で、優秀なアーチストが多い村での充実した生活に満足している。さやかとはいつもテレビコールで会話している。

アフロダイA (アフロダイエース)

生体と機械が複合したヒューマン・マシーン。弓さやかが搭乗して操縦する。メカの感覚器が操縦者の神経系と一体化しており、製造責任者は弓博士で、のちに火星人類が繰り出す生体機械獣の迎撃用の生物兵器に改造されることとなる。

神皇帝 (ゴッドカイザー)

火星人類の頂点に鎮座する皇帝。地獄門を居城とし、火星の先進文明のすべてを手に入れた全知全能の神として、火星人類から崇められる存在。複数の人体と機械が混ざりあった巨大な姿をしており、その実体は多大な生命エネルギーを放つアストラル体。

ブロッケン伯爵 (ブロッケンハクシャク)

火星人類の軍隊所属の「ブロッケン軍団」を率いて、「FUJI侵攻“火の山作戦”」を指揮する総司令官。巨大な頭部と浮揚する円盤型飛行体が合体した生体機械獣である。10人の身体と100人の頭脳を持ち、いずれは火星の王になるともいわれている。

悪醜羅男爵 (アシュラダンシャク)

火星人類の軍隊所属の「悪醜羅軍団」を率いる地球人討伐東部方面総司令官。首をひねると、男性と女性の顔が切り替わる両性具有の生体機械獣。火星の先住民族を自称し、進化の程度が劣っている地球人類を極端に見下している。

餓羅蛇K7 (ガラダケーセブン)

火星人類が操る生体機械獣。ドクロの頭部が付いた3つの長い首と6本の腕を持ち、腹部にある口からは破壊的威力を持つ衝撃波砲を吐く。最も進化した戦闘兵器で、悪醜羅軍団の先兵としてマジンガーZと死闘を演じる不死身のモンスター戦士。

虻銅羅U6 (アブドーラユーシックス)

ブロッケン軍団に所属する生体機械獣。巨大なロボットの形状をしており、マジンガーZと互角の戦いをするモンスター戦士。どんな金属をも溶かして喰うという生体兵器を、身体からいくつも発射する能力を最大の武器としている。

比丘魔子爵 (ビクマシシャク)

火星人類の生体機械獣。自身の軍団を率いて「Z捕獲作戦」を実行する指揮官。筋肉隆々とした巨大な戦士の身体で、首から上が尼僧の上半身という、異様な容姿をした女性型モンスター戦士。

スパルタンV5 (スパルタンブイファイブ)

火星人類の生体機械獣。超衝撃波から出す三又の剣「三叉戟」を武器とする巨大ロボットの形状をした最強のモンスター戦士。部下の餓羅蛇K-7を帯同してマジンガーZに戦いを挑む。

火銅羅M3 (ヒドラエムスリー)

火星人類の生体機械獣。比丘魔子爵が率いる軍団に所属し、美しいものに異常な憎悪を持っているモンスター戦士。巨大なロボットの形状をしており、長い首に鋭い牙が備わった頭部が特徴。「Z捕獲作戦」の先兵として活動する。

ダブルフェイザーV1 (ダブルフェイザーブイワン)

火星人類の生体機械獣。「Z捕獲作戦」の中心的存在。比丘魔子爵軍団の戦艦と動力が一体化した超巨大なモンスター戦士。戦艦が稼働し続ける限り、どのような攻撃を受けても倒されない、という生体ロボットでもある。

集団・組織

火星人類 (カセイジンルイ)

火星の先住人類。かつては高度な科学文明を誇っていたが、悪行の限りを尽くした結果、滅亡へと至った。しかし全滅する直前に、神皇帝によって地獄門が棲家として創造され、生き残った者は生体機械獣となり、火星移民となった地球人類を攻撃するようになった。

場所

火星 (カセイ)

戦争で荒廃した地球から脱出した地球人類が、新天地として開拓した太陽系の第4惑星。人類の移住は2010年から開始され、火星の軌道に接近した氷の彗星を爆破して火星に大海を作り、大森林地帯を育ててメガロポリスが建造された。わずか1世紀ほどで人間が快適に住める星に改造されている。

地獄門 (ジゴクモン)

火星人類が滅亡する直前に創造された、火星の亜空間。霊界でもなく現世でもない異次元の擬似空間で、火星の奥深い山間部に入口がある。火星人類の頂点に立つ神皇帝の棲家でもあり、洞窟の通路の壁では、肉体を失った火星人類の魂が怨めしい叫び声を上げている。

FUJI市 (フジシティー)

火星に移住した地球人類が建造したメガロポリス・シティ。富士山と同じ形状・同じ高さの超高層ビル群からなる集合都市。周囲を覆い尽くす森林地帯には4つの軍事基地がある。居住区と学校などの行政地区からなり、地下には娯楽施設も設置されている。

クレムリンシティー (クレムリンシティー)

旧ソビエト連邦の移民団が火星の北東部に建造した火星最大の都市。火星の移民都市の中ではFUJI市の約100倍規模という、最大級の軍事力を有している。約500km離れた地域には、戦争に嫌気がさした市民が住むビストリカ村がある。

イベント・出来事

第3次世界大戦 (ダイサンジセカイタイセン)

米国・旧ソ連・旧ECを巻き込んだ世界大戦。1999年7月にイスラエルのメギドの丘で、イスラエル軍とアラブ連合軍が軍事衝突して中東戦争が勃発。これを契機とした世界大戦。核ミサイルが各都市で次々に炸裂して地球は廃墟と化し、すべてがノストラダムスの予言詩どおりの未来図となった。

その他キーワード

生体機械獣 (バイオマシンビースト)

神皇帝によって創造された、新しい生物形態の火星人類。肉体と機械を融合させ、不死身の身体に改造された一種のサイボーグ。人間の容姿をしているタイプと、戦闘用に創られた、外見が巨大ロボットタイプのものがいる。

火星宇宙船 (マースクラフト)

地球人類が火星への移住のために製造した宇宙ロケット。発射台は巨大なブリッジ形状となっており、ロケットは発射台のレールをリニアモーターの推進力で打ち上げられる。2010年頃から運航が開始され、地球人類を火星に順次渡航させている。

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