あらすじ
マッシュ・バーンデッドと鍛えぬかれた筋肉
誰もが当り前のように魔法を使い、魔法が日常にある世界「魔法界」。人々は、魔法は神から与えられたものであると考え、魔法の巧拙によってその身分が定められていた。そんな魔法界に生まれながら、まったく魔法が使えないマッシュ・バーンデッドは、養父のレグロ・バーンデッドと共に、深い森の中で暮らしていた。もしマッシュが魔法を使えないことがほかの住民に知られてしまうと、マッシュも、それを隠していたレグロ自身もただでは済まないため、マッシュを決して森の外へ出さないようにしていた。しかしマッシュは、ある日好物のシュークリームを買うため、レグロに内緒で街へ出掛けてしまう。魔法界の魔法使いには全員、顔のどこかに一本以上の線型のアザがあるが、マッシュにはこのアザがどこにもない。そのアザの存在すら知らなかったマッシュは、街で顔をさらしたために魔法が使えないことがバレてしまい、魔法警察から追われる身となってしまう。こうしてお尋ね者となったマッシュの自宅に、魔法警察のブラッド・コールマンたちが急襲。ここでブラッドは、レグロに暴力を振るってマッシュの行方を聞こうとするが、レグロは決して口を割ろうとしない。さらに暴力を振るおうとするブラッドにマッシュは激怒。警備隊時代はドラゴンを追い払ったこともある強力な魔法使いのブラッドを、マッシュは拳だけであっさり倒してしまう。この類いまれな才能に目をつけたブラッドは、マッシュを逮捕するのを思いとどまり、ある取り引きを持ち掛ける。
マッシュ・バーンデッドと不思議な迷路
マッシュ・バーンデッドは、ブラッド・コールマンに一生追われる人生か玉砕覚悟で一発逆転の人生かの選択をせまられ、イーストン魔法学校に入学して「神覚者」を目指すことになる。神覚者とはイーストン魔法学校で1年に一人だけ選ばれる最も優秀な魔法使いのことで、トップの成績をおさめれば選出される。ブラッドはマッシュを捕まえるよりも、彼の力を見込んで神覚者に与えられる報酬や権利の恩恵を受けた方が得だと考えたのである。この条件をのんだマッシュは、顔に偽のアザを描いて、イーストン魔法学校の入学試験を受けることになる。当日、まったく魔法が使えないマッシュは苦戦するかに思えたが、持ち前の身体能力の高さを生かして、あたかも魔法を使っているかのように見せかけ、次々と試験をクリアしていく。こうして試験も後半に差し掛かり、次は迷路を突破する試験が始まる。ここでマッシュは、受験生の一人であるレモン・アーヴィンに声を掛けられ、いっしょに迷路を脱出することになるが、これは試験官のクロード・ルッチが仕組んだ罠だった。クロードはマッシュの生意気な態度が気に入らず、レモンの弱みをにぎってマッシュの妨害を命じ、二人ともに難癖をつけて不合格にしようと考えたのである。
マッシュ・バーンデッドと怒らせちゃいけない人
マッシュ・バーンデッドは、クロード・ルッチの妨害をものともせず、窮地に陥ったレモン・アーヴィンを助けたうえで、迷路をみごと突破する。この活躍を校長のウォールバーグに評価され、イーストン魔法学校の入学試験をクリアしたマッシュだったが、入学早々、衝撃の事実を知らされる。神覚者候補になるには、金や銀の「級硬貨(コイン)」と呼ばれる、学校生活で高い評価を受けた者にのみ与えられるアイテムを集めなくてはならないというのだ。それに加えて、学期ごとに一定の成績をおさめないと、その時点で退学になるという厳しいルールがあったのだ。それでもマッシュは、箒で飛ぶ授業では箒を放り投げてから高速で飛び乗るという、持ち前のパワーでその場をごまかす力技を披露する。しかし、同級生でいじめ常習犯のロイド・キャベルは、これを不正と考えてマッシュに反感を抱いていた。魔法局高官の息子であるロイドは、この立場を利用して、これまで気に入らない生徒を退学に追い込んでいたのだ。マッシュはそんなロイドの噂をルームメイトのフィン・エイムズから聞いても気にも留めていなかったが、その日から何者かに教科書を破られたり、ロイドから雑用を押し付けられたりと、嫌がらせが続くようになる。
マッシュ・バーンデッドと強めの魔法使い
マッシュ・バーンデッドは、傍若無人に振る舞うロイド・キャベルを返り討ちにし、魔法界の人気スポーツ「ドゥエロ」で大活躍したことで、友人も増えて楽しい学園生活を送っていた。そんなある日、二本線のアザを持つ同級生のランス・クラウンが声を掛けてくる。ランスはマッシュの優しすぎる人柄が気に入らず、同じ神覚者を目指すライバルとして、勝負を挑んできたのである。そんなランスに、レモン・アーヴィン、フィン・エイムズ、トム・ノエルズの三人を人質に取られたマッシュは、重力魔法を得意とするランスに立ち向かう。しかし戦いの中で、マッシュは不可解なことに気づく。ランスは三人を小人化して閉じ込めた小瓶を、崖から捨てると言い放つが、実際には小瓶はダミーで、ランスには三人を傷つける意思はまったくない様子だった。さらに、ランスは非常に妹のアンナ・クラウンを大切にしており、とても悪い人間には見えなかったのである。そこでマッシュは戦いを中断し、小瓶の件を指摘すると戦意をなくしたランスは、勝負は引き分けではあるものの、自分から仕掛けたけじめとして、銀の「級硬貨(コイン)」をマッシュに渡して去っていくのだった。
マッシュ・バーンデッドとモテない同級生
アドラ寮に所属するマッシュ・バーンデッドたち1年生は、他寮と合同の課外授業を受けることになる。イーストン魔法学校には「アドラ」「レアン」「オルカ」の三つの寮があり、マッシュたちアドラ寮の寮生は、レアン寮の寮生と森サソリの退治をすることになった。そこでマッシュはランス・クラウンと共に探索を始めるが、はぐれてしまい、ドット・バレットと行動することになる。そんな中、レアン寮の寮生であるローレン・キャバスを助けた二人は、彼女が学年の問題児として知られるシルバ・アイアンに脅されているが、従わないためにつきまとわれていることを知る。ローレンは魅了魔法という珍しい魔法の使い手で、シルバはこの魔法を使って悪だくみをしていたのだ。これに憤慨したドットは打倒シルバを誓うが、これはシルバが仕組んだ罠だった。シルバは自分の攻撃魔法に耐えられたら、今後ローレンにつきまとうのはやめると二人に持ち掛けてくるが、シルバとローレンは共謀していたのだ。まずシルバは、ローレンに魅了魔法を使わせ、ローレンに惚れた生徒に対して自分に有利な勝負を持ち掛けることで、相手を痛めつけ、所持する「級硬貨(コイン)」を奪って楽しんでいたのだった。
マッシュ・バーンデッドと人形の魔法使い
シルバ・アイアンを打ち倒したマッシュ・バーンデッドは、神覚者候補として順調に功績を上げていたため、レアン寮の「七魔牙(マギア・ルプス)」に目をつけられてしまう。レアン寮には政府高官の子息や名門貴族出身者が多く、血筋を重んじていた。そんな彼らは、マッシュのような平民出身の神覚者候補生を嫌悪しており、マッシュの持つ「級硬貨(コイン)」をも狙っていた。さらにレアン寮はすでに「級硬貨(コイン)」の独占を画策しており、マッシュやランス・クラウンのように神覚者を目指す者にとっては、いずれ倒さなくてはならない存在でもあった。そこでマッシュたちは、七魔牙の襲撃に備えてできるだけいっしょに行動する中、まずは七魔牙の下位メンバーに狙いを定め、オロル・アンドリューとアンサー・シンリを打ち倒すが、二人を助けに来た上位メンバーのアビス・レイザーには、逃げられてしまう。さらにその直後、トム・ノエルズが何者かに魔力を奪われたり、レモン・アーヴィンが行方不明になったりする事件が発生する。さっそくマッシュたちはレモンの痕跡を追って、七魔牙のアジトに潜入を試みる。
マッシュ・バーンデッドと加速の魔法使い
イーストン魔法学校の地下にある「七魔牙(マギア・ルプス)」に潜入したマッシュ・バーンデッドたちは、それぞれ七魔牙のメンバーと戦っていた。マッシュが対峙した序列二位のアビス・レイザーは、加速魔法を得意とするのに加えて「イヴル・アイ」という、対象の魔法を一時的に使用不能にする能力を持っていた。アビスはこのイヴル・アイを持つことから畏怖の対象として避けられ、孤独な日々を送っていた。だが、七魔牙のトップに君臨するアベル・ウォーカーだけは、自分を必要としてくれたため、七魔牙の一員として戦うようになる。しかしそんなイヴル・アイも、生まれつき魔法が使えないマッシュにはまったく効果はなかった。マッシュは肉体の力だけで今回の戦いも勝利し、もしアビスが孤独を抱えるが故に七魔牙に入ったのなら、今後は自分が友人になると伝えるのだった。アビスはこの申し出に応じなかったものの、少しだけマッシュに心を開くのだった。一方その頃、ドット・バレットとフィン・エイムズは序列四位の七魔牙に苦戦していたが、そこにフィンの兄であり、しばらく学校を離れていた、神覚者のレイン・エイムズが到着する。
マッシュ・バーンデッドと神覚者の男
レイン・エイムズが地下までやって来たのは、現在学校を離れているウォールバーグの命令で、「無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)」と呼ばれる闇魔法組織の一員を探すためだった。そこでマッシュ・バーンデッドと出会い、無邪気な淵源のメンバーだとカンちがいされるが、すぐに誤解は解ける。そして、まずはアベル・ウォーカーを打ち倒し、必ず神覚者になれと激励されるのだった。こうしてレインと別れたマッシュは、ついにアベルの待つ部屋に到着。アベルの人形魔法により、木偶に変えられてしまったレモン・アーヴィンたち仲間を助けるため、アベルと戦闘を開始。そんなアベルの目的とは、自分が劣等だと判断した人間たちを排除し、劣等な人間をかばう人間をも排除して、理想の世界を創るというものだった。アベルがこの極端な思想を持つようになったのは、母親が優しすぎるが故に暴漢に刺されて死亡したことに起因していた。アベルはもう二度とこのようなことが起きないように、犯罪を犯しそうな貧しい者、卑しい身分の者を手当り次第に殺そうと考えていたのである。この考えに賛同できないマッシュは人形にさせられそうになるが、魔法の発動条件を解析して勝利し、約束どおりレモンたちは解放される。そしてマッシュは、アベルは思想こそ極端ながら、真の悪人ではないと判断して安堵するのだった。
マッシュ・バーンデッドと神覚者たち
マッシュ・バーンデッドは、闇魔法組織「無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)」の一員であるセル・ウォーに襲われるが、マッシュとアベル・ウォーカーが協力して戦ったことで、セルは逃走する。しかしセルの能力である、受けた魔法を反射するアイテム「魔返しの鏡」が、マッシュにはまったくきかなかったことにより、ついにマッシュは魔法が使えないことがバレてしまう。その場は、レモン・アーヴィンたちの協力もあってどうにかごまかしたものの、この件は結局魔法局の耳に入り、マッシュは緊急尋問にかけられることとなる。そこでマッシュは死刑が執行されそうになるが、その瞬間に魔法局副局長のブレス・ミニスターに異変が起きる。ブレスは無邪気な淵源によって突如体内に魔法寄生虫を埋め込まれ、寄生虫のあやつり人形と化していたのである。しかしマッシュは、難なくこれを分離させることに成功。その後尋問は再開されるが、無邪気な淵源がなぜかマッシュに執着していることや、遅れてやって来たウォールバーグとレイン・エイムズ、そしてブレスがマッシュを擁護したことで、判決は覆る。こうしてマッシュは、今後神覚者の監視下には入るものの、無邪気な淵源との戦いの一員として、ひとまず生きることを許可されるのだった。
テレビアニメ
2023年テレビアニメ化。4月7日からTOKYO MXほかにて放送。制作はA-1 Pictures。主人公のマッシュ・バーンデッドを小林千晃が演じる。第2期となる『マッシュル -MASHLE- 神覚者候補選抜試験編』は2024年1月6日より放送された。
登場人物・キャラクター
マッシュ・バーンデッド
イーストン魔法学校の高等部に通う1年生の男子で、高等部からの編入組。フィン・エイムズのルームメイトで、アドラ寮の302号室に所属している。黒のマッシュショートヘアで、筋肉質の体型をしている。魔法界に生まれながら、まったく魔法が使えずに魔法使いのアザもない。そのため、ふだんはこれを隠すために左目の下から顎にかけて、雷のような形の一本線を書くことで、魔法使いのアザがあるかのようにカモフラージュしている。極端に無表情なため、一見とっつきにくい印象を与えるが、非常に素直で心優しく、情に厚い性格をしている。しかし、深い森の中で養父のレグロ・バーンデッドと二人きりで育ったため、マイペースで世間知らずなところがある。その結果、予想もつかないとぼけた行動をしては、周囲を困惑させている。赤ん坊の頃にレグロに拾われ、以来ずっと森の中で二人で生活している。魔法が使えないことを心配したレグロに、毎日の筋肉トレーニングを義務付けられてきた。そんなある日、魔法が使えないことが知られてしまい、魔法警察によって逮捕されかけるが、その腕っぷしの強さに目をつけたブラッド・コールマンにより、理不尽な世の中を変えたければ、魔法学校に入学して神覚者を目指せと勧められる。これを素直に受け入れ、魔法がまったく使えないにもかかわらず、神覚者を目指して勉学に励むことになる。好きな食べ物はシュークリームで、ヒマさえあれば食べている。また、どんな料理を作っても、なぜかシュークリームが完成してしまう。身長は171センチで、靴のサイズは26.5センチ。
レモン・アーヴィン
イーストン魔法学校の高等部に通う1年生の女子で、高等部からの編入組。アドラ寮に所属している。肩につくほどの長さの金色のセミロングヘアに、リボンカチューシャをつけている。魔法使いのアザは一般的な一本線で、右目の中央真下から始まり、途中で半円形に曲がっている。生まじめな性格で、同級生にも敬語で接するほど腰が低い。また、学内の情報にも精通しており、説明役や解説役を担うこともある。家柄が貧しいことから、あまり自分に自信が持てずに、他人に頼りがちなところがある。特に恋愛関係では惚れやすく依存型で、さらに愛情表現が極端に重く、思い込みが非常に激しい。そのため、周囲はこのギャップに驚かされることが多い。貧しい家を支えるためにイーストン魔法学校の編入試験を受けるが、クロード・ルッチに目を付けられ、合格させる代わりにマッシュ・バーンデッドの妨害を命じられてしまう。しかし、このことがバレても自分に親切に接してくれたマッシュに思いを寄せるようになり、無事合格を果たしてからは、よく行動を共にするようになる。またその過程で、フィン・エイムズをはじめとする、マッシュの友人たちとも親しくなる。身長は162センチ。
フィン・エイムズ
イーストン魔法学校の高等部に通う1年生の男子で、中等部からの内部進学組。レイン・エイムズの弟。マッシュ・バーンデッドのルームメイトで、アドラ寮の302号室に住んでいる。黒髪ストレートショートヘアで、髪の一部分だけを金色に染めている。鼻の周りにはそばかすがあり、落ち着いたおとなしめの人柄も相まって、中性的な印象を与える。魔法使いのアザは一般的な一本線で、右目の真下から顎にかけて真っすぐに伸びている。まじめな性格ながら、やや気の弱い一面がある。イーストン魔法学校高等部では内部進学組は編入組のルームメイトとなって面倒を見るという学校のルールに則って、編入組であるマッシュのルームメイトとなったことで彼と知り合う。当初はマッシュの奇想天外な行動に驚き、一定の距離を置いて接しようと思っていた。しかし、ロイド・キャベルとの一件がきっかけでマッシュの人柄に触れ、友情を築くようになる。また、レモン・アーヴィンをはじめとする、マッシュの友人たちとも親しくなる。マッシュのグループにおいてはつっこみ役を担い、個性的な友人たちには振り回されがちである。身長は170センチで、体重は52キロ。好きな言葉は「安寧秩序」。
ランス・クラウン
イーストン魔法学校の高等部に通う1年生の男子で、高等部からの編入組。アドラ寮に所属している。水色がかった銀色のショートヘアで、左耳にだけ星のモチーフの耳飾りをつけた、クールな雰囲気を漂わせている。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線で、どちらも右目尻から顎にかけて二本、真っすぐに伸びている。弱きを助け強きを挫く、心優しく面倒見のよい性格をしている。しかし感情表現が苦手で、つい他人に厳しく接してしまうために誤解されやすく、不器用な一面がある。魔法使いの超名門であるクラウン家の長男として生まれ、編入試験では首席合格を果たす。その後もつねに成績はトップクラスで、特に重力魔法を得意とする優等生。しかし編入前、妹のアンナ・クラウンが重病を患ったのをきっかけに、血筋を重んじるあまり、時に冷酷な仕打ちを与える両親に反発。神覚者になってアンナを助け、世の中を変えるためにイーストン魔法学校へやって来たという経緯がある。そのため、なんとしてでも神覚者にならなくてはいけないという思いが強い。同じ目的で入学したにもかかわらず、甘い考えのマッシュ・バーンデッドに反感を抱く。そしてマッシュに勝負を挑むが、彼にその人柄を見抜かれたことから和解し、ライバルとして友人関係を築く。ふだんは極めて常識人だが、アンナのことになると、その立ち居振る舞いが変貌する重度のシスターコンプレックス。そのアンナ至上主義を他人にも押し付けてしまうため、周囲を困惑させることが多い。身長は178センチで、休日は主に部屋の掃除をして過ごす。
ドット・バレット
イーストン魔法学校の高等部に通う1年生の男子で、高等部からの編入組。アドラ寮に所属している。赤毛のショートヘアを逆立ててバンダナを巻いている。魔法使いのアザは一般的な一本線で、左目の真下から左耳にかけて、二回ギザギザに折れたあと直線に伸びている。ふだんの魔力保有量は平均的だが、その正体は、感情がたかぶるとさらなる魔力を解放する戦闘魔族「自戒人(イーラ・クロイツ)」。そのため魔力が解放された際は、二本線の魔法使いを凌駕するほどの魔力量となり、額部分に十字のアザが浮かび上がる。自分こそがこの世の主人公、つまり世界の中心であると言ってはばからない、極端な目立ちたがり屋。しかし、その割には異性に人気がないことを非常に気にしており、自分より異性に人気のある男性や、美形な男性に強い嫉妬心を抱いている。これによって、周囲からは騒がしく思い込みの激しい人物と評されている。しかしその一方で、一度決めたことは貫く誠実な性格をしている。また、礼儀正しく騎士道精神にあふれ、たとえ敵であっても、女性には手を出さない育ちのよさがある。マッシュ・バーンデッドとは、アドラ寮とレアン寮の合同課外授業がきっかけで親しくなり、自分を気遣ってくれたレモン・アーヴィンに思いを寄せている。ハーブティーが大好きで、友人の手土産にはハーブティーを送ることが多い。
トム・ノエルズ
イーストン魔法学校の高等部に通う2年生の男子で、アドラ寮に所属している。ベリーショートヘアで、長身の筋肉質な体型をしている。魔法使いのアザは一般的な一本線で、左目の目尻から左耳に向かって「√」の形に入っている。魔法界で人気のスポーツ「ドゥエロ」の選手で、1年次には校内MVPを獲得するほどの実力の持ち主で、女子生徒から非常に人気がある。明るく前向きな性格で、結果よりも過程を大切にしている。一方で、熱い心を持っているが故に暴走しがちで、人の話はほとんど聞いていない。そのため暑苦しいと評されることも多いが、周囲とはなんだかんだでうまくいっている。2年生になったばかりのある日、マッシュ・バーンデッドがホウキの授業で世界新記録を樹立したと聞き、アドラ寮代表のドゥエロ選手になってほしいと勧誘にやって来る。これがきっかけでマッシュやその友人たちと親しくなり、学年が違うものの交流するようになる。竹が大好きで、どんな天候でもしなやかに育っていく姿に強く惹かれている。そのため、事あるごとに竹に例えて話をしがちなところがある。
レイン・エイムズ
イーストン魔法学校の高等部に通う2年生の男子で、フィン・エイムズの兄。アドラ寮に所属しており、監督生を務めている。今年の神覚者で、マッシュ・バーンデッドたちが入学する直前に選出された。癖のあるショートヘアを真ん中で分け、左右の色が異なっている。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線で、両目の真下から顎にかけて、一本ずつ真っすぐに伸びている。クールで落ち着いた性格ながら、悪とみなした者には容赦なく、気性が激しくなる。また、神覚者であることからウォールバーグからの信頼も厚く、校内に「無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)」であるセル・ウォーが侵入した際には、調査の役割を命じられた。マッシュとはこの件がきっかけで知り合い、当初はマッシュこそが無邪気な淵源のメンバーではないかと疑う。しかし、すぐにウォールバーグが目をかけている生徒だと気づき、必ず神覚者になれと激励した。無数の剣を放つ魔法を得意としている。
アベル・ウォーカー
イーストン魔法学校の高等部に通う男子。レアン寮に所属しており、監督生を務めている。神覚者候補で、レアン寮の中枢メンバー七人で構成された組織「七魔牙(マギア・ルプス)」のリーダーでもある。肩につくほどの銀髪のセミロングヘアで、毛先だけが紫色に染まっている。魔法使いのアザは三本線で、二本線よりもさらに大量の魔力を保有している。一本は左の額から左目の黒目の端を挟む形で顎までゆるくS字に流れ、残りの二本は左目の真下と目尻から、顎にかけて真っすぐに伸びている。しかしこの中の一本は、セル・ウォーと取り引きをして手に入れた人為的なものである。無表情でクールに振る舞っているために近寄りがたい印象を与えるが、本質的には非常に心優しく、正義感の強い性格をしている。これは母親が貴族でありながらも、身分の低い者にも分け隔てなく接していた母親の生き方による影響が大きい。しかしある日、母親が貴族であることを妬んだ暴漢に刺されて死亡。これにより、犯罪を犯しそうな貧しい者、卑しい身分の者は危険な存在で、排除すべきだと考えるようになってしまう。その結果、極端な貴族至上主義者となり、「級硬貨(コイン)」をレアン寮で独占する計画を始めた。この計画により、マッシュ・バーンデッドと戦うことになるが、お互いの人柄を知って和解する。人形魔法が得意で、人形をあやつったり、人間を木偶に変えてあやつったりすることができる。
アビス・レイザー
イーストン魔法学校の高等部に通う男子で、レアン寮に所属している。レアン寮の中枢メンバー七人で構成された組織「七魔牙(マギア・ルプス)」の序列二位でもある。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線で、両目の真下から顎にかけて何度も折れ曲がる複雑な形をしている。左目に「イヴル・アイ」という、対象の魔法を一時的に使用不可にする特殊な力を持つ。腰まで伸ばしたストレートロングヘアをポニーテールにし、不用意に「イヴル・アイ」が発動しないように、ふだんは顔全体に仮面をつけている。このことから、仮面を取ってからも、マッシュ・バーンデッドには「仮面さん」と呼ばれている。まじめで義理堅い性格で、誰に対しても敬語で接する。物心ついた頃に「イヴル・アイ」が発現し、以来魔法使い全般に恐れられ、両親にも殺されそうになった過去がある。この経験から自分を愛することができず、自分など生まれてこなければよかったと思って暮らしてきた。そんなある日、アベル・ウォーカーに出会い、「イヴル・アイ」を生かして自分のもとで戦ってほしいと頼まれて以来、唯一自分を必要としてくれるアベルに忠義を尽くすようになる。そんな中、リーダーのアベルが「級硬貨(コイン)」をレアン寮で独占する計画を始める。これによってマッシュと戦うことになるが、その過程でマッシュの人柄に触れ、少しずつ彼に心を開いていく。また、マッシュの友人たちとも交流するようになるが、これまでの境遇から人と接したことが少なく、特に女性全般を苦手としている。レモン・アーヴィンのような比較的威圧感のない女性も、話し掛けられるだけで極端に緊張してしまう。加速魔法を得意としている。
ワース・マドル
イーストン魔法学校の高等部に通う男子で、中等部からの内部進学組。レアン寮の中枢メンバー七人で構成された組織「七魔牙(マギア・ルプス)」の序列三位でもある。癖のあるショートヘアで、丸いサングラスを掛けている。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線。両目尻の下から顎にかけて、ゆるやかなカーブを描きながら伸びている。生まれながらの二本線魔法使いで、両親は魔法局に勤めるエリートでもある。そのため幼少期からエリート校に通い、英才教育を受けて育った。この境遇から七魔牙に選ばれるのも、自分よりも弱い魔法使いの魔力を奪って自らの糧にするのも、当然のことだと考える傲慢な一面がある。また、人間の価値は魔法使いとしてどれだけ成功するかで決まるという両親の考え方に毒されており、この考え方で他人を見下す一方で、ワース・マドル自身も追い詰められていく。本来はまじめな努力家でありながらも、そんな自分を認めたり、愛したりすることができずにいた。そんなある日、リーダーのアベル・ウォーカーの命令により、「級硬貨(コイン)」をレアン寮で独占する計画を始める。これを阻止するために自分たちのアジトに潜入したマッシュ・バーンデッドたちを迎え撃つこととなり、ランス・クラウンと戦う。
第四魔牙 (ふぉーす)
イーストン魔法学校の高等部に通う1年生の男子。レアン寮の中枢メンバー七人で構成された組織「七魔牙(マギア・ルプス)」の序列四位で、唯一の1年生メンバー。ショートカットヘアの小柄な体型で、中性的な雰囲気を漂わせている。とんがり帽子をかぶり、大きな骸骨のモチーフが付いた杖を使用して戦う。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線で、両目尻から顔の輪郭の耳側に向かって流れている。ある日、リーダーのアベル・ウォーカーの命令により、「級硬貨(コイン)」をレアン寮で独占する計画を始める。これを阻止するために自分たちのアジトに潜入したマッシュ・バーンデッドたちを迎え撃つこととなるが、自分は得意の石化魔法を生かして、罠担当の予定だった。そのため当初は、ラブにドット・バレットやフィン・エイムズを任せ、マッシュ・バーンデッドにかけた石化魔法の完成に注力していた。しかしラブが敗北したことで、石化魔法は放棄して戦うことになる。
ラブ
イーストン魔法学校の高等部に通う女子。レアン寮の中枢メンバー七人で構成された組織「七魔牙(マギア・ルプス)」の序列五位でもある。腰まで伸ばしたツインテールヘアで、かわいらしく小悪魔的な印象を与える。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線。両目の真下から顎にかけて、一本ずつ真っすぐに伸びている。父親から甘やかされて育ったことで、非常にわがままで気の強い性格となった。自らの容姿に強い自信を持つため、自分は生まれながらのお姫様であり、自分に好意を抱かない男性や容姿を褒めない男性は殺してもよいという、過激な思想の持ち主。ある日、リーダーのアベル・ウォーカーの命令により、「級硬貨(コイン)」をレアン寮で独占する計画を始める。これを阻止するために自分たちのアジトに潜入したマッシュ・バーンデッドたちを迎え撃つこととなり、ドット・バレットやフィン・エイムズと戦う。竜巻を起こす魔法を得意としている。
オロル・アンドリュー
イーストン魔法学校の高等部に通う男子。レアン寮の中枢メンバー七人で構成された組織「七魔牙(マギア・ルプス)」の序列六位でもある。スキンヘッドに長身の筋肉質な体型で、目がギョロギョロした不気味な印象を与える。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線。両目の目尻から顎にかけて一本ずつ、ゆるやかなカーブを描きながら伸びている。物体を液状化させる魔法と、自らをシャチに変身させる魔法を組み合わせて戦う。そのため、相手を液状化させた空間に落とし、水中戦で一方的に痛めつける戦法を好む。ある日、リーダーのアベル・ウォーカーの命令により、「級硬貨(コイン)」をレアン寮で独占する計画を始める。これによって、順調に「級硬貨(コイン)」を集めている他寮の生徒を襲撃し、アンサー・シンリと共にマッシュ・バーンデッドやランス・クラウンに襲い掛かる。
アンサー・シンリ
イーストン魔法学校の高等部に通う男子。レアン寮の中枢メンバー七人で構成された組織「七魔牙(マギア・ルプス)」の序列七位でもある。額を見せたストレートショートヘアにしている。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線。右目の中心から顎にかけて、二本とも真っすぐに伸びている。クールな性格で感情に乏しく、他人を見下したところがある。二本線であることからエリート意識が強く、他人と自分をあえて比較することで、自分の優秀さを再確認しては喜びに浸っている。しかし一般常識や自然の法則を、さも世の中の真理かのように重々しく語る癖があり、周囲を呆れさせることが多い。ある日、リーダーのアベル・ウォーカーの命令により、「級硬貨(コイン)」をレアン寮で独占する計画を始める。これによって、順調に「級硬貨(コイン)」を集めている他寮の生徒を襲撃し、オロル・アンドリューと共にマッシュ・バーンデッドやランス・クラウンに襲い掛かる。
シュエン・ゲツク
イーストン魔法学校の高等部に通う男子で、レアン寮に所属している。ショートヘアのかわいらしい顔立ちで、校内にファンクラブが存在するほどの人気者。魔法使いのアザは一般的な一本線だが、二本線のシルバ・アイアンよりも強いと自負するナルシスト。左目の真下から顎にかけて、S字に伸びている。「七魔牙(マギア・ルプス)」のメンバーではないが優秀な魔法使いで、植物をあやつる魔法を得意としている。ある日、レアン寮の監督生であるアベル・ウォーカーの命令により、七魔牙のアジトに潜入したマッシュ・バーンデッドたちと戦うことになる。しかし、美形でありすぎることからドット・バレットに激しく嫉妬され、彼に敗北した。
ロイド・キャベル
イーストン魔法学校の高等部に通う1年生の男子で、中等部からの内部進学組。アドラ寮に所属している。額を見せたストレートショートヘアにしている。魔法使いのアザは一般的な一本線で、右目の真下から唇までは真っすぐ、そこから先はS字にカーブを描きながら伸びている。いつも笑顔でにこやかに振る舞っているが、極端なエリート志向で他人を見下したところがある。父親が魔法局の高官であり、イーストン魔法学校の教頭とも関係が深いことを利用して、気に入らない生徒や教師を見つけてはいたぶっている。多くの生徒をいじめ抜いては退学に追い込んできたため、その様子を知る内部進学組の生徒たちからは非常に恐れられている。高等部に進学して早々、マッシュ・バーンデッドに目をつけ、彼と親しいフィン・エイムズを脅して嫌がらせをさせたり、直接雑用を押しつけたりしていじめを行うが、これに耐えかねたフィンと、事態を理解したマッシュによって撃退された。それでも執拗にマッシュを退学させようとするが、それもウォールバーグによって阻止される。
シルバ・アイアン
イーストン魔法学校の高等部に通う男子で、レアン寮に所属している。マッシュ・バーンデッドたちよりも先輩だが、度重なる暴力事件の犯人として、進級できないでいる。退学にこそなっていないものの、校内では微妙な立ち位置となっている。前髪を短く切ったマッシュショートヘアで、左眉の上と両耳にピアスをしている。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線で、両目の真下から耳に向かって、鼻の下で折れ曲がりながら伸びている。しかし、この魔力保有量を生かし切れておらず、シュエン・ゲツクには惜しまれている。他人をいたぶるのが大好きなサディストで、気に入らない相手にはすぐに絡む癖がある。特に魅了魔法を持つローレン・キャバスと共謀しては、彼女の魔法によって魅了された男子生徒を傷つけたり、男子生徒の持つ「級硬貨(コイン)」を奪い取ったりすることに夢中になっている。そのため、1年生たちに交じってアドラ寮とレアン寮の合同課外授業に参加した際も、マッシュ・バーンデッドに因縁をつけ、ドット・バレットを騙して一方的に弄んでいる。しかしこれに怒ったマッシュに、あっさり倒されてしまう。「七魔牙(マギア・ルプス)」に入りたい気持ちが強く、アベル・ウォーカーには頭が上がらない。
ローレン・キャバス
イーストン魔法学校の高等部に通う1年生の女子で、レアン寮に所属している。髪全体を右側に流したボブヘアで、口の左下にほくろがある。魔法使いのアザは一般的な一本線で、右目の真下から顎にかけて、真っすぐに伸びている。か弱い女性として振る舞っているが、実際は狡猾な毒舌家。魅了魔法を使えることを見込まれて、シルバ・アイアンと組んでいる。魔法で惚れさせた男子生徒に、シルバに脅されて困っているとウソをついてはシルバと戦わせる役目を担っている。男子生徒を痛めつけたり、「級硬貨(コイン)」を奪い取ったりする行為を繰り返していた。そんなある日、アドラ寮とレアン寮の合同課外授業に参加した際、マッシュ・バーンデッドとドット・バレットに目をつける。そして、ドットを騙してシルバと戦わせるが、真相を知って激怒したマッシュに反撃され、シルバといっしょに痛い目に遭った。
ウォールバーグ
イーストン魔法学校の校長を務める老齢の男性で、威厳のある雰囲気を漂わせている。長く伸ばした白髪のロングヘアで口ひげを長く伸ばして、眼鏡を掛けている。魔法使いのアザは、まず一本目が左目の真下から顎にかけて半円を描いて伸びている。二本目以降は、顔以外にも発生する可能性があるために一本線なのか、それ以上の魔法使いなのかは不明。元神覚者でもあり、かつて「無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)」と唯一渡り合った生きる伝説として尊敬されている。寛容で心優しい性格をしている。正義感が強く、魔法使いは弱い者を守る存在であるべきだという「ノブレス・オブリージュ」の考えを重んじている。そのため、強力な魔法使いたちが幅をきかせ、傲慢に振る舞う魔法界の現状を変えたいと強く願い、数年前からイーストン魔法学校に赴任した。そんなある日、マッシュ・バーンデッドに出会い、試験の合否よりもレモン・アーヴィンを優先したその人柄に関心を抱く。そこで、マッシュが魔法を使えないことを理解したうえで、入学を許可。入学後も手厚くサポートするようになる。
クロード・ルッチ
イーストン魔法学校の教師を務める若い男性。ウエーブヘアを肩につくほどまで伸ばしている。魔法使いのアザは一般的な一本線で、左目の真下から顎にかけて、真っすぐに伸びている。次代を担うスーパーエリート魔法使いを自負しており、ナルシストで他人を見下した態度を取る。特に貧しい者、将来性に欠ける者には非常に冷たく、虫けらのように扱う。ある年のイーストン魔法学校の編入試験において試験官を務めることになるが、気に入らない受験生は自分の裁量で不合格にしようと考えていた。編入試験で生意気な態度を取るマッシュ・バーンデッドに目をつけ、家柄の貧しいレモン・アーヴィンに合格させる代わりの条件として、マッシュの妨害を強要して二人とも不合格にしようとするが、この企みに気づいたマッシュに返り討ちに遭う。さらに、不正をしたことを校長のウォールバーグにバレてしまった。
レグロ・バーンデッド
マッシュ・バーンデッドの養父で、年齢は75歳。マッシュとは祖父と孫ほど年齢が離れているため「じいちゃん」と呼ばれている。スキンヘッドで、長い口ひげを蓄えている。魔法使いのアザは一般的な一本線で、左目の下から顎にかけて、ゆるくカーブしながら伸びている。穏やかで心優しい性格ながら、マッシュに対しては過保護気味なところがある。若い頃から自分の思うようにいかず、自分のふがいなさを恨み、60歳頃に自殺を考えたことがある。しかし、飛び降り自殺のために訪れたビルの上で、捨てられているマッシュを偶然発見。この際にマッシュには魔法使いのアザがないことに気づき、初めて自分が必要とされている気がして彼を育てる決意をする。以来ずっと深い森の中でマッシュと二人きりで暮らし、マッシュの秘密が外界に漏れないように細心の注意を払っていた。しかしある日、マッシュが無断外出したのをきっかけに魔法警察に秘密が知られ、二人そろって逮捕されることを覚悟する。そんな中、魔法警察官のブラッド・コールマンがマッシュの圧倒的な強さに目をつけ、取り引きを持ち掛けたことで、マッシュをイーストン魔法学校へ送り出すことになる。ブラッドとはなんだかんだで仲がよく、二人でマッシュのことを心配している。
ブラッド・コールマン
魔法警察の警察官の男性で、かつては魔法局直属の警備隊に所属していた。ツーブロックヘアをオールバックにし、顎ひげと口ひげを蓄えている。魔法使いのアザは一般的な一本線で、左目頭から鼻の下ほどの高さまでに、短く雷型に伸びている。犯罪者にはとことん高圧的で、利己的に振る舞っているが、悪者にはなり切れないところがあり、他者に感情移入しやすい。警備隊時代はドラゴンを追い払ったこともある強力な魔法使いだったが、現在は魔法警察で軽犯罪者をいたぶっては憂さ晴らしをするという、冴えない日々を送っている。そんなある日、マッシュ・バーンデッドが街で騒ぎを起こし、マッシュを捕まえれば出世につながると考え、捕えようとする。しかし、その過程でマッシュの異常なまでに強靭な肉体とパワーに触れ、無理に捕えるよりも、神覚者に成長させて自分はそのおこぼれに預かろうとしている。そこでマッシュの秘密を守るだけでなく、援助を申し出る。そしてマッシュをイーストン魔法学校へ送り出し、みごとマッシュが神覚者となった暁には、神覚者に与えられる助成金や権利を山分けするという約束を取り付ける。しかし、マッシュを単なる金儲けの道具とは考えておらず、マッシュが入学してからは、レグロ・バーンデッドと共にマッシュを心配している。
アンナ・クラウン
ランス・クラウンの妹で、幼い少女。髪を肩につくほどのセミロングヘアにしている。魔法使いのアザは一般的な一本線で、右目の真ん中から顎にかけて、一度半円を描いたあと真っすぐに伸びている。明るく素直な心優しい性格をしている。だが、現在はアザが消えてしまい、このままでは5年以内に魔力が枯渇する重病を患っている。この病気で両親から追放されそうになるが、ランスはこれを阻止。現在、病気を完治させるために病と戦っている。物おじすることなく、兄のランスに対してもはっきり意見を言うため、アンナの考え方はランスにも大きな影響を与えている。将来の夢は歌手になること。
ブレス・ミニスター
魔法局副局長を務める老齢の男性。スキンヘッドで、顎ひげを長く伸ばしている。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線で、両目の真下から顎にかけて、二本ともS字にカーブを描きながら伸びている。ある日、魔法が使えないことが発覚したマッシュ・バーンデッドの緊急尋問を行うことになるが、その最中に「無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)」が放った魔法寄生虫に寄生されてしまう。この窮地をマッシュに助けられ、ウォールバーグやレイン・エイムズの進言もあり、これまでの魔法を使えない者は冷遇されて当然という考えを改め、マッシュの死刑を覆し、経過観察にとどめた。
セル・ウォー
闇の魔法組織「無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)」の一員の若い男性。金色のマッシュショートヘアにいばらの冠をかぶり、両耳に髪の毛のような房が付いた長い耳飾りをしている。魔法使いのアザは、大量の魔力を保有する者にのみ浮かぶ二本線で、両目の真下から顎にかけて、二本とも雷型に曲がって伸びている。アベル・ウォーカーと取り引きし、ウォールバーグの持つ情報と引き換えに、アベルに三本目の魔法使いのアザを与える。これによってイーストン魔法学校に侵入するが、そこでアベルの利用価値がなくなったため、殺害しようとした。それをマッシュ・バーンデッドに止められるが、これをきっかけにマッシュこそが自分の探している人間ではないかと考えるようになる。炭素を扱う魔法を得意とする。
場所
イーストン魔法学校 (いーすとんまほうがっこう)
魔法が日常の世界「魔法界」に存在する名門魔法学校。全寮制で「アドラ」「レアン」「オルカ」の3寮があり、内部進学組と高等部からの編入組が二人一組となって共同生活を送っている。1年に一人だけ選ばれる最も優秀な魔法使いには神覚者の称号が与えられる。
その他キーワード
神覚者 (しんかくしゃ)
年に一度、イーストン魔法学校で最も優秀な魔法使い一名のみに贈られる称号。現在、イーストン魔法学校の校長を務めるウォールバーグも元神覚者である。神覚者となった者は「神に選ばれし者」として崇め奉られ、さまざまな特権が与えられるほか、魔法局においても管理職を任される。さらに、神覚者が平民であった場合は貴族階級へ昇格することができ、多額の助成金ももらえる。そのため、マッシュ・バーンデッドやランス・クラウンは、現在の魔法界を変えるために神覚者を目指している。
書誌情報
マッシュル―MASHLE― 18巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2020-06-04発行、 978-4088823294)
第12巻
(2022-07-04発行、 978-4088831596)
第13巻
(2022-10-04発行、 978-4088832586)
第14巻
(2022-12-02発行、 978-4088834030)
第15巻
(2023-02-03発行、 978-4088834269)
第16巻
(2023-04-04発行、 978-4088834474)
第17巻
(2023-07-04発行、 978-4088835686)
第18巻
(2023-10-04発行、 978-4088836683)