マドンナ

マドンナ

牛鍋工業高校に着任した新米、女性教師の主人公土門真子は、問題児だらけの不良クラスを受け持つうえに、ラグビー部の顧問も担当することになってしまう。不良相手でも熱心に向き合う真子に、生徒たちも心を開きはじめる。

正式名称
マドンナ
ふりがな
まどんな
作者
ジャンル
ラグビー・アメフト
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概要・あらすじ

主人公土門真子は、不良が集まる牛鍋工業校の女教師として2年D組の担任になる。不真面目な生徒たちより、自分の幸せを掴みたい彼女は数年で退職する予定だったが、偶然再建されたラグビー部の顧問役に抜擢されてしまう。入部者0人を願うが、真子を目当てに入って来た生徒のせいで顧問が決定することに。

ラグビー部は、ルールーすら全員知らない所から出発し、高校ラグビーの全国大会出場(通称花園)を目指していく。

登場人物・キャラクター

土門 真子 (どもん まこ)

担当教科は英語で、2年D組の担任。小妻女子大英文科を卒業し、新卒で牛鍋工業高校にやってきたマドンナ教師。情熱的で声が大きく、ついカッとなっていろんなことを言ってしまうため、学年一の不良醍醐をラグビー部に入れて立ち直らせると宣言し大事にしてしまう。残業のない教職を選んだのは、恋愛を充実させて早期退職するためだった。 初めはラグビー部と関係のなかった真子だが、彼女に好意を受け入れられず妬んでいた古手川先生に弱みを握られ、顧問を務めることになる。馬鹿で喧嘩ばかな生徒たちを嫌いつつも、時折見せるまっすぐで純粋な心を応援していて、みんなで花園を目指す。

大林 (おおばやし)

優秀なラグビー選手の兄をもつ高校二年生。牛鍋工業高校ラグビー部顧問兼担任の土門真子に一途な恋をしていて、一番初めに入部した。初めはバックスのスタンドオフを担当していたが不破コーチの提案でフォワードのナンバー8になり、攻撃・守備面両方で活躍する花形として大林はチームのエース的な存在になる。 ゴールキックが得意で、プロも難しい角度からのキックを高確率で成功させている。真子を花園へ連れて行くと固く決意している。

醍醐 亨一 (だいご きょういち)

マイナスドライバーを持ち歩き。チビという言葉が大嫌いな高校二年生。人と話す事より車の修理を好み、羽田の倉庫に住みついている。学校にはめったに来ない牛鍋工業高校一番の不良。学校側から自主退学を迫られているが、担任土門真子の提案でラグビー部に入部することになる。

不破 明 (ふわ あきら)

サングラスをかけた男で、土門真子に好意を寄せている人物の一人。伝説のナンバー8と呼ばれた元極東工業高校の天才プレイヤーだが、ある試合で暴力事件を起こし表舞台から姿を消してしまう。現在、不動産会社の専務として勤務している傍ら牛鍋工業高校のラグビー部コーチを務めている。 ラグビーのルールすら知らない部員たちを、基礎から厳しく指導していく一方、生徒のいないところでは彼らの成長を喜び、石拾いをしてグラウンドの整備をしている。必ずチームが花園へ行けると信じている。

花八木 高史 (はなやぎ たかし)

練習試合は必ず見に来る牛鍋工業高校ラグビー部の活躍を応援する人物。「ロックの花八木」の愛称をもち、高校ラグビー伝説の不破明選手と同じチームにいた。現在はやきとり屋を営業している。花八木の店は不破や土門真子率いるラグビー部行きつけの店になっていて、権田や赤城山らの頼みを聞き、フォワード練習としてビール瓶を運ぶバイトを頼んでいる。

赤城山 (あかぎやま)

クラスメートの大林に誘われてラグビー部へ入部した牛鍋工業高校ラグビー部二年生。顧問の土門真子は赤城山のクラス2年D組の担任でもある。チームではフォワードの右プロップを担当している。練習後には花八木のやきとり屋でビール瓶を運ぶバイトをし、体を鍛えるようになりスクラムを組んだ時の支柱に成長。 ラグビーをするうち、試合を見に来てくれる母親に感動して家族の事を思いやるようになる。

権田 (ごんだ)

牛鍋工業高校ラグビー部のキャプテン。大林や赤城山と同じ2年D組の、暗い性格で目立たない人物。ポエムを書いたりゆっくり食事をするので周囲から女々しいと思われているが、ラグビーでは冷静沈着でここ一番の時に粘り強いプレーが出来る。チームではフォワードの左プロップを担当し、顧問の土門真子と不破コーチと共に花園を目指す。

猫渡 (ねこわたり)

牛鍋工業高校の一年生。街中でナンパすることが特技なのだが、ある日偶然ナンパして相手にされなかった土門真子を振り向かせるためにラグビー部に入部した。チームではバックスのスクラムハーフを担当し、体格は細めだが素早い動きを生かして試合の流れを自分たちのペースにもっていく事が出来る。

山咲 美央 (やまさき みお)

女子高嫌いで、女の少ない牛鍋工業高校にわざわざ入学した一年生。大林とは中学の同級生で、彼の事が好きなあまり追いかけてラグビー部のマネージャーになる。一時は顧問の土門真子が受け入れられず、反発してマネージャーを辞めてしまうが、北高ラグビー部にだまされて醍醐の所へ連れていかれたとき、真子が身代わりになり救出してくれたことで彼女を信頼していく。 5年前から放置されて倉庫と化していたラグビー部室の掃除や、ユニホームの洗濯をして細やかなサポートをこなす。

ゲンさん

夏物着物とうちわがトレードマークの老人で高校ラグビーを20年間見てきた自称ラグビー通。毎年楽しみにしている予選大会に突如現れた牛鍋工業高校を弱小チームといって馬鹿にしていたが、次第に彼らのあきらめずに走るプレーに魅了されて牛鍋ラグビー部一番のファンになる。初めから牛鍋を「ぎゅうなべ」と呼び間違えているが、それを突き通したまま応援を続けている。

古手川 (こてがわ)

西麻布高校から牛鍋工業高校へ転任してきた男性教師。20代でファミコンをやるのが趣味な彼は、自分を嫌う同じ学校の教師土門真子と2年D組の生徒を妬んでいて、密かに彼らの失敗を望んでいる。校長先生の気まぐれで再建されたラグビー部顧問に抜擢された人物だが、顧問になることが嫌で真子を策略にはめ、彼女になすりつけてしまう。 嫌々ながら予選大会の応援に顔を出すようになったり、ラグビー部のポスター貼りを手伝う事になる。

校長先生 (こうちょうせんせい)

牛鍋工業高校校長を務め、土門真子を2年D組の担任に選んだ人物。名前は不明。若いころ自らスポーツをしていた経験から、廃れたラグビー部を再建することを思いつき不破明をコーチとして呼んだ。ユニホームやチラシを作って顧問の真子と生徒を応援し、ラグビー部が初戦を上げて以来すべての試合に駆けつけて、生徒たちが活躍していることに大喜びしている。 校長室にぴーちゃんという名前のペットの鳥を飼っているが、真子はぴーちゃんの事が苦手である。

有栖川 真 (ありすがわ まこと)

北高ラグビー部キャプテンで、身長195センチ、体重115キロの体を武器にする雑誌に載るほどの注目選手。小学校時代のあだ名はフランケンで、それがコンプレックスで非行に走っていたが自分を必要とするラグビーに出会って人生が変わった。中学の頃は少年院にいたこともあり、醍醐と顔見知りで彼とタイマンをはって引き分けたと思われる。 チームでのポジションはナンバー8で牛鍋工業高校とライバル意識を燃やすと同時に顧問土門真子に密かに惚れている。

牛鍋工業高校 (うしなべこうぎょうこうこう)

『マドンナ』の舞台。正式名称は東京都立牛鍋工業高等学校。不良が集まり、他校からも馬鹿にされる落ちぶれた工業高校。男子が多く問題児が集まる2年D組を抱え、教師たちも生徒を危険視して関わらないようにしている。部活動は新任教師土門真子が顧問を務めるラグビー部や応援団が存在するが、殆どは部費をもらうだけで未活動。 今まで生徒の暴力事件の噂ばかりだったが、ラグビー部が活躍して以来、初めて学校の志願率が上がる。

2年D組

牛鍋工業高校の中でも特に教師が危険視している問題クラスで、目立つ生徒として大林、赤城山、権田、醍醐などの生徒が居る。新任教師土門真子が担任を任されるが、下品にからかわれた彼女は配属二日目にして退職を考えたほどである。クラスのリーダー的存在は醍醐であり、彼に対して口出しできるものは居ない。

北高ラグビー部 (きたこうらぐびーぶ)

牛鍋工業高校と最大のライバル関係にある高校。私立北高校の臼井コーチ率いるラグビー部は名門として知られ、都大会優勝、花園進出の常連高校であり、牛鍋の大林と中学の頃同じチームでプレイしていた生徒や、高校ラグビーの中でも人目置かれる有栖川が所属している。

花園 (はなぞの)

牛鍋工業高校のラグビー部が最終目標に掲げている全国大会の舞台。実在する近鉄花園ラグビー場で行われることから作中では通称花園と呼ばれている。近鉄花園ラグビー場は日本初のラグビー専用スタジアムとして有名で、ここで行われる全国高等学校ラグビーフットボール大会は野球でいえば甲子園のようなものであり、出場校は各都道府県につき1校とされている。

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