フルドラム

フルドラム

男子高校生・日野ハルは運動音痴だが、ラグビーのタックルにおいてのみすさまじい力を発揮する。彼がひょんな事からラグビーを始めたのをきっかけに、選手としての能力を開花させていく青春スポーツストーリー。「週刊ヤングジャンプ」2017年1号から51号にかけて連載された作品。

正式名称
フルドラム
作者
ジャンル
ラグビー・アメフト
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あらすじ

第1巻

高校1年生の日野ハルは、入学以来、さまざまな部活動にチャレンジしていたが、どこの部でもうまくいかず邪魔者扱いされるばかりだった。そんなある日、ハルは好みのタイプの同級生・登戸綾子がラグビー部員を募集していると知り、入部を決意する。今度こそラグビー部で活躍したいと意気込むハルだったが、その夜、綾子とラグビー部のキャプテン門脇清二が不良達に絡まれている姿を目撃してしまう。慌てて助けに入るハルだったが、なんと相手はバイクまで持ち出して三人を傷つけようとし、とうとうハルを轢き殺そうとする。しかし、そのバイクを止めたのは、ハルの異常なまでに強いタックル力であった。これによってハルは、数日入院するほどのケガを負いながらも不良達を追い払う事に成功する。その一部始終を見ていた綾子は、ハルのラグビー選手としての稀有な才能を確信。そして綾子に応援された事で、ハルもラグビーへの興味をがぜん強めるのだった。しかし、さっそく体力測定を行ったところで、ハルの運動能力が低すぎる事が発覚する。2年生の小山からは退部を勧められるが、ハルは納得がいかず、部内の紅白戦で絶対に活躍するので、試合の結果を見て決めてほしいと願い出る。

第2巻

日野ハルは、部内の紅白戦で活躍できなかった場合は退部するという条件で、試合に出られる事になった。紅チームとなったハルは川崎のサポートもあり、持ち前のタックル力を活かしたプレーを見せるが、白チームの緑悠介が手強く、前半は白チームのリードで終わってしまう。このままでは勝利できないと判断したハルは、小山にアドバイスを乞い、敵チーム選手の特徴や癖をしっかり見るよう告げられる。これによりハルは、悠介の敵選手と接近してもギリギリまで仕掛けて来ない癖と、鋭いステップを得意とする分、ステップを切ったあとにスキができやすいという弱点を見つける。その弱点を突いたハルは悠介を脅かすが、途中でケガをして退場となり、紅白戦はそのまま白チームの勝ちで終了する。ハルは敗北したものの、試合での活躍が小山に認められ、部に残る事が決定。ハルはひとまずのポジションとしてフランカーとなり、翌日から同じく初心者である悠介と、いっしょに練習をする事になるのだった。

第3巻

日野ハルは、登戸綾子といっしょに買い物に行った際に出会った釜田から、ラグビー選手としても、綾子に思いを寄せる者同士としてもライバル宣言をされてしまう。しかし、現在のハルと釜田では実力差がありすぎるうえ、ハルは未だに緑悠介と個人トレーニングをさせられており、部の全体練習にも入れずにいた。そんなある日、とうとう小山から全体練習参加の許可を得たハルは、キャプテンである門脇清二の勧めで、2年生の塩谷奨に教わる事になる。だが奨は気性が荒く不愛想で、ハルに指導する気などまったくなく、ハルは呆れてしまう。しかし、清二から奨には奨なりの美学があると知らされたハルは、奨に認めてもらうため、勝負を挑む。そんなハルに根負けした奨は、ハルを仲間として認めるのだった。そしてとうとう高校ラグビーの県大会が始まり、ハル達櫻野高校は、初戦で釜田達のいる岸沢工業高校と戦う事になる。ここでハルはスタメンに選ばれずショックを受けるが、綾子は試合中必ずハルにも出番が来るので、腐らずに準備していてほしいと励ます。そして迎えた試合当日。前半15分、ほかの選手がケガをした事により、予想よりも早くハルの出番がやって来る。

第4巻

日野ハルは、岸沢工業高校の選手達のラフプレーに驚かされつつも、持ち前のタックル力で肉鮪豊釜田を止める事に成功した。そのまま試合は岸沢工業高校の5点リードで前半が終了し、櫻野高校の選手達は、後半の動き次第で十分勝利できると希望を持つ。一方、岸沢工業高校の選手達は、初心者のはずのハルにまどわされ、混乱していた。しかし、ハルのラグビーセンスを間近で見た釜田は、このままハルを見くびっていては、自分達は負けると判断。監督に進言し、後半はハルを最優先で警戒する方針を決まる。こうして後半が始まるが、岸沢工業高校の虎徹大介は、チームメイトのサインを無視する緑悠介を見つけ、腹を立てていた。そんな大介から攻撃されて倒れた悠介は、時に周囲の意向を無視してでも勝ちたいと願う自分の考え方は間違っているのだろうかと悩む。しかし、そんな悠介を救ったのは、かつての小山の優しい言葉と、自分を仲間として認めるハルの姿だった。戦う意思を取り戻した悠介は、初めて仲間にサポートを頼み、大介に勝利。これがきっかけで、小山が得点を挙げるのだった。

第5巻

小山の得点により、櫻野高校と岸沢工業高校の戦いはついに同点となった。これに焦った岸沢工業高校はすぐに2点を入れ、その後5点差まで広げるが、それでも油断できないと感じるほど、櫻野高校は善戦していた。一方の櫻野高校は、自分達がここから逆転するには、日野ハル釜田を単独で抑える事が必須であると考えていた。ハルはそれに応じ、岸沢工業高校の将来のエースにも等しい釜田に苦戦しつつも、あきらめずタックルを繰り返していく。そしてハルはとうとう、釜田のハンドオフすら届かないほどの低い位置からの超低弾道タックルを編み出す。これによって釜田は抑えられ、試合は櫻野高校が逆転。これに動揺した釜田は、ハルへの嫉妬のあまり、故意にハルを蹴飛ばし、骨折させてしまう。しかしそれでもハルは戦い続け、釜田を振り切って得点を挙げ、試合は櫻野高校の勝利となるのだった。

登場人物・キャラクター

日野 ハル (ひの はる)

櫻野高校1年3組に在籍する男子。前髪を眉上で短く切って、髪全体をツンツンに立てた髪型をしている。麻倉史延には「ピヨ助」と呼ばれている。明るくお調子者な性格。勉強もスポーツも苦手なため、中学時代は友人の堀ノ内と共に写真部に所属していた。しかしある日、女子に人気のある男子はみんな運動部に所属している事に気づき、高校では運動部に入ろうと決意する。 そこで女性から人気の出そうなスポーツを次々試すが、運動音痴なうえ、先輩の言う事をまるで聞かないために、どこに行っても首になってしまっていた。そんな折、偶然登戸綾子と出会い、その直後に綾子を助けようと驚異的なタックル力を発揮した事で、ラグビー部入部を強く勧められる。そして門脇清二をはじめとする先輩部員や、緑悠介をはじめとするライバルと出会い、ラグビー選手としての能力を開花させていく。 体力測定は中学生以下の数値で、ラグビーを始めた直後はパスや捕球もままならなかった。しかし次第に自分の役割を理解し、ポジションがフランカーに決まってからは、天才的なラグビーセンスを活かして試合で活躍するようになっていく。 そして最終的に、プロのラグビー選手となった。

登戸 綾子 (のぼりと あやこ)

櫻野高校1年1組に在籍する女子で、ラグビー部のマネージャーを務めている。前髪を目の上で切り、胸の高さまで伸ばしたストレートロングヘアにしている。美形ながら明るく親しみやすい性格で、男子から人気があるが、本人はとにかくラグビーが大好きで、つねにラグビーの事しか考えていない。結果、登戸綾子をよく知る人達は、綾子が男性と二人でいても、おそらくラグビー絡みだろうと捉えるほど、ラグビー一筋の生活を送っている。 父親は元ラグビー選手だが、父親の現役時代はラグビーにあまり関心がなかった。しかし父親が引退試合で見せた、最後まであきらめない姿勢に心惹かれ、ラグビーを好きになる。そこで、一時期は綾子自身も選手としてラグビースクールに通っていたが、女子ラグビーは人口が少ない事から断念し、高校ではマネージャーとして選手達を支える事にした。 高校1年生の春、偶然出会った日野ハルのラグビー選手としての才能を見抜き、ラグビー部に勧誘する。その後もハルを支え続け、最終的には彼の所属するプロラグビーチームのマネージャーとなる。中学時代は陸上部に所属していた事もあり、部員達といっしょにトレーニングしても問題なくついていけるほどの体力の持ち主。

緑 悠介 (みどり ゆうすけ)

櫻野高校ラグビー部に所属する1年生の男子。ポジションはバックス。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした、癖のある髪型をしている。クールでぶっきらぼうに見えるが、根は熱く、誰よりも勝利に貪欲な姿勢を持つ。櫻野入学当初はバスケットボール部に所属していたが、先輩選手達のふがいなさに腹を立て、ある日喧嘩になってしまう。そこで3年生を殴ってしまった事により退部を余儀なくされるが、そんな緑悠介を偶然見かけた小山に誘われて、ラグビー部にやって来た。 人に頼るのが苦手で、孤立しがちな事を自覚している。そのため何でも自分一人でできるようになりたいと努力を重ね、結果ばかりを重視して生きていた。しかし、小山をはじめとする櫻野高校ラグビー部の面々と出会った事で、自分の身勝手な一面を改め、少しずつ周囲を頼れるようになっていく。 最終的には現在住んでいる県とは別の県に引っ越し、そこで教師となった。

川崎 (かわさき)

櫻野高校1年3組に在籍する男子。部活はラグビー部に所属している。前髪を真ん中で分けて額を見せた髪型をしている。部活中は外しているが普段は眼鏡をかけており、下まつげが長く、日野ハルからは「マツゲ君」と呼ばれている。穏やかで親切な性格。ハルとは同じクラスで席が近く、忘れ物をしたハルに自分の持ち物を貸した事で知り合った。 その後、ハルがラグビー部にやって来た事で、仲間として親しくなっていく。その人柄と高い知性から、他人を鼓舞したり、揉め事を仲裁するのがうまい。そのため1年生部員のまとめ役になる事が多い。元陸上部で、足が速い。

畠中 (はたなか)

櫻野高校ラグビー部に所属する1年生の男子。前髪を額が見えるほど短く切ったスポーツ刈りにしている。体型はやや太めで、丸顔。高校1年生の春、自分達より遅れて入って来た日野ハルと、部内の紅白戦で同じ紅チームになる。その際、ハルのあまりにも身勝手でめちゃくちゃなプレーに腹を立てるが、川崎の助言もあり、渋々協力して戦う事にする。 結果、試合には負けてしまったものの、ハルの意欲とタックル力については認め、それ以降チームメイトとしていっしょに頑張っていく事になる。

成海 (なるみ)

櫻野高校ラグビー部に所属する1年生の男子。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪にしている。高校1年生の春、部内の紅白戦で緑悠介と同じ白チームになる。その際、悠介の配慮のない言動に腹を立て、喧嘩になる。チーム内で一番うまい自分に優先してボールを回せという悠介の命令を無視して行動するが、失敗。渋々悠介に従う事になる。

麻倉 史延 (あさくら ふみのぶ)

櫻野高校ラグビー部に所属する2年生の男子。ポジションはフォワード。坊主頭で、192センチ130キロと大柄で非常にがっしりとした体型をしている。明るく豪快な性格。中学時代は柔道部に所属しており、全国4位まで進んだほどの実力を誇る。そのため、桜野高校入学当初はラグビーにあまり関心がなく、球技自体も苦手だったが、周囲に強く勧められる形で入部した。 高校2年生の春、ラグビー部にすさまじいタックル力を持つ大型新人がやって来たと聞き、日野ハルに関心を持つ。そこで早速ハルの力を試そうと、練習から全力でぶつかる。しかしハルに敗北して、ハルの事を気に入る。ラグビーでは強い腕力を発揮する事や、男らしいプレーをする事が重要だと考えている。

小山 (こやま)

櫻野高校ラグビー部に所属する2年生の男子。前髪を額が見えるほど短く切った刈り上げにしている。非常に小柄で、日野ハルとは頭一つ分ほど身長が違う。1年生部員の管理や指導、教育を任されている、通称「鬼の教育係」。また、ハルからは「チビ先輩」とも呼ばれている。部活中はつねに竹刀を持ち歩いており、言う事を聞かない部員や、たるんでいる部員を発見すると竹刀で叩く。 ラグビーとは紳士のスポーツだと捉えており、選手に必要なものは、ラグビーに対する理解力と冷静な判断力だと考えている。そのため、力の強さや男らしいプレーを重視する麻倉史延とは対照的な考え方を持つ。高校2年生の春、新入部員としてやって来たハルの指導を担当するが、ハルの運動能力があまりにも低いため、日常的な練習では、ハルが本来の力を発揮する瞬間を見るのは難しいと判断する。 そこでわざとハルを挑発する発言をし、本来の実力を引き出した。これが成功した事によりハルを部員として認め、重要な戦力として育成していく事になる。

塩谷 奨 (しおや しょう)

櫻野高校ラグビー部に所属する2年生の男子。ポジションはフランカー。刈り上げヘアで、がっしりとした体型をしている。強面なうえ不愛想で気性が荒く、近寄りがたい雰囲気がある。さらにラグビー選手としても攻撃的で反則すれすれのプレーをするため、部内でも浮いた存在になっている。高校入学直後のある日、先輩に元南中学校の番長・門脇清二がいると聞き、早速清二に喧嘩を売る。 しかしあっさり負けてしまったうえ、なぜか清二に気に入られ、強く勧められる形でラグビー部に入部した。そして高校2年生の春、新入部員の日野ハルと同じポジションになり、清二から面倒を見るように言われたものの、当初は何も教える気がなかった。しかしハルの熱意に押され、次第にハルと先輩後輩として親しくなっていく。

佐原 (さはら)

櫻野高校ラグビー部マネージャーを務める、2年生の女子。前髪を真ん中で分けて額を見せ、胸の高さまで伸ばしたストレートロングヘアにしている。クールな性格で、いつも気だるげな雰囲気を漂わせている。

門脇 清二 (かどわき せいじ)

櫻野高校ラグビー部キャプテンを務める、3年生の男子。ポジションはフォワード。スポーツ刈りで、非常にがっしりとした体型をしている。穏やかで細かい事を気にしない、おおらかな性格。出身中学は南中学校で、番長として君臨していた。高校3年生の春、登戸綾子と買い物に行った際、不良達に絡まれる。その際、不良達との喧嘩に応じるものの、途中でケガをして気を失ってしまう。 そのため、その後の日野ハルの活躍は見ていなかった。しかし、綾子から話を聞き、後にラグビー部にやって来たハルの面倒を見る事になる。

釜田 (かまた)

岸沢工業高校ラグビー部に所属する1年生の男子。刈り上げで、非常にがっしりとした体型をしている。登戸綾子とは中学の同級生で、当時から思いを寄せていた。そこで入学当初から何度もアタックをし、ある日ついに綾子と交際できる事になる。しかし、翌日にはふられてしまい、強いショックを受ける。これがきっかけで綾子の好むような、強く、ラグビーのうまい男性になろうと決意した。 ラグビーを始めたのは中学1年生からで、それまでは小柄な体型であった。しかしそのうちにどんどん体が成長し、現在の体型になったうえ、中学2年生の時にはすでに県の選抜メンバーに選ばれるほど優秀な選手になった。

虎徹 大介 (こてつ だいすけ)

岸沢工業高校ラグビー部に所属する2年生の男子。ポジションはスタンドオフ。前髪を目が隠れそうなほど伸ばしたウルフカットヘアにしている。高校2年生の夏、県大会で櫻野高校と戦う事になり、試合中、緑悠介の独断専行的なプレーに腹を立てる。そこで悠介こそがチームの穴であると確信し、悠介を挑発する。

肉鮪 豊 (にくまぐろ ゆたか)

岸沢工業高校ラグビー部に所属する3年生の男子。スポーツ刈りで、体重134キロの巨漢。唇が分厚く、細眉。ラグビー部入部当初は体重88キロだったが、先輩の勧めもあり、パワーを活かすため増量して現在の体型になった。

堀ノ内 (ほりのうち)

櫻野高校1年3組に在籍する男子で、日野ハルの友人。部活は写真部に所属している。前髪を眉上で切り揃えた短髪。沈着冷静で、現実的な性格。ハルとは小学校時代からの付き合いで、当時からハルの突飛な行動に驚かされていた。しかしハルはエネルギーを持て余しているだけで、いつか本気で打ち込めるものに出会ったら、大きく変わるだろうと予測していた。 そのため、高校入学後ハルがラグビー部に入り、登戸綾子のためとは言えラグビーに真剣に取り組むようになったのを密かに喜んでおり、撮影がてらよく様子を見に行くようになる。

リカ

櫻野高校に通う1年生の女子で、堀ノ内の友人。部活は写真部に所属している。前髪を目の上で切ったショートカットヘアで、眼鏡をかけている。堀ノ内とは同じ写真部に入部した事で知り合い、音楽の好みなど、非常に話が合う事からすぐに親しくなった。そのため、堀ノ内の方が自分より先に恋人ができそうだと日野ハルを焦らせる事となった。

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