概要・あらすじ
母親を病気で亡くして以来、石川彩からは笑顔が消え、家族以外の人と話すこともできなくなっていた。彩の兄・石川亮太は、そんな彩を守ろうと頑張っていた。そんな2人は、ある日捨てられた子犬マリと出会う。一度は祖父・石川優造に飼うのを反対されるものの、無事石川家に迎え入れられることとなる。そして、マリと接していくうちに、彩も笑顔を取り戻していく。
2004年の秋、マリは元気な子犬を出産。新しい家族が増え、石川家の人々は幸せな気分に浸っていたが、同年10月23日に新潟県中越地震が発生。亮太は学校へ行っていたため無事だったが、在宅していた彩と優造は、倒壊した家屋の下敷きになってしまう。マリは子犬の面倒を見ながらも、瓦礫の間をくぐり抜け、2人のもとへやって来ては元気づけていた。
やがて救助に来た自衛隊・安田に助けられ、石川家は全員の無事を確認する。またみんな一緒にいられると喜ぶ亮太たちだったが、避難所にはペットは連れていけないことが発覚。仕方なくマリはそのまま置き去りにされ、再び亮太と彩に会えることを信じながら、我が子を守るのだった。
登場人物・キャラクター
石川 亮太 (いしかわ りょうた)
石川彩の兄。亡き母親・石川幸子からの「彩を守ってあげてね」という言葉を守り、いつも自分よりも妹のことを優先する心優しい少年。震災時には、彩の面倒を見ながら避難所の活動も手伝うしっかり者。何かとすぐにマリを探しに行ってしまう彩をなだめて言い聞かせている。本当は自分も探しに行きたい気持ちを抑えて避難所へ連れ戻すなど、我慢強い性格。
石川 彩 (いしかわ あや)
石川亮太の妹。引っ込み思案で、家族以外の人と会うとつい亮太の陰に隠れてしまう内気な性格。母親が病気で逝去してからはあまり笑わなくなってしまったが、捨て犬だったマリと出会うことで、次第に笑顔を取り戻した。以降はマリのことを大切な家族の一員と考えている。震災の際に離れ離れになってしまったマリを1人で山の中へ探しに行ってしまうなど、幼いながらに行動力がある。
石川 優造 (いしかわ ゆうぞう)
石川亮太と石川彩の祖父。孫には弱い優しい老人ながら、頑固な一面もある。もともと犬が嫌いだったこともあり、亮太と彩に懇願されても、捨て犬だったマリを飼うことに大反対していた。しかし、彩が夜更けに1人でマリのところまで出かけたことを機に、しぶしぶマリを家族の一員として迎え入れた。瓦礫の下敷きになってしまった時に、マリに元気づけられたこともあり、次第にマリを大切な存在として受け入れるようになる。
マリ
石川亮太と石川彩に子犬の頃に拾われた雌犬で、石川家の家族の一員となり、のちに3匹の子犬を出産する。新潟県中越地震の際に彩と石川優造が瓦礫の下敷きになった時には、子育てをしながら2人のもとへ駆けつけ、彩たちが救出されるまで元気づけた。彩たちがヘリで避難所に向かう際には置き去りにされたが、それでも飼い主を信じ、再び再会するために行動する賢く優秀な犬。
石川 優一 (いしかわ ゆういち)
石川亮太と石川彩の父親。妻・石川幸子を亡くしてからは、自身の父親である石川優造に子供たちを任せ、仕事をしていた。役場勤めのため、新潟県中越地震の時には避難所での対応に追われ、家族のそばにいられなかった。しっかり者の亮太に頼りっぱなしで、父親らしい姿を見せることはあまりないが、それでも必死に働いているのは家族のことを想うがゆえである。
冴子 (さえこ)
石川亮太と石川彩の叔母で、石川幸子の妹。定期的に2人の様子を見に来ており、その都度料理を振る舞うなど面倒見が良い。料理の味が幸子と似ていることもあり、2人の舌には合うものの、母親を思い出してしまうため複雑な思いを抱かれている。震災時には自分も大変な状態にも関わらず2人を気にかけ、「彩のお兄だから」と彩の前で気丈に振る舞おうとする亮太を、母親のように優しく支える。
石川 幸子 (いしかわ さちこ)
石川亮太と石川彩の母親。優しい笑みを浮かべる女性だったが、病弱だったため、新潟県中越地震より前に亡くなっている。生前、亮太と彩に向けて手紙を書いており、それは今でも2人の大切な心の支えとなっている。
安田 (やすだ)
新潟県中越地震の際に、家の下敷きになってしまった石川優造と石川彩を救出した自衛隊の男性。その後、マリを探しに1人山の中へ入ってしまった彩を、石川亮太とともに探しに行った。精神的にも辛い立場にある亮太たち兄妹を、常に気にかけている優しい人物。
クレジット
- 原作
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桑原 眞二 , 大野 一興
- 映画版脚本
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山田 耕大 , 清本 由紀 , 高橋 亜子
- SHARE
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- EC
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