ミーコ

ミーコ

「普遍と不変」をテーマに綴った短編集。新しい恋人ができた飼い主とその愛猫や、好きな人ができた地味な女教師など、さまざまな登場人物たちの日常生活の中で起きた心の変化が丁寧に描かれている。基本的に一話完結だが、エピソード「つめたいビスケット」のみchapter.1から6までの全6話となっている。講談社「モーニング」、小学館「月刊IKKI」、祥伝社「FEEL YOUNG」、幻冬舎コミックス「たそがれ食堂」、KADOKAWA「月刊コミックビーム」に掲載された作品。

正式名称
ミーコ
ふりがな
みーこ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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あらすじ

当時まだ小学生だった島谷浩太は、遊びに行った友達の家で、まだ生まれたばかりの子猫のミーコと出会う。なんとなくミーコを気に入った浩太は、そのままミーコを連れて帰ることにする。そこまで猫に興味があるわけではなかったが、ミーコと過ごしていくうちに、浩太にとって大切な家族へと変わっていく。母親が突然亡くなった時も、以前交際していた彼女にフラれた時も、浩太の傍にはつねにミーコが寄り添っていた。そんな中、浩太は彼女と交際をスタートさせる。彼女が頻繁に浩太の自宅に出入りするようになったことで、浩太はミーコをかまう時間が減っていく。(エピソード「ミーコ」)

登場人物・キャラクター

島谷 浩太 (しまたに こうた)

エピソード「ミーコ」に登場する。会社員の男性で、最近彼女と交際をスタートさせた。小学生の時に遊びに行った友達の家で、まだ生まれたばかりの子猫のミーコと出会う。どちらかといえば犬派ながら、なんとなく気に入ったためにミーコを連れて帰った。最初はあまり興味がなかったものの、次第にミーコがかけがえのない大切な家族へと変わっていく。しかし、最近は彼女を優先しており、以前よりもミーコにかまう時間が減っている。

黒岩 むつみ (くろいわ むつみ)

エピソード「Shift」に登場する。高校教師をしている独身女性。地味な容姿で引っ込み思案なため、まじめに仕事をしているにもかかわらず、生徒たちのからかいの対象になることが多い。しかし、そんな自分をすべて受け入れてくれる純と出会ってデートを重ねる中で、彼に好かれるために見た目や性格を変えようと奮起する。純とは正式に交際していないものの、デートの際に手をつなぐなどスキンシップをはかっている。

宇山 莉子 (うやま りこ)

エピソード「つめたいビスケット」に登場する。大学時代から橋本史生と交際している女性で、雑貨店の店長を務めている。年齢は25歳。明るくポジティブな性格ながら、やや鈍感な一面もある。いつも同じボーダーの服を着てファミリーレストランに行き、同じオーダーをする史生との恋人関係に飽き飽きしており、3か月間はお互いの好きなことをして過ごそうと提案する。そのあいだに町田と運命的な出会いをし、史生とどちらを選ぶかを悩むこととなる。

(むすめ)

エピソード「お父さんのヤマメ」に登場する。実家の近くで一人暮らしを始めたばかりの女性。誰にも干渉されない暮らしを楽しんでおり、休みの日は昼間からビールを飲んで自由を満喫している。ある日突然、お父さんが持ってきた川魚のヤマメを見て、幼い頃の出来事を思い出す。口下手なお父さんとは対称的な性格で、明るくおしゃべりなタイプ。

川瀬 優 (かわせ ゆう)

エピソード「華子のこと」に登場する。田舎の街で生まれ育ち、そのまま地元で結婚した男性。年齢は38歳。妻の川瀬なつみの両親や親戚に囲まれ、田舎の中でもさらに田舎の地域に住んでおり、自分の人生とは一体なんだったのかを考えるようになる。その中で、高校時代にいっしょに上京する夢を熱く語り合った、谷原華子のことを思い出す。学生時代から、一眼レフのカメラで写真を撮ることを趣味にしている。

ミーコ

エピソード「ミーコ」に登場する。高齢の猫で、性別はメス。当時まだ小学生だった島谷浩太の友達の家で誕生し、浩太になんとなく気に入られた縁で島谷家で暮らすことになる。最初はミーコにあまり興味のなさそうな浩太だったが、次第に距離を縮めていき、心を通わせていく。最近頻繁に自宅に出入りするようになった、彼女の存在が気になって落ち着かない。

彼女 (かのじょ)

エピソード「ミーコ」に登場する。会社員の女性で、島谷浩太と交際している。浩太の自宅に遊びに行くことになり、ミーコと出会う。浩太とは本気で交際しており、できれば末永くよい関係を築いていきたいと思っている。心優しく、穏やかな性格の持ち主。気遣い上手で察しもよく、ミーコが浩太を取られてしまったと感じて自らに嫉妬していることにも気づいている。

(じゅん)

エピソード「Shift」に登場する。黒岩むつみと親しくしている男性。爽やかなルックスの好青年で、穏やかな性格をしている。地味な容姿で、引っ込み思案なむつみのことを受け止め、ありのままでいいと優しい言葉をかけている。その一方で、むつみが外見を磨く努力をしていることにも気づいており、変化があると積極的に褒めている。むつみとは何度もデートを重ね、手をつなぐなどのスキンシップをはかっているものの、交際はしていない。

橋本 史生 (はしもと ふみお)

エピソード「つめたいビスケット」に登場する。大学時代から宇山莉子と交際している男性で、年齢は25歳。職業はフリーター。莉子とはいつも同じボーダーの服を着て、同じファミリーレストランに行き、同じオーダーをするデートを繰り返している。そのことで莉子から愛想をつかされつつあるが、自分のペースを崩さずに接している。学生時代から莉子の親友であるマチコに思いを寄せられているが、気づいていない。趣味は少々マニアックな内容の映画鑑賞。

マチコ

エピソード「つめたいビスケット」に登場する。会社員の女性で、宇山莉子、橋本史生とは大学時代から付き合いがある。卒業してからも莉子と親しくしている。しかし、実は莉子が史生のことを好きになる前から、彼にひそかに片思いをしている。自分の気持ちを相談する前に莉子から史生のことが好きになったと告げられ、以降二人が交際をしているのを見守っている。莉子が史生との交際に飽き、さらに町田とのあいだでフラフラとしている様子を見て、今ならば許されるだろうと彼にアプローチを開始する。趣味は少々マニアックな内容の映画鑑賞で、史生と気が合う。

町田 (まちだ)

エピソード「つめたいビスケット」に登場する。会社員の男性で、ドライブ中にカーナビを使っていながらも道に迷ってしまい、偶然近くを通りかかった宇山莉子に声をかけたことで知り合いになる。また、そのあと参加した合コンで再び莉子に会ったことで、運命的なものを感じてアプローチを開始する。莉子と出会う少し前にフラれた女性がいる。

お父さん (おとうさん)

エピソード「お父さんのヤマメ」に登場する。娘の父親で、最近実家の近くで一人暮らしを始めた娘のことを心配している。川釣りが趣味で、娘が幼い頃には休日はいっしょに釣りを楽しんでいた。川でヤマメを釣ることが多く、妻が川魚が苦手なこともあり、一人暮らしをしている娘の家に持っていった。口下手なタイプで、娘のことは愛しているものの、コミュニケーションを取ることを苦手としている。

谷原 華子 (たにはら はなこ)

エピソード「華子のこと」に登場する。川瀬優と同じ田舎の街で生まれ育ち、同じ高校を卒業した女性。年齢は38歳。東京へのあこがれが強く、田舎は自分の住む場所ではないと思っており、同じ気持ちを共有できる優と親しくなる。優に好意を寄せていたものの、はっきりとした告白をしないまま単身上京する。学生時代は東京で流行っているファッションやヘアスタイルを取り入れ、田舎町では目立った存在だった。

川瀬 なつみ (かわせ なつみ)

エピソード「華子のこと」に登場する。川瀬優の妻で、優が生まれ育った田舎の中でも、さらに田舎の地域の出身。両親や親戚が住んでいる地元を愛しており、この街から出て生活するつもりはない。結婚後は勝手に川瀬なつみ自身の地元に優との新居を構えるなど、やや強引な一面がある。優が現在の生活に疑問を抱いていることには気づいていない。

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