メテオド

巨大隕石の落下によって文明が衰退した世界を舞台に、特異な能力を持つ少年が周囲の人間たちと交流を深めつつ、異形の怪物たちと戦っていく姿を描くSF作品。「週刊少年サンデー」誌上で、2007年19号から2008年7号まで連載された。

正式名称
メテオド
ふりがな
めておど
作者
ジャンル
終末・ディストピア
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概要・あらすじ

現代の地球。宇宙の彼方より、突如巨大な隕石が落下する。直撃を受けた都市は消滅し、隕石に含まれていた放射性物質や未知のウィルスは生態系を変化させ、デブリと呼ばれる異形の生命体と、汚染区域と呼ばれる人の住めない地域を地球各地に生み出した。それから30年後、人類は緩やかに復興を続けていたものの、環境の激変とデブリの襲撃に怯える日々が続いていた。

そんななか、十威と呼ばれる少年が、親代わりのあさば撫子とともに日本にやって来た。何もかも新鮮な都市に興味を示す十威だが、突如現れた巨大デブリの襲撃に巻き込まれてしまう。パニックに陥る人々を尻目に、特殊な力を用いてデブリを殲滅する十威。彼は隕石の影響を受けて生まれ、生まれながらに特異な能力を持つメテオドだったのである。

十威は、撫子の部下であるたぐちアキ、アキの従妹であるよしの楓とともに、時に人々と交流し、時にデブリと戦いながら、日々を生き抜いていく。

登場人物・キャラクター

十威 (とおい)

あさば撫子とともに、観測者の見習いとして世界各地を巡っている14歳の少年。戸籍上は撫子の息子となっており、「あさば十威」と名乗っている。人懐こく温和な性格で、隕石の影響で激変した環境を生き抜いてきたため、豊富なサバイバル能力を持つが、世間知らずで加減を知らないところがある。全世界でも希少とされるメテオドの1人で、物理法則に干渉する特異能力を持ち、地球から向けられる重力を自由に捻じ曲げることができる。 撫子の意図により日本で生活することで多くの人と交流を重ね、心身ともに大きく成長していく。「バリすげー」「立派な夢ですなー」が口癖。

たぐち

あさば撫子の後輩としてBランカー観測者の仕事に携わっている、26歳の青年。十威とは顔見知りで、彼から「ぐっさん」と呼ばれている。インテリ系を自称しており、汚染区域の調査などを得意とする反面、デブリ退治は不得手。撫子や十威の突飛な行動にたびたび翻弄されているが、十威をメテオドと知りつつも、彼が人類に危害を及ぼすことはないと信じている。

あさば 撫子 (あさば なでしこ)

十威の親代わりを務めている、年齢不詳の女性。国際観測共同体に所属するAランカー観測者で、十威に劣らない身体能力を持つ。十威に対する愛情は深く、十威もあさば撫子を「師匠」と呼び慕っている。しかし、メテオドである十威の成長にとって大切なファクターとなる人の心が育ってないことを危惧しており、日本で生活させることで多くの人々と交流させようと計画する。 そのうえで、十威の成長を促すため、彼を置いて日本を離れ、他の汚染区域の調査に出向いた。

よしの 楓 (よしの かえで)

アキの従妹。十威と同じく14歳の少女で、彼とはともに巨大デブリに襲われたことをきっかけに親しくなる。のちに十威とともに暮らすとともに同じ中学校に通うこととなり、世間知らずの彼に、常識や娯楽などさまざまな事柄を教える。和菓子を販売するアルバイトをしている。

巨大デブリ (きょだいでぶり)

十威たちが日本の都市に訪れた際に現れたデブリ。四足歩行の動物に似た形状をしており、下半身は植物の根のようなもので覆われている。ビルに匹敵する巨体を誇り、十威とよしの楓を丸のみにして体内に閉じ込めてしまうが、メテオドの力を発揮した十威によって体の一部を蹴破られ脱出される。さらに重力操作によって体内の隕石を破壊され、殲滅された。

アキ

あさば撫子の後輩で、Bランカー観測者を務める26歳の青年。たぐちとも旧知の仲だが、彼らのマイペースな行動で酷い目に遭ったことがあり、これを理由に若干距離を置いている。十威を部屋に置くように依頼されるが、メテオドであることを理由に一度は拒絶する。しかし、家の中に住み着いていた菌糸類型のデブリを十威が殲滅したことにより、滞在を許可する。 当初は十威のメテオドとしての能力を警戒していたが、彼の人柄に触れることで徐々に信頼を向けるようになる。蛙が嫌いで、のちに十威が拾って来たタロウに翻弄されるが、懐かれたことで情が移ってしまう。

菌糸類型のデブリ (きんしるいがたのでぶり)

アキの家の一室を占拠していたデブリ。ある観測者が研究していたところ暴走した。部屋の扉から巨大な口で噛み付く攻撃を行うが、部屋にひしめいているカビこそが本体で、巨大な口はカビを結集させて構成しているに過ぎない。このデブリの厄介な点は、核となる隕石が無数に散らばっている点であり、それゆえにアキも手出しはできなかった。 しかし、十威が重力で隕石を一か所にまとめられたことで無力化し、殲滅された。

きた 一郎 (きた いちろう)

十威の同級生。長身に眼鏡をかけた少年で、自他ともに認めるベタなキャラクターである。ミステリークラブの部長を務めており、隕石やデブリですべてが片付いてしまう現状を憂えている。巨大デブリの騒動を取り上げた特番を見て、その時の映像からよしの楓が関わっている可能性を直接指摘したが、やまだ宏美に阻止された。

やまだ 宏美 (やまだ ひろみ)

十威の同級生で、よしの楓の親友。にし酉子と合わせて狂犬コンビと呼ばれ恐れられている。空手を特技としており、口より先に足が出るタイプで言葉遣いも男性的。十威に対しては楓の友人ということもあって友好的で、出会いがしらに缶ジュースをプレゼントする。しかし、缶ジュースの中身はタロウに抜き取られており、逆に落ち込ませてしまう。

にし 酉子 (にし とりこ)

十威の同級生で、よしの楓の親友。やまだ宏美と合わせて狂犬コンビと呼ばれ恐れられている。九州の小倉市出身で、九州弁を喋る。楓や宏美よりおしとやかなイメージを持っているが、いわゆるやせの大食いで、商店街主催の大食い大会では十威を上回る記録をたたき出して優勝している。

タロウ

十威の通う中学校に潜伏していた蛙型のデブリで、その外見から「ぴょん吉」と呼ばれている。人の半分ほどのサイズで、袋や缶から中身だけを抜き取る能力を持つ。十威やよしの楓などもその被害に遭うが、タロウが大量の食糧を必要とする目的は母親であるデブリを救うためで、母親が寿命を迎えると十威の提案で飼われることになる。 十威や楓からは可愛がられているが、蛙を苦手とするアキにはしばしば驚かれている。しかしタロウ自身はアキに懐いており、膝の上で丸まって眠ることを好んでいる。

善人 (よしと)

Cランカーの観測者を務める21歳の青年。自身に才能がないことを自覚しており、難易度の低い仕事を複数受注することで糊口をしのいでいる。猫好きで、十威の頭を猫の耳と勘違いしたことをきっかけに、彼と知り合う。現在でも観測者を続けることに疑問を感じていたが、十威との対話でかつての自分を思い出し、決意を新たに仕事に励むようになった。

リンハオ

デブリ退治を専門としている観測者の少年。十威と同じ14歳でありながら、優れた身体能力で数多くのデブリを駆逐している。冷静沈着な性格でプライドが高いが、これは完璧主義である父親の教育によるもので、現在でも父親に対していい感情を抱いていない。タロウを退治しようとしたことで十威の怒りを買い、敵意を向けあってしまう。 しかし、観測者としてともに行動していくうちにお互いを認め合うようになっていく。

魚型のデブリ (さかながたのでぶり)

十威、たぐち、リンハオが観測者としての仕事で訪れた廃工場に潜んでいたデブリ。自らの気配と姿を消し去る能力を持ち、メテオドが持つ隕石探知能力すら無効化してしまう。さらに、煙幕を吐き出すことで目くらましを行うため、追い詰めることが非常に難しい。これらの能力と、本能における用心深さで十威とリンハオを大いに苦しめた。

今波 (いまなみ)

日本政府お抱えのAランカー観測者を務める、28歳の青年。大変動の発生によって変化した生態系を調査すべく、イトや十威らとともに汚染区域に向かう。常にコートをまといガスマスクをかぶっており、素顔を見せることは滅多にない。過去のいきさつからメテオドに対して不信感を抱いており、脳髄型のデブリが待ち受ける場所に十威を誘導し、戦わせたこともあった。 しかし、かつての部下だった九曜の襲撃を受け、それを止めるために奮戦する十威を見ることによって、考えを改める。戦闘においては、コートに隠されたマシンガンを軽々と扱い、デブリを殲滅する。

イト

今波の後輩で、Bランカー観測者を務める17歳の少女。十威同様、学生と観測者を兼任しており、任務の際も制服を着用している。物静かかつ穏やかな性格の持ち主で、今波を慕っている。一方で抜群といえるほどの剣の使い手で、汚染区域を埋め尽くすほどのデブリを瞬殺した。今波がかつて重傷を負ったことを知っており、その原因となった九曜に強い敵意を抱いている。

脳髄型のデブリ (のうずいがたのでぶり)

汚染区域の洞窟に潜んでいた小型のデブリ。自身の肉片を分離させ、それをターゲットの親しい相手に誤認させる能力を持つ。十威が持つメテオドの危険性を認識すべく、今波が戦わせるように仕向けた。今波は、メテオドは、自らが少しでも危険になれば仲間すら抹殺すると睨んでいたが、十威はその目論見に反して、幻影相手に一切抵抗をしなかった。

九曜 (くよう)

かつて今波とともに観測者を務めていたメテオドの少年。メテオドという事実が発覚したことで、今波以外の仲間を殺害してしまい、今波とはその時から並々ならぬ因縁がある。悩むという行動を病的なまでに嫌っており、他者が悩むそぶりを見せると激高する。硫黄を操るという特異能力を持っており、それを利用して大規模な爆発を引き起こすことができる。 メテオドの本能に従い十威と戦闘状態に入るが、仲間を守るという強い想いを胸に戦う彼に敗れ、休眠状態に入った。

小町 (こまち)

あさば撫子とともに行動している、Bランカー観測者を務める23歳の女性。豪快な性格の持ち主で、たぐちに恋い焦がれているが、彼からは恐れられている。デブリを生物兵器として扱う密輸犯を確保する任務を受けており、撫子とともに摘発を行う。筋力と敏捷性に優れており、死角から相手に近づき、締め落とすといった攻撃を得意とする。

二元 (にげん)

隕石との融合を目論んでいるメテオドの少年。冷酷な性格の持ち主で、人類は自分の道具に過ぎないと豪語している。巨大な翼を展開する特異能力を持っており、翼で物質を包むことにより異次元空間に保存することができる。保存された物質はいつでも取り出せるため、重火器なども自由自在に携帯可能。日本に存在する隕石へと向かっていたところ、その欠片の存在を感知し、保管されていたアキの家を襲撃。 これを止めようとした十威と戦闘状態に陥る。

柴=ブライトマン=リュウイチ (しばぶらいとまんりゅういち)

国際観測共同体に所属する、Aランカー観測者の青年。組織のナンバー2とされており、他のAランカー観測者からも一目置かれている。2人のメテオドを撃破した十威に興味を抱き、接触を図るため単身来日した。温厚な性格だが、時折威圧的な迫力を見せることがある。その正体はメテオドで、ブラックホールを操作する特異能力を持つ。 さらにデブリのような形状を持つ巨大な武器を所有しており、その中心に極小サイズのブラックホールを発生させることで、他のメテオドを圧倒するほどの攻撃を繰り出すことができる。人間を守ることを望んでおり、十威と接触した目的も、メテオドとして人間に危険を及ぼさないかを見極めるためだった。

集団・組織

国際観測共同体 (こくさいかんそくきょうどうたい)

隕石による被害を抑えるために結成された、観測者による国際組織。あさば撫子や今波など、強力なAランカーの観測者が多数在籍している。観測者の情報共有や、強力なデブリの出現に応じて所属する観測者を派遣するなど、その活動内容は多岐に渡る。また、メテオドの存在を危惧しており、彼らの監視や、場合によっては抹殺などの指令が下されることもある。

その他キーワード

メテオド

地球に落下した隕石の影響を受けて産まれた人間たち。正式名称を「隕石影響種」と呼び、正確な数こそ不明だが世界各地に存在しているとされる。身体の一部に隕石のような文様が刻まれており、後頭部に角のような器官を持つ。普通の人間をはるかに上回る身体能力を誇るうえに、星に関わる特異能力を発揮することも可能となっている。しかし、大きなダメージを受けると眠りについてしまい、長い間目覚めることができなくなる。 メテオドは隕石と融合するため生まれてきたといわれており、実際に隕石と融合することで人知を超えた力を得られるとされている。また、人の心を持たないともいわれているが、実際はこれは誤りで、十威や柴=ブライトマン=リュウイチのように、人間のために力を振るうメテオドも存在する。

デブリ

地球に落着した隕石から発生する放射線や細菌などの影響を受け、生態が変化した生物の総称。体内に隕石の欠片が取り込まれており、これを破壊することで存在を維持できなくなる。大半のデブリは凶暴化しており、人間の生活を脅かすことも多いため、国際観測共同体によって退治されることが多い。しかし、タロウなど、大人しいデブリもわずかながらいる。

観測者 (おぶざーばー)

地球に落着した隕石による公害を食い止めるため活動する人の総称で、略称は「オブザ」。デブリの分布や生態、大変動の発生した地域などを調査し、二次被害を事前に防ぐことを目的としている。AからCまでのランク分けがなされており、ランクが上がるごとに受注できる仕事が増えていく。なお、ランクを上げるには、さまざまな仕事で功績を残し、国や国際観測共同体に認められる必要がある。

大変動 (だいへんどう)

一定の周期で発生するとされる環境変化。デブリの急激な進化が原因とされており、これに応じて生態系も大きく変化するため、大変動が発生した地域はAランカーの観測者が派遣される。なお、通常は4~5年の周期で発生するといわれているが、十威が日本に移ってからは1年周期で発生しており、たぐちはその原因を、隕石の環境に対する影響力が強まったためと考えている。

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