概要・あらすじ
ビルの屋上で何やら大きな丸い物体を発見した悟は、その中から出て来た小さな男の子と出くわす。自分のことを「メロポン」だと名乗った男の子は、芸能人になるために地球へやって来たと言う。しかし、あまりにもバカバカしいメロポンの話に、悟は彼が異星人だということもにわかには信じられずにいた。うんざりした悟がメロポンの頭にくっついている触覚のようなものを引っ張るとそれが軟骨だと分かり、メロポンの言葉に嘘がないことを知った悟は驚愕。
そして、なんとしても芸能界にデビューしたいメロポンは、とりあえず悟の家で勝手に居候生活を始めるのだった。
登場人物・キャラクター
メロポン
宇宙の「グリーゼ581」と呼ばれる場所から地球へとやって来たイプシロン星人の男の子で、グリーゼ私立イプシロン小学校に通う1年生。子役として日本で活躍したいという一心から、地球の芸能界事情にとても詳しい。話す際にが語尾に必ず「だし」と付けるが、これは子役として活躍するためにセルフプロデュースを行った自己演出の1つ。偽名の「忠村圭一郎」を名乗って受けた子役のオーディションで奇才ぶりを発揮し、鮮烈なデビューを飾る。
悟 (さとる)
原宿に拠点を構える便利屋「SOSメン」で働くハンサムな男性。ビルの屋上でメロポンと出会い、しぶしぶ父親としての役割を引き受けたところ、芸能界に関わりを持つようになってしまう。宇宙神を信仰するカルト教団「大宇宙神スペース真会」の教祖である正代は実の母親にあたる。幼い頃は宇宙をこよなく愛する正代とともに宇宙に興味を持っていたが、いつからか宇宙神の存在と正代に対して不信感を抱くようになった。 正代との仲を取り持とうと関わってくる真琴のことが気になっている。
真琴 (まこと)
カルト教団「大宇宙神スペース真会」で教祖を務める正代のもとで、付き人として悟への伝達係などを担当している若い女性。正代の著書「宇宙からのメッセージ」を読んだことで強い感銘を受け、自ら教団に入団した熱心な信者である。悟に密かな恋心を抱いており、宇宙神の思し召しによる悟の結婚相手として正代からもお墨付きをもらってはいるが、信仰心と消極的な性格が邪魔をしてか、なかなか悟との仲は発展しない。
富山 (とみやま)
芸能プロダクションである「トミープロダクション」の社長で、関西弁を話す年配の男性。若い頃には、カルト教団「大宇宙神スペース真会」の教祖である正代と何らかの交流があった模様。かつて日本の映画界に君臨していた名だたる名優や監督たちとも懇意であるように振る舞っているが、真偽のほどは定かではない。過去に有名なテレビドラマや映画に多数出演していたが、すべてエキストラである。 メロポンの祖父代わりとしてテレビ局にもよく顔を出すようになる。
正代 (まさよ)
カルト教団「大宇宙神スペース真会」の教祖で、「宇宙巫女」といわれる中年の女性。悟の母親であり、息子の幸せを宇宙神に祈っている。熱心な教団信者たちのお布施により金銭的にはかなり潤っており、真琴を連れて高級ディナーを食べに行くことも多い。宇宙神の存在に不信感を抱くようになった悟から避けられており、普段は交流がほとんどなく、たまの食事の誘いも断られてしまうほど親子関係の溝は深い。
脚田平 なぎさ (きゃたびら なぎさ)
「女監察官 烏丸百合子シリーズ」をはじめとする多数のテレビドラマや映画に出演しているベテランの大女優。テレビ局で偶然見かけた悟に一目惚れし、自分の付き人にしようと目論む。実は共演した若手俳優に片っ端から声をかけては、手籠めにしてしまう若手キラー。だが、女優としての実力は折り紙付きで、子役を目指すメロポンを自宅に居候させ、熱心に演技の指導を行う。
マミーヤン
メロポンの母親で、イプシロン星人の美しい女性。橘きみこ作の「恋のロマンス」という少女漫画を愛読書としている。メロポンとは異なり、地球の言葉はまったく理解できないが、ボディランゲージなどでそれなりに地球人と交流することはできる。メロポンを探すために訪れたテレビ局で、芸能プロダクション「バーニーズ」に所属する「山嵐」というグループのメンバー・松本仁(まつもとじん)に出会い、大ファンになる。
パピーヤン
メロポンの父親で、イプシロン星人の男性。陶芸家として有名で、何人もの弟子たちを抱えている。メロポンには自分の跡目を継いで陶芸家になってほしいと強く願っており、地球での芸能活動については猛反対している。
マキ
子役タレント養成所「青山エンターテイメントアカデミー」でアルバイト講師を務める女性。「劇団蒟蒻(こんにゃく)座」の女優でもあるが、生計を立てるために時々2時間ドラマに端役として出演することもある。養成所へ1日体験入学にやって来たメロポンの圧倒的演技力を目の当たりにし、才能の片鱗を見出す。自身の所属する「劇団蒟蒻座」の方針に不満を抱いており、メロポンの協力のもと、改革しようと画策する。
座長 (ざちょう)
「劇団蒟蒻(こんにゃく)座」の座長を務める男性で、以前は「劇団里芋座」に所属していた。常に新しい演出を追求するべく、斬新な試みを取り入れようとしているが、看板役者の1人だった黒崎潤が抜けて以降、「劇団蒟蒻座」が落ち目の一途を辿っている。このことがコンプレックスとなり、他の劇団員との人間関係も悪化しかけている。