モサ

モサ

貧しい家庭環境に育った少年が、スリ集団という反社会的犯罪組織の一員となり、心身共に堕落荒廃していくさまを、乾いたタッチで描いた社会派少年漫画。タイトルの「モサ」とは「スリ」の隠語で、この他にも裏社会の隠語と、その意味がいくつも述べられている。「週刊少年ジャンプ」に1969年11月から1970年1月かけて連載された作品。

正式名称
モサ
作者
ジャンル
社会問題
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概要・あらすじ

国井良は、母親と弟と3人で、小さなアパートで暮らす中学生。長期出張から帰って来るとうさんを、家族そろって待ちわびていた。帰って来た父親は、良の学校での悪行を知って激怒し、彼を殴打。これに反発した良は家出して街をさまよい、誘われるままにスリ集団に入ってしまう。そして、日々スリ行為を繰り返すうちに、良はめきめきと腕を上げていく。

しかしある日、優しくしてくれたスリの相棒が現行犯で逮捕されたことをきっかけに、良は自分の心に、ある思いが湧き上がってくるのを感じるのだった。

登場人物・キャラクター

国井 良 (クニイ リョウ)

中学3年生の少年。ごく普通の少年だが、貧困な家庭に育ったせいで、心までひねくれかけている。父親不在で苦しい家計を助けるため、毎朝、牛乳配達のアルバイトをしている頑張り屋。弟にも優しく接する良き兄である。家出して、スリ集団「志村会」の一員となるが、心底から悪人にはなりきれず、良心の呵責と孤独感にさいなまれている。

かあさん (カアサン)

国井良の母親。夫が長期出張中のため、内職をしながら2人の息子を育てている。子供たちには優しい母親。夫が不在なうえ、貧乏な暮しが長く続いたせいで、やつれており、どこか寂しげな雰囲気を漂わせる。

国井 賢 (クニイ ケン)

坊主頭の小学生。国井家の次男で、国井良の弟。毎朝寝坊しては、良から叩き起こされている甘えっ子。家が貧乏なため、学校の給食費が払えない、と母親にだだをこねる。長期出張に出ているとうさんの帰りを楽しみにしている。

とうさん (トウサン)

国井良の父親。海外で仕事をしているため、長期間、家を留守にしている。4年ぶりに家族が待つ自宅に帰ってきたが、かなり容貌が変わっていて、良を驚かせる。一見寡黙な印象を受けるが、悪さをした良を激しく折檻するほど正義感が強い性格。

田辺 (タナベ)

国井良の同級生の男子生徒。良とは対照的に、裕福な家庭に育ったガリ勉風の少年。毎日、電車にタダ乗りして通学する良を、見下している。教室内で金銭の盗難に遭い、良に疑いの目を向けたため、彼と対立する。

(ススム)

スリ集団「志村会」の一員。組織の中ではサナと組む。他人の内ポケットから財布をスリ盗る「パー買い」の天才と言われている。どこか冷めた雰囲気のある、ニヒルなタイプの青年。家出した国井良に、ごちそうを振る舞い、仲間に引き入れる。サナに好意を抱いている。

サナ (サナ)

スリ集団「志村会」の一員。志村のじいさんの孫娘。進がスリをするときの相棒。いつも大人びた口調で仲間と会話しているが、時折17歳のあどけなさを垣間見せる美少女。進にほのかな好意を寄せていたが、国井良と知り合い、口喧嘩しながらも、彼の真心に徐々に惹かれていく。

(サカイ)

スリ集団「志村会」の一員。国井良にスリの手ほどきをし、スリ集団のしきたりや隠語などを教え込んだ中年男。田舎の妻子に仕送りをしている。根は優しい性格で、貧乏人の財布には手をつけない、という独自の矜持を持っている。

志村のじいさん (シムラノジイサン)

サナの祖父。かつてはスリの名人だったが、今はかたぎとなって、小さな靴屋を営んでいる。人生の3分の2が監獄暮らしという、もうすぐ80歳になる老人。国井良を相手に、スリ社会の現実をしみじみと語りかける。

菊村 (キクムラ)

スリの逮捕摘発を専門とする刑事。スリたちの間では「モサデカ」と呼ばれる。スリ集団「志村会」の壊滅を目指しており、「モサデカ」のなかでも一番の腕利き刑事として、スリ仲間から恐れられている。「志村会」の捜査活動のなかで、国井良と運命的な出会いを果たす。

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