モジコイネネコイ

モジコイネネコイ

SNSで人気のキラキラ女子高校生の花村ねね子と、彼女の母親で婚活でロクな男に出会えないバツイチの花村みやび。二人の女性の恋路を同時進行で描いた、エモーショナルなラブストーリー。「マーガレット」2019年No.23号から掲載の作品。

正式名称
モジコイネネコイ
ふりがな
もじこいねねこい
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
既刊10巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

ねね子と終編

学校とSNSで人気者のキラキラ女子高校生の花村ねね子は、スクールカースト上位の生徒として青春を謳歌していた。そんなある日、ねね子は母親の花村みやびが買った中古の一軒家で暮らす準備をするため部屋を掃除していた際に、見知らぬ老婦人が写っている写真を発見する。前の家主の忘れ物だと思ったねね子は、写真の裏に書かれていた携帯のメールアドレスから連絡を取るも、入れ違いでSNSの人気者の男子、山本陽から会いたいという連絡が来たことで、そのことをすっかり忘れてしまう。しかし翌日、実はねね子を快く思っていなかった友人に、加工前の顔写真をSNS上にバラまかれ、ねね子は人気と友達を同時に失ってしまう。その後、陽と会ったものの、陽はヤルことしか考えていない典型的なクズ男だった。心を傷つけられ、どん底な学生生活を送ることになってしまったねね子は、写真の件で丁寧なお礼のメールを送ってきた石水美月という人物に対し、ついつい感傷的なメールを送ってしまう。美月と交流を始めたねね子は美しい文章を書く美月のメールに、心を癒されることになった。そんなある日、ねね子は街中で偶然、相互フォローのバンドマン、後藤終と出会う。人を寄せ付けない空気を醸し出す終の態度に終始たじたじのねね子だったが、成り行きからいっしょに盗撮犯を捕まえたことで互いの警戒心が解け、ねね子は終が練習しているスタジオまで連れていかれる。そこで二人は意気投合するも、ねね子が終の端正な顔立ちに触れたことで終が不機嫌になり、気まずくなったねね子は結局その場から立ち去ってしまう。終と喧嘩別れになったことを美月にメールで相談したねね子は、そこで美月が男性だったこと知るのだった。美月のアドバイスを受け、終に謝ることを決心したねね子は、ライブハウスへと出向き、終のライブを体験。終了後に楽屋へと出向き、終と仲直りすることに成功する。打ち上げに参加しなかった終にデートに誘われたねね子だったが、美月とLINEしていたところを目撃した終にスマホを奪い取られ、美月との関係を邪推されてしまう。その強引さに憤ったねね子は、終を振り切って逃げ出し、東京に来ていた美月と初めて電話で話すのだった。

みやびと初編

バツイチで気弱な主婦の花村みやびは、周囲から恋愛と無縁の可哀(かわい)そうな年長者として扱われる日々を送っていた。そんなある日、スーパーで財布を忘れたみやびは支払いをすることができず、レジの若い男性に代金を立て替えてもらい、お礼としていずれ何かをおごることを約束する。後日、友人の鈴木姫芽からの誘いで婚活パーティーに参加したみやびは、そこで出会った研究職の男性、西門誠一郎といい仲になりかけるも、誠一郎が初デートでみやびをひそかに値踏みするテストをしていたことを知ってしまい、大いに幻滅する。失意のまま帰路についたみやびは、その途中で先日のレジの男性と再会して食事をおごることになり、と名乗ったその青年と意気投合する。楽しい時間を過ごしていたみやびの前に突如として誠一郎が姿を現し、みやびを軽薄な女だと罵るが、初のアドバイスを受けたみやびは本音を吐露し、勇気を出して誠一郎を撃退することに成功する。その後、初のアパートを訪れたみやびは初と一線を超えるものの、あくまで初の気まぐれによる一夜の遊びと認識していたみやびは、初に連絡先を告げずにそのまま帰宅してしまう。

ねね子と復縁とみやびの疑念編

花村ねね子は、喧嘩別れしてしまった後藤終への未練を断ち切るため、街中で一人食事を楽しんでいた。そんな中、ねね子のSNSのフォロワーを名乗るバンドマンのmitsubachiと知り合うが、彼に終の悪口を言われ、ついつい強い口調で言い返してしまう。その現場に突如として終が現れ、mitsubachiを追い払ったうえで、ねね子を強引にライブハウスへと連れていく。終のやり方に半ば呆(あき)れつつも、結局終と仲直りしてしまったねね子は、自分が終と付き合っているという事実に高揚感で胸がいっぱいになるのだった。一方、のことを忘れ、受付嬢として働いていた花村みやびだったが、初が職場を訪問したことで、彼との交流が再開される。13歳という年齢差を気にして関係を深めることを躊躇するみやびに対し、初は付き合ってみなければわからないと説得。言い返すことができなくなったみやびは、自分の心に正直になって初と付き合うことを決意するのだった。そして、久しぶりの恋の幸せを嚙みしめていたのも束の間、みやびは初のアパートに女性が住んでいる痕跡を見つけてしまう。

登場人物・キャラクター

花村 ねね子 (はなむら ねねこ)

キラキラな青春を謳歌をしている女子高校生。年齢は16歳で、ショートヘアのかわいらしい顔立ちをしている。快活で優しいが、気に入らない言動をする人間には対してはきつい口調で言い返すこともある芯の強い性格の持ち主。SNS上で「neneco」という名前で活動し、数万人のフォロワーを抱えている人気者で、学校でも女子のあこがれの的になっている。しかし、順風満帆な彼女に嫉妬した友人によって無加工の顔写真をSNSに晒(さら)されたことで人気が凋落し、友達も失ってしまう。その後、母親の花村みやびが購入した一軒家から発見した写真に記されたメールアドレスに連絡を取り、写真の持ち主である石水美月とメール友達となる。顔も知らない美月との何気ないメールのやり取りによって、心を癒される日々を送ることになった。その後、偶然に街で出会った美形バンドマンの後藤終に気に入られ、幾度かの衝突を繰り返しながらも、終と付き合うことになる。気まぐれで強引な終に振り回されてばかりいるが、彼のことは心から愛している。

花村 みやび (はなむら みやび)

会社員をしながら娘の花村ねね子を女手一つで育てている主婦。ややトウが立っているが、整った顔立ちをした美人。年齢は36歳。おおらかで優しい性格ながら気弱で、すぐに他人に迎合し、本音を隠して損をしてしまうタイプ。現在はとある企業の受付嬢として働いている。新人でミスコン女王の中条あやみととなり合わせで仕事をしていることや、結婚してすぐに夫に浮気されて離婚したという経歴を会社の女子から同情され、可哀そうな人扱いされていた。恋愛とも縁遠くなり、最近はもっぱら家事と動画配信に勤(いそ)しむ日々を送っている。友人のキャバ嬢である鈴木姫芽の誘いで、婚活パーティーに参加することもあったが、男運が悪く、ロクな男性には巡り合えていない。そんな折、スーパーで財布を忘れて支払いができないピンチを助けてもらったことが縁となり、美形の青年、初と付き合うことになった。13歳という年齢差を考えて当初は躊躇していたが、初の言葉とキスに心を動かされ、彼と付き合うことを決心する。小さい頃から本音を言えなかった自分に、ほんの少しだけ勇気をくれた初のことを信頼している。

後藤 終 (ごとう しゅう)

ここ最近人気が出てきた新進気鋭の才能豊かなバンドマン。シルバーアッシュの髪で、人形のような顔立ちをした背の高い超美形の男性。年齢は19歳。クールな性格で、誰に対してもぶっきらぼうな態度で自由気ままに振る舞っている。「G」という名前でバンド活動をしており、確かな歌唱力と演奏、さらに甘いマスクで若い女性を中心に絶大な人気を得ている。SNSのフォロワー同士だった花村ねね子とは、偶然電車内で出会ったことで交流が始まった。当初はねね子にいっさい興味がなく、周りからチヤホヤされたい痛い女としか見ていなかったが、いっしょに盗撮犯を捕まえたことで意気投合。芯の強いねね子を気に入り、幾度かの衝突を繰り返した末にねね子と付き合うようになる。気ままな言動と、時おり見せる優しさのコンボで、ねね子を振り回していた。

(はつ)

スーパーでアルバイトをしている青年。端正な薄い顔立ちをした大人びた雰囲気を漂わせるイケメン。年齢は23歳。つねに冷静沈着で、落ち着いた性格をしている。スーパーでレジ打ちのアルバイトをしていた際に、財布を忘れた花村みやびの支払いを立て替えたことで、彼女と知り合いになる。助けてもらったお礼として、みやびから食事をおごってもらった際、婚活や自分の気弱な性格で悩んでいる彼女の愚痴を聞き、みやびに対して興味を抱くようになった。恋をしたいというみやびの願いを叶えるため、彼氏として立候補する。いったんは初のアパートで男女の仲になるも、みやびが年齢差を気にして身を引いたため、彼女の職場を訪れて自分と付き合うように説得した。

石水 美月 (いしみず みつき)

出版社に勤務する男性。花村ねね子のメール友達。花村みやびが購入した一軒家に残されていた写真の裏に書いてあったメールアドレスにねね子が連絡したことが縁となり、時おりねね子とメールを交換するようになった。非常に美しい文章を書き、ねね子の愚痴に対しても真摯に返答をしてくれることから、友人に裏切られ傷心のねね子の心の支えとなっていた。名前が女性っぽく、繊細な文章を書くことから、当初はねね子に女性だと思われていた。

鈴木 姫芽 (すずき ひめ)

キャバクラで働いている女性。派手なファッションを好む美女で、年齢は36歳。非常に気が強く、プライベートでは男に依存しない独立心が旺盛な性格の持ち主。キャバクラ界隈ではその名を知らない者がいないほどの有名人で、これまでにキャバ嬢にまつわる多数の書籍を執筆している。花村みやびとは中学校からの親友で、気弱で消極的なみやびに対し、事あるごとに喝を入れていた。キャバクラでは31歳で通している。みやびからは「姫ちゃん」と呼ばれている。

mitsubachi (みつばち)

「アマヤドリと雛菊」というバンドでボーカルとギターを担当している男性。長い前髪で右目を隠している。自らの才能と楽曲に絶対の自信を持つ自信過剰気味な性格の持ち主。花村ねね子のフォロワーで、街中で食事をしていたねね子に話しかけ、なかよくなろうとしていた。しかし、後藤終の悪口を言ったことでねね子の逆鱗に触れ、終に追い払われてしまう。

山本 陽 (やまもと よう)

SNSで大人気の大学生の男性。チャラい格好をしたイケメンで、年齢は20歳。軽薄で不誠実な性格のお調子者。同じSNSの人気者である花村ねね子に目をつけ、会う約束を取り付けていた。会ってすぐにねね子をホテルに誘うが、あっさり拒否されて逆上。その醜態を見たねね子に辛辣な言葉を投げつけられてしまう。

中条 あやみ (なかじょう あやみ)

とある企業で受付嬢として働いている女性。人目を引く華やかな雰囲気を漂わせている。花村みやびの後輩で、年齢は24歳。大学時代にはミスコン女王だった経歴の持ち主。自らの容姿に自信を持っており、先輩の受付嬢である独身のみやびのことを、内心可哀そうな人として見下している。

西門 誠一郎 (さいもん せいいちろう)

研究職に就いている独身男性。眼鏡をかけ、お堅い雰囲気を漂わせている。年齢は37歳。落ち着いた性格で、一見するとまじめで誠実そうに見える。婚活パーティーに出席した花村みやびとカップルになるが、デートの最中にみやびの価値を見定めるテストをしていたため、みやびに幻滅され、そのまま振られてしまう。

書誌情報

モジコイネネコイ 10巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第10巻

(2022-08-25発行、 978-4088446905)

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