様々なモンスターたちの婚活を描く
10年前、夫に先立たれた結人(ユート)の母は、その後ダメ男たちとの再婚、離婚を繰り返す。マザコンのユートは、母への想いをこじらせながら成長し、母に幸せな再婚をしてもらうために婚活アドバイザーとなった。ある日の仕事帰り、バスを乗り過ごしたユートは、人外が暮らす「モンスター街(タウン)」に迷い込み、人狼のお嬢様、ウルル・ド・ビアンカと出会う。そして、様々な種族の女性が婚活で悩んでいることを知り、ウルルとともにモンスター街で結婚相談所を開業する。メインヒロインであるウルルの他に、エロ過ぎる風俗嬢のサキュバス、地下アイドルをしながら玉の輿を狙う女吸血鬼、じつはオタとものことを愛していた腐女子のメデューサなど、ユニークなモンスターたちが次々と登場し、ユートのアドバイスを受けることになる。
マザコン男とお嬢様人狼
ユートは極度のマザコンのため、未だ童貞である。いい加減実家を出ないと「子供部屋おじさん」になってしまうと焦るが、いかんせん母親が大好きで、母と再婚相手の行為にも興奮してしまうほどマザコンをこじらせている。そんなわけで、母性を感じない相手からの好意はまったく寄せ付けず、吸血鬼のスキルであるチャームも跳ね返してしまう。一方のウルルは、セレブなお嬢様。ハイスペックな相手を求めすぎて、やはり未だに処女である。そんなウルルは、「高望みが過ぎる」とはっきり言い、運命の相手を探す手伝いをするというユートに面食らう。男の免疫がゼロのウルルは、体目当てでもお金目当てでもないユートにときめきを感じる。本作は、モンスターの婚活を通じて、すれ違いながらも変化していく、ウルルとユートの関係を描いていく。
外界からユートがやってきた意味
本作の舞台となるのは、獣人や妖精、天使、悪魔などの人外が、人間との棲み分けのために作ったモンスター街である。結界によりアクセスが困難なため、人々の間では都市伝説だと思われていた。そんなモンスター街になぜか足を踏み入れてしまったユートは、元の世界に戻れなくなっている。エルフによると、外界から訪れたユートは、新たな「子種」を残していく「マレビト」だという。子種を残すことが人間界に帰る条件だとすれば、ウルルと結ばれればユートはいなくなってしまう。二人で結婚相談所を続けるか、ユートと結婚してシングルマザーになるか、究極の二択に、ウルルは頭を悩ませることになる。
登場人物・キャラクター
仲尾 結人 (なかお ゆうと)
開業3年で100組以上の結婚・婚約を成立させている敏腕婚活アドバイザーの男性。黒縁メガネとスーツが特徴の真面目そうなマザコン青年で童貞。愛称は「ユート」。10年前に父を亡くし、再婚と離婚を繰り返す母親と同居している。ある日、人間界から隔離された「モンスター街(タウン)」に迷い込み、人狼のお嬢様、ウルルと出会い、彼女の世話になる。モンスター街に大勢の顧客がいることを知り、ウルルを所長にしてモンスターの婚活屋さん「もんかつ」を開業する。
ウルル・ド・ビアンカ
「モンスター街(タウン)」一番の地主の令嬢で人狼。狼の特性を持ち、縄張り意識が強い。また満月の夜は獣度がアップし完全な狼になる。ケモミミと牙、巨乳が特徴のロングヘアーの女性。「高年収で顔もスタイルも良い爽やか系のハイスペックな男性」を結婚相手の条件にしていたが、人間のユートに好意を抱く。ユートを家に住まわせ、モンスターの婚活屋さん「もんかつ」の所長になる。







