あらすじ
第1巻
インターネットを中心に漫画や記事を投稿していたカメントツは、ある日、小学館が主催する年末パーティーに招待される。そこで「ゲッサン」編集者である☆野と出会い、ついに紙面での連載が決定することとなった。しかし、近年は出版不況で本が売れない時代。☆野は新人で実績も経験もないカメントツに、先輩漫画家たちの家へ行き、実際に売れる漫画の仕事場を取材しようと提案する。こうして本作品の主旨が決まった数時間後、カメントツは早くも1人目の先輩漫画家に、吉祥寺で会うことになった。その先輩漫画家とは、エッセイ漫画界のトップランナー、西原理恵子であった。(西原理恵子先生編)
漫画家のギャラが少なすぎると疑問を抱き始めるカメントツ。そんなカメントツに、☆野は漫画の単行本ができるまでに、どれだけの人間が携わっているのかを丁寧に説明するが、どうもあまり理解できていない様子。そこで☆野は、カメントツを漫画を製版している製版所に連れて行き、漫画の単行本が出来上がるまでの工程を見学させようと考える。(製版所編)
いよいよ「ゲッサン」の連載が開始。カメントツは必死の思いでなんとか締め切りギリギリに原稿を描き上げ、担当編集者である☆野に手渡す。だが、そんなカメントツに対し、☆野は締め切りギリギリだと印刷所の業務が止まって大迷惑をするのだと伝える。そして☆野は、前回に続いて漫画がどのようにして作られているのかを取材しに行くことを提案し、カメントツを印刷所まで直々に謝罪しに行かせることに成功する。(印刷所&製本所編)
知人のAさんが千葉の山中で友人たちとバーベキューをしていた時、突然数メートル先の木々の間から光り輝く物体が現れたという。カメントツがこの話をしたところ、☆野は悲鳴を上げるほどに怖がってしまう。漫画とは、未知の体験を追い求め、それを原稿用紙に叩きつけ、読者に伝えることだと考えるカメントツは、この機会に☆野が苦手なオカルト話を克服させようと計画する。(オカルト編)
この世には、あらゆる常識で説明することができない、そんな不思議なことが数多く存在する。カメントツは前回に引き続き、怪談や不思議な話に興味津々だった。そんなカメントツに呆れ顔の☆野は、前回のようにただ淡々と怪談を語るだけではなく、今回はしっかりとプロの方に話を聞きに行くべきだと説得。こうして2人は、この世の不思議のプロである「月刊ムー」編集部に突撃取材を敢行することになる。(ムー編集長編)
真夏の暑い昼下がり。カメントツは直射日光を受ける甲子園球場の外野席で高校球児たちの野球の試合を観戦していた。しかも、なぜか隣には漫画界のビッグネーム、あだち充と青山剛昌がいた。どうせ無理だと高をくくったカメントツが、☆野にあだち充と青山剛昌に会いたいと無茶な提案をしたところ、本当に2人への取材を☆野が実現させてしまう。この漫画のレジェンド2人を前に、カメントツは漫画取材に挑むのだった。(あだち充先生&青山剛昌先生in甲子園編)
漫画界のレジェンド2人への取材が成功して調子に乗ったカメントツは、絶対にヒットすると、☆野に自信作の漫画原稿を手渡す。だが、その原稿を読んだ☆野は、即座にボツにしてしまう。自信作が即ボツにされたことに納得のいかないカメントツは、しつこく☆野に食い下がる。そんなカメントツに根負けした☆野は、小学館でトップの売上を誇る雑誌に、カメントツの描いた原稿を持ち込んでみようと提案。こうしてカメントツと☆野は、「コロコロコミック」の編集部に向かうのであった。(コロコロコミック編集部編)
カメントツは、偉大な漫画家の先輩たちのように売れたいんだ、と☆野に熱弁する。一方で、先輩たちの中には、工夫も努力もしているのに結果を残せていない漫画家も存在しており、そんな先輩を見ると先行きが不安になる、とも口にする。そんなカメントツの肩を、いつのまにか何者かが揉んでくれていた。カメントツが背後を振り返ると、そこにいたのはまさに今カメントツが口にしていた、先行きが不安な漫画家の先輩の1人である、のむらしんぼであった。(のむらしんぼ先生編)
平日のある日の夜。いつものようにカメントツは☆野を部屋に招き入れ、原稿の仕上がりを待たせていた。すると、カメントツのスマートフォンに『名探偵コナン』の作者、青山剛昌から連絡が入る。びっくりしすぎて心臓を痛めてしまったカメントツを、青山剛昌は食事に誘うのだった。こうしてカメントツと☆野は、恐る恐る青山剛昌の指定した場所へ向かい、焼肉をご馳走してもらうことになる。(青山剛昌先生編)
第2巻
2017年の「ゲッサン」編集部。カメントツと☆野がお茶を飲みながら、次に取材するネタの打ち合わせをしていると、「ゲッサン」編集長の鳥光が2人の前に姿を現す。そしてこれまで☆野経由で再三にわたって注意をしてきた、他社や大御所漫画家をいじり倒す作風について、直接カメントツを叱りつける。すっかり反省したカメントツに、漫画を連載していくということがどれだけ大切なものか、ということを教えるために、鳥光は小学館の所在する街、神保町のとある場所にカメントツと☆野を連れて行く。(喫茶さぼうる編)
ある日、カメントツは「ゲッサン」編集部内で、☆野の監視のもとネームの執筆に追われていた。すでに1冊分の原稿を描いているはずなのに、コミックスが出ないことに疑問を抱いていたカメントツは、☆野にその疑問を投げかける。直接鳥光に話を聞きに行った2人は、簡単に単行本を出せるなんて思うな、と説教をされてしまう。さらに鳥光の話は、近年の書店での万引きの話に及ぶ。万引きの被害の大きさに驚いたカメントツは、どうやったら万引きをなくすことができるのかと考え、知人の伝(つて)を辿って「伝説の万引きGメン」と呼ばれている男に取材することとなる。(万引きGメン編)
カメントツが原稿を描き続けて1年弱。遂に単行本の発売が決まった。これで仕事が一段落するかと思いきや、単行本の発売に合わせた仕事が怒濤のように舞い込んでくる。そんな中カメントツは、近々引っ越しをすることが決まっていた。こうしてカメントツは、過密スケジュールの中、荷造りしたダンボールに囲まれながら、引越し作業と同時進行で原稿作業をこなしていく。(ドアガチャ男編)
カメントツは、リイド社で連載しているルポ漫画『ぼくは、せんそうをしらない。』を執筆するため、戦争を実際に体験した方々に取材をしていた。日本の戦争の歴史を辿るうえで、是非とも漫画界の超大御所、さいとうたかをに会って話を聞いてみたいと常々思っていたところ、縁あって、遂にさいとうたかをへの取材が実現。緊張と意気込みが高まる中、カメントツは☆野とともに取材に臨むのだった。(さいとう・たかを先生編)
カメントツは、かつて「コロコロコミック」で大人気だった『星のカービィ デデデでプププなものがたり』の作者、ひかわ博一が、連載中に精神を病み、持ち味だったキラキラとしたタッチの作風が徐々に失われ、最終的には断筆してしまったという噂を知る。インターネットで有名なこの噂の真相をつきとめるべく、カメントツは鳥光の許可のもと、☆野とともに直接ひかわ博一に取材をすることになる。(ひかわ博一先生編)
とある編集者が、某有名作家に「漫画ばかり描いていて、人生それで楽しいんですか? 世の中には、もっと楽しいことが沢山あるんですよ」と、学生時代から漫画漬けだった作家に尋ねたところ、その作家は「漫画より楽しいことがあるものなら、ぜひ教えて欲しいわね」と、笑顔で返したという。この話は、漫画家や編集者、そして漫画マニアの間でまことしやかに語られている噂話で、その有名作家とは高橋留美子であった。高橋留美子とは対照的に、漫画を描くことよりも楽しいことがありすぎて困っているカメントツは、彼女に漫画を長年描き続ける秘訣を聞きたいと、☆野に頼み込む。☆野が高橋留美子に電話で取材を打診をすると、なんと電話越しの高橋留美子はあっさり快諾。こうしてカメントツは、高橋留美子宅に取材へと向かうのだった。(高橋留美子先生編)
カメントツにとってはじめての漫画経験は『ドラえもん』であり、また、人間がいずれ死ぬということを教えてくれたのも、偉大な作家「藤子・F・不二雄」であった。そんな小学校時代の漫画体験を語るカメントツに、☆野は「藤子・F・不二雄ミュージアム」に取材に行こうと提案する。無邪気に喜ぶカメントツだが、そんなカメントツとは対照的に、☆野は何やら複雑な表情を浮かべていた。☆野のいつもとは違う雰囲気を気にしつつも、2人は「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」へと取材に向かうのだった。(藤子・F・不二雄編)
「藤子・F・不二雄ミュージアム」での取材後、☆野から唐突にこの漫画の打ち切りを言い渡されたカメントツは、涙目になってうろたえる。そんなカメントツに☆野は、連載の人気は好調ではあるものの、漫画家をいじり倒すスタイルに取材拒否されることが続き、連載を毎月続けることが困難になってしまったことを説明する。窮地に立たされたカメントツは、あだち充と青山剛昌に泣きついてなんとかしてもらおうと、2人の大御所作家のもとへと向かうのだった。(最終回編)
登場人物・キャラクター
カメントツ
インターネットを中心に活動する男性漫画家。丸顔でTシャツを着用している。WEBで描いていた漫画や記事が「ゲッサン」編集者の☆野の目にとまり、紙面連載を開始することになる。新人のため、出版業界に対しての知識は皆無に等しいが、連載が始まってからは、☆野に漫画が出来上がるまでの工程を実際に見学させてもらったり、先輩漫画家に取材させてもらったりして、少しずつ業界について学び始めている。 しかし、見学や取材に行ったことを漫画にすればするほど、新たな疑問が出てきてしまい、苦悩する日々が続いている。業界に無知なことを利用して、無茶な取材をリクエストして☆野の頭を悩ませることもしばしば。初めて読んだ漫画は藤子・F・不二雄の『ドラえもん』第41巻。 作者であるカメントツ自身がモデル。
☆野 (ほしの)
「ゲッサン」の男性編集者。長髪で顎ひげを生やしている。小学館が主催する年末パーティーに招待されていたカメントツに、「ゲッサン」紙面での連載の話を持ちかけ、以後、カメントツの担当編集者となる。普段は温厚で、業界の右も左もわからないカメントツに、懇切丁寧にさまざまなことを教えている。しかし締め切りが近づくと、悟りきった仏像のような顔をして無言で圧力をかける。 特技は高速もみ手で、怪談話やUFOなど、未知の世界が大の苦手。
鳥光 (とりみつ)
「ゲッサン」の男性編集者。黒髪で鼻が高く、ワイシャツを着用している。非常に小柄で、カメントツは初対面の時に「豆」と形容していたが、実際は「ゲッサン」の編集部で一番偉い編集長。カメントツの度重なる、他社や大御所漫画家をいじり倒す作風に頭を悩ませ、何度も部下の☆野経由でカメントツに対して注意を促していた。 編集長という権限を利用して、言論を統制し、原稿の吹き出しを思うがままに伏字にすることができるなど、絶対に怒らせてはいけない偉い人。
渡邊 (わたなべ)
製版所「昭和ブライト」に務めている男性。癖のある黒髪を中分けにして眼鏡をかけている。漫画などの出版物が、どのような工程を経て印刷所に送られるのかを見学しに来たカメントツと☆野に、製版所の中を案内して懇切丁寧に説明した。製版所で働くことで多くの作品に関われることに喜びを覚えている。また、自分の関わった作品がヒットした時には、充実感も得られる、やりがいのある仕事だと感じている。 しかし、原稿の締め切りを守らない漫画家には嫌悪感を抱いている。
井上 (いのうえ)
「大日本印刷株式会社」に務めている男性。短髪で作業服を着用している。社内では出版メディア製造第1部に所属しており、完成した原稿が、どのような工程を経て印刷されているのかを見学しに来たカメントツと☆野に、工場内を親切に案内した。笑顔を常に絶やすことのない、人当たりの良い真面目な性格の人物。
石坂 (いしざか)
株式会社善新堂の社長の男性。スーツを着用していて、黒髪を整髪料でセットし、前髪を右側だけ垂らして眼鏡をかけている。印刷所で印刷された漫画が、どのような工程を経て製本されているのかを見学しに来たカメントツと☆野に、工場内を親切に案内した。一見すると真面目で堅い印象を受けるが、実は大の漫画好きで、昔は同じく漫画好きな妻とデートでコミケに行っていたほど。 漫画の一読者として情熱を持って製本の仕事に携わっている。
三上 丈晴 (みかみ たけはる)
雑誌「月刊ムー」の編集長を務める男性。黒いショートカットの髪型で毛深く、もみあげから顎にかけてひげを生やしている。ただならぬ迫力とオーラで、初対面の人間を圧倒する風貌の持ち主。基本的に無表情で、感情の起伏も少ないが、カメントツと☆野がこの世の不思議について取材をしに来た際には、快く取材に応じた心優しい人物。 実はカメントツの漫画を愛読しており、以前に彼が描いたフリーメーソンの人の彼女の話が大のお気に入り。幼い頃にUFOを見た経験を持つ。
和田 誠 (わだ まこと)
雑誌「コロコロコミック」の編集長を務める男性。短髪で頭頂部が尖っていて、襟のある長袖シャツを着用している。真面目な性格で、漫画原稿を描いて「コロコロコミック」編集部に持ち込みをしたカメントツに対しても真摯に対応する。編集部内にあるおもちゃやゲーム、単行本や攻略本も、すべて仕事に必要な大事な参考資料と見なしており、遊びに対しても真面目に取り組む。 実はカメントツの漫画の読者でもある。
石井 宏一 (いしい こういち)
雑誌「コロコロコミック」編集部所属の男性。兄弟雑誌「コロコロアニキ」のデスクとして働いている。坊主頭で、大きな星が胸にペイントされたTシャツを着用している。漫画原稿を描いて「コロコロコミック」編集部に持ち込みに来たカメントツに快く応対し、持ち込み原稿に目を通した。温和そうな外見とは裏腹に、持ち込み原稿に対してのチェックはシビア。
鈴木 (すずき)
喫茶店「さぼうる」の店長を務める男性。黒髪を整髪料でオールバックに固めていて、白いワイシャツの上から黒いベストを着用している。年齢は84歳。22歳の時に友人とともに創業してからずっと、「さぼうる」の店長を務めている。近年は体調が優れず、体調の良い時にしか店に出ることはない。半世紀以上にわたって神保町の街で喫茶店を営業しているため、「ゲッサン」編集長の鳥光からは「神保町の長老」と呼ばれている。
伝説の万引きGメン (でんせつのまんびきじーめん)
年間100件以上の万引き犯を捕まえた、といわれる万引きGメンの男性。業界ではまさに「生きる伝説」。黒い長髪で黒縁の眼鏡をかけており、頭にニット帽を被っている。服装はラフで、全体的にロックバンドをやっていそうな雰囲気が漂う。その軽そうなしゃべり方や目立つ風貌からは想像もできないほど、万引きについての豊富な知識と対策法を身につけている。
西原 理恵子 (さいばら りえこ)
女性漫画家で、年齢は50歳。セミロングヘアで首にタオルを巻いて結んでいる。代表作は『毎日かあさん』『鳥頭紀行』『できるかな』など。新聞連載の他、著作の映画化やアニメ化、本人のテレビ出演など、マルチに活躍している。一般にはノンフィクション漫画やエッセイ漫画を手掛ける漫画家として知られるが、業界内では脱税や死、酒、金、スラム街、ギャンブルなど、実体験をもとにしたアングラでアウトローな漫画を赤裸々に描いている。 ためらいなく誌面に体験談を発表していくため、業界内では危険人物として有名。吉祥寺に、死別した夫や自分の不幸を漫画にして稼いだお金で建てた、地下1階地上3階建ての自宅を所有している。現在は「タカス」という名前の彼氏とラブラブで、彼との交際を題材に描いた漫画が、最近ベストセラーになった。 笑顔の可愛さとは裏腹に、酒豪で金に貪欲。実在の人物、西原理恵子がモデル。
あだち 充 (あだち みつる)
「レジェンド」とも評される大物男性漫画家。長髪でサンバイザーを被り、眼鏡をかけている。貸本漫画の読者コーナーからのし上がった叩き上げで、スポーツやラブコメを中心に爆発的ヒット作を生み続けている。代表作は『タッチ』『H2』『みゆき』など。青山剛昌とは仲が良く、ともにカメントツの取材に応じて、甲子園へ野球観戦に出向いた。 寛大で心優しい性格で、取材の際にもカメントツの唐突な質問にも快く応じた。漫画界の先輩としてのアドバイスも忘れない、後輩想いな一面も持つ。実在の人物、あだち充がモデル。
青山 剛昌 (あおやま ごうしょう)
「レジェンド」とも評される大物男性漫画家。眼鏡をかけていて、三角形の眉毛と後頭部のみに毛が生えた髪型が特徴。代表作は『名探偵コナン』『まじっく快斗』『YAIBA』など。日本のみならず世界的にもその名を広く知られている。あだち充とは仲が良く、ともにカメントツの取材に応じて、甲子園へ野球観戦に出向いた。 普段から漫画のことばかり考えているため、執筆活動が生活の一部となっており、『YAIBA』の連載終了後も、ほとんど休みを取ることなく次回作『名探偵コナン』の連載を開始した。漫画界の後輩のカメントツを食事に誘い、焼肉をご馳走するなど、後輩想いな心優しき先輩。学生の頃に東京ディズニーランドでアルバイトをしていた過去を持つ。 実在の人物、青山剛昌がモデル。
のむら しんぼ
頭に「しんぼ」と平仮名で書かれたハチマキをしているのが特徴の男性漫画家。前歯がなく、短髪で丸いフレームの眼鏡をかけており、ワイシャツにジャケットを羽織っている。かつて『とどろけ!一番』『つるピカハゲ丸』『かげきベイビーバーブー赤ちん』など数々の作品を生み出し、子供たちを楽しませて一時代を築いた、児童漫画界のレジェンド的な存在。 そんな輝かしい功績を持ちながらも、本人は非常に腰が低く、漫画界の新人のカメントツにも先輩風を吹かせることなく、フレンドリーに接する。また、自宅への訪問取材にも嫌々ながらも応じる、お人好しで優しい心の持ち主。実在の人物、のむらしんぼがモデル。
さいとう たかを
リアルなバイオレンス漫画を60年以上描き続けている男性漫画家。眼鏡をかけ、白髪で口ひげを生やしている。上下ともに黒い服を好んで着用している。青年向け漫画のパイオニア的な存在。代表作は『ゴルゴ13』『無用ノ介』『鬼平犯科帳』『サバイバル』『バロム・1』など。劇画タッチの漫画で、それまでの子供向けの漫画とは一線を画す新しいジャンルを生み出した。 若い頃は60時間仕事をして4時間寝て、そこからまた48時間仕事をする、といったパワフルな生活をしており、月に120ページもの量の原稿を描いていた。42歳の時に糖尿病になり、それからは健康に気を使うようになったが、喫煙は続けている。実在の人物、さいとうたかをがモデル。
ひかわ 博一 (ひかわ ひろかず)
かつて「コロコロコミック」で『星のカービィ デデデでプププなものがたり』を連載していた男性漫画家。四角いフレームの眼鏡をかけている。坊主頭で襟付きの半袖シャツを着用している。インターネット上では、『星のカービィ デデデでプププなものがたり』の連載終了後、当時連載を担当していた編集者からの嫌がらせにより精神を病んで断筆した、という噂が広まっている。 連載当時はキラキラしたタッチの作風が持ち味だった。温和で人当たりが良く、カメントツの突然の取材にも快く応じる優しい性格の持ち主。実在の人物、ひかわ博一がモデル。
高橋 留美子 (たかはし るみこ)
底なしのモチベーションで漫画を描き続ける女性漫画家。ボブヘアで眼鏡をかけている。代表作は『らんま1/2』『犬夜叉』など。連載した作品はすべてがヒットし、その多くがアニメ化もされている。中でも『うる星やつら』のヒロイン「ラムちゃん」は、オタクカルチャーに多大な影響を与え、現在でも新しいグッズが発売され続けているほど人気が高い。 漫画を描くことが何よりも大好きで、カメントツのような「漫画描くのがヤダ」という感覚を、今までに一度も感じたことがない。温和で優しい性格をしており、カメントツの漫画の読者の1人でもある。実在の人物、高橋留美子がモデル。
場所
神保町 (じんぼうちょう)
出版社「小学館」が所在する街。昔は「この町にない本はこの世にない本だ」とまでいわれたほどに有名な本屋街。今なお書店や古書店、出版社が多く立ち並ぶ本の街。創業が100年を超える古本屋などもザラにあり、古書店街としての規模は世界一と言っても過言ではない。
さぼうる
神保町に実在する、1955(昭和30)年に創業した老舗の喫茶店。山小屋をイメージした外観と内装で、初めて店を訪れたカメントツは「魔女の家」と比喩していた。読書人が多く集う名店で、照明を少し暗めにした落ち着いた雰囲気の店内は、いつも読書を愉しむ客で賑わっている。
その他キーワード
月刊ムー (げっかんむー)
1979年の創刊以来、日本一売れているオカルト雑誌。キャッチコピーは「世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン」。扱う内容は怪奇現象や超能力、未確認生物、UFOなど多岐にわたる。その影響たるや絶大で、70年代のオカルトブーム以降も長く人気を誇っているカリスマ雑誌。ちなみに「月刊ムー」の愛読者は「ムー民(むーみん)」と呼ばれている。
コロコロコミック
小学館でトップの売上を誇る児童向けの漫画雑誌。人気ゲームやおもちゃとタイアップしたり、カードゲームのカードが付録になることが多く、小学生に大人気。かつてライバル誌「コミックボンボン」と発行部数を競い合っていたが、「コミックボンボン」が2007年に廃刊された後は、競合する漫画雑誌がほとんどどなくなったため、現在は「コロコロコミック」の独走状態が続いている。
書誌情報
カメントツの漫画ならず道 2巻 小学館〈ゲッサン少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2017-04-12発行、 978-4091276179)
第2巻
(2017-11-10発行、 978-4091280138)