ヤメ検弁護士シャチ

ヤメ検弁護士シャチ

食らいついたら離さないことから「シャチ」の異名を持つ検事・英剛直。ヤメ検(検事を辞めた)弁護士となった剛直が、検事時代の「シャチ」の流儀はそのままに、真実を求めて戦う姿を描く。

正式名称
ヤメ検弁護士シャチ
作者
ジャンル
犯罪
レーベル
ニチブンコミックス(日本文芸社)
巻数
全2巻
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概要・あらすじ

かつて「シャチ」の異名を取ったヤメ検(検事を辞めた)弁護士の英剛直は、当番弁護で一家惨殺強盗殺人犯・末野光二の担当を引き受けることになる。末野は無実を主張するが、剛直は末野を有罪だと直感する。冤罪ならば話題になると、同じメトロポリタン法律事務所に所属する佐伯から担当の交代を持ちかけられる。剛直は冤罪ではないことを証明するため、豪快さと緻密さを兼ね備えた「シャチ」の流儀で調査を始める。

登場人物・キャラクター

英 剛直 (はなぶさ たけなお)

ヤメ検(検事を辞めた)弁護士の中年男性。検事時代、事件に食らいついて離さないことから「シャチ」の異名を取っていた。しかし、阿久津が揉み消そうとした事件の真相を明らかにしたため、検事の職を追われ弁護士となる。背が高くがっしりした体形で強面なことから、暴力団員に見間違えられることもある。一方で空手の有段者でもあり、犯人を殴って事件を解決するなど、その外見にふさわしい荒技を得意としている。 国選弁護で、強盗殺人犯・末野光二の弁護を担当することになる。

英 剛一

東京地検特捜部長を務めていた英剛直の父親で、既に亡くなっている。剛直のように強面でがっしりした体形をしていた。正義感や真実を追い求める大切さを、剛直が幼い頃から教え込んできた人物。実は剛直の母親の田舎である石野町で起きた、町長と浪川土建の不正と浮浪者・留の死亡事件に関わっている。

末野 光二

板橋で起きた凄惨な強盗殺人事件の犯人で、42歳の男性。傷害、窃盗、詐欺など前科は5犯。まったく悪びれる様子もない図々しい性格で、国選弁護人として弁護についた英剛直にも無実を訴え、ゴネ得を狙っている。

佐伯

男性弁護士。眼鏡をかけた知性的な風貌の持ち主で、英剛直とは大学で同期だった。剛直より5年早く試験に合格して弁護士になっており、大手弁護士事務所のメトロポリタン法律事務所に所属し、主に企業を相手にした仕事を手掛けている。末野光二が無実を訴えたことで冤罪事件ではないかと注目し、剛直に代わって自分が弁護を担当すると申し出る。

仁科

メトロポリタン法律事務所分室で働く若い女性。長い黒髪に目鼻立ちがくっきりとした美人で、はっきりものを言う性格。受付やお茶を淹れたりの雑用をしている。英剛直の担当する事件にも時々口を出す。

豊川

メトロポリタン法律事務所の代表で、少し禿げた壮年の男性。太い眉が下がっており、好々爺という印象。英剛直の父親の英剛一に大恩があり、剛直が司法試験に合格するまでの経済的援助をし、彼が検事を辞めた後は自身の法律事務所にスカウトした。

末野光二の母親

強盗殺人犯・末野光二の母親で、田舎で一人暮らしする老婆。もともとは夫とともに教師を務めており、出来のいい長男を可愛がり、不良の光二を疎ましく思っていた。光二が犯罪を犯したために教師を続けられなくなり、引越しを続けるうちについには山奥で暮らすようになった。光二のせいで長男の結婚も取りやめになり、心労からか長男は病気で早世した。

阿久津

検察庁の検事で、目が細く吊り上っている中年男性。ある覚醒剤事件をめぐって阿久津が不起訴にした水城亜矢子を、検事時代の英剛直が執拗に取り調べたことで、反目しあうようになった。もともとは、派閥争いに敗れ地方へ下った阿久津の上司が亜矢子と関わりがあったため、彼を守るために亜矢子を不起訴にしたという経緯があった。 この事件で阿久津と揉めたことが、剛直が検事を辞めるきっかけとなった。

水城 亜矢子

覚せい剤事件の容疑者となった女性。少女の頃に両親を交通事故で亡くして以来、2歳上の姉が高校を中退して働いたことで、水城亜矢子自身は高校、専門学校へと進むことができた。姉は検察庁の重鎮と結婚していたため、大恩のある姉に迷惑がかかることを恐れて、自身の犯罪に口をつぐんでいた。阿久津の手によって不起訴になったが、検事時代の英剛直からは執拗な取り調べを受けることとなる。

柴沢 健介

インポートショップ「シバサワ」を経営する社長で、パンチパーマのヤクザ風の中年男性。数年前までは会社も儲かっていたが、今は景気が悪く多くの借金を抱えており、妻に常日頃から暴力も振るっている。膨れ上がった8000万円の借金を返済するために、営利誘拐を企てる。

柴沢健介の妻

家庭に金を入れず暴力を振るう柴沢健介と離婚したいと考え、英剛直のメトロポリタン法律事務所分室に相談に訪れた中年女性。落ち着いた雰囲気の美人で、幼子を2人抱えている。財産分与について知るために、柴沢の財産調査を依頼する。

黒田 徹太郎

背は低いが、強面にがっちりした体形の壮年男性。警視庁捜査一課警部を務めている。犯罪に対する嗅覚が警察犬なみと恐れられ、警視庁の黒犬の異名を持つ。警部になったのも昇進試験ではなく、現場の実績からという生粋の叩き上げ。柴沢健介の営利誘拐事件で別方面から柴沢をマークしていた英剛直とぶつかるが、この出会いがきっかけで互いを認め合う仲になる。

太田 久里子

スナック「シフォン」の気の強い美人ママ。小学生の男の子がいる。店の立ち退きを迫られて英剛直のメトロポリタン法律事務所分室に相談に訪れた。3000万円を支払えば立ち退くからと、オーナーの辻原に吹っ掛けるが、辻原は引っ越し代として50万円しか払う気がないため、揉めている。

辻原

スナック「シフォン」の入っているビルのオーナー。押しの強い壮年男性で、太田久里子に気があるのに袖にされたため、店の立ち退きを迫るようになる。久里子が中々納得しないので、ヤクザを雇って店と久里子を襲わせる。

宗像 明 (むなかた あきら)

トルネード食品陸上部の駅伝ランナーの男性。年齢は23歳。ひょろっとした冴えない風貌の若者。天涯孤独だが矢島士朗を兄のように慕っている。陸上部の監督である轟の娘・轟由香里が強姦され殺された事件で、宗像明は自分が犯人だと認めるが、弁護人となった英剛直は彼が嘘をついていると考えている。

矢島 士朗

トルネード食品陸上部の駅伝チームでエースを務める、ハンサムで頼りがいのある青年。天涯孤独の宗像明に優しくし、義兄弟のようなものだと吹聴していて、実際宗像からは「兄貴」と呼ばれている。陸上部監督の娘である轟由香里を好きだと、はっきり公言していた。

大原 ミレイ

芸能会社「シャーク・ミュージック」所属のセクシー系アイドル歌手。「キャンギャルズ」というグループに所属していたが、解散してからはソロ活動をしている。嫌がらせのカミソリレターが事務所宛に頻繁に届いているが、マネージャーの浅田武也が秘密にしているため、大原ミレイ自身はその事実を知らずにいる。

浅田 武也

芸能会社「シャーク・ミュージック」所属の、真面目だが頼りなさげな青年。アイドル歌手の大原ミレイのマネージャーを務めている。ミレイにカミソリレターや脅迫状が続いて届いたことから、スナックで同席した英剛直に相談を持ちかける。

松七五三 (まつしめ)

大蔵省に勤める鬱屈した中年男性。デビュー当時からの大原ミレイのファンで、ライブやファンの集いの参加を欠かさない。全員東大卒のエリート一家に生まれたが、1人だけ出来が悪く、私立大学を卒業後ノンキャリアとして大蔵省に勤めている。

岡林 誠

町工場・岡林精機の二代目社長で、冴えない中年男性。工場の資金繰りが厳しく、最近も社員を1人リストラしたばかり。伯母が資産数十億円といわれる小山内家に嫁いでいる。この伯母が夫とともに事故死したため、遺産が入るのではないかと義理の叔父・下田に焚きつけられ、英剛直のメトロポリタン法律事務所分室を訪れる。

下田

岡林誠の義理の叔父。太ったはげ頭の壮年男性で、亡くなった伯母の財産を岡林に相続させようと、躍起になっている。英剛直のメトロポリタン法律事務所分室に予約を入れ、乗り気ではない岡林を半ば強引に引っ張って来た。

村西 健太郎

株式会社柿江運輸所属の長距離トラック運転手の男性。仙台市在住の32歳で、がっしりした体形をしている。大阪から仙台へ戻る途中に都内で小山内夫妻の車の衝突事故を目撃し、事故当初助手席の岡林誠の伯母が生きていたと証言する。

八木沼 秀治

英剛直の母親の田舎の石野町での幼なじみ。漁師の息子で頭は良くなかったが気のいい少年だった。少年時代、留が殺された事件を目撃し、英に密かにそのことを知らせるなど、英とは親しかった。しかし、のちに弁護士と犯罪者として再会することになる。

石野町の漁港に住む浮浪者の中年男性。少し頭が弱く、地元の小学生たちにもバカにされ、からかわれている。石野町長と浪川土建の社長が賄賂の受け渡しをしていたのを目撃してしまい、絞殺された後海に投げ込まれ、鮫に食われてしまう。

浪川 速男

浪川土建の社長の息子。田舎の漁港である石野町では名士の息子ということと、腕っ節も強いことから子供たちのリーダー的存在。夏休み期間だけやって来る英剛直に敵愾心を持ち、子供たちを集め武器を持たせ、剛直を襲った。留の事件が発覚してからは引越しを繰り返し、ヤクザになったといわれている。

場所

メトロポリタン法律事務所 (めとろぽりたんほうりつじむしょ)

都心のビルの中にある豪華な大手法律事務所。何十人も入るような会議室や、弁護士個人の居室、応接室はいずれも広くゆったりとしている。豊川をはじめ、佐伯などエリート弁護士が多く在籍している。英剛直もこの事務所に所属しているが、普段はメトロポリタン法律事務所分室で1人で仕事を受けている。

メトロポリタン法律事務所分室 (めとろぽりたんほうりつじむしょぶんしつ)

メトロポリタン法律事務所の系列事務所で、寂れた飲み屋街の雑居ビルの地下にある。英剛直が1人で構える事務所で、剛直の他には受付の女性・仁科がいるのみ。豊川や黒田徹太郎もよく訪れている。

書誌情報

ヤメ検弁護士シャチ 全2巻 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉 完結

第1巻

(1997年2月発行、 978-4537097092)

第2巻

(1997年9月発行、 978-4537097443)

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