概要・あらすじ
インドに住む貿易商ハッサンの息子ラシャーヌは、外見こそ美少年だったが破壊的な性格の持ち主だった。無表情のまま、父ハッサンやおじ様たちに生死にかかわるようないたずらを仕掛けるような彼は、実は異常なまでの惚れっぽさの持ち主だった。男女問わず何度も恋をしてはその性格や行いが災いして振られてしまうが、ラシャーヌが懲りるということはまったくないのだった。
登場人物・キャラクター
ラシャーヌ
インドに住む、破壊的かつ惚れっぽい性格の美少年。16歳。他人の迷惑を顧みず、特に父ハッサンに関しては生死に関わるような悪戯やおちょくりも涼しい顔で行う。おじ様から拳法を習っており、腕はそこそこに立つ。非常に惚れっぽく、可愛い子を見かけたり、少し親切にされたりするだけで、これこそ運命の相手だと思い込んでしまう。 バイセクシャル傾向があり、相手の性別は問わない。しかし片思いが上手く行ったためしはまるでなく、常に失恋を繰り返している。アプローチの手段はラブレターが多い。7年後を描いた『PaPaラシャーヌ!』ではアリシアと結婚、一人息子のビショーネがいる。ただし性格等は7年前と変わらず、病弱なアリシアが療養で家に居ないのをいいことに、様々な女性にモーションをかけている。 おじ様とは恋愛関係にあった時期もあるが、お互いにタイミングが悪く、付き合うというほどでもない段階に留まる腐れ縁的な関係。声帯模写が得意。
ハッサン
ラシャーヌの父親。ヒゲを蓄えてターバンを巻いた、インドの民族衣装風スタイル。インドで貿易商を営んでいる。扱っている商品はさまざまで、取引相手も世界各国にいる模様。ラシャーヌのおちょくりや悪戯の被害に最も多く遭っており、時には全治数ヶ月というような怪我も負わされいる。 騙されやすいが、悪乗りもする性格で、本人もおじ様と組んでラシャーヌに仕返しの悪戯を仕掛けたりする。
おじ様 (おじさま)
ラシャーヌの叔父で、ハッサンの弟。黒髪で長髪の青年。29歳。七星虎楼拳という拳法の使い手で、道場主。弟子を取って生活している。非常な達人で、マフィアの実力者など様々な方面に名を知られている。ラシャーヌには「おじ様」、ハッサンには「弟」と呼ばれているため、本名等は不明。 得意技は遠くのものにも気を飛ばして倒す斬気遠当ての術。石仏の秘孔を突いて命を与える奇想天外爆裂拳なども使える。ラシャーヌとは恋愛関係になりそうでなりきらない腐れ縁的な関係だが、お互いの性格をよく理解し合っている。
ばあや
ハッサンとラシャーヌの家に仕えるお手伝い。ラシャーヌと気が合っており、深い信頼を寄せられている。一緒にハッサンやおじ様をおちょくることもしばしば。食べたうどんを逆再生して出来立ての状態に戻す「人間ビデオ」など、人間離れした芸を持つ。7年後を描いた『PaPaラシャーヌ!』ではすでに死亡していたが、幽霊のまま家事を手伝っていた。
ビショーネ
ラシャーヌとアリシアの間に生まれた一人息子。4歳。サ・ユーリ幼稚園に通っている。大人びた性格ではあるが、父ラシャーヌに比べればはるかに常識人。生死に関わるいたずらを自分にも仕掛けてくる父のおかけで、非常にたくましく、サバイバルに長けた賢い子供になってしまった。おじ様に拳法を習っている。
ヤスミン
ラシャーヌのいとこ。外交官と結婚してパリに住むようになったハッサンの妹の娘。ラシャーヌが化粧をすると、彼女とそっくりな顔になることから、入れ替わって事件を解決することが多い。絵のモデルを頼まれて知り合った伯爵と結婚し、一女を儲けている。
伯爵 (はくしゃく)
ヤスミンの夫。フランスの貴族で、画家。母親に捨てられた恨みから、金髪の女性をモデルに招いては脅かして憂さを晴らしていたが、ヤスミンとラシャーヌによって改心。ヤスミンと結婚し、一女を儲けている。
イエリナ
ハッサンがおじ様に紹介した、ラシャーヌの母親に似た女性。拳法大会で活躍する姿を見ておじ様に惚れこんでいた。一時はおじ様と婚約するまでに至ったが、中東で行方不明になっていた恋人をラシャーヌが探し出してきたことから、結局婚約解消してしまう。伯父が司教で、教会で行うバザーの手伝いなどをしている。 心優しく、聡明な性格。
マダム=ローゼン
大金持ちの未亡人。美少年を侍らせることが好きで、カイヌンの眼という見た者を操る魔力を持つ宝石を使い、美少年を収集していたが、ラシャーヌによってそれを暴かれてしまう。以来、ラシャーヌへの復讐の機会を伺っている。
クリフ
マダム・ローゼンの甥として、おじ様の道場に入門した青年。実は演劇学校の生徒で、マダム・ローゼンに雇われているだけだった。
ミヤオ
ラシャーヌの幼馴染。ラシャーヌの父ハッサンとは犬猿の仲であるモハメッドの娘。小学校卒業以降、イギリスの寄宿舎に入っていた。初恋の相手はラシャーヌ。
サイ
ラシャーヌの家の塀に車でぶつかり、怪我をして運び込まれた少年。滅亡の危機に瀕したヒエンラという異次元の世界から、ヒエンラを救う戦士を探しに来たとラシャーヌに語る。しかしその正体は禍々しい魔物のような存在だった。
アリシア
ラシャーヌの妻。身体が弱く、ラシャーヌと結婚し、ビショーネが生まれた後はずっと北欧で療養している。ラシャーヌのプロポーズを受けたときは薬の作用で朦朧としていたという説もある。
イオナ
ビショーネが通うサ・ユーリ幼稚園の先生。ラシャーヌに一方的に惚れられ、高価な贈り物を贈られてしまう。実は主任先生と付き合っているレズビアン。
書誌情報
ラシャーヌ!愛蔵版 3巻 小学館クリエイティブ
第1巻
(2023-03-10発行、 978-4778038762)
第2巻
(2023-04-12発行、 978-4778038779)
第3巻
(2023-05-12発行、 978-4778038786)