あらすじ
第1巻
内浦にある浦の星女学院に通う高海千歌は、「ラブライブ!」優勝グループである「μ's」へのあこがれから、学生によるアイドル活動「スクールアイドル」を目指し、友人の松浦果南を勧誘していた。千歌は、廃校が決まっている自分達の学校と同じく、廃校の危機にあった母校を「ラブライブ!」優勝によって救った彼女達のように自分も輝きたいと感じていた。その頃、内浦に引っ越して来たばかりの桜内梨子は、慣れない土地で迷子になってしまう。そこで偶然出会った千歌に大学生と間違われながらも、お饅頭を貰って気持ちが明るくなった梨子は、新しい生活への期待に胸をふくらませる。新学期、新しい学校に緊張しながらも教室に向かった梨子は、自己紹介でクラスメイト達に国立音ノ木坂学院から転校して来た事を告げると、一人の生徒が驚きの声をあげる。それは千歌で、あこがれの「μ's」のいた音ノ木坂学院から転校して来た梨子に運命を感じたのだった。スクールアイドルとして活動するために、スクールアイドル部を設立しようとする千歌の執拗な梨子への勧誘が始まった。しかし、自分に自信がなく人前に立つのも苦手だという梨子はなかなか首を縦に振らない。すっかり意気消沈した千歌は、無理矢理メンバーに加えた果南に相談を持ち掛ける。出会ったばかりの相手に勧誘されても、すぐにはOKが出せない梨子の気持ちもわかるという果南の言葉に、どこか寂しげで周りに心を開いていない梨子と、まずは友人になる事を千歌は決意する。
第2巻
人見知りな性格でなかなか周囲と打ち解けられない桜内梨子は、美術室で絵を描いていた。自分と正反対の性格の高海千歌へのあこがれを抱きながらも、自信のなさから行動を起こせない梨子だったが、そこに千歌が現れ、もう勧誘しない代わりに一度だけいっしょにあるイベントに行ってほしいと頼まれる。執拗な千歌の勧誘によって、いつの間にか心を許していた梨子は誘いに応じる。後日、梨子が千歌に連れて行かれたのは、地元の小学生達が行う子供祭りであった。千歌は将来地元の高校に通えず、バラバラになってしまう子供達のために、少しでも思い出を作ってあげようと一生懸命お祭りを盛り上げていたのだ。そんな千歌を見て、彼女の優しい思いを感じ取った梨子は、千歌との交流を通して自分も内浦が好きになっていた事に気づき、スクールアイドル部への加入を承諾するのだった。
後日、学校での休み時間、千歌の友人である渡辺曜は、どこからか綺麗な旋律が耳に届き音楽室を覗き込む。そこには、得意のピアノ演奏を行なっていた梨子と、それを聞いて楽しそうにしている千歌の姿があった。千歌は、スクールアイドルの事を曜に語り、それを楽しそうに聞いてくれる曜もスクールアイドル部に勧誘する。返事を保留し高飛び込みの練習に向かう曜だったが、好きな事ができなかった子供時代の悔しさを思い出し、練習量を調整してスクールアイドル部に参加する事を考える。しかし、有名な飛び込みの選手である曜の夏の練習量は本人の想像をはるかに超えたものだった。後日、スクールアイドル部の練習を見学していた曜は、臨時で練習に参加する事になる。曜は抜群のダンスセンスを見せ、再び勧誘する千歌に仮要員でいいなら参加すると伝える。練習に参加していく中で、スクールアイドル部の活動を楽しく感じるようになっていた曜はある日、スイミングスクールの休会届と、スクールアイドル部の入部届を手にして学校に向かうのだった。
第3巻
渡辺曜はスクールアイドル部がまだ正式に申請されていない事を知ってあきれつつも、改めて高海千歌に入部届を渡し、正式にスクールアイドル部の一員となる。全日本レベルの高飛び込みの選手である曜が加わった事で注目を浴びるスクールアイドル部は、この機に乗じて新メンバー獲得のために動き出す。ヒーローのような曜にあこがれている国木田花丸は、曜に転びそうになったところを助けられた事を話そうと親友・黒澤ルビィのいる図書室を訪れる。花丸がアイドル好きのルビィと盛り上がっていると、津島善子が現れ「スクールアイドル名鑑」を借りていき、ルビィはアイドル好きの友人ができるのではと期待する。後日、千歌達スクールアイドル部の面々が練習しているところに、活動を知った善子が見学に訪れる。千歌達に容姿を褒められ勧誘を受けた事を喜ぶが、素直になれない善子は、自分は「永遠の堕天使 小悪魔のヨハネ」であり、部活に参加する時間はないと入部の誘いを断ってしまう。入部しなかった事を後悔する善子だったが、その一方で千歌は善子の言動を面白いと感じ、いっしょにスクールアイドルがしたいという思いを強くするのだった。
登場人物・キャラクター
高海 千歌 (たかみ ちか)
浦の星女学院に通う高校2年生の女子。旅館「十千万」の娘であり、明るく快活な性格をしている。何かをするにも、やる前からあきらめてしまう自分と違い、スクールアイドル活動によって母校を廃校の危機から救った「μ's」にあこがれている。そのため自分も「μ's」のようにキラキラ輝きたいと思い、スクールアイドル部の活動を始めた。行動力があるため、幼なじみである松浦果南をはじめ多くの生徒を部活動に勧誘しており、桜内梨子を勧誘した際にはストーカーのような行動をとっていた。 都会から転校して来た梨子をオシャレで都会的な人間だと思っており、衣装も曲もすべて梨子に任せれば大丈夫だと考えている。浦の星女学院の廃校には思うところがある様子で、将来バラバラの学校に通う事になってしまう内浦の子供達のために思い出を作ってあげようと行動している。 一見何も考えずに行動しているように見えるが、部活申請の時期を実績を積んでからにするなど、思慮深い面も見られる。
桜内 梨子 (さくらうち りこ)
浦の星女学院に通う高校2年生の女子。もともとは「μ's」のいた国立音ノ木坂学院に通っていたが、両親の仕事の都合で2年生の春に転校して来た。内気で自分に自信がなく引っ込み思案な性格で、高海千歌からのスクールアイドル部への勧誘も固辞していた。明るい性格の千歌にあこがれを抱いており、勧誘を断りながらも彼女に構ってもらえなくなる事を恐れていた。 千歌の思いを受け止めて入部したあとも、自分をセンターに置こうとする千歌の考えとは裏腹に、メンバーを増やして自分のポジションは目立たない2列目にしてほしいと願っている。幼い頃からピアノを習っていたためピアノが得意なほか、転校前は美術部に所属していたため絵を描く事が好き。都会から来た=オシャレと考える千歌ら内浦の人達の思い込みにはやや辟易している。
松浦 果南 (まつうら かなん)
浦の星女学院に通う高校3年生の女子。高海千歌の幼なじみの一人。やや楽天的な性格で、メンバーの人数が増えれば歌やダンスのごまかしが利くと考えている。猪突猛進タイプの千歌のブレーキ役でもあり、よく相談に乗っている。もともとは「ラブライブ!」やスクールアイドルの事をほとんど知らなかったが、千歌の熱意に押される形で入部した。
渡辺 曜 (わたなべ よう)
浦の星女学院に通う高校2年生の女子。高海千歌の幼なじみの一人。口癖は「ヨーソロー」。全日本レベルの高飛び込みの選手であり、学院内でもヒーローのような存在。しかし、忘れ物や遅刻が多く、子供っぽい性格をしている。偶然、桜内梨子のピアノを聞いた事から、千歌達のスクールアイドル部の活動を知る。千歌から勧誘を受けるも高飛び込みの練習があるため返事を保留していたが、人数が足りないというスクールアイドル部を助けるため仮要員という形で参加していた。 しかし、練習に参加する中でスクールアイドル部の楽しさを知り、高飛び込みのコーチの引き留めも聞かずにあっさりとスイミングスクールを休会し、正式にスクールアイドル部に入部した。
津島 善子 (つしま よしこ)
浦の星女学院に通う高校1年生の女子。高海千歌からは「よっちゃん」というあだ名で呼ばれているが、津島善子本人は嫌がっている。容姿端麗で千歌からも本物のアイドルのようだと言われている。もともとスクールアイドル部の活動に興味があったが、うまくいくはずがないと、気にも留めていなかった。しかし、学院の有名人である渡辺曜が入部し、話題になった事から見学に訪れる。 その際に容姿を褒められ、善子自身もスクールアイドル活動に興味があったため入部を伝えようとしたが、千歌の「善子のような美人は高嶺の花」という発言に反発し、入部を拒んでしまう。やや中二病な一面もあり、千歌達の勧誘を断る際には「永遠の堕天使 小悪魔のヨハネ」と名乗った。また、見学に訪れたとたんに大雨が降るなど、非常に運が悪い事を本人も自覚している。 内浦に住んでおらず、バスで沼津から学校に通っている。
国木田 花丸 (くにきだ はなまる)
浦の星女学院に通う高校1年生の女子。黒澤ルビィから「マルちゃん」と呼ばれている。おっとりとした性格で語尾に「ずら」を付けて話し、聖歌隊に所属している。元気で堂々としている渡辺曜をヒーロー視しており、転びそうになったところを彼女に助けられた際には顔を真っ赤にして慌てていた。ルビィとは非常に仲がよく、彼女が東京に行く計画を立てた際にも誘われていた。
黒澤 ルビィ (くろさわ るびぃ)
浦の星女学院に通う高校1年生の女子で、生徒会長を務めている「黒澤ダイヤ」の妹。アイドルが大好きで、津島善子がスクールアイドル名鑑を借りる場面を目撃した際には、アイドル好きの友達ができるかもしれないと歓喜していた。本人もアイドルになりたいという思いをくすぶらせているが、大の男性恐怖症であるため、自分にアイドルは無理だと考えている。
クレジット
- 原作
- キャラクターデザイン
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室田 雄平
書誌情報
ラブライブ!サンシャイン!! 3巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉
第1巻
(2016-09-27発行、 978-4048924337)
第2巻
(2017-07-26発行、 978-4048928519)
第3巻
(2018-03-24発行、 978-4048937351)