概要・あらすじ
ロンドンからロスアンゼルスのフロンティア・ハイスクールに転入してきたララ・ハート・ローズは、キュートで可愛く性格も優しい女の子。一躍みんなの人気者になるが、そんななか彼女が恋をしたのは、無骨で実直な生物学の教師で、日本人のムサシ・コジロウという青年だった。だが、ハートの母が社長を務めるローズ製薬会社のお得意様であるジェームズ・ポリックとハートを結婚させたいハートの母親、さらに当のポリックは、そんな2人を認めず、妨害のためにパオラ・ファマを送り込む。
コジロウは自分たちの結婚を認めてもらうため、またローズ製薬会社の将来のためにも、どんな病気にも効く新薬を開発することを決意。そして、新薬作りのヒントが隠された古代エジプトのミニト王女の書を求め、エジプトへと向かう。
だがハートとコジロウが乗る飛行機に、ポリックとパオラは秘かに時限爆弾を仕掛け、何食わぬ顔で同乗するのだった。
登場人物・キャラクター
ララ・ハート・ローズ (ららはーとろーず)
ロスアンゼルスのフロンティア・ハイスクールに転校してきた少女。ハートの母はロンドンのローズ製薬会社の社長。大金持ちではあるが、謙虚で優しい性格。その可愛さから同性に嫉妬され、恋敵にひどい意地悪をされることも多い。無骨で実直な生物学教師のムサシ・コジロウと恋に落ち、恋敵の邪魔やすれ違いで何度もコジロウと離れ離れになるが、いつも周りの人々に助けられる。
モンロー
ララ・ハート・ローズのペットでスカンクの女の子。ムサシ・コジロウのペット、タローに恋をして両想いになる。ハートとコジロウの恋の行方をいつもドキドキハラハラしながら見守っていて、「人間の言葉が話せれば」と地団太を踏むことが多い。ハート想いで、ハートを助けようとギャングに噛みつき撃たれてしまう。
ムサシ・コジロウ (むさしこじろう)
フロンティア・ハイスクールに赴任してきた生物学の教師。22才の日本人男性で、優秀な生物学者でもある。スカンクのガスの毒を研究し、あらゆる病気を治せる新薬を開発しようとしている。ララ・ハート・ローズと恋に落ち、ハートと結婚するためにも、新薬開発を成し遂げようとエジプトに行く決意をする。柔道が得意で運動神経が良く、ハートの学費を稼ぐためにボクシング大会に出るなど、体を張って行動することもある。
タロー
ムサシ・コジロウのペットであるスカンク。モンローと両想い。ララ・ハート・ローズが日本でギャングに誘拐された際には、ハートとモンローの匂いを追って居場所を突き止める活躍を見せる。美女に弱く、度々パオラ・ファマにいいように扱われては、モンローをひどく怒らせている。
ハートの母
ロンドンのローズ製薬会社の社長。大の得意先であるアメリカのポリック製薬会社の社長、ジェームズ・ポリックとララ・ハート・ローズを結婚させようとしている。美人で教育熱心だが、大金持と結婚させることこそが娘の幸せだと信じ込んでいる。ハートをポリックと結婚させるため、パオラ・ファマを派遣する策略家。 ポリックを高く評価しすぎるので、「自分がポリックと結婚すれば?」とよく人に言われている。
ハートの父
無職で専業主夫的存在で、いつでもララ・ハート・ローズの味方。大らかな性格の持ち主で、ハートがジェームズ・ポリックを嫌っていることを知ってからは、自分のために恋愛しなさいと娘を励ます。偶然知り合ったムサシ・コジロウの正義感の強さが若い頃の自分と重なり合い、ムサシを気に入る。自宅の温室で世界中の果物と花を育てている。
ジェームズ・ポリック (じぇーむずぽりっく)
なよなよした男性でオネエ言葉を使う、アメリカのポリック製薬会社の社長。ハートの母が決めた、ララ・ハート・ローズのフィアンセ。フロンティア・ハイスクールにも出資しており、学校に対して強い発言力を持っている。ハートと結婚するために日本やエジプトまで追いかけたり、破産しても明るく前向きに働くなど、能天気だが意外な根性の持ち主でもある。
パオラ・ファマ (ぱおらふぁま)
フロンティア・ハイスクールに赴任してきた考古学の女教師でエジプト人。ララ・ハート・ローズとムサシ・コジロウの仲を裂くためにハートの母から派遣された人物だが、ムサシを本気で好きになってしまう。自らを「クレオパトラの生まれ変わり」と称し、他人をバカにした態度を取るため女生徒に嫌われている。
ジェフ
フロンティア・ハイスクールの男子学生。学校一のハンサムで秀才。ララ・ハート・ローズに夢中になり、奴隷として女生徒が1週間男子生徒に仕え、その対価が社会福祉事業の一環として寄付される「奴隷週間」という学校イベントでは、ハートを誰よりも高値で競り落とした。ハートのペットのモンローを「たかが動物」と罵り、ハートを怒らせてしまう。
ベラ・マイルズ (べらまいるず)
フロンティア・ハイスクールの女子学生。負けん気が強く、単純な性格。ララ・ハート・ローズの家が自分の家よりお金持ちだと知り態度が変わる。ジェフがハートに夢中になり、更にハートに対する嫉妬心が燃え上がる。夏の旅行ではハートとムサシ・コジロウが密会するよう2人に自分が書いたメモを渡すなどの裏工作を仕掛ける。 ハートがジェフを何とも思っていないと知ってからは、 パオラ・ファマから意地悪ばかりされるハートの味方になる。
松平 静香 (まつだいら しずか)
ムサシ・コジロウの幼なじみで、コジロウの親が決めた許嫁。控えめな性格の古風な日本女性。コジロウを愛しているが、はっきり気持ちを伝えるララ・ハート・ローズを見て、2人を陰ながら応援する健気さを持つ。ハートと出会ってからのコジロウは人間としてのあたたかみが出てきたとハートに伝え、心から励ます。
小次郎の父 (こじろうのちち)
ムサシ・コジロウの父親。300年前から将軍家に出入りし医師として仕えた武蔵家を誇りに思っており、外国人であるララ・ハート・ローズと結婚するというコジロウに大反対する。妻から離婚してハートの父と婚約すると宣言されたことで、コジロウとハートの結婚を許すが、そのために「コジロウが医者として成功し、ハート製薬会社を儲けさせる」という条件を出す。
小次郎の母 (こじろうのはは)
ムサシ・コジロウの母親。結婚は2人が愛し合っているだけで十分だと、コジロウとララ・ハート・ローズの結婚には賛成する。一見、夫に従順な妻に見えるが、自分をしっかり持っている。コジロウとハートの結婚に大反対の頑固な夫にあきれはて、気が合うハートの父と組み、「ハートの父親と婚約した」と宣言する。
クロード・マルタン (くろーどまるたん)
フランスの有名デザイナー。海で溺れていたジェームズ・ポリックとパオラ・ファマを助けた際に、ララ・ハート・ローズの写真を見つけて一目惚れする。「フランスではアラン・ドロンよりモテる」と自称する自惚れ屋。ハートとエジプトに行くため、操縦したこともない飛行機を操縦するなど恰好をつけるあまり暴走することがある。
小山 ハルコ (こやま はるこ)
フロンティア・ハイスクールの女子学生。ララ・ハート・ローズのルームメイトで日本人。父親の小山は日本で刑事をしている。特価の水着しか買えない自分に付き合ってくれたうえ、フリルをあしらって可愛い水着にしてくれたハートに感激し、ハートのことをいつも心から応援している。日本に帰国した際、父親とハートが一緒にいる場面に偶然遭遇する。
小山 (こやま)
小山ハルコの父親。警視庁の捜査一課の刑事。偶然、日本でララ・ハート・ローズがギャングに誘拐された事件を担当する。ハートとムサシ・コジロウに何か事情があるのを察し、小次郎の父に交際を反対されているハートを家に泊めることになる。
リンダ・グローリー (りんだぐろーりー)
アメリカのスターで女優。家庭教師となったムサシ・コジロウを気に入り、ダンスや食事に誘う。わがままなじゃじゃ馬で、コジロウにハッキリ振られるが、自分のような美女に見向きもしないことこそ日本のサムライ魂だと、逆に燃え上がる。
モンタロー
モンローとタローの間に生まれたスカンクの子供。ムサシ・コジロウの入院している病院でガスを出し、病院中を混乱に陥れるなどヒドイいたずらっ子だが、憎めない可愛らしさがある。モンタローのガスの匂いが酷く強烈なことがヒントになり、コジロウの新薬開発に一役買うことになる。