概要・あらすじ
妻を亡くし、店を畳む決心をしていたラーメン屋「清蘭」の店主、紅烈土は、孫娘の茉莉絵が自殺未遂との連絡を受ける。友人関係のもつれからイジメに逢い、衝動的に自殺を図ったらしい。生きる目的を失った茉莉絵は、自らの原点がラーメンにあると気付き、祖父のラーメンを継ぐ決心をする。一方、中国奥地で取材中に事故に巻き込まれ、ただ一人生き残った料理研究家・赤星亘は、死ぬ前に再び「清蘭」のラーメンを食べたい、その一心で日本を目指していた。
登場人物・キャラクター
紅 烈土 (こう れっど)
ラーメン屋・清蘭の店主。妻を亡くして以来ラーメンの味も落ち、意気消沈しており、一時は自殺を考えるが、孫・紅茉莉絵の自殺未遂の報を受け我に返る。コジマと共に、店を継ごうとする決心をした茉莉絵を指導する。
紅 茉莉絵 (こう まりえ)
紅烈土の孫で女子高校生。学校裏サイトであらぬ噂を立てられ、自殺未遂を起こす。病院で烈土のスープを飲まされた時、自らのルーツがそこにあると感じ、青蘭を継ぐ決心をする。
赤星 亘 (あかぼし わたる)
料理研究家で美食家。新疆ウイグル自治区でのロケをしていたが、砂漠を移動中に事故に遭う。一時は死を覚悟するが、現地の人たちに助けられた。清蘭のラーメンが食べたい一心で、無事帰国する。
コジマ
紅茉莉絵の親友。密かに思いを寄せていた五十嵐が茉莉絵と交際したため、五十嵐にそそのかされ、茉莉絵の悪評を流す。後に和解し、二人でラーメンを作ることになる。圭子と同様、大変な食いしん坊で美味しい物には目がない。
五十嵐 (いがらし)
紅茉莉絵の恋人だったが、身体を許さない茉莉絵に愛想をつかし、コジマを焚きつけて茉莉絵の悪評を流す。自らはコジマと交際を始めるが、後にすべての悪事が発覚する。
茉莉絵の父 (まりえのちち)
紅烈土の息子で長男。ラーメン一筋の父親に反発し、サラリーマンとなる。何とか普通の家庭を持とうとしている。
烈土の息子 (れっどのむすこ)
紅烈土が清蘭の将来を決めるべく親族を集めた際に登場。紅烈土の次男。WEB系の仕事をしているクリエーターで、店を継ぐつもりは全くない。「これからの時代はWEB」と言い切る。
紅 圭子 (こう けいこ)
紅烈土の妻で、清蘭のラーメンを調理していた。大変な食いしん坊で、自分が食べたいと思う美味しそうなラーメンを作るという才能の持ち主。故人。
場所
清蘭 (せいらん)
『ラーメン食いてぇ!』に登場するラーメン屋。群馬県T市にある。手打ち麺に澄んだ塩味のスープが特徴。紅烈土と紅圭子の二人で立ち上げたが、圭子の死後味が落ち、客が離れていた。