野良麺

記憶喪失の青年・野良が作るラーメンを通して育まれる人間ドラマを描いた作品。「別冊漫画ゴラク増刊・食漫」に連載された。掲載されている話の多くは1話完結で物語が進行する他、野良以外の登場人物は1話のみの出演である場合が多い。

正式名称
野良麺
作者
ジャンル
ラーメン
レーベル
ニチブンコミックス(日本文芸社)
巻数
全2巻
関連商品
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概要・あらすじ

住所不定無職で記憶喪失の青年・野良は、自分のことは一切思い出せないにも関わらず、何故かラーメンの作り方だけは覚えていた。「2000種類のラーメンの作り方を知っている」と豪語する野良は、行く先々でラーメンを作って振る舞っていた。ラーメンに関しては人一倍熱い彼の作るラーメンは多くの人々をして「美味い」と言わしめ、彼のラーメンを食べた人々の人生をも少しだけ変えていくこととなる。

登場人物・キャラクター

野良 (ノラ)

住所不定無職で記憶喪失の青年。自分の名前すらも思い出せないため、「野良」と名乗っている。くせのある茶髪で、1メートル以上もある長い麺棒を背負っている。その境遇からいつも金に困っており、行く先々で空腹のため倒れている。基本的に気の良い性格ながら、ラーメンのこととなると俄然熱くなる。「2000種類のラーメンの作り方を知っている」と豪語し、ラーメンに関する多くの雑学や知識を持つ他、ラーメンを作る技術にも長けている。

玉子 (タマコ)

父親の経営するラーメン屋「ラーメンしろくま」の手伝いをしている女性。黒髪をポニーテールにしている。野良とは、彼が空腹で行き倒れていたところを見つけて介抱したことで知り合う。のちに野良の作るラーメンに感化され、父親とともに新たに美味いラーメンを作り上げる決意を固める。

ラーメンしろくまの主人 (ラーメンシロクマノシュジン)

ラーメン屋「ラーメンしろくま」の主人で、玉子の父親。ひげ面の熊のような大男で、眼鏡をかけ、頭にはバンダナを巻いている。玉子が連れて来た野良に店のラーメンをご馳走したところ酷評されてしまう。その後、野良の作ったラーメンに感動し、店でラーメンを作ってくれるよう頼み込む。しかし、すべてを野良に任せようとするその姿勢を玉子にとがめられ、自分の手で新たに美味いラーメンを作り出すべく奮起する。

誠二 (セイジ)

会社員の男性。おかっぱ頭で眼鏡をかけて小太りな体型をしている。祖母であるラーメンみゆきの店主の体調を心配しており、資産運用の手段としてラーメン屋を畳み、新たに賃貸アパートを建てることを提案していた。だが野良の作るラーメンに感化され、のちにラーメン屋「ラーメンみゆき」で祖母の手伝いを始める。

ラーメンみゆきの店主 (ラーメンミユキノテンシュ)

ラーメン屋「ラーメンみゆき」を経営する女性。白髪の老齢の人物で、老眼鏡をかけている。ラーメン作りの腕は確かで、彼女の作る正統派東京ラーメンは野良の舌をも納得させるほど。夫とは死別しており、孫の誠二に働きづめであることを心配されているが、本人はラーメン屋を続けていくことを望んでいる。

温子 (アツコ)

キャリアウーマンの女性。眼鏡をかけた知的そうな見た目をしている。8年も勤めた会社でリストラに遭い、ショックから自殺しようとしたところで野良に出会った。野良の作ったラーメンを食べ、生きる希望を取り戻す。

ナツミ (ナツミ)

ラーメン屋「ラーメンなっちゃん」の店主を務めている女性。元キャバ嬢で、目鼻立ちのくっきりした金髪の美女。前職で貯めた金を元手にラーメン屋を開店したものの客が付かず、悩んでいたところで野良に出会った。「草食系ヘルシーラーメン」を店の看板メニューとしていたが、野良のアドバイスにより新たなラーメンを模索することを決意する。

コージ (コージ)

キャバクラの呼び込みをしている男性で、ナツミとは昔からの知り合い。仕事中は黒髪でスーツをきっちりと着こなしているが、私服はB系ファッションを好んでいる。ラーメン屋がうまくいかず悩むナツミに、親身にアドバイスを送っている。ナツミと結婚することを夢見ており、野良のアドバイスを受けラーメン屋として決意を新たにしたナツミにその想いを伝えた。

菅野 (スガノ)

東京で不動産会社を経営している男性。髪型はオールバックにしており、ひげ面にサングラスをかけている。田舎から出て来て、一代で「平成の不動産王」と呼ばれるほどの地位を築いた。海岸沿いにある故郷を新たに開発すべく訪れるが、野良と出会い、彼の作るラーメンを食べることで故郷の良さに改めて気づく。

鳴戸 丸美 (ナルト マルミ)

株式会社「明王食品」の商品開発部に勤めている女性。ショートカットの髪型をして、ハート形のネックレスを身につけている。新作のカップラーメン開発で煮詰まっていたところで野良に出会い、彼のラーメンに対する知識を買って商品開発への協力を要請する。昔、故郷で食べたラーメンの味が忘れられず、それを新作のカップラーメンにしたいと考えている。 上司の主任とは結婚間近で、その関係は社内でも周知の事実となっている。

主任 (シュニン)

株式会社「明王食品」の商品開発部で主任を務めている男性。黒髪の短髪の髪型で、メガネをかけた真面目そうな風貌をしている。部下である鳴戸丸美と野良に新作の商品開発を託す。丸美とは結婚間近で、その関係は社内でも周知の事実として知られている。

桐生 剣 (キリュウ ケン)

元芸能人で現在はラーメン屋を経営している男性。ホストのような見た目で、芸能界では「イケメンマルチタレント」で人気があった自称している。本格的な札幌ラーメンを看板メニューとして掲げていたが、あと一歩のところで伸び悩み、固定客を掴めずにいた。そんな中で出会った野良のラーメンに打ちのめされ、新たに修行すべく屋台でのラーメン販売から再スタートする。

土手 道夫 (ドテ ミチオ)

金融会社「至極商事」に勤めている男性。お笑い芸人の伊達みきおに容姿が酷似している。生まれてくる子供のためヤクザ稼業から足を洗うべく、野良の力を借りる。会社を辞める条件は「社長に美味いラーメンを食べさせること」で、野良の協力によってそれを達成して、新たな道へと歩み始める。

至極商事の社長 (シゴクショウジノシャチョウ)

金融会社「至極商事」の社長を務めている男性。白髪頭の老齢の人物ながら威圧感がある見た目をしており、派手なシャツを着ている。会社では社員に「組長」と呼ばれていたり、「シノギ」という言葉を多用するなど、かなりヤクザ稼業に近い会社組織となっている。無類のラーメン好きで「本物のラーメン」を求めており、会社を辞めたがっている土手道夫に対し、「美味いラーメンを持ってくること」を辞める条件として提示した。

(ユキ)

空腹で倒れている野良と出会い、彼をラーメン屋「ラーメン太一」へと案内した少女。おさげ髪にメガネをかけた幼い見た目をしている。真面目な性格で、しっかり者。母子家庭で母親が仕事で忙しいため、夕食は外食のことが多い。野菜嫌いで、3か月もの間「ラーメン太一」に通い続けており、頼むメニューは「ワンタンメン」のみ。そのため、栄養バランスの観点からも野良に心配されている。

ラーメン太一の店主 (ラーメンタイチノテンシュ)

ラーメン屋「ラーメン太一」の店主を務めている男性。ひげ面でバンダナを額に巻いている。雪の知り合いで、彼女の家が母子家庭であることを知っている。日々、栄養が偏っている野菜嫌いの雪を心配し、彼女のため野良とともに「野菜嫌いでも食べられる野菜たっぷりのラーメン」の開発を始める。雪の母親に一目惚れしている。

スーザン・バックランド (スーザンバックランド)

日本のB級グルメである「ラーメン」を取材するため、アメリカのシアトルからやって来た外国人女性。長いブロンドの髪に大きなバストが特徴。アメリカでは名の知れた料理研究家で、大企業に勤めるジェームズと協力して「アメリカン=ラーメン」を開発する目的を持っている。日本でラーメンを取材する内に、「自分のラーメン屋を持ちたい」という新たな目的に目覚める。

ジェームズ (ジェームズ)

世界中に展開する大企業「スパイダーズ・フーズ」に勤めている男性。金髪にスーツを身に着け、サングラスをかけている。スーザン・バックランドと協力して「アメリカン=ラーメン」を開発し、日本でフランチャイズ展開をしようとしている。しかし、所詮はジャンクフードとラーメンを下に見ている節があり、スーザンとはだんだん意見が合わなくなっていく。

中華の一味の店主 (チュウカノイチミノテンシュ)

ラーメン屋「中華の一味」を経営している男性で、眼鏡をかけた好々爺。ラーメン屋の取材のため方々を回っていたスーザン・バックランドと偶然知り合った。もともと高齢のため引退を考えていたこともあり、「ラーメン屋を開きたい」と考えるスーザンに店を譲る。

クニオ (クニオ)

一代ラーメンの店主の一人息子。おかっぱ頭の小太りな男性。「一代ラーメン」を継ぎたがっているが、話題性のあるラーメン開発にとらわれすぎたせいで、美味いラーメンを作り出せずにいた。そのため、父親には店の継承を断られている。のちに野良と協力し、正統派中華そばの強化版である「DREAMラーメン」を開発。それから心を入れ替え、父親に2年後に帰って来ると伝えて修行に出る。

一代ラーメンの店主 (イチダイラーメンノテンシュ)

ラーメン屋「一代ラーメン」の経営者で、クニオの父親。丸坊主にひげ面の頑固親父。ラーメン作りに関して、話題性ばかりを追求して本質を見失っているクニオを突っぱね、店を継がせないと伝えている。のちに考え方を改めたクニオの、「2年の修行の後に帰って来て店を継ぎたい」という想いを受け止める。

(ツバサ)

鉄橋の下で行き倒れていた野良と知り合った少年。黒い短髪で三白眼が特徴。サッカークラブに入りたがっているが、母子家庭ということもあり、ラーメンひまわりの店主である母親を気遣って言い出せず、いつも1人でサッカーの練習している。

ラーメンひまわりの店主 (ラーメンヒマワリノテンシュ)

ラーメン屋「ラーメンひまわり」を経営している女主人で、翼の母親。黒髪で営業中は頭にバンダナを巻いている。翼がサッカークラブに入りたがっていることには気づいているが、保護者が送迎や備品の管理を当番制でしなくてはならないため、それを理由に翼をサッカークラブに入れてあげられずに悩んでいる。

田丸 (タマル)

イベント会社を経営している男性。くせのある黒髪で、眼鏡をかけている。会社が赤字経営の中で従業員に金を持ち逃げされ、嫌気が差して樹海で自殺しようとしていたところで野良と出会う。野良と町内会長に勇気づけられたことで自殺を思い止まる。

町内会長 (チョウナイカイチョウ)

ラーメン屋を経営している男性で、町内会長も務めている。恰幅のいい体格で、頭にはタオルを巻いている。野良とともに、自分の町原産の茶葉を使ったラーメンを開発し、宣伝活動に協力して欲しいと田丸に願い出る。

馬刈 進 (バカリ ススム)

ラーメン評論家をしている男性で、おかっぱ頭に太い眉毛が特徴。2年前まで無名のフリーライターだったが、ラーメンの記事を執筆し、それが受けて評判の評論家へと成り上がった。メディアへの露出を好まない「本当に美味いラーメン屋」が廃れていくことを嘆いており、そんな店の1つである「ラーメンごっち」を取材したいとラーメンごっちの主人に申し出る。

ラーメンごっちの主人 (ラーメンゴッチノシュジン)

ラーメン屋「ラーメンごっち」を経営している、ひげ面で体格の良い男性。馬刈進や野良が認めるほどの腕前を誇る。メディアに踊らされている昨今のラーメンブームを嫌悪しており、進を「インチキ評論家」として彼の取材協力の願い出を突っぱねている。野良の作るラーメンを食べて「邪道もまた道である」と考えを改め、進の取材協力を受け入れた。

美玲 (メイリン)

野良の妹を名乗る中国人。黒髪を頭の左右でお団子状にまとめた髪型をしており、耳には鈴のイヤリングを付けている。8歳の時に行方不明となった兄を探し続けるうちに、野良と出会う。代々中華の料理人の家系で、現在は世界に支店を持つ料理店「小龍飯店」の経営に携わっている。

書誌情報

野良麺 全2巻 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉 完結

第1巻

(2009年12月28日発行、 978-4537125504)

第2巻

(2010年12月27日発行、 978-4537126990)

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