概要・あらすじ
全米アマチュアレスリングのチャンピオンであり、「秒の殺し屋」の異名を持つ少年、リッキー大和が、日本プロレス界の創始者とも言われる力王岩の葬儀に出席するために来日する。名レスラーのルー・テーズから教えを受けた大和は、来日早々に巨漢モンスター・ゴリラーマンを降し、その名を広めることに。
そして力王岩の葬儀の日、リッキーが力王岩の実子であるという事実が世間に公表される。その後、リッキーは一目惚れした少女、志摩京子が自分と同じ16歳であることを知ると、彼女が通う戦国学園への留学を決意。その夜、リッキーは最大のライバルとなる少年 ナルシス・シュトラウスとの邂逅を果たす。
戦国学園へと無事入学したリッキーだったが、そこは将軍と呼ばれる番長によって支配された学園だった。苦戦の末、将軍に打ち勝ったリッキーだったが、その戦いの最中にナルシスがプロレスラーとしてデビューしたことを知り、自らもプロレスラーになることを決意、全米レスリング協会が主催するジュニア・ワールド決戦にエントリーするのだった。
登場人物・キャラクター
リッキー大和 (りっきーやまと)
日本プロレス界の礎と言われる伝説のレスラー、力王岩を父親に持つ少年。プロレスの天性の才能を持っている上に、名レスラーのルー・テーズの指導を受けており、全米アマチュアレスリングのチャンピオンという功績を残す。また、その時に試合時間の短さから「秒の殺し屋」との異名を受けている。 派手好きな性格で、エンターテイナーとしても一流。女好きのお調子者で、ふざけた時に「ふにぃ」と独特の笑い方をする癖があるが、「プロレス」にかける情熱は確かで、誇りを持っている。アメリカに在住していたが、亡父の力王岩の十六回忌に出席するために来日、その時出会った少女、志摩京子に惚れ、ジャイアント馬場の保護の下で日本に残ることになる。 一時は京子と同じ高校の戦国学園に転入し、番長の将軍と戦いを繰り広げる。その後、ライバルであるナルシス・シュトラウスがプロ宣言したことを受けて自らも高校を退学し、ジュニア・ワールド決戦への出場を決意する。小柄な体格ながら、己より数倍も大きい相手に比肩するほどの怪力と、軽快な空中戦を武器としており、必殺技は相手を連続バック・ドロップで投げ続けるローリング・バックドロップ。
志摩 京子 (しま きょうこ)
プロレスファンであり、柳橋で舞妓をしている女子高生。美少女であり、リッキー大和が日本に残った一番の原因。おしとやかではあるが、時に気丈な一面を見せる。ジュニア・ワールド決戦以降は出番がなくなっていく。
ルー・テーズ (るーてーず)
リッキー大和の師匠であり、力王岩の戦友でもある元プロレスラー。今世紀最強のレスラーとの呼び声も高く、「不滅の鉄人」の異名を持つ。リッキーには世界三大タイトル獲得を目標とさせている。実在するプロレスラーのルー・テーズをモデルとしてる。
ナルシス・シュトラウス (なるしすしゅとらうす)
リッキー大和のライバルである、ドイツ人の少年。「無冠の帝王」の異名を持つレスラー、カール・ゴッチの弟子であり、華麗な技さばきを得意とする。必殺技は、ゴッチとの特訓で身に付けた、ホールドした相手と共に回転しながら空高く飛翔し、その勢いのまま地面へと叩きつけるサンダー・デスドライバー。
将軍 (しょうぐん)
リッキー大和が転入した戦国学園の番長。学校と少年院を行き来しているため、高校生ながら既に20歳を超えていると言われているが、全身を鎧兜で覆っているために素顔は窺い知れない。性格は冷酷であり、元部下であろうと裏切った者には一切の容赦をしない。リッキーと戦う前に彼を偵察する慎重な一面もある。
テリー・ブロンコ (てりーぶろんこ)
ジュニア・ワールド大会に出場した、アメリカ人レスラー。「テキサスの暴れ馬」の異名を持っており、反則技を使わずにプロレスのルールに則って己の肉体のみを使って戦うことを信念としている。リッキー大和とは大会中に親友となり、共に修行をする仲となる。モデルは実在したプロレスラーのテリー・ファンク。
ブラック・タイガー (ぶらっくたいがー)
ジュニア・ワールド大会に出場した巨漢のレスラー。怪力を持つ上に非常に打たれ強い実力派であるが、残忍な性格であり、勝つためには反則技も迷わずに使い、人を殺すことにも躊躇がない。
クラーク・ロビンソン (くらーくろびんそん)
超高速のジャイアントスイングを必殺技とするアメリカレスリング協会のジュニアチャンピオン。自らをスーパーマンであると称しており、普段着もスーパーマンの仮の姿、クラーク・ケントを真似ているなど徹底している。全身を柔軟性のある筋肉で覆っており、あらゆる攻撃も意に返さない鋼鉄の肉体を持っているが、完璧主義者という精神的な弱点を抱えている。
力王岩 (りきおうがん)
リッキー大和の実父であり、故人。必殺のカラテチョップをもって快進撃を続け、日本プロレス界の礎を築いた伝説のプロレスラー。栄光の最中に暴漢の凶刃に倒れてしまう。生涯独身であり、子供はいないものと思われていたが、十六回忌でリッキーの存在がライバルのルー・テーズによって公表される。 実在したプロレスラーの力道山をモデルとしている。
その他キーワード
ローリング・バック・ドロップ (ろーりんぐばっくどろっぷ)
『リッキー台風』に登場する技。リッキー大和が、将軍との戦いで閃めきから体得した必殺技。師匠ルー・テーズの必殺技、バック・ドロップを転がりながら連続でかけ続ける大技であり、回転が続いて勢いが強くなるほどに威力が上がっていく。しかし、使用者の腰に多大な負担をかけるという弱点も持っている。