概要・あらすじ
主人公いち子は都会の生活になじめず、故郷である山あいの集落小森に戻ってきた。そこで自給自足の生活を続けながら、自身や故郷、ふらりと出て行ったまま戻らない母について見つめ直す。山あいならではの食と、幼少からの食習慣に深く繋がったアイデンティティの物語である。
登場人物・キャラクター
いち子 (いちこ)
短髪で背の低い若い女性。都会で暮らしていたが人間関係がうまく行かなくなり、生まれ故郷である小森へ舞い戻り、自給自足の生活をする。郷土料理からおしゃれなパンまで何でも手作りする。負けず嫌いな性格で、人に頼るのがあまり上手くない。
きっこ
いち子の幼なじみの女性。都会から戻ったいち子を心配し、しばしば顔を見せる。いち子とは気兼ねなくなんでも話せる間柄で、時に厳しい意見も投げかける。ばっけみそ(ふきのとうみそ)が好物。
ユウ太 (ゆうた)
いち子と同じ分校に通っていた2年後輩の男性。小森を出て、街で就職もしていたが、都会での生活や人々の考え方に違和感を覚え、改めて自分の人生と向き合うために小森へと戻ってきた。 つくしに太古の人々を思い、ロマンを語るような性格。背が高い。
いち子の母 (いちこの母)
七年前、雪の日にばっけ(ふきのとう)みそを残して失踪したまま行方不明となっている。茶目っ気のある性格で、物の由来やことわざの意味などを自身の解釈や嘘を交えていち子に教えることもあった。
シゲユキ
キャンプ場の管理をする、眼鏡をかけた中年男性。ユウ太と共に小森の人々に栗の渋皮煮のブームを起こす。
場所
小森 (こもり)
東北地方のとある村の小さな集落。商店などがないため、村の中心まで買い物に出る必要がある。豊かな自然に囲まれた山あいの小さな集落で、アオサギやキツネなどの野生動物も多く住む。