概要・あらすじ
人間の家の床下に間借りする借りぐらしの少女ルウルウ=杏=ヴィシャスは、ある日、住みついていた家の少女りり子にその姿を見られてしまう。だが、体が弱く学校を休みがちだったりり子は彼女の存在を受け入れ、2人は仲のいい友人同士となる。 ルウルウが両親と生き別れたことを知ったりり子は、彼女の両親を探すため、千葉の自宅からルウルウがかつて住んでいたというヨコハマへ行く一大決心をする。だがその途中、りり子は喘息の発作を起こして意識を失い、ルウルウと離れ離れになってしまう。再び1人ぼっちになってしまったルウルウはそれでも、行く先々で出会う親切な人々の助けを借りながら、両親を探すための旅を続けていくのだった。
登場人物・キャラクター
ルウルウ=杏=ヴィシャス (るうるう=あん=ゔぃしゃす)
身長15.5㎝の小人。生き別れた両親、そして残っているかもしれない同じ小人の一族を探しながら、たった1人で暮らしている借りぐらしの女の子。料理や裁縫、ピッコロの演奏が得意で、鳥や小動物と心を通わせることができる。
メイ=杏=嘉悦 (めい=あん=かえつ)
ルウルウ=杏=ヴィシャスの母親。華僑の家系で、ヨコハマ中華街の中国雑貨店で借りぐらしをしていたところ、ルパート=ヴィシャスと出会い結婚した。一人娘のルウルウをもうけるが、彼女を猫から守るための行動がきっかけで生き別れてしまう。
ルパート=ヴィシャス (るぱーとゔぃしゃす)
ルウルウ=杏=ヴィシャスの父親。もともと住んでいたイギリスのロンドンから柱時計に入って船で運ばれ、日本のヨコハマ中華街へとやってくる。そこでメイ=杏=嘉悦と出会い、結婚することになる。
りり子 (りりこ)
体が弱く、学校を休みがちな子供時代を過ごす少女。そのころルウルウ=杏=ヴィシャスと出会い、彼女の両親を探すことに協力するが、途中で離れ離れになってしまったため、当時はルウルウのその後を見届けることはできなかった。後に作家となり、ルウルウを題材にした本を執筆する。
冬彦 (ふゆひこ)
りり子の兄。受験生で、りり子を事あるごとに甘やかす両親に反発心を抱いている。当時りり子に見えていたルウルウ=杏=ヴィシャスは、彼女の寂しさが見せる幻想だったと考えている。
三日子 (みかこ)
成長した冬彦にできた子供で、りり子の姪にあたる。りり子が子供時代を過ごした千葉の家で暮らしており、りり子からルウルウの話を聞き、興味を持っている。
おかあさん
りり子と冬彦の母親。カルチャーセンターでアートフラワーの講師をしているため、多忙な毎日を過ごしている。りり子には寂しい思いをさせているという後ろめたさからか、何かと甘やかしている。
大西 裕通 (おおにし ひろみち)
ヨコハマ中華街でルウルウ=杏=ヴィシャスと出会う11歳の男の子で、彼女の両親を探すための手助けを申し出る。ママから聞いた情報をもとにルウルウを森へ連れていくが、そこで離れ離れになってしまう。この時にルウルウの服を手作りしてあげたことがきっかけとなって、後にファッションデザイナーとして活躍する。
大西 倫子 (おおにし ともこ)
大西裕通の姉。初めは非現実的なルウルウ=杏=ヴィシャスの存在を受け入れられず、彼女が目の前にいても見えないふりをするが、後に良き理解者となる。
ママ
大西裕通と大西倫子の母親。子供のころに借りぐらしの小人と出会い、友達になった経験がある。その時の記憶を頼りに、借りぐらしがいると思われる森にルウルウを導く。
くりと
ルウルウ=杏=ヴィシャスが仲間を探すために訪れた森で出会う小人の男の子。もともと小人だけの村で暮らし、現在は人間の世話にならず1人で生活しているため、正確には借りぐらしではない。ルウルウと小人の村を作り、後に結婚相手となる。
北原 日和子 (きたはら ひわこ)
大学に通う20歳の女性。森に絵を描きに来た際にルウルウ=杏=ヴィシャスと出会う。婚約者がいるが、森で知り合った男性が忘れられず、再会を夢見ている。
森のクマさん (もりのくまさん)
ルウルウ=杏=ヴィシャスの住む森で野鳥の観察をしていた。その外見から北原日和子がつけた呼び名であり、本名は不明。日和子に想いを寄せられている男性。
北原 日向子 (きたはら ひなこ)
北原日和子の妹で17歳の高校生。姉想いの優しい美人。姉の婚約者である桐生匡人のことが好き。
桐生 匡人 (きりゅう まさと)
北原日和子の婚約者。桐生匡人の父親がかつて日和子の祖父に世話になっていたことがあり、恩義を感じている。日和子の父の負債を肩代わりし、結婚することで北原家に恩返しをしようと考えている。
借りぐらし (かりぐらし)
『ルウルウはちいさなともだち』に登場するキーワード。家の床下や天井裏に住み、人間の持ち物や食べ物を借りて暮らしている小人たちのこと。なるべく人間に見つからないように行動するが、ふとしたことで姿を現してしまうことも多い。
場所
ピッコロ村 (ぴっころむら)
ルウルウ=杏=ヴィシャスとくりとが2人で作った村。出自を名乗るために村の名前が必要だと考えたルウルウたちが名付けた。
三角窓の部屋 (さんかくまどのへや)
りり子が子供時代に千葉の自宅で過ごしていた部屋。大きな三角形の窓がある。この部屋にあるチェストの下の床のタイルをはがすと、ルウルウ=杏=ヴィシャスの暮らしていた部屋がある。