概要・あらすじ
安江百合は内気で男子と話すのが苦手な少女だったが、片思いの相手である和田樹がバレー部に入ると知り、高校入学を機に一念発起して喜多川学園高等部男子バレー部のマネージャーになる。しかし、当の和田はバレー部のあまりのやる気のなさに呆れ、一度は入部を取りやめてしまう。だが、同じバレー部の1年である浦城拓巳の働きにより、和田は自身がバレーを好きなことを改めて自覚し、正式にバレー部の一員となった。
一方、百合の友人で同じ男子バレー部のマネージャーを務める藤枝優子は、3年前から拓巳に片思いをしていたが素直になれずにいた。そんななか、拓巳は百合が和田のことを好きだと知りながらも百合に惹かれていく。百合や拓巳は優子の拓巳への気持ちを知らなかったが、和田だけは優子の秘めた想いに気づいていた。
それぞれの思いが交錯するなか、バレー部のメンバーは一致団結し、強くなろうと練習に励んでいく。
登場人物・キャラクター
安江 百合 (やすえ ゆり)
喜多川学園高等部男子バレー部の女子マネージャー。身長は151センチで、かに座のAB型。内向的な性格で男の子と話すのが苦手であり、中学の時はずっと女の子ばかりの合唱部に所属していた。県下の有名進学校である喜多川学園高等部に入学後、片思いの相手である和田樹がバレー部に入ると知り、清水の舞台から飛び降りるような一大決心をして、男子バレー部のマネージャーになった。 和田とは同じ中学だったが、クラスは同じになったことがなく、中学3年生の頃から見ているだけの一方的な片思いだった。
藤枝 優子 (ふじえだ ゆうこ)
喜多川学園高等部男子バレー部の女子マネージャー。身長は164センチで、さそり座のA型。喜多川学園中等部からエスカレーター式に進学した。少々気の強いところもあるが、黒髪ロングヘアの美人で、時折ラブレターをもらうこともあるものの誰とも付き合わずにいる。友達思いで、安江百合の恋を応援している。テレビ局勤めの母親と銀行員の父親、弟2人と暮らしており、「マッキー」という名の犬を飼っている。 両親が共稼ぎのため家事が得意で、お弁当なども自身で作っている。雷が大の苦手で、雷が鳴ると家が近所の浦城拓巳が一緒に帰ってくれていた。3年間も拓巳に片思いをしているが素直になれずにいる。拓巳や百合は藤枝優子の気持ちに気づいていないが、和田樹には拓巳への想いを見抜かれていた。
浦城 拓巳 (うらしろ たくみ)
喜多川学園高等部男子バレー部の1年生部員。身長は176.5センチで、いて座のO型。性格は熱血、単純、能天気で、人見知りをまったくせず、やたらと人懐っこく誰にでも明るく話しかける。好きな色は青、白。好きなスポーツはバレー。藤枝優子と同じく喜多川学園中等部からエスカレーター式に進学した。中学1年生の時には背が低く、親から背が伸びるスポーツをやれと言われて半強制的にバレー部に入った。 当初は嫌だったが和田樹の試合を見て感動し、ああなりたいと猛練習したことからバレーにはまる。そのため、高校で和田と一緒にプレイすることを楽しみにしていた。安江百合が和田のことを好きなのだと知りながら、百合に惹かれてしまう。
和田 樹 (わだ いつき)
喜多川学園高等部男子バレー部で、1年生部員ながらエースとして活躍する。身長は188センチで、おうし座のAB型。スポーツ万能、成績優秀で、もらったラブレターは数知れず。安江百合と同じく二中出身で、百合が中学の頃から片思いをしていた相手である。中学の時には1年間バレー部にいたことがあり、当時1年生ながらレギュラーだった。 高校入学後、一度はバレー部を希望して練習に参加したが、先輩たちのやる気のなさを目の当たりにしてバレー部への入部を取りやめた。だが、本当はバレーが好きであり、浦城拓巳に仕掛けられた勝負の後、改めて入部を決めた。藤枝優子の拓巳への想いに気づいている。
小野原 (おのはら)
喜多川学園高等部男子バレー部の2年生部員で、ポジションはセッター。3年生が引退した後、キャプテンになる。浦城拓巳たちが入部した後、2、3年生が行った練習試合で唯一まともに頑張っていた。バレー部が体育館の使用許可をもらうための条件が、練習試合で県下一の強豪校に勝つことだと言われた後、弱気になっている部員に、くよくよしたって始まらないから、全力を尽くして倒そうと、部員たちを励ました。
高柳高校の監督 (たかやなぎこうこうのかんとく)
高校バレー界のトップである高柳高校の若き監督。もともとはバレーの選手でオリンピックに出場したこともある。和田樹の憧れの選手であり、和田は現役時代の彼のプレーが好きだった。高柳高校の監督も和田に目を留め、君を育ててみたい、超一流のプレイヤーにしてみたいと、和田を高柳高校へ誘った。
余座 (よざ)
喜多川学園高等部男子バレー部の1年生部員。2、3年生が行った練習試合で、先輩たちがあまりにやる気がないのを目の当たりにし、まじめに頑張っていたのはセッターの小野原先輩ぐらいだったと言って落ち込んでいた。
中田 (なかた)
喜多川学園高等部男子バレー部の1年生部員。2、3年生が行った練習試合で、先輩たちがあまりにやる気がないのを目の当たりにして呆れていた。相手校の選手が、新入生にいいところを見せるには喜多川学園高等部と試合をやるのが一番だと言っていたのを聞いてしまう。
大橋 (おおはし)
喜多川学園高等部男子バレー部の1年生部員。いかにも体育会系といった感じの角刈りの少年。雨で練習ができなくなった際に、体育館を使いたいという話になったが、自分たちのような弱小部は使わせてもらえないとあきらめていた。
集団・組織
喜多川学園高等部男子バレー部 (きたがわがくえんこうとうぶだんしばれーぶ)
浦城拓巳や和田樹が所属するバレー部。拓巳たちが入部するまで、喜多川学園高等部で一番やる気のない部だといわれていた。練習時間は短く、練習内容も楽なもので、先輩たちは活動時間が短いことに慣れきっていてやる気がない。3年生が引退し、小野原がキャプテンになると、やる気のある新入生と共に真面目に練習に取り組むようになる。 だが弱小であるという理由から、体育館の使用許可は下りなかった。教師との交渉の末、県下一の強豪高である宮野木高校に練習試合で勝ったら、週2回の体育館使用を許可してもらえることになった。
場所
喜多川学園高等部 (きたがわがくえんこうとうぶ)
安江百合たちが通う県下の有名私立進学校。サッカー部や野球部のように全国大会に行くような部活は強力にバックアップされるが、それ以外の部は基本的にまともに扱ってもらえない。なかでも地区大会の1回戦でいつも負けるような弱小部は活動時間を短く制限され、体育館もほとんど使用することができない。