ロッカーのハナコさん

ロッカーのハナコさん

ある会社の外注管理部二課に勤めていた北浦 華子は数年前に過労死した伝説のお局様。成仏せずに幽霊となり、会社のロッカーに住みついた。神出鬼没のロッカーのハナコさんと呼ばれて後輩の窮地を救ってくれる存在だ。社内では会社の七不思議の一つになっている。主人公が幽霊な上にオフィスで活躍するという不思議なお話。

正式名称
ロッカーのハナコさん
ふりがな
ろっかーのはなこさん
作者
ジャンル
キャリアウーマン
レーベル
ヤングユーコミックス(集英社) / 集英社文庫 コミック版(集英社)
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あらすじ

第1巻

ある会社に入社した新人ОLである大市 理子は大阪支社での研修を終え、本社の外注管理部二課に配属される。この外注管理部二課には、数年前まで働いていて過労死してしまったお局様の北浦 華子が幽霊になって、自身が使用していたロッカーに住んでいた。ОL達の間では、後輩が困っていると助けに来てくれるロッカーのハナコさんと呼ばれていた。理子はそのハナコさん(北浦 華子)が住んでいるロッカーを使うことになった 。

日和佐課長は少し怖いが、他のОLたちのあこがれの的。ところがなぜか新入りである理子が、日和佐課長を狙っていると噂が広まった。周りのОLたちが理子を苛める作戦を立て、次々と大量の仕事をやらされることになったのであった。だが、体調を崩した理子を心配してアパートに駆け付けた日和佐課長は肺炎に罹って意識を失いかけていた理子を病院へ運んでくれた。それから二人は少しずつお互いを意識するようになっていった。入院していた理子は、ハナコさんが住んでいるロッカーが取り換えられることを心配していた。ハナコさんの存在に何となく気付いていた日和佐課長が見えていないハナコさんに真剣に移動することを懇願したので、ハナコさんは渋々日和佐課長の机の引き出しに移って事なきを得たのであった。

それからまた、ロッカーの持ち主が変わり、今度は社史編修室に配属された新人の御厨 みそらになった。地味で存在感のない部署だったが、みそらは一生懸命頑張っていた。椎名室長にも認められるほどになったが、下心のある専務に狙われて襲われかけた。だがそこにハナコさんが助けに来てくれた。椎名室長も助けに来てくれて、みそらはこれまで以上に仕事を頑張るのであった。ところが写真担当の四方副室長が盲腸で入院し、代わりに広報部のカメラマンである出水 嶺子がやってきた。

第2巻

社史編修室で働いている御厨 みそらは、室長の椎名のことが好き。彼はみそらの気持ちに気付いているようだが、はっきり自分の気持ちを言ってはくれない。一見地味なのになぜか人気がある椎名室長をめぐって、今度は外注管理部一課の広田とバトルを繰り広げる。強気で美人の広田のペースに乗せられて、みそらは仕事に対しても椎名室長に対する想いにしても、自信がなくなっていく。泣きつく先はいつもハナコさん(北浦 華子)なのだが、みそらはいつも同じことの繰り返しでハナコさんも辟易気味だった。

そしてついに外注一課の広田が動いた。社内のソフトボール大会で優勝したら、椎名室長に好きだと告白すると言っているのを聞いてしまったみそら。社史編修室は女子がみそら一人なので、広報部に組み込まれるのだが、広報部は毎年ソフトボール大会の優勝候補で入団テストがあるらしいのだ。優勝賞品はブランド物のアクセサリーや靴、バッグなのでみんな真剣勝負を挑む。戦う前から戦意喪失のみそらに、ハナコさんはハッパをかけた。ハナコさんはさらに坂口常務にもみそらが出場すると連絡をする。そのためみそらは仕事で携わった重役たちみんなから応援されて、頑張らざるを得なくなった。ハナコさんの指示で機材倉庫に行ったみそらは、伝説の人物と言われている副武さんにしごかれることになる。十日間の荷物運びをやり切ったみそらは、ハナコさんのお宝である伝説の黄金のバットを受け取る。いよいよ椎名室長を賭けた広田とのソフトボール対決の火蓋が切って落とされた。

第3巻

ついに椎名室長御厨 みそらに話があると言ってきた。だが、広田と椎名室長が二人で話しているのを見てしまい、動揺したみそらは逃げる途中に階段を踏み外して落下してしまう。そのみそらを助けたのが、情報システム部所属の笹鳴 拓海だった。しかし、上手く受け止められなかったため、みそらは階段の手すりに額を強打して気絶してしまう。そのせいで記憶の一部分を喪失してしまった。大切な椎名室長への気持ちを忘れてしまったみそら。笹鳴に誘われて楽しい毎日を過ごすものの、何かが心に引っかかっている。自分のことも忘れられてしまっていることが気に入らないハナコさん(北浦 華子)は、あらゆる手段を使ってみそらの記憶を甦らせようとする。ハナコさんの努力の甲斐あって、記憶を取り戻したみそらは椎名室長に詰め寄った。それでも椎名室長ははっきりした答えをくれなかった。そんな中、ハナコさんから近々社史編修室が閉じられると聞いて、みそらは途方に暮れるのだった。

新人ОLの小峰 瑠布子は、社内ホラーツアーに参加して仕事をサボっていた。そのせいで、チーフの御園や先輩ОLの亜木らに残業を余儀なくされたものの、仕事は資料のコピーをとるだけだ。ところが部署内のコビー機には故障中の張り紙がしてあった。仕方なく瑠布子は社内のコピー室を探し回っていたところで、ハナコさんに出会い助けてもらったのであった。お局様を上手く扱うコツを教えてもらったが、後にハナコさんが幽霊で亡くなった元社員だと聞いて驚く。

第4巻

ハナコさん(北浦 華子)に鍛えられてはいるものの、小峰 瑠布子は全く仕事を覚える気がない。夢は三年後の寿退社だ。チーフの御園はそんな瑠布子にイライラしている。いつもやる気がなく見える瑠布子の態度に憤慨していたが、亜木の言葉で自分の行動を反省した。忙しい中、瑠布子にパソコンを教えようとするもなかなかできず、どうしても上手く関係を築けない。亜木には御園チーフの気持ちが理解できていて、助言されているところを瑠布子は見ていた。亜木のおかげで御園チーフへの想いに気付いた瑠布子。素直に接すると思いがけなく、おまえが好きだという言葉が返ってきた。御園チーフの気持ちを知った瑠布子は、一生懸命仕事を頑張るもののミスばかり。怒鳴られる日々は変わらなかった。笹鳴 拓海の優しさはうれしかったが、瑠布子は自分も御園チーフのことが好きだと気付く。自分の気持ちに向き合った瑠布子を、ハナコさんは会社の接待に使っていたオカマバーに連れだした。ところがそこに、御園チーフが接待客と共にやってきたのだ。瑠布子に気付いて追いかけてきた御園は、客を放り出したことで会社に責任を追及されたが、同じ客に頼まれ再度一緒にオカマバーに行く。そこでは瑠布子がマジックショーをやっていた。その演技を見て瑠布子に目を付けたマジシャンの天空が会社にやってきた。

第5巻

会長の家で年に一度行われる自宅バラ園の開放日がやってきた。初代会長の小春から続けられていた行事だ。役員以下、主だった社員とその同伴者が招かれた。参加していた御園チーフはそこへ忘れ物を届けるよう小峰 瑠布子に連絡を入れる。そして会長宅へ届けにいった瑠布子はオカマバーで会った天空を見かけて話しかけた。一緒にいた日和佐課長が言うには天空から外注管理二課のハナコさん(北浦 華子)のロッカーを譲ってほしいと言われたらしいのだ。それを聞いた瑠布子はハッとした。スランプに陥っていたマジシャンの天空はアメリカ公演にロッカーを持って行こうとしているようだった。天空イリュージョンのスタッフは、みんな今の天空を心良く思ってはいなかった。しかし片腕を務めている智子は、天空に驕り高ぶった心を捨て、目を覚ましてほしいと思っていた。やがてハナコさんの協力で、動物たちの霊と共に天空のやさしい心を取り戻したのだった。

ある夜、会社内の女子トイレに不審者がいたのを見つけてしまった安野 来未。追いかけられていたところをハナコさんに助けられるが、犯人は痴漢ではなく企業データ泥棒だった。来未は仙台支社から3か月の研修に来ていた新人ОLだが、仙台支社の営業部所属の彼氏、牧山と遠距離恋愛中だ。週末ごとに仙台に帰ったり、電話をかけたりしているためお金がなく、社内のトイレからトイレットペーパーをくすねていた。だが牧山は来未のいない間に、他の女子社員と浮気をしていて、ハナコさんの力でそれを知った来未は失恋する。だが来未に好意を持った本社人事課の逢本は、仙台に帰る来未を呼び戻してみせるとハナコさんに宣言するのだった。

登場人物・キャラクター

北浦 華子 (きたうら はなこ)

この物語の主人公。外注管理部二課で働いていたが、数年前に過労死してしまった。その後、自身が使っていた会社のロッカーに住んでロッカーのハナコさんとなり、毎年入ってくる新入社員の後輩たちを、厳しく時に優しく指導するようになった。ハナコさんの存在は会社の七不思議の一つになっていて誰にでも見えるわけではないが、ハナコさんに指導された新人ОLは、幸せな寿退社ができると言われている。坂口常務とは旧知の仲である。

大市 理子 (おおいち あやこ)

ハナコさん(北浦 華子)がいる会社の新人ОL。大阪支社で研修ののち、本社の外注管理部二課に配属された。腰まである長い髪はゆるくパーマをかけているが、いつもしばっていて前髪はパッツンである。周りのОLたちが狙っている日和佐課長と、ハナコさんのおかげでいい雰囲気になったが、彼女たちにいじわるをされて仕事も覚えられずに悩む。その後、日和佐課長と結婚して寿退社するが、ハナコさんの住んでいるロッカー内の家具を手作りして、日和佐課長からハナコさんに渡してもらっている。

日和佐課長 (ひわさ)

外注管理部二課の課長。5年前に妻と死別してから独身だが、社内のОLたちから言い寄られてもなびかない。いつもクールで不愛想に見えるが、時々優しい面も見せる。ハナコさん(北浦 華子)のおかげで、新人ОLの大市 理子と婚約ののち結婚したが、未だに周りのОLには狙われている。彼はハナコさんが見えないので彼女に認めてもらえずに、ちょっと寂しく思っている。とても愛妻家で理子のことを大切にしている。

御厨 みそら (みくりや みそら)

本社の新人ОL。社内でいちばん地味な社史編修室に配属される。上司の椎名室長のことが好き。性格が後ろ向きで、いつも言い訳ばかりして諦めることが多い。ハナコさん(北浦 華子)にも呆れられているが、そこが放っておけないらしい。椎名室長はとても人気があるので、広報部の出水 嶺子や外注管理部一課の広田らに毎日、嫌がらせをされ、いじられている。すぐに落ち込むのでハナコさんに泣きつくことがとても多い。

椎名室長 (しいな)

社史編修室の室長。坂口常務曰く、とても仕事のできる男。髪はぼさぼさであまり話さず、何を考えているのかわからない感じ。部下の新人ОL、御厨 みそらのことを心配して、彼女が専務に襲われそうになった時に助けに行った。髪をセットするとどこかの組の組長のように目付きが厳しいのがわかる。一人っ子のため、誰かに相談することをしないで、自分だけで考えて行動するため、みそらになかなか理解してもらえなかった。

出水 嶺子 (いずみ りょうこ)

本社広報部に所属しているカメラマン。元々、椎名室長のことが好きで社史編修部に行きたかったが、広報部に配属された。社史編修室の写真担当、四方副室長が病気で入院したため、臨時で配属される。美人だが性格が悪い。いつも御厨 みそらに嘘を言ってはからかって楽しんでいる意地悪な人。色仕掛けで椎名室長に迫るが、落とせないと悟って潔く去って行った。初めはみそらを陥れようとしていたが、後になって、みそらといい友人になっていった。

小春会長 (こはるかいちょう)

ハナコさん(北浦 華子)のいる会社で50年前に働いていたおばあさん。眼鏡をかけて着物を着た小柄な小春さんは、現社長の祖母で初代の会長だったが、ハナコさんの噂を聞き社長である孫と会社を心配して会社に現れた。実は40年前に亡くなっていて、現れた日が命日だった。ハナコさんに会って自らの気持ちや会社の話をして、新人社員の御厨 みそらとも会い、自分が心配していたようなことがないとわかって帰っていったが、時々出てくる。

坂口常務 (さかぐち じょうむ)

生前の北浦 華子と仲が良かった、ハナコさん(北浦 華子)の元上司。ハナコさんが亡くなった後も忘れずに覚えていて、時々、懐かしがっていた。御厨 みそらからロッカーのハナコさんの話を聞き、ぜひ会いたいと願う。骨董が趣味でいろんなものを買ったりしていたが、実はその目利きをしていたのはハナコさんだった。豪華なランチのお弁当にひかれてやってきたハナコさんと話をした常務は、それ以降、何かとハナコさんとお話をするようになった。

笹鳴 拓海 (ささなき たくみ)

本社の情報システム部所属。女性のような綺麗な顔をしている。仕事もできてかっこいいため、狙っている女子社員はお局様から新人社員まで多数いる。御厨 みそらや小峰 瑠布子らといいところまで行くものの、なぜか彼女ができない。何人もの女性から誘われてはいるが、ハナコさん(北浦 華子)の下僕なので何かあったらすぐに呼び出されるため、デートまでこぎ着けないのが原因だと思われる。瑠布子にTVで見た盲導犬みたいにやさしい目ねと言われたことがある。

小峰 瑠布子 (こみね るうこ)

長い髪の新人ОL。御園チーフの部署に配属される。一人暮らしをしているが、経済観念がなくカードで買い物をしすぎる傾向がある。最初は仕事を覚える気がなく、お金のためだけに会社に入ったが、御園チーフのおかげで仕事に対する意欲がわいて、一生懸命に仕事を覚えるようになった。基本、楽して生活したいと思っているが、御園チーフに認められてから結婚したいと言って頑張っている毎日である。

御園チーフ (おぞのちーふ)

小峰瑠布子の上司。仕事にも他人にも厳しい。ワイルドな男前だが、瑠布子には振り回されっぱなしである。女心には気付かないフリをすることが多く、不器用。上手く瑠布子を動かそうとするが、やる気のない瑠布子にイライラするばかりの毎日である。右腕的なお局様の亜木から忠告をされて、やっと瑠布子に対する気持ちに気付いた。その後、緒園は瑠布子に告白をする。プロポーズを承諾した瑠布子は、仕事ができないと思われたまま寿退職したくはなかった。心機一転、懸命に仕事に取り組むようになる。そのため緒園は瑠布子に引きずりまわされる。結局、引き続き残業ばかりの日々を送るのだ。

天空 (てんくう)

才能のあるイリュージョニスト。地方公演でのたった一度のミスで、最近はスランプに陥っている。昔は郊外の動物園で働いていたが、動物ショーの合間にやったマジックがうけてマジシャンになった。髪型がボブの長髪でサングラスをかけている。才能を鼻にかけているので、自身の天空イリュージョンのスタッフみんなに嫌われている。ハナコさん(北浦 華子)や小峰 瑠布子、笹鳴 拓海、御園チーフの手伝いで、首になりかけた天空の片腕である智子が彼の目を覚まさせた。

安野 来未 (あんの くるみ)

東京本社に仙台支社から3か月間の研修に来ている。純朴そうな素直な女の子。ショートカットの黒髪で、食べることが大好き。仙台支社の営業課にいる彼氏の牧山とは遠距離恋愛中だったが、失恋した。ハナコさん(北浦 華子)を呼ぶ声が大きく、どこにいてもハナコさんを召喚できる。本社人事部の逢本が来未の食べっぷりに好意を持っている。愛想もいいので坂口常務にも可愛がられていて、時々、一緒にランチをしている。

書誌情報

ロッカーのハナコさん 全5巻 集英社〈ヤングユーコミックス〉 完結

第1巻

(1997年5月発行、 978-4088643007)

第2巻

(1997年11月発行、 978-4088643342)

第3巻

(1998年4月発行、 978-4088643649)

第4巻

(1998年9月発行、 978-4088643915)

第5巻

(1999年6月発行、 978-4088644417)

ロッカーのハナコさん 全4巻 〈集英社文庫 コミック版〉 完結

第1巻

(2005年3月発行、 978-4086183116)

第2巻

(2005年3月発行、 978-4086183123)

第3巻

(2005年5月発行、 978-4086183130)

第4巻

(2005年5月発行、 978-4086183147)

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