ロボ犬ハチの家

ロボ犬ハチの家

自分を本物の犬だと思い込んでいる四角いフォルムの二足歩行の犬型ロボット・ハチは、同居する家族に犬扱いしてもらえず、おやつのお届けや掃除、洗濯ばかりを命じられていた。毎日「ロボじゃないんだから!」と激怒しながら、家族にロボット扱いされる事に苦悩するハチの日常を描いたコメディ4コマ漫画。

正式名称
ロボ犬ハチの家
ふりがな
ろぼいぬはちのいえ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
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あらすじ

第1巻

二足歩行の犬型ロボット・ハチは、自分は本物の犬だと言い張っているが、自分を飼っている鈴木家の人々にはもちろん犬扱いされるはずがなく、「ロボじゃないんだから!」と怒る日々を送っていた。ある日、自ら犬らしくなるために四足歩行を試みるが回線がショートしかけてしまい、さらには飼い犬用の首輪を身につけようとしても、小さすぎて自分の首が入らなかったりと、うまくいかずに苦悩する。そんな中、鈴木ハルカが猫型ロボット・タマを拾って来る。みんながタマを可愛がる中、ハチは放置されたことで孤独を感じ、この家にはいられないとペットショップや犬カフェを転々するようになる。そして文鳥型ロボット・トリと知り合ったハチは、感電しながらも白鳥になりきろうとするトリの姿に胸を打たれ、試行錯誤しながらトリを白鳥らしい姿に変えていく手伝いをするのだった。

第2巻

ペットショップ「ウエノ」の前では思いを寄せる上野とお近づきになるため、電信柱の陰で待ち伏せしていた。だが、上野といっしょに出て来たのは、新が大嫌いな大きな犬だった。思わず悲鳴を上げながらも、どうにか後日自分の飼い犬といっしょに散歩をする約束を交わすのだが、実は新は犬は飼っていなかった。上野とどうしても会いたかった新は犬型ロボットであるハチに、変装していっしょに散歩してほしいと頼む。当日、上野はハチを新種の犬だと思い込み、ペットショップ店長のプライドから、彼が何の犬なのかを突き止めるために尾行する。そこで上野が目撃したのは、長い舌でトリを回収するハチの姿であった。陰で「一体、何を飼っているの!?」と恐怖する上野に対し、新とハチはどこか誇らしげに帰っていく。結局、二人の溝は深まるばかりであった。

登場人物・キャラクター

ハチ

四角い形をした犬型ロボットで、性別は男。5年前にゴミ捨て場に捨てられていたところを鈴木ケンに拾われ、鈴木家の一員となった。当初は自ら「ハチ公」と名乗っていたが、いつしか省略されてしまい、現在は「ハチ」と呼ばれている。本人はロボットではなく本物の犬だと言い張っており、飼い主に犬らしい命令をしてほしいと望んでいる。 だが、いざ「お手」と言われると緊張してしまうため、現在は犬のための言葉に慣れようと努力している。自分がロボットである事を認めず、夜中に人目を忍んでこっそり充電するなど、少々面倒な性格の持ち主。基本的にロボットであるため、四足歩行をするとショートする恐れがあり、夏は機械音がうるさくなり、冬は反応が遅くなる。一方で、停電時や夜間のお迎え時には目がライトになるため非常に便利。 さらにドリルで穴を掘る事も可能で、使い方によっては非常に役立つ。

鈴木 ケン (すずき けん)

中学生の男子。鈴木家の長男で、ハチの拾い主でもあるため、ハチからは「ご主人」と呼ばれている。大仲由依に恋心を抱いているが、友人に由依といっしょに歩いているところを目撃された際には、つい「好きじゃない」と否定してしまうお年頃。ハチを雑に扱う事も多いが、実際は優しく面倒見のいい性格で、ハチを家族として大事に思っている兄貴分的存在。

鈴木 ハルカ (すずき はるか)

鈴木ケンの妹で幼稚園児。鈴木家においてハチを犬として扱っている唯一の存在で、ハチからは「お嬢様」と呼ばれている。ちなみにその理由は、ハチのように固いものが「生き物」、生きている柔かいものが「ロボット」という価値観を埋め込まれて育ってしまったため。ハチが故障により犬のようになってしまった際には、自らオイルの糞をつかみ取って処理するなどしっかり者だが、自分の目的のためには手段を選ばないところがある。

鈴木 ミカ (すずき みか)

鈴木ケンと鈴木ハルカの母親で、主婦をしている。鈴木家において一番強い権限を持っており、ハチも鈴木ミカを「母上」と呼び、進んで家事の手伝いをしている。犬アレルギーがあり、鈴木マサノリが上司から預かった犬を家に連れて来た時は、離婚騒ぎになったほどである。一方でちょっとした事には動じず、ケンがハチを拾って来た時には、ロボットだったら飼ってもいいと許可を出した。 ロボットは叩けば直るという古風な考えの持ち主で、叩く事でハチの故障を直せる。

鈴木 マサノリ (すずき まさのり)

鈴木ケンと鈴木ハルカの父親で、ハチも「父上」と呼んでいる。本物の動物が大好きで、ハチやタマが家に居るため動物を飼う事を断念したが、あきらめきれていない。そのため会社帰りに犬カフェへ通う事が多く、帰宅後よくハチから入念な浮気チェックをされ頭を抱えている。会社では主任を務める頼れる人物だが、本物の動物を前にすると犬のお腹に顔を埋めてぐりぐりしたり、赤ちゃん言葉で話しかけるなど人格が豹変する。

タマ

丸い形をした猫型ロボットで、性別は男。鈴木ハルカが公園で拾って来て、鈴木家の一員となった。口癖が「っス」というノリが軽い性格で、DJを務めており体内にレコードを完備している。多くの人達に「さん」付けで呼ばれ慕われており、ファンクラブも存在しているほど。さらに「コンパ」という名の猫の集会にも参加しており、その丸いボディが猫にも大人気。 普段は頭についているソーラーパネルで充電する。ひげの生えているウィスカーパッドの部分にコンセントを完備し、外出先でも家電を使えるなどハイスペック。酒の匂いだけで酔っぱらってしまううえ、酔うと泣き上戸になって人に絡むという、非常に面倒くさい一面がある。

トリ

文鳥型ロボットで、性別は女。登場するたびに自分を白鳥やキツツキ、燕など別の鳥だと思い込むなど、周囲から何かと影響を受けやすい体質。この際、本格的に別の鳥になりきるため、場合によっては水の中に入ったり氷漬けになったりと、故障の危険に見舞われる事も少なくない。鈴木家のハチの本棚によく巣を作っており、片付けても再び舞い戻って来る。 また卵を見ると温めたくなったり、獲物として飼い猫をどこからか盗んでくるトラブルメーカー。「ボエン、ボエン」と宙に浮くUFOのような飛び方をし、頭の部分だけ分離する事ができる。人間を拘束して浮上するほどのパワーを持ち、巨大化する事も可能なため、「鈴木家最恐のセキュリティロボット」として活躍している。

上野 (うえの)

ペットショップ「ウエノ」を経営している女性。「ソミー」という大きな犬を飼っている。仕事に対してプライドを持ち、責任感の強い性格。新が連れて来る動物に変装したハチやアヤコを見て表に出さないながらも動揺したり、ペットショップにロボ用の首輪や餌を求めてやって来るハチにいつも翻弄されている苦労人。

大仲 由依 (おおなか ゆい)

鈴木ケンと同じ中学に通う女子で、ストレートショートボブの髪型をしている。ケンとは小学校からの付き合いで、彼に思いを寄せている。愛犬のチロとよく散歩をしているが、その際にケンと散歩していたハチにチロをさらわれたり、ケンが好きな事を暴露されそうになったりと被害に遭う事が多く、「鈴木くんちのロボサイテー!」が口癖になっている。

(しん)

売れない小説家の男性で、眼鏡をかけ長髪の田舎臭い風貌をしている。ペットショップの上野に想いを寄せている。犬が苦手で何かと動物には嫌われてしまうが、犬らしくないロボットのハチとは仲がいい。ハチにふさふさの毛をかぶせていっしょに散歩に出かけたり、ハムスターを飼ったとアヤコをペットショップに持って行ったりと、上野と話す口実が欲しいために努力しているが、基本的に口下手で台本やきっかけがないと女性とうまく話せない。 部屋も格好も汚いが、アヤコによれば眼鏡を外すとイケメンらしい。

アヤコ

ネズミ型のロボットで、性別は女。ネズミという事もあり自分の分身を大量に生み出す事ができるが、アヤコ本人は自分の事をハムスターだと言い張っている。甘い物に目がなく、ロボットなのにケーキなどを見つけると食べずにはいられない。また惚れた男性にしか名前は明かさないというポリシーの持ち主。もともとは鈴木家に住みついていたが、眼鏡を外した新に惚れ込み、彼の家で暮らすようになった。 新の事を自分の恋人だと思っており、新が上野を見ようとすると首を伸ばして彼の首を絞める。

二ノ宮 (にのみや)

イケメンの男性。大会で優勝するほどフリスビーキャッチが得意なチャープという愛犬を飼っている。道を歩いていたロボットであるハチに声をかけるなど、物怖じしない性格。フリスビーを教えるという名目で上野を強引に誘うなど、恋愛にも積極的。

場所

鈴木家 (すずきけ)

ハチが飼われている家庭。鈴木ケン、鈴木ハルカ、鈴木ミカ、鈴木マサノリが住んでいる。平屋で畳の部屋が多く、昔ながらの佇まいで落ち着きのある雰囲気を漂わせている。お風呂に自動お湯はり機能がなく、お湯のはり具合を見るのもハチの毎日の仕事の一部である。

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