ローラカイザー

ローラカイザー

天界と地球の2か所を舞台に、お互いに傷つけ憎しみ合う2人の主人公たちを軸に、憎しみという名の愛情を描いた物語。美しい筆致の作品だが、バトルファンタジーの一面も持ち、時に流血表現などもある。「プリンセスGOLD」に、途中休載を挟みながら掲載された作品。

正式名称
ローラカイザー
ふりがな
ろーらかいざー
作者
ジャンル
ファンタジー
関連商品
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概要・あらすじ

天界では、5000年に一度の繁殖期が訪れようとしていた。天界に住むあかざは、繁殖期を前に地球に降り立つことを考えていた。あかざを愛している夕子は天界でたった1人の女性であり、繁殖期に大王との子供を生まないと、天界は滅びてしまうという状況にあったが、夕子も地球へ向かうあかざと行動をともにしてしまう。

ささめはあかざに憎まれており、本人もそれを自覚していたが、あかざの持つねねの魂を取り返すために、ささめもまた、地球へと降り立つのだった。ささめは地球で遠藤久美子と出会い、お互いに大切な存在となっていくが、そんななか、香山真希が久美子の命を狙って攻撃を仕掛けて来る。この襲撃を避けるためささめと久美子は天界に逃げることにするが、それを察したあかざはささめを追い、真希を連れて天界へ戻るのだった。

登場人物・キャラクター

ささめ

天界に住んでいる青年。生まれてから1000年の間、ねねのことを慕っている。ねねが亡くなった後、その体をねねからもらっており、その際に女性のねねの体は男性化している。ささめ自身は、自分の正体を「醜いもの」だと語っている。ねねの魂を持ち、ささめの大事なものを奪って痛めつけるあかざを憎んでおり、ねねの魂とともに地球に降り立ったあかざを追って、自らも地球へ出向く。 そして地球で遠藤久美子に拾われ、久美子の家で生活するうちに久美子との間に絆が生まれる。しかし、香山真希が放つ強力な使い魔によって久美子の命が狙われるようになったため、久美子を連れて天界へと戻る。

あかざ

天界に住んでいる青年。ささめに非常に強い執着を持っており、ささめを痛めつけて自らを憎ませるように仕向けている。ささめのこと以外には興味がなく、自らを慕う夕子にもつれない態度を取っている。天界の5000年に一度の繁殖期を前に地球に降り立つが、大王との子孫の繁殖を前にしている夕子があかざについて来てしまったことで、大王が天界からよこした追っ手に狙われることになる。 ある日、香山真希の呪いによって真希の前に降り立ち、遠藤久美子の命を狙う真希に加勢する。しかし、久美子がささめとともに天界に行ったことで、自らも真希を連れて天界に戻った。

遠藤 久美子 (えんどう くみこ)

地球に住んでいる16歳の少女。自分のことを「ボク」と呼ぶ。京都に旅行に来ていたある日、天界から降り立ったささめと出会い、拾って家に連れて帰る。ささめと暮らすうちに惹かれていくようになるが、ささめを追うあかざの攻撃など、次々に起こる怪現象によって、ささめが人間ではないことに徐々に気づいていく。ある日、同じ学校に通う香山真希と友人になったものの、真希の使い魔に繰り返し攻撃され命を狙われるようになってしまう。 そのたびにささめに守られていたが、強力な使い魔から逃れるために、ささめと一緒に天界に行くことにする。

夕子 (ゆうこ)

天界にたった1人存在する女性。5000年に一度の繁殖期を前に、大王との間に子孫を設けるために大王の花嫁になった。しかしあかざのことを愛しており、地球に降り立つあかざについて行ってしまう。その後、夕子を天界へと連れ戻そうとする追っ手には何度も遭遇するが、そのたびにあかざに助けられている。あかざが強い執着を示すささめに対しては嫉妬の感情を持っている。 ある日、香山真希の呪いにより、瓶の中に閉じ込められてしまう。

ねね

天界において、夕子が生まれる前まで唯一の女性であった。故人であり、自ら命を絶っている。ささめに非常に慕われており、自らが亡くなる時にその体をささめに、魂をあかざに渡している。ねねの体を持つささめと、魂を持つあかざは、地球に降り立った後にどんどん力を強大化させていく。

香山 真希 (かやま まき)

遠藤久美子と同じ学校に通う少女。魔女になって不老不死を手に入れ、この世の終わりを見ることを願っている。その願いを叶えるために、同じ生年月日で同じ血液型の同性である久美子の魂を狙い、あかざの協力のもとに使い魔を遣わせて久美子を殺そうとしている。その使い魔から逃れるために久美子とささめが天界に行った際、それを追うあかざに連れられて天界へと出向く。

大王 (おおきみ)

天界を治める王。5000年に一度の繁殖期を前に夕子を花嫁とした。しかし夕子があかざとともに地球に降り立ってしまったため、あかざを殺して夕子を連れ戻すために、部下たちを追っ手として次々に地球に遣わしている。あけおやあけみも、大王の命のもとに夕子を奪還するために地球に降り立っている。

あけお

天界の住人で、あけみの弟。額に第三の目を持っている。大王の命によりあかざを殺し、夕子を奪還するために地球に降り立った。あけみが夕子を慕っていたことを知っており、あかざが夕子をたぶらかしたと思い込んで、あかざに怒りをぶつける。

あけみ

天界の住人で、あけおの兄。額に第三の目を持っている。過去に夕子に振られたことがあり、その恨みも含めて夕子を追って地球に降り立つ。あかざが張った結界を破って夕子のもとに現れ、夕子を痛めつけて無理やり天界に連れ戻そうとする。

わかば

ささめたちが天界から再び地球に戻った後、ささめがアルバイトをするようになった店で一緒に働いている女性。錬金術師になりたいと語っており、あかざが使っている錬金術の本に興味を示す。親友の緑が邪悪なものに取り憑かれたと思っており、霊液であるエリクサーを調合してほしいとあかざに頼み込む。

(みどり)

わかばの親友であり、わかばには邪悪なものに取り憑かれて別人のようになったと思われている。わかばが錬金術に興味を持ち、あかざにエリクサーの調合を頼んだのは、わかばが緑にエリクサーを飲ませ、もとに戻そうとしたためである。

(かず)

魍魎を倒すため、超能力の訓練を受けた子供たちのリーダー。魍魎は心の力で倒すものと教えられている。ある町で人がこぞって消えた時に、それが魍魎の仕業と見て、仲間を率いて立ち向かおうとした。その際、天界から戻ってきた香山真希と対峙して一瞬ひるむが、仲間を気丈に引っ張っていく。

場所

天界 (てんかい)

大王が治めている世界。この世界では空腹になることがなく睡眠を取る必要もない。また暑さや寒さといった概念のない世界である。ここでは地球を「地獄」と呼び、そこに住む人間は「鬼」と言われている。天界に住む種族は圧倒的に男性が多く、現在女性は夕子1人である。5000年に一度のみ繁殖期が訪れ、その時期に大王と女性が交配して卵を生まないと、その後子孫は絶たれてしまう。

その他キーワード

魍魎 (もうりょう)

怒りの感情を持って死んだ人間を、あかざが目覚めさせたもの。当初あかざは、この魍魎を使ってささめに攻撃を仕掛けていた。のちに、大王と花嫁の交配によって生まれた卵を体内に取り込み、人間をえさとするために地球に降り立った者たちのことも、魍魎と呼ぶようになる。

エリクサー

邪悪なものを払う力があるとされる霊液。あかざが持っている「ユダヤ婦人マリアの三本脚」という錬金術の本の中に調合法が記されている。取り憑かれている人間には効果があるが、普通の人間に使用すると死んでしまう。わかばは緑をもとに戻すためにエリクサーを使うことを思い立ち、あかざにエリクサーの調合を依頼した。

奈落のツボ (ならくのつぼ)

魍魎を閉じ込めることができるツボ。強力な力で魍魎を吸い込み、中に入れれば二度と出てくることはない。奈落のツボには人間の念が込められており、万が一壊れることがあっても別のツボに念が移っていくと言われている。現在は、聖なる力に守られた富士山にあるとされている。

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