ワタナベ

ワタナベ

地球から2万光年離れた「カナーイ星」からやってきた宇宙人の青年ワタナベは、東京近郊の団地に住む中流家庭・時野家に居候する。そんな彼が、地球の文化や風習をまったく知らないために様々な騒動を引き起こす、SFコメディ風人間ドラマ・コミック。

正式名称
ワタナベ
ふりがな
わたなべ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

ある日突然地球にやってきた宇宙人の青年ワタナベ、その目的は宇宙大学の卒論作成のため地球人の生態を観察することだった。縁あって東京近郊の団地に住む中流家庭・時野家の居候になるが、ワタナベは地球の文化や風習をまったく知らないために、様々な騒動を引き起こす。時野家は平凡だが家族それぞれが心の問題を抱えており、ワタナベの頓珍漢な行動は結果としてそれを解決することになる。

登場人物・キャラクター

ワタナベ

地球から2万光年離れた「カナーイ星」からやってきた宇宙人の青年。本名は「ノウモ・カナイータ・キッテ・ヤラカーシ・ホイ・オートイゴンス」。「~でござる」と時代劇のようなしゃべり方をする。一人称は「拙者」。顔は長く、体もひょろっとした痩せ型(身長178㎝、体重59kg)。奇妙な模様のある身体に密着したボディスーツ(生命維持スーツ)と、顔のところだけ開いた頭部全体を覆うかぶりものを身に着けている。 また両耳に眼鏡と一体化した半球形の機器がついていて、これは生命維持スーツとも連動している小型コンピュータらしい。年齢は自称3006歳。宇宙大学の学生で、「地球人における日常とその生態」が卒論のテーマ。実体験レポート作成のため地球を訪れた。 酔っ払って帰宅中の時野正造に連れられて時野家に泊まり、そのまま居候となる。レポート作成のため娘の妙子の高校、息子の勤の小学校、正造の会社について回ったり、パブの店員のアルバイトを経験する。それ以外は、小百合にお使いや家事をやらされている。高校には、留学生として入り込んで一時的に通学する。 地球の食べ物は有害物質だらけだと、文句を言うが、ポテトチップスは非常に気に入り、よく食べるようになった。平和主義者で、ケンカをするとやられてばかりいるが、実はものすごい体力を持っている。

時野 妙子 (ときの たえこ)

ワタナベが居候をしている時野家の長女。初登場時16歳で、東京都立新玉高等学校の1年生。作中で17歳の誕生日を迎え(4月5日)、2年になる。髪は栗色のショートカット(作品中盤でベリーショートになる)。東京近郊の「向ヶ丘団地」の7号棟401号室に家族と住む。可愛い顔をしているが、父親は仕事で手一杯で、母親は自分の老後を支えるはずの頭の良い息子に構いきりなので、心は疎外感でいっぱい。 何をしても満たされず、子供の時から「白馬の王子さまにさらわれて素晴らしい人生を送る」ことを夢見ている。テニス部の幽霊部員だったが、ワタナベのせいで部長の華蝶斎マキと激しいテニスの試合を戦うことになる。その後も空疎な日々が続くが、終盤にイケメンで長髪の同学校同学年の青年と知り合い、付き合い始める。 ワタナベは彼女を「妙子殿」と呼ぶ。

時野 小百合 (ときの さゆり)

ワタナベが居候をしている時野家の母親。大柄で太った中年女性。年齢不明。髪は茶色でカールしている。うだつが上がらず低収入の夫に嫌気が差しており、頭の良い息子の勤が一流大学に入って一流会社に勤務し、自分の老後を豊かにしてくれることだけを願っている。そういうわけで娘の妙子は放任している。 常に口うるさく、夫は罵りワタナベはこき使う。

時野 勤 (ときの つとむ)

ワタナベが居候をしている時野家の長男で小学生。学年不明。大きめのメガネをかけ、オールバックの髪型をしている。成績優秀で「偏差値」を「人間の資質を数値化したもの」と言う。高卒で万年係長の夫を嫌悪する母親に教育された結果、名門私立中学そして東大を目指す上昇志向のガリ勉となる。しかし、勉強はできるが体力はなく、同級生の信也ら三人組から、いじめられて金銭を要求されたりしたこともある。 担任の美人教師の、桜井先生が好きだった。進学塾(明進塾向ヶ丘遊園教室)で成績が悪くなった時、グレようとしたが父のおかげで途中でやめる。信也から、「デコ助」と呼ばれる。

時野 正造 (ときの しょうぞう)

ワタナベが居候をしている時野家の世帯主(父親)。中小企業のサラリーマンで、万年係長の中年男。エラの張った輪郭で、メガネをかけている。年齢不明。酔って帰宅する途中にワタナベを拾い、家に置くことにする。ワタナベが酒について調べている時、「接待でよく使うパブ」の店員のバイトを紹介したことから、業務は営業と推測できる。 低収入のせいで、妻や子供からないがしろにされている。作品後半で、北海道に左遷されかかる。基本的に弱い人間だが、たまに威厳も見せる。

宇童 (うどう)

時野妙子 と同じ高校に通っており、彼女を一方的に思いを寄せているが、完全に無視されている。エラの張った輪郭で髪を尖らせ、眉毛は濃くて三白眼。作品後半で、「学園番長」であることが判明する。学年と名前は不明。妙子 の家に住むワタナベを憎み、ボディスーツを脱がせようとするなど各種の嫌がらせを試みるが、ことごとく失敗する。

ジョージ

宇童 の子分。オールバックで蛇のような目をしており、そばかすが多く、鼻も穴が2つ描かれているだけ。宇童 を「アニキ」と呼び、たいてい一緒に行動する。しかし作品後半まで、宇童 が「学園番長」であることを知らなかった。ワタナベに様々な嫌がらせを試みるが、ことごとく失敗する。

おでん屋台の親父 (おでんやたいのおやじ)

ワタナベが一時的に時野家を追い出された時、住み込みで雇ってやった人情家の初老の男。楕円形の輪郭で、ハゲており、丸い眼鏡をかけている。電車のガード下でおでんの屋台を出している。時野正造 もよく飲みに来る店である。妙子 が家出して、中年男に襲われかけた時、この親父に救われる。安アパートに住んでいる。

信也 (しんや)

時野勤 の同級生の小学生男子。苗字は不明。わりとイケメンな顔立ちだが、とても酷薄そうで目が怖い。子分二人を連れて、勤をいじめて金銭を要求する。 勤 はワタナベをボディガードにして信也に対抗するが、ワタナベはあまりに平和主義者すぎて役に立たなかった。

桜井先生 (さくらいせんせい)

時野勤 の担任の、若い美人女性教師。セミロングの髪型に八の字眉毛とタレ気味の目、そして左に泣きぼくろという顔立ち。「向ヶ丘団地」の近くに住んでいる。勤 の恋愛対象だったが、エピソードの終わりで意外な人間が彼氏であったことが判明する。

華蝶斎 マキ (かちょうさい まき)

時野妙子が通う高校の、女子テニス部の部長。父親が富豪で区会議員なので、妙子と同じ1年生であるにもかかわらず、権力で部長になっている。しっかりとした実力もあり、インターハイ優勝候補である。「ゲテモノ食いのおマキ」というあだ名があり、彼女の惚れる男の顔はみなゲテモノ顔で、ワタナベも例に漏れず一目惚れされてしまう。 思うがままに振る舞うマキに苛立った妙子は、ワタナベを渡すまいとして、マキとテニスの試合をすることになる。

土方 陣蔵 (ひじかた じんぞう)

時野妙子が通う高校の、女子テニス部コーチの男性。31歳。漫画『エースをねらえ!』のコーチ、宗方仁に目のあたりまでは似ているが、やたらと鼻と顎が長く、もみあげの髪が螺旋状に編んである。華蝶斎マキとダブルスを組んで、時野妙子・ワタナベとテニスの試合を行う。試合を進めていくうち、妙子の才能に気がつく。

リカ

「パブ・ウインク」という店に勤めるホステス。ワタナベは「地球人はなぜ酒を呑むか」を研究するため、時野正造 の紹介で、「パブ・ウインク」のバイト店員になり、そこで知り合う。美人で人気ホステスだが、ある秘密を隠している。一郎(いっちゃん)という、過去に因縁のある男に、大金を貢いでいる。

一郎 (いちろう)

ホステスのリカに大金を貢がせている男。暴走族「堕流魔(ダルマ)」の元リーダーだったが、今は他人の好意につけ込むダメ人間。リカの秘密を知りつつ貢がせ、別の女と付き合う。これに対してワタナベは、大いに怒った。

長髪の青年 (ちょうはつのせいねん)

時野妙子の前に現れる、長髪で顔が少し長いイケメンの青年。妙子と同じ高校に通っている。学年不明。どことなくワタナベの面影があると妙子はいぶかしむ。やがて彼は「ワタナベ」と名乗るが、ワタナベと同一人物ではないようである。作品終盤で、妙子は彼と付き合い始める。

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