お人好し男子高校生×健気で優しい天使
主人公の徳光森太郎は、面倒見の良いお人好し。ある朝、一人暮らしのワンルームマンションのベランダに、美少女、とわが寝ていたことから物語は始まる。天使を名乗るとわだったが、森太郎は電波系の家出少女だと思い、いったんは家から追い出す。しかしその後、エッチなおじさんに騙されそうになっていたとわと再会。人を疑うことを知らないとわを、放っておけずに家に置くことにする。とわは本物の天使だが、抜群に料理がうまく、森太郎を幸せにするために一生懸命になる健気(けなげ)な少女。一方森太郎も、とわのことを心配し大切に思うことができる優しい男の子である。ピュアな二人の甘い同居生活と心温まる優しいエピソードが、コミカルに描かれるところが本作の魅力である。
でろでろに甘やかされる森太郎
とわは、人間を幸せにすることが天使の仕事の一つだと教えられている。そして何より、行くあてがない自分を住まわせてくれた親切に応えようと一生懸命であった。その結果、森太郎はでろでろに甘やかされることになる。心のこもった和食や豪華な洋食が毎日用意され、時には森太郎の背中を流すため、風呂に入ってこようともする。また、一緒の布団で寝る、うっかりバスルームを覗いてしまうといった、同居生活ならではのちょっとエッチなシーンもある。さらに、物語が進むに連れ、雪女や吸血鬼、カッパといったワケアリな美少女が次々に登場し、森太郎にとってハーレムのようなシチュエーションに展開していく。
登場人物・キャラクター
徳光 森太郎 (とくみつ しんたろう)
16歳の高校1年生の男子。親の仕事の都合で、高校進学と同時に一人暮らしをすることになる。部屋は日当たりもまずまずのワンルーム。ごく普通の男子だが、優しい性格で面倒見もよい。ある日、ベランダで寝ていた天使のとわと出会い、行くあてがない彼女と同居することになる。天使だけではなく、次々と登場する人外に好意を寄せられる。
とわ
天界から人間のことを学ぶためにやってきた天使。ほわっとした雰囲気を持つ美少女で、言葉遣いが丁寧。人を疑うことを知らないピュアな心の持ち主だが、超天然で早とちりやうっかりも多い。興奮すると背中から羽根が出てしまう。「よいこの地上大百科」という本を読んでいたおかげで、料理が得意。行くあてが見つからず、森太郎のマンションのベランダで一夜を過ごした後、同居することになる。
堤 つむぎ (つつみ つむぎ)
16歳の高校1年生の女子。森太郎のクラスメイト。ボブカットとリボンが特徴で、勉強と料理が得意。小学校に上がる年、迷子になっていたところを森太郎に助けられ初恋を経験。9年後、同じ高校で再会を果たし、運命を感じる。森太郎を一途(いちず)に想い続けるが、勇気がなく告白できないでいる。
和泉 のえる (いずみ のえる)
森太郎と同じ学校に通う同級生の女子。同じファミレスでバイトする同僚でもある。金髪のロングヘアーが特徴の美少女。先祖代々「雪女」の家系で、怒ったり悲しんだりすると、吹雪を起こしてしまう。感情のコントロールが下手なため、友達を作らないようにしていたら「氷の女」と噂されるようになったという。のえるの話を受け止め、優しい言葉をかけてくれた森太郎と初めての友達になった。人付き合いに慣れておらず、両極端な思考になりがち。
賀上 さゆり (かがみ さゆり)
メイド喫茶でバイトする、森太郎の同級生の女子。オカルト研究部に所属している。眼帯やカラコンを身に着けた、中二病全開の吸血鬼。日光が苦手で、普段はうさみみパーカーを着ている。森太郎の匂いが大好きで、隙を見せると首筋を「食み食み(はみはみ)」しようとする。本場ヨーロッパの吸血鬼に憧れ「リリーシュカ」を名乗っているが「賀上さゆり」という名の純日本人である。
蔓深 ひすい (つるみ ひすい)
森太郎の同級生で、賀上さゆりのクラスメイトの女子。オカルト研究部に所属し、メガネが特徴。人見知りな性格で、特に男の子と話すのが苦手。その正体はカッパであり、きゅうりを食べて1時間以内に水を浴びると、甲羅と頭の皿が現れる。なお、日本を裏から牛耳る「全日本カッパ連合」の総裁の孫娘である。
書誌情報
ワンルーム、日当たり普通、天使つき。 7巻 スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックス〉
第1巻
(2021-04-12発行、 978-4757571969)
第2巻
(2021-10-12発行、 978-4757575288)
第3巻
(2022-04-12発行、 978-4757578753)
第4巻
(2022-10-12発行、 978-4757581982)
第5巻
(2023-04-12発行、 978-4757585201)
第6巻
(2023-10-12発行、 978-4757588479)
第7巻
(2024-04-12発行、 978-4757591493)