七人の侍

七人の侍

黒澤明監督の映画『七人の侍』のコミカライズ作品。戦国時代、野伏せりの集団から農民を守るため、七人の侍たちが戦う姿を描いた時代劇。

正式名称
七人の侍
ふりがな
しちにんのさむらい
原作者
黒澤プロダクション
作者
ジャンル
時代劇
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概要・あらすじ

野伏せりの集団から略奪され困窮した農民は、次の襲撃に備え、侍を雇って村を守ろうとする。しかし、米を食べさせるだけで雇われてくれる武士はなかなか見つからず、仲間割れを起こしかけていたところ、島田官兵衛が盗人から子供を救い出すところに遭遇。この人こそと思った農民たちは、官兵衛に村を守ってくれるよう願う。官兵衛は一旦はこれを断ったものの、居合わせた人足風の男の言葉に感じるところがあり、農民の願いを受け入れた。

官兵衛は自分とともに農村を守る侍を探し出し、戦いの準備をする。そして迎えた襲撃の日、官兵衛たち七人の侍と農民たちは力を合わせて戦う。

登場人物・キャラクター

島田 勘兵衛 (しまだ かんべえ)

初老の侍。戦の経験は豊富なものの勝ち戦に恵まれず、浪人として放浪中、盗人から子供を救出したことをきっかけに、村を野伏せりから守ってくれるよう農民たちに懇願される。一旦はこれを断ったものの、居合わせた人足風の男の言葉に感じるところがあり、引き受けることを決意。自分とともに戦ってくれる侍を集め、彼らを率いて野伏せりと戦う。 性格は温厚で慈悲深いが、戦に際して命令違反をするものは厳しく叱責する。

菊千代 (きくちよ)

「まるで山犬」と評されるほど野性味のある男性。島田官兵衛が盗人から子供を助けるところに遭遇し、以降、官兵衛について歩く。侍を自称し、家系図を官兵衛に見せるも、それはどこからかの盗品で、出自は農民。知性や品性に欠け、短慮なところがあるが、明るく物怖じしない、憎めない性格の持ち主。ケンカには強く、酒が好き。 菊千代という名前は官兵衛に見せた家系図にあり、これが俺だと自称したもの。誘われていないのに農民の村までついてきて、七人の侍の一員となって野伏せりたちと戦う。

岡本 勝四郎 (おかもと かつしろう)

身なりのよい若者。若々しい正義感に溢れた人物だが、世間知らずな一面があり、実家を飛び出している。島田官兵衛が盗人から子供を助けるところに遭遇、門弟に加えて欲しいと申し出るも断られる。しかし、諦めず官兵衛に付き従い、侍探しを手伝っていたところ、七人の侍の一員として野伏せりとの戦いに参加することになる。野伏せりとの戦いでは伝令役を務める。 村娘・志乃と恋に落ちる。

片山 五郎兵衛 (かたやま ごろうべえ)

口ひげとあごひげのある浪人の男性。道を歩いていたところを島田官兵衛に見出され、野伏せりとの戦いに参加するよう要請を受ける。官兵衛の人柄に惹かれ、これを承諾し、七人の侍の一員となる。穏やかな笑顔を見せていることが多いが、片山五郎兵衛の腕を試すため、木刀をかまえて隠れていた勝四郎の気配を察知することができるほどの腕前の持ち主。

七郎次 (しちろうじ)

浪人の男性。島田勘兵衛から「古女房」と呼ばれるほど信頼を受けている人物。野伏せりとの戦いのため、勘兵衛に呼び出されて合流。「今度こそ死ぬかもしれんぞ」という勘兵衛の言葉を無言の笑顔で受けとめ、七人の侍の一員となる。細かなことでもよく気がつき、細々(こまごま)と働く。

林田 平八 (はやしだ へいはち)

浪人の男性。食事代の代わりにまきを割っていたところを片山五郎兵衛に見出され、七人の侍の一員となる。自らのことを臆病者と称し、合戦には参加しているものの人を斬った瞬間の記憶がないという。五郎兵衛は彼のことを、武士としての腕は中の下、しかし正直で面白い男であり、話していると気が抜けるため、苦しい時には重宝するのではないかと評価した。 評価のとおり、明るく気さくな性格の持ち主。

久蔵 (きゅうぞう)

すさまじい剣の腕を持つ男性。島田勘兵衛の誘いを一度は断るも、気が変わったのか勘兵衛の宿を訪れ、七人の侍の一員となる。勘兵衛は彼を、腕は上の部、自分を叩き上げることに凝り固まっていると評価している。寡黙であまり感情を表さない。野伏せりとの戦では北の裏山の守りを受け持つ。

利吉 (りきち)

農民の男性。野伏せりの襲撃から村を守ってくれる侍を探すため町へと出た。島田官兵衛が盗人から子供を助けるところに遭遇し、官兵衛に村を助けてくれるよう申し出る。女房を野伏せりにさらわれているため、村を守ることや戦いに対して積極的に行動している。官兵衛たちに自分の家を明け渡し、世話役を務める。

万造 (まんぞう)

農民の男性。志乃の父。野伏せりから村を守ってくれる侍を探すため町へと出たものの、無駄なのではないかという思いが強く、消極的。また、野伏せりとの談合を口に出し、利吉と揉めた。娘を守るため、その髪を切って男装させるなど、侍に対して懐疑的な様子を見せる。

志乃 (しの)

万造の娘。侍たちが村に到着するにあたり、万造の手により髪を切られ男装する。しかし、森で岡本勝四郎と出会い、恋に落ちる。優しく純朴な娘だが、勝四郎に対しては情熱的な一面を見せる。

爺様 (じいさま)

水車小屋に住む老人。村の長老的な役割を果たしており、野伏せりと戦うために侍を雇うことを提案する。状況の把握に長けており、卑近なことにとらわれがちな村の人々を一喝することも。しかし、野伏せりとの戦いが始まっても、自分の住む水車小屋から離れなかった頑固な一面もある。

集団・組織

野伏せり (のぶせり)

農民たちの村を襲う野盗たち。砦に住み、村から女をさらって囲っている。砦は鷲ヶ峰の麓にある。

場所

農民たちの村 (のうみんたちのむら)

戦で荒らされたうえ、野伏せりたちに度々襲われているため貧しい。米を野伏せりたちに奪われているが、今度は麦を狙い、再度の襲撃を計画されていることを知って、村を守るべく侍を雇う。北側は裏山となっている。

その他キーワード

(はた)

林田平八が野伏せりとの戦いに際して作ったもの。2列に3つずつ並んだ丸の下に三角形がひとつ、その下にひらがなの「た」が描かれている。丸は侍、三角は菊千代、ひらがなの「た」は農民を表すという。

クレジット

原作

黒澤プロダクション

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