仙石秀久の活躍と生涯を題材にした「センゴク」シリーズ完結編
前作「センゴク 一統記」に続く「センゴク」シリーズの4作目で、完結編でもある。シリーズを通して戦国武将の中でも一般的な評価や、イメージが好意的ではない仙石秀久が主人公で、戦国時代が舞台の作品の中では異色の作品となっている。「すべての常識を覆すリアル戦国合戦譚(たん)」というキャッチコピーのもと、さまざまな古文書を引用した解説と精密な時代考証、大胆で豪快な偉人たちの詳細な描写が魅力となっている。
マイナー武将にもスポットをあてた大河史劇
主人公は美濃(みの)出身の武将で、織田信長や羽柴秀吉をはじめとする天下人の戦いを支えた猪(いのしし)武者、仙石権兵衛秀久。戦場を槍(やり)だけで駆け抜けてきた秀久は、大きな失敗をする一方で奇跡的な活躍を見せる武将として描かれている。秀久以外にも一般的にはあまり知られていない戦国武将の山崎新平や鳥居景近、野々村正成などが登場し、数多くのマイナー武将たちの活躍にもスポットをあてている。また、本作では秀久に仕えることになった地侍の四男、田宮四郎保富も新たな主要キャラクターとして登場し、彼の成長する姿も楽しめる。
紀州征伐から始まる島津軍との激戦
羽柴秀吉の重臣として数々の合戦を生き抜き、淡路国の戦国大名に出世した仙石権兵衛秀久が、新たな家臣として田宮四郎保富を迎えるところから物語が始まる。九州統一に近づきつつある島津軍に対抗すべく、羽柴秀吉は西国平定のために雑賀(さいか)・根来(ねごろ)衆と敵対し、紀州征伐を開始。秀久もこの戦に参戦するが、彼にとっての史上最大の失敗が目前にせまりつつあった。1584年の九州から始まる秀久たちの新たな戦い、そして不屈の心で乱世を生き抜く久秀の奇跡の挽回劇が見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
仙石 権兵衛秀久 (せんごく ごんべえひでひさ)
羽柴秀吉軍の先手衆を務める武将。淡路島を任されている。年齢は34歳。ふだんから偉ぶらず、商人や船頭などにも気遣いを見せている。自らが武士らしくないことをするほど、なぜか逆に重用されることを自覚しており、実践している。誰にでもあだ名を付けて呼ぶクセがある。周囲からは「仙石秀久」「仙石権兵衛」と呼ばれることもある。実在の人物、仙石秀久がモデル。
田宮 四郎保富 (たみや しろうやすとみ)
仙石家に仕官した青年。地侍の四男坊で、出家して法華寺の僧侶を務めていたが、還俗した。戦国大名として成り上がる夢を抱いており、羽柴軍で重用されている仙石権兵衛秀久の家臣を志した。秀久の娘、かずらに一目惚(ぼ)れするが、彼女が津田妙算に思いを寄せていることを知ってショックを受ける。長いものには巻かれるタイプで、秀久からも「仙石家の一員らしい気性」と評されている。根来衆(ねごろしゅう)の焼き討ちを機に仙石家臣を離脱した妙算に代わり、秀久の背中を守る役を請け負う。秀久からは「某」と呼ばれている。
前作
センゴク
宮下英樹の代表作で後にシリーズ化される「センゴク」シリーズの第一部。戦国時代、一兵卒として秀吉に従うことになったセンゴクこと仙石権兵衛秀久。一途な気持ちでそうそうたる武将の心を動かし、信長の戦いに貢献... 関連ページ:センゴク
センゴク天正記 (せんごくてんしょうき)
宮下英樹の「センゴク」シリーズ第二部。武将・仙石秀久を中心に、「長島一向一揆 」から「武田家滅亡」までを描く。講談社「週刊ヤングマガジン」2008年14号から2012年26号まで連載。 関連ページ:センゴク天正記
センゴク一統記 (せんごくいっとうき)
宮下英樹の「センゴク」シリーズの第三部で、『センゴク 天正記』の続編。激動の戦国時代を舞台に、美濃出身の武将・仙石権兵衛秀久の歴史的な失敗からの挽回劇や、乱世の終焉と新時代の幕開けを描くリアル戦国合戦... 関連ページ:センゴク一統記
関連
センゴク外伝 桶狭間戦記 (せんごくがいでん おけはざませんき)
宮下英樹の代表作「センゴク」シリーズの外伝。戦国時代における最大の逆転劇として名高い桶狭間の戦いを描いた歴史漫画。歴史書や資料を参考にしつつも作者独自の解釈を多分に加えており、特に今川義元や織田信長ら... 関連ページ:センゴク外伝 桶狭間戦記
書誌情報
センゴク権兵衛 27巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2016-03-04発行、 978-4063827514)
第2巻
(2016-06-06発行、 978-4063828078)
第3巻
(2016-09-06発行、 978-4063828481)
第4巻
(2016-12-06発行、 978-4063828948)
第5巻
(2017-02-06発行、 978-4063829235)
第6巻
(2017-04-06発行、 978-4063829617)
第7巻
(2017-07-06発行、 978-4065100158)
第8巻
(2017-10-06発行、 978-4065102558)
第9巻
(2018-01-05発行、 978-4065107027)
第10巻
(2018-03-06発行、 978-4065111024)
第11巻
(2018-05-07発行、 978-4065114537)
第12巻
(2018-08-06発行、 978-4065124369)
第13巻
(2018-11-06発行、 978-4065135600)
第14巻
(2019-02-06発行、 978-4065145630)
第15巻
(2019-05-07発行、 978-4065154724)
第16巻
(2019-08-06発行、 978-4065167267)
第17巻
(2019-11-06発行、 978-4065177372)
第18巻
(2020-02-06発行、 978-4065184905)
第19巻
(2020-05-07発行、 978-4065195444)
第20巻
(2020-08-05発行、 978-4065204641)
第21巻
(2020-11-06発行、 978-4065213407)
第22巻
(2021-02-05発行、 978-4065223000)
第23巻
(2021-05-06発行、 978-4065233191)
第24巻
(2021-08-05発行、 978-4065243428)
第25巻
(2021-11-05発行、 978-4065258453)
第26巻
(2022-02-04発行、 978-4065268339)
第27巻
(2022-05-06発行、 978-4065277997)