不思議なソメラちゃん オートクチュール

不思議なソメラちゃん オートクチュール

ちょぼらうにょぽみの『不思議なソメラちゃん』の続編。野乃本魔法拳を使うニートの少女、野乃本ソメラが欲望を満たすために起こす騒動や日常を、4コマ形式で描くギャグコメディ。「まんが4コマぱれっと」2015年6月号から2018年7月号にかけて連載された作品。

正式名称
不思議なソメラちゃん オートクチュール
ふりがな
ふしぎなそめらちゃん おーとくちゅーる
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
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あらすじ

第1巻

亡き両親から継承した野乃本魔法拳を使う最強ニートの野乃本ソメラは、妹の野乃本ククルや友人の天童雫たちと共に、ゆるふわなゲスライフを送っている。目先の欲望を満たすためにいつも破天荒な行動に走るソメラは、周囲を巻き込みながらトラブルを起こしていた。そんなある日、いつものように起床したソメラは、ククルに砂利の混じったおにぎりのみという朝食を出される。その理由が、借金ばかりで生活が苦しくなってきたせいであることを告げられたソメラは、コロがくわえていた魚の骨で少しでも腹が満たされる料理を作ろうとするが、なかなかうまくいかない。その後、ソメラとククルは食べ物を探すために外出し、公園の自販機に野乃本魔法拳を繰り出すと、そこからはお釣りの代わりになぜか大金が出てきてしまう。ソメラは何食わぬ顔でその大金を持ち帰ろうとするが、ククルはその大金は泥棒の隠した金であり、盗まれた持ち主が困っているのではないかと、ソメラを諭してお金を交番に届けようとする。そこに犯人らしき謎の男が現れ、ソメラに刃物をつきつけて大金を取り返そうとするものの、彼女に返り討ちにされてしまう。こうして犯人は無事逮捕され、同時に大金の持ち主と思われる老人が現れる。

第2巻

光る童貞との死闘を終えた野乃本ソメラたちは、ひょんなことから近所の豆腐屋と知り合ったことをきっかけに、毎日豆腐ばかり食べる日々を送っていた。そんなある日、誠司に手合わせを申し込まれたソメラは、野乃本魔法拳を披露する。ソメラの技を見た誠司は過去の出来事を思い出し、野乃本総一郎が実は生きているかもしれないこと、彼女には野乃本ククル以外にもう一人の妹がいることを告げる。誠司は総一郎と同じ寺で魔法拳の修行をしていた修行仲間でもあり、総一郎は失踪前に別れを告げて旅に出たと語る。誠司の話を聞いたソメラとククルは、総一郎を見つけ出すことを決意する。その一方で、物心つく頃からずっとククルと二人で生きてきたソメラは、総一郎が生きている可能性にとまどいを隠せずにいた。複雑な感情と面倒くささから、話を聞かなかったことにして総一郎捜しを中断しようとするソメラだったが、ククルは絶対に捜すべきだと説得する。ククルの説得に折れて総一郎捜しを再開するソメラは、松嶋あいの提案を受け、手がかりを得るためにすご腕の占い師と評判の占いジジイがいる宮殿に向かう。そこで占いジジイから西に向かうように助言されたソメラは、気が向いたら西へ行くことを決めるのだった。

第3巻

クリスマスの次の日、サンタから情報を得た松嶋あいは、野乃本ソメラのもう一人の妹であると名乗り出る。同時に今まで謎の多かったあいの生い立ちや、秘密も次々と明らかになる。しかしソメラは、情報源があいまいなことも手伝って、今まで身近な友人として接してきたあいが、実の妹であるとは信じることができなかった。真実を確かめるべく、ソメラたちは再び占いジジイのもとへ向かう。しかし占いジジイの水晶にヒビが入っており、ソメラたちは水晶を作り直してもらうために、「ザクリ山」という雪山に向かうことになる。結局占いジジイは、通販で新品の水晶を手に入れるが、ザクリ山から帰ってきたソメラたちに対してタダでは占ってやれないと言い放つ。そして占いジジイがソメラたちに出した条件は、三人の戦士と順番に戦って倒すというものだった。さっそくソメラたちは闘技場で戦うことになるが、一人目の戦士のモン吉は登場した途端に、あいの不意打ちを食らって瞬殺される。それを見た天童雫は、二人目の戦士であるカエル伯爵もあいと同様の方法で瞬殺しようともくろむ。鋭い反射神経を持つカエル伯爵の前にピンチに陥るも、雫は卑怯な方法で撃破することに成功。しかし三人目として現れたメルーナは、ソメラの強力なビーム攻撃を跳ね返すほどの強靱な戦士だった。

関連作品

本作『不思議なソメラちゃん オートクチュール』は、ちょぼらうにょぽみの『不思議なソメラちゃん』の続編となっている。前作も本作と同様に4コマ形式のギャグコメディで、貧しくも明るく生きるニートの少女、野乃本ソメラのファンキーで不条理な日常を描いている。

登場人物・キャラクター

野乃本 ソメラ (ののもと そめら)

野乃本魔法拳を使うニートの魔法少女で、年齢は16歳。濃いピンク色の髪をロングヘアにしている。幼少期に亡くなった両親から家と野乃本魔法拳を引き継ぎ、妹の野乃本ククルとコロと共に、ニート暮らしを満喫している。男勝りな短気な性格で、見栄っ張りなところもあるが、ククルのことは大事に思っている。金をこよなく愛し、時には金にも愛されながら、いかなる時でも、私利私欲と生活費を楽に手に入れるために行動している。こんな外道な性格から、周囲に「クソメラ」呼ばわりされることがある。基本的にはボケ担当ながら、鋭いツッコミもこなす。野乃本総一郎が遺した秘伝書から野乃本魔法拳を会得したが、一時期は「使うたびに疲れる」ことを理由に、ほとんど使わなくなっていた。最近は思い出したように再び使うようになったものの、私利私欲のために使うことが多いため、すべてがろくな結果にならない。両親を失ってからは極貧生活続きで金や食べ物に困っているが、ククルが稼いだアルバイト代もすぐに使い果たすなど、その浪費癖で周囲を困らせている。近所の友人である天童雫とは特に馬が合って尊敬されているが、時折敵対することもある。頻繁に童貞いじりをするため、「秘密童貞クラブ」という謎の組織から命を狙われている。毎年深刻な花粉症に悩まされており、近所のスギをすべて牛丼屋に変えたこともある。好きな言葉は「時は金なり」で、好きな食べ物は雑煮。

野乃本 ククル (ののもと くくる)

野乃本ソメラの妹で、ソメラとコロと共に暮らしている人畜無害な少女。年齢は14歳。金髪のセミロングで、両サイドに大きな花の飾りをつけている。ソメラよりも常識人で、従順なお人よしな性格が災いして、昔から彼女の使いっ走りにされることが多い。しかし、ソメラのパシリになっているという自覚はまったくない。欲張りで浪費癖のあるソメラに悩まされながらも、彼女の身の回りの世話をし続ける苦労人で、その疲労から学校で寝てしまうこともある。ツッコミもかなり控え目だが、あまりにも外道な行為に対しては、勢いで鉄拳制裁を加えることもある。可憐な美少女のために、ソメラや天童雫により、何かとお色気要員を任されることが多い。家計が苦しいためにアルバイトをしているが、ソメラの浪費癖と借金のせいでなかなか生活は改善されることがない。貧乏暮らしがずっと続いているため、就寝時は食べ物のことを考えながら眠るのが習慣になっている。個性的な家族と友人に囲まれる中、ソメラが犯罪を起こして刑務所行きにならないことを願いつつも、彼女の悪癖や性格についてはほとんど諦観している。野乃本総一郎と再会してからは、仕送りで多少は生活が改善されたものの、ソメラの浪費癖が治らないため、結局は節約を強いられている。恥ずかしがり屋な自分を克服したいと思っており、将来の夢はケーキ屋。好きな言葉は「笑う門には福来たる」で、好きな食べ物は雑煮。

天童 雫 (てんどう しずく)

野乃本ソメラの友人で、野乃本家の近所に住んでいる。年齢は14歳。野乃本ククルとは同じ中学校に通う同級生でもある。紫色のツインテールの髪型で、赤いヘアゴムで結んでいる。当初はククルを心配するなどの常識人を装っていたが、すぐにボケに回った。超人的な謎キャラをきどるようになり、ソメラに負けないほどのブレないゲスさを発揮するようになる。能天気でマイペースな性格で、知能はソメラと同程度の低レベルだが、時折冷静なツッコミを入れている。ソメラやククルとなかよしで、特にソメラとは馬が合い、彼女をかっこいいと尊敬している。その一方でソメラや松嶋あいと敵対して足の引っ張り合いをしたり、スキを見て寝首をかこうとしたりすることもある。見た目は美少女で隠れ巨乳でもあるが、この優れた容姿をまったく生かす気はない。地面に潜って移動したり、モグラと会話したりと人間離れした能力を持ち、ソメラからはよくモグラ扱いされている。また独特の価値観を持ち、時にはソメラでも引くほどの外道な行為や冷酷な言動に走る。コロをかわいがっており、勝手に連れ回したり合体したりすることもある。特技はモグラを電撃で気絶させることで、学校ではいつも生き物係を自主的に引き受けている。将来の夢は会計士になること。好きな言葉は「君子危うきに近寄らず」で、好きな食べ物はモグラの丸焼き。

松嶋 あい (まつしま あい)

生き別れた姉を捜している少女で、年齢は12歳。新キャラオーディションに受かったのをきっかけに、野乃本ソメラと友人になった。その後も姉を捜しているが、その行方は未だにつかめていない。茶髪のロングヘアで、ひまわり型の飾りがついた緑色の大きなリボンをしている。ソメラたちと過ごすうちに腹黒いひねくれた性格になっているが、元は純真で天然な性格をしていた。ふだんは敬語で話すために礼儀正しく上品に見えるが、腹黒さをかいま見せるときは態度や口調が変貌する。ソメラや天童雫に嫌がらせを受けては負けじと仕返しや嫌がらせをするなど、彼女たちと敵対することも多いが、基本的には大のなかよし。「松嶋」という名字はハンドルネームで、ばぁばの家に居候するまでは、身寄りのない山賊として生きていた。のちにクリスマスに遭遇したサンタから、ずっと捜していた生き別れの姉がソメラであることを告げられる。ソメラからは疑われるが、長らく行方不明だった野乃本総一郎によって、野乃本家三女であることが明かされる。生まれてすぐにカッパに連れ去られ、本当の家族と離れたまま、幼少期はカッパに育てられていた。日課である毎朝のラジオ体操を生きがいとしており、空き缶拾いやアルバイトに励み、稼いだ金で贅沢に過ごすのを楽しみにしている。ダンスの達人で、特にインターネットでは有名な踊り手として知られる。好きな言葉は「鬼に金棒」で、好きな食べ物はうな重。

コロ

野乃本家で飼われている茶色っぽい犬。見た目は丸い猫のようで、魚をくわえていることもある。元はふつうの犬だったが、野乃本ソメラの野乃本魔法拳によって、現在の姿に変えられてしまった。飼い主であるソメラたちのことが大好きだが、なぜか天童雫といっしょにいることが多く、時には彼女と合体することもある。ソメラからはあまり飼い犬として認識されておらず、ゲーム機としてテレビにつながれたまま、長期間その存在を忘れられていたこともある。嫌いな食べ物は春菊。

ぱれっと編集長 (ぱれっとへんしゅうちょう)

一迅社で漫画雑誌「まんが4コマぱれっと」の編集長を務める男性。ほんわかキュートをこよなく愛している。野乃本ソメラからさまざまな要求や提案が出される中、『不思議なソメラちゃん オートクチュール』の原稿料を上げないように死力を尽くしている。白い口ひげを生やしており、なんとなく温泉地の熱海が似合う雰囲気を持つ。自らの発行する漫画雑誌を手に持っているときはエネルギー波を放ってくるが、足下へのスライディング攻撃には弱い。趣味はスキー。

ばぁば

松嶋あいの居候先に住んでいる老婆で、優しい性格をしている。数年前に横断歩道で倒れていたところを、身寄りがなく山賊として生きていたあいに助けられ、死んだ娘にそっくりという理由で彼女と暮らすようになる。娘が亡くなってからは生きる希望をなくしていたため、あいのことは心を癒してくれる存在として大切に思っている。

豆腐屋 (とうふや)

野乃本ソメラの近所にあるまずい豆腐屋を営む男性。アフロ頭にハチマキを巻いており、たらこ唇が特徴。まじめな性格でおとなしそうに見えるが、訪問販売の途中で豆腐を買ってくれなかったソメラにいきなり攻撃し、警察に逮捕される。豆腐が売れないことや、母親の病気に悩んで凶行に走ったが、逮捕されたことで我に返って反省した。警察に頼まれて母親の病気を治療したソメラに感謝し、心を入れ替えておいしい豆腐作りに励むようになる。それ以来、恩人であるソメラに豆腐を無料で配達しているが、肝心の豆腐の味はあまり変わっていない。花嫁募集中で、婚活バスツアーなどによく参加している。

誠司 (せいじ)

豆腐屋の父親で、ロボットのような姿をしている。かつて野乃本総一郎と同じ寺で魔法拳の修行をしていた修行仲間でもあり、野乃本ソメラの放った野乃本魔法拳を見て、彼の娘であることに気づいた。ソメラたちに総一郎が生きていることと、彼女たちにはもう一人の妹が存在することを告げる。

野乃本 総一郎 (ののもと そういちろう)

野乃本ソメラと野乃本ククルの父親。魔法拳の使い手で、修行の末に野乃本魔法拳を会得した。ソメラの幼少期に野乃本魔法拳の秘伝書を遺して交通事故で死んだと思われていたが、修行仲間の誠司によって、実は生きていることが明かされる。魔法拳の修行に没頭しながらも娘たちのことは大切に思っており、よく楽しそうに自慢話をしていた。しかし修行の旅に出ることになり、誠司に別れを告げて旅立ったまま、長らく行方不明になっていた。その修行先は冥界だが魔法拳の修行はしておらず、「冥界にはラーメン屋が一軒もないので儲かる」という理由で、ラーメン屋を営んでいる。ラーメン屋の夢を捨て切れずに冥界でラーメン修業を続けていたが、ラーメンを極めたあとは必ず家族のもとへ帰るつもりだった。冥界まで捜しにやって来たソメラたちと再会を果たし、その後は冥界でラーメン修業を続けながら、毎月生活費を仕送りしている。

エリー

自分の体を勝手に改造されたことを根に持って人間を恨んでいる人造人間の少女。正式名称は「人造人間1260号」で、「アルバイトの面接に受からない」という理由で全人類の抹殺をもくろんでいたが、野乃本ソメラたちの決死の説得で改心した。のちに運送業などさまざまなアルバイトに勤しむようになり、現在は怪しい治験のアルバイトをしている。ソメラたちとはもっとなかよくなって、いつかいっしょに花見に行きたいと思っている。好きな食べ物はちくわ。

湖の女神 (みずうみのめがみ)

湖の主を務める謎の女神。物を落として出された質問に正直に答えると、なぜか金に換えてくれる。初恋の相手が結婚したと聞いてからは、やけ酒に溺れる日々を送っている。趣味は競艇観戦で、負けると湖に渦を起こして嫌がらせをすることもある。

ひでゆき

怪獣のような姿をした巨大アナゴで、田舎の湖に太古から住んでいる。近くの街で流行する疫病の原因となっている湖の汚れを解消するよう、近くを訪れていた野乃本ソメラに依頼する。湖の女神のことが好きで、彼女の命令は忠実に従うが、話すときは緊張でドキドキしてしまう。最近の湖の不便さから、コンビニができてほしいとひそかに願っている。イビキが大きいため、湖の近所に住む人々からは迷惑がられている。

光る童貞 (ひかるどうてい)

つねに金色に発光している謎の男性。その姿を見た者は願いが叶うといわれている。主に山に出現するが、まれに新橋のオフィス街などに姿を現すこともある。実は幽霊のような存在で、生前は世界中を旅するバックパッカーだった。死後に魂が磨かれ、現在のような姿になったという伝説がある。

占いジジイ (うらないじじい)

そば屋の地下にある宮殿で占い師をしている男性。白い口ヒゲを生やし、黒いローブに身を包んだ老人で、怪しげな雰囲気をまとっている。20代の頃に占い師デビューを果たしたため、親戚からは「一族の出世頭」として期待されている。占いの腕は一流だが要求する料金が高かったり、占い結果が出るまでにいくつもの茶番を挟んだりとかなり時間がかかるため、あまり人気がない。行方不明の野乃本総一郎を捜す野乃本ソメラに、西へ向かうように助言した。部下としてモン吉、カエル伯爵、メルーナの三人の屈強な戦士を従えており、金が払えない依頼主と戦わせることもある。ふだんはスーパーでアルバイトをしている。

メルーナ

占いジジイの部下の少女で、彼に従う三人の屈強な戦士の一人。占い料金を支払うことのできない野乃本ソメラと戦うが、彼女の「絶対死ぬビーム」をはね返してしまうほどの強力な戦闘力を持つ。しかし心根は優しく、物わかりがいい。語尾に「~じゃん」を付けて話す。ソメラと数時間戦うものの互角で勝負がつかず、彼女の提案によってクイズ勝負で決着をつけることになった。

コスモなおき

謎の白い怪物。無人島で宝探しをしていた野乃本ソメラたちを襲った。実は孤独で寂しがり屋な性格で、誰かに構ってもらうために無人島に来る人を襲っている。一人称は「おで」で、語尾に「だも」や「だなもー」を付けて話す。ソメラたちと別れたあともまた会いたいと思っており、星に再会を願うなど見かけによらずロマンチスト。

その他キーワード

野乃本魔法拳 (ののもとまほうけん)

野乃本ソメラが亡き両親から継承した、魔法に近い拳法のような特殊技。攻撃だけでなく物を直したり病気を治療したりすることも可能なため、万能で便利な魔法に思えるが、基本的に限定された状況でしか使えない。トラブルや悩み事の解決をはじめ、ソメラの私利私欲のために使われることが多い。しかし、ソメラ本人にとって予想外な結果を巻き起こすこともあり、かえってトラブルを招くこともある。もともとは野乃本総一郎が修行の末に開発および会得した魔法拳であり、睡眠学習で習得可能な秘伝書という形でソメラに遺されていた。

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