概要・あらすじ
警察が機能していない無法地帯の街でケチな情報屋をしている田村のもとへ現れた、怪しげな武器商人・ロドリゲス藤波。武器を売るために街に揉め事を起こそうとする藤波によって賭博組織のボス・破世が殺害されたことをきっかけに街の情勢が変わっていき、藤波と田村は、破世の元部下であったお人好しの山下と3人で、街最大の裏金融・トイチローンと敵対することになってしまう。
登場人物・キャラクター
ロドリゲス藤波 (ろどりげすふじなみ)
いつもスーツ姿で、「ケヒョッ」という不気味な笑いが特徴の男性で、職業は武器商人。街に揉め事を起こして武器を売るために活動しており、そのために邪魔な人間を殺すことに全くためらいを見せない。また、対空兵器を持たない相手への空爆など、自分が安全な場所からの一方的な攻撃に喜びを感じる。その傍若無人っぷりから街最大の裏金融・トイチローンと対立することになり、田村、山下を巻き込んでの全面対決へと進んでいくことになる。
タイガー
元トイチローン所属で今はフリーの殺し屋である男性。七三分けに眼鏡で、いつも無表情なのが特徴であり、デザートイーグル.50AEを愛用するが、武器がなくとも素手で殴るだけで大抵の人間を殺せる。極端な偏食でカニおよびカニ味の食品しか食べず、カニを食べない人間はそれだけで殺す。ロドリゲス藤波対策として大倉十一に呼ばれるが、最終的に大倉を殺害して信販タイガースを設立し街を支配した。 とまた、阪神タイガースの熱狂的なファンであり、阪神が弱いことへの怒りを仕事のパワーに変えて出世してきた。自ら阪神の選手兼監督に就任し、12勝0敗13S・防御率0.00、1打数1安打1本塁打1殺人の記録を残して17年ぶりのリーグ優勝へと導いてもいる。
田村 (たむら)
バーを経営している男性で、街の情報屋でもある。性格はクールでリアリスト。元はトイチローンの社員だったが、タイガーと小沢に消されそうになったことから身を隠し、破世にうまく取り入ることで生き延びてきた。ロドリゲス藤波との出会いをきっかけに、逃げ続ける生き方と決別することを決意し、藤波・山下とともにタイガーへ戦いを挑む。 プラモ作りが得意。作者がスターシステムを採用しているため、『根こそぎフランケン』『麻雀小僧』など作者の他作品にもしばしば登場する。
山下 (やました)
破世の下でディーラーをしていた男性。徹底してお人好しで騙されやすいが、義理人情に非常に篤い。破世の死去後、グループを再建するために一人奔走していたところをロドリゲス藤波に利用され、成り行きから裏金融組織・トイチローンの店に強盗に入ることになってしまう。そこから、最終的に藤波・山下とともにタイガーと戦うことに。 後にその性格を御隠居に評価され、梅昆布一家を継いだ。ガンプラ好き。
御隠居 (ごいんきょ)
ドロロ公園に住むホームレスの老人男性。元は10人程度の博徒・梅昆布一家の4代目だったが、破世との対立で組織を解散し、ホームレスに身をやつしながら再興の時を待っていた。義理人情にあふれた山下に意気を感じ、梅昆布一家の5代目を継がせ、ともに信販タイガースと戦う。
小沢 (おざわ)
裏金融・トイチローンの調査部部長であるパンチパーマの男性。タイガーの忠実な部下。人当たりがよくヨイショもうまいが、その実は、少しでも邪魔な人間は容赦なく殺す非情な性格。必殺技の「小沢スペシャル」は、見るものの思考力を奪うほどの強烈な土下座で、「人類史上究極にして最高の土下座」と呼ばれる。
大倉 十一 (おおくら といち)
裏金融・トイチローンの会長である男性。いつも笑みを浮かべているが、逆らった者には容赦なく死を与える性格。タイガーのように多少問題があっても優秀な人間を使うことでトイチローンを大きくしてきており、ロドリゲス藤波のことも一度はトイチローンへ勧誘する。
ミスターグリン
裏金融・トイチローンの総務部長でありナンバー2。タイガーのことを非常に嫌っており、彼が造反した際にはロドリゲス藤波たちと組んでタイガーを倒そうとした。
破世 (はせ)
賭博組織の元締めをしている男性。邪魔者を消すという荒っぽいやり方で近年のし上がってきており、田村を情報屋として使っている。
笹原 (ささはら)
トイチローンの保安部長である壮年男性。ゴマすりが得意で、実力は全くないが、強者にうまく取り入っての保身は一流。大倉十一の死去後はタイガーに媚を売って信販タイガース入りする。
拓造 (たくぞう)
元は梅昆布一家の若頭であるヤクザで、現在は御隠居とともにドロロ公園でホームレスをしている中年男性。御隠居が山下を気に入ったのをきっかけに、ロドリゲス藤波たちとともに信販タイガースとの戦いに身を投じる。
集団・組織
信販タイガース (しんぱんたいがーす)
『不死身のフジナミ』に登場する裏金融組織。トイチローン内の小沢たちタイガー派が、ロドリゲス藤波から奪取した武器を利用してトイチローンから独立し立ち上げた組織。タイガーの圧倒的な暴力でトイチローンを滅ぼし、街を支配する。
梅昆布一家 (うめこぶいっか)
『不死身のフジナミ』に登場するヤクザ。元々は、街で定期的に賭場を開いていた10人ほどの博徒の集団で、一家の長は御隠居。破世との対立で組織を解散したが、ホームレスに身をやつして潜伏しており、現在は200人程度の組織となっている。
トイチローン
『不死身のフジナミ』に登場する裏金融組織。ボスは大倉十一。債権は全て回収し、逆らった者には死を与えるというやり方によって街で最大の金融組織となっていたが、ロドリゲス藤波と対立。対策としてタイガーを呼んだことが結果的には裏目となり、組織が崩壊する。