不能犯

証拠を残さず人の心理を巧みに操り、マインドコントロールのみで殺害するという殺し屋の日常を描いたサスペンス漫画。「グランドジャンプ」2013年10号から連載中の作品。2018年2月実写映画化。

正式名称
不能犯
ふりがな
ふのうはん
原作者
宮月 新
漫画
ジャンル
殺し屋
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊6巻
関連商品
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世界観

宇相吹正は依頼を受けて人を殺すことを生業としている殺し屋。マインドコントロールを用いて人を巧みに操るという特殊な殺害方法を取り入れており、証拠を残さない完全犯罪を可能にしている。なお、ターゲットおよび依頼者は、そんな正にとって人間の「脆さ」の象徴であり、その正を愚直に追っている警察官の多田友樹は人間の「強さ」の象徴となっている。そんな観点から、物語の根底には人間の「脆さ」と「強さ」という相反する要素がテーマとして込められている。

あらすじ

大都会の片隅にある公園の壊れた電話ボックスの裏に連絡先を貼ると、赤い瞳をした男が人を殺してくれるという噂がある。その男は宇相吹正で、殺害方法は相手の「思い込み」を利用する心理操作。そのため彼は、ターゲットに接触しながらも、証拠を一切残さずに殺人を可能にしていた。容疑者として名前が挙がりながら、正の犯罪を立証することができないため、人は彼のことを「不能犯」の天才と呼ぶ。今日もそんな正のもとには依頼が舞い込み、彼は殺人を続けていく。

メディアミックス

実写映画

2018年2月に白石晃士監督により実写映画化。宇相吹正役を松坂桃李が演じる。なお、漫画版の多田友樹は「多田友子」という女性キャラクターに変更されており、その役は沢尻エリカが演じる。

原作者

宮月新は神奈川県出身の漫画原作者。誕生日は4月28日。人の心に影響を及ぼす心理的な題材や催眠術や洗脳などといったテーマを取り扱った作品を多く世に送り出している。代表作は本作『不能犯』の他、『シグナル100』がある。

登場人物・キャラクター

宇相吹 正 (うそぶき ただし)

赤い瞳を持つ殺し屋の男性。殺害方法は人の「思い込み」を利用する心理操作で、そのため証拠は一切残さない。特に話術に長けており、オモチャのナイフを本物のナイフだと錯覚させたり、普通のコーヒーを毒物だと思わせることもできる。また、殺害を続けるのは「思い込み」によって狂う人間のさまがたまらなく愛しいからである。人の「脆さ」と「強さ」のどちらが勝るのかということにも興味を持って殺害を続けている。 猫が好きで、自宅マンションには、自分が殺した人間の名前を付けた猫を何十匹も飼っている。そのため、依頼料はいつも猫のエサ代に消え、常に金欠状態にある。

多田 友樹 (ただ ともき)

杉並北警察署に勤める男性で、階級は巡査部長。宇相吹正が認める「通じない人間」の1人。相次ぐ不審死事件に正が関わっていると考えており、いつか自分が正を逮捕してやろうと付きまとっている。少々抜けたところがあるものの、正の人の精神に影響を与える言動にも左右されないタフな精神力の持ち主。

瀧 真秀 (たき まほろ)

精神科医を務める男性。多田友樹の知り合いで、友樹が担当している事件の相談に乗ることも多い。精神科医としての能力は高く、「人間の真理」に関する知識も豊富。宇相吹正の人の「思い込み」を利用する心理操作の能力は、「瞬間催眠」に近いものだと考えている。

百々瀬 麻子 (ももせ あさこ)

杉並北警察署に勤める女性で、階級は巡査。多田友樹の後輩で、宇相吹正のことを調べるためによく友樹に捜査の手伝いをさせられている。それでも友樹のことは慕っていて、正に執着するあまり無理をしすぎてしまうことを心配している。

赤井 (あかい)

杉並北警察署に勤める男性。多田友樹の先輩で友樹からは「赤井係長」と呼ばれている。友樹が宇相吹正を追っていることも知っており、自身も正と接した時にはただならぬ気配を感じ、「要注意人物」と見なして警戒をしている。

夜目 美冬 (よるめ みふゆ)

杉並北警察署に勤めるキャリア組の女性。自分のことを誰よりも理性的だと思っており、絶対に間違いなど犯すことのない完璧な人間だと考えている。河津村の息子に対して厳しい取り調べを行ったことで自殺に追いやった過去があり、このことに関してだけは責任を感じている。普段から笑顔を見せることのない冷静沈着な人物。

河津村 (かつむら)

杉並北警察署に勤めるノンキャリア組の男性。かつて、河津村の息子が夜目美冬による厳しい取り調べを受けた末に、自殺へと追い込まれている。しかし現在はそんな美冬にも、事件のアドバイスを送ったり、コーヒーを差し入れるなど優しく接している。

保坂 篤史 (ほさか あつし)

保坂興信所の所長を務める男性。興信所の経営は借金まみれで上手くいっておらず、自分のことを「いつ殺されてもおかしくない人間」と卑下している。バーで飲んでいた時にたまたま宇相吹正の噂を聞き、冗談半分で電話ボックスの前に行った際に正と知り合った。実際に証拠を残さず人の心理を利用して死なせるという、殺しの一部始終を見ており、正に興味を抱くようになる。

夜目 結夏 (よるめ ゆいか)

夜目冬美の2つ年上の姉。アメリカで心理カウンセラーとして活躍している瀧真秀の教え子でもある。冬美と顔は瓜二つだが、活発な笑顔を見せることがよくあり、雰囲気は冬美とはまるで正反対の女性。

木島 (きじま)

カフェ「カラフル」で突然死した男性。闇金業を営んでおり、多方面から恨みを買っている。死因は急激な血圧低下によるショック死。当初は口にしていたアイスティーに毒物が入っていたと考えられていたが、捜査の結果毒物などは検出されておらず、何が原因で命を落としたのか謎に包まれている。

河津村の息子 (かつむらのむすこ)

河津村の息子で、窃盗犯の手引きをしたとして容疑者となった。当時はまだ「少年」で、窃盗容疑に関しては否認を続け無実を訴えていた。しかし、その時の事件担当者だった夜目美冬にまったく話を聞き入れてもらえず、精神的に追い込まれたことにより自殺。のちの捜査により事件とは無関係であることが判明した。

夢原 唯 (ゆめはら ゆい)

大手有名デザイン会社に勤務している26歳の女性。夢原優の双子の姉。両親が離婚してからは母方に引き取られた。それからは順調に成長し、来月には婚約者である榊克明との結婚を控えて幸せの絶頂を迎えている。

夢原 優 (ゆめはら ゆう)

夢原唯の双子の妹で、26歳の女性。両親が離婚してからは父方に引き取られた。それからは父親からの暴力に耐えながら、父親の借金を返すために身体を売って生計を立てていた。ある日、ネットで自分の妹の幸せそうな現状を知り、コンタクトを取ろうと試みる。だが、それを無視されたことに「見下されている」と腹を立てて、恨みを抱くようになった。 後日、唯の自宅にいかに自分の人生が不幸だったかを書きなぐった手紙を送りつける。

榊 克明 (さかき かつあき)

総合病院の院長の長男で、次期院長になる予定の33歳の男性。婚約者の夢原唯と、来月に挙式を控えている。唯のことは心から大切に思っている。唯のもとに手紙を送りつけ、自分と唯の平穏と将来を乱す恐れのある夢原優のことは快く思っていない。

冴子 (さえこ)

榊克明の働いている総合病院で、看護師を務める美しい女性。患者へも細かな気配りを欠かさない看護師の鑑のような人物。夢原唯も克明経由でその話を聞いており、直接の知り合いではないが、その存在を認知している。

鳥森 広志 (とりもり ひろし)

羽田健の部屋の隣に住む70歳の老人。今は警備のアルバイトと年金で暮らしている。また、マンションの管理組合長を務めており、ゴミ出しのルールには人一倍厳しい。そのため、わざわざ住人の出したごみ袋の中身をチェックしている。

羽田 健 (はねだ けん)

羽田桃香の夫でサラリーマン。桃香とは高校時代から交際をしており、今はマンションを購入して住んでいる。最近は隣に住んでいる鳥森広志から監視されていると感じ、不安に思っている。

羽田 桃香 (はねだ ももか)

羽田健の妻で専業主婦。健とは高校時代から交際をしており、今はマンションを購入して住んでいる。疲れている健のことを気遣い、アロマキャンドルを買ってきて癒しを提供するなど、優しい性格。

鈴本 実 (すずもと みのる)

工業会社の営業主任を務める男性。誰もが認める真面目な性格で、酒やギャンブルなどを一切やらない堅実な人物。反面、社内の人間からの誘いも断ることが多く「付き合いが悪い」と陰口を叩かれている。最近は、やってもいないのに同じ電車に居合わせた女子高生の瑞原に痴漢をしたと騒ぎ立てられ、100万円を要求されていることで悩んでいる。

瑞原 (みずはら)

進学校に通う女子高生。同じ予備校に通っている先輩のマミに裸の写真を撮られて脅迫されており、100万円を要求されている。そのため、電車で鈴本実に痴漢されたと騒ぎ立て、実に対して「100万円を用意しろ」と脅している。

マミ

瑞原と同じ予備校に通う女性。瑞原の裸の写真をネタに、100万円持って来いと脅迫している。それができなかった場合は、裸の写真をネットにばら撒いたうえ、知り合いの男に瑞原を強姦させるつもりでいる。

門倉 (かどくら)

門倉亜衣の父親。自分の娘を意識不明の重体にしたひったくり犯を恨んでおり、警察に頼らず自らの調査の末に犯人を特定した。そして、その引ったくり犯である黒川誠に復讐したいという旨を宇相吹正に伝え、殺害を依頼する。

門倉 亜衣 (かどくら あい)

門倉の一人娘の女子高生。父親の門倉からすればようやくできた待望の子供で、溺愛されている。しかし、最近バイクに乗ったひったくり犯の被害に遭った際に頭を打ち、意識不明の重体となっている。

黒川 誠 (くろかわ まこと)

門倉亜衣を意識不明の重体にした犯人で、17歳の男子高校生。普段は不良仲間とともに行動しており、リーダー格の少年。性格は残忍で、犯罪を起こすことに何の躊躇もなく「少年法で守られているから」という理由から、時に人を殺すこともいとわない危険人物。

我妻 雅 (あづま みやび)

19歳のシングルマザー。赤ん坊を持つ母親だが、遊び癖が抜けず子供を1人で家に残したままクラブ通いをしている。最近は自分の子供の顔を見るだけで嫌悪感を抱き、「コイツさえいなければ」と、殺してしまいたいとすら考えている。

我妻雅の母 (あづまみやびのはは)

我妻雅の母親。教育学者で大学教授をしている。自身の子育ての方法論を書いた「良いママになる為に」という本を出版し、ベストセラーとなる。自分の娘の雅のことはあまり快く思っておらず、雅の子供は自分が育てた方がいいと考えている。

別所 清志 (べっしょ きよし)

杉並北警察署生活安全課の課長を務める男性。表向きは真面目で近所からも評判の良い人物だが、実際は「神待ち掲示板」で女子高生とコンタクトを取り、「監禁部屋」というマンションの一室に閉じ込め薬物漬けにしているド変態。

援交女 (えんこうおんな)

別所清志と「神待ち掲示板」で知り合った女子高生。清志の「監禁部屋」で薬物漬けにされていたが、なんとか自力で脱出してさまよっていたところを保護された。援助交際をしているが、実は父親は大企業の社長であり、良い家柄の社長令嬢。

成瀬 (なるせ)

健康食品メーカーに勤める男性。サプリメントのヒット商品を出したり、営業成績もトップをひた走るまさに会社の出世頭。性格も温厚で他の社員からも慕われており、近々課長への昇進も噂されている。しかし、自分が課長の器でないことに悩んでおり、この昇進話にはあまり前向きではない。

戸塚 (とつか)

成瀬と同じ健康食品メーカーに勤める男性。成瀬と同期で、成瀬がいなければ課長候補と目されている。明るく接待上手の仕事のできる人物で、結婚をして家庭も持っている。趣味は釣りで、休日になるとよく釣り場へ出かけている。

道重 (みちしげ)

成瀬と同じ健康食品メーカーに勤める女性。成瀬とは同期で、営業の他に役員向けのプレゼン資料なども作成している。会社にとっては縁の下の力持ち的な貴重な存在。しかし、道重自身はそんな日陰者であることに嫌気がさしており、出世することを強く願っている。

下條 美喜男 (しもじょう みきお)

大手メガバンク東都銀行に勤める男性。よく高層ビルの上から酒を片手に夜景を眺めている。自分のことを「勝ち組」であると考えており、家族や家庭に縛られる人生はつまらないという思想を持っている。しかし、何故か工場を見ると精神的に動揺してしまい、その理由は自分でも分からないでいる。

風間 雅之 (かざま まさゆき)

レストランチェーンの本社に勤めている男性。「カップリングお見合いパーティ」で出会った風間夏美と意気投合し結婚した。優しく誠実で夏美からすれば理想の結婚相手。生真面目な性格で、大学時代から友人に合コンに誘われても決して行くことはなかったほどの堅物。

風間 夏美 (かざま なつみ)

風間雅之の妻。「カップリングお見合いパーティ」で出会った風間雅之と意気投合し結婚した。しかし、「ゆあ」の源氏名で風俗嬢として働いていた過去があり、そのことは雅之には隠し通している。

矢崎 (やざき)

風間雅之のレストランチェーンの寿司屋で板前を務めている男性。雅之の大学時代の後輩でもあり、雅之とは懇意な間柄。雅之の妻である風間夏美が、風俗嬢「ゆあ」だということを知っており、そのことをネタに夏美をゆすっている。

葉月 (はづき)

カフェで働いている女性。ホスト狂いで、特にお気に入りのホストであるリョウに服からアクセサリー、車まですべて買い与えていた。そのリョウとはホストと客の間柄を超えての交際があったが、最近別れを切り出されてしまいかなり落ち込んでいる。

リョウ

葉月と交際していた元ホストの男性。葉月からは服、アクセサリー、車など高額なものを貢がれていたが最近一方的に別れを切り出している。現在はホストを辞めてコンビニ店員として働いており、派手だったホスト時代とは異なり、服装もアクセサリーも地味なものを身に着けている。

勇人 (ゆうと)

男子高校生。園田理沙とは幼なじみで「理沙姉ぇ」と呼び慕っていた。高校に入ってからもその間柄は変わらず友好的な関係を続けていたが、藤沢と理沙が親密な関係になっていることを知り、やきもきしている。

園田 理沙 (そのだ りさ)

陸上部に所属する女子高校生。勇人とは幼なじみで、いつも近所の悪ガキにいじめられていた勇人を助けていた。男子生徒から人気が高く、特にそのスタイルの良さが評判になっている。現在は陸上部の顧問である藤沢と密かに付き合っている。

藤沢 (ふじさわ)

園田理沙の所属する陸上部の顧問を務める男性教師。表向きは部活の指導をはじめ教育熱心な教師だが、実は理沙と密かに交際関係にある。学校の体育館倉庫などでも性行為を行っているなど、教育者として相応しくない行動を取っている。

牧原 こずえ (まきはら こずえ)

2年前に不良グループに属し、万引きの罪で多田友樹に捕まったことのある女性。現在はOLをしており、当時のことは「不良グループと手を切れなければ私の人生は駄目になっていたから」として友樹には感謝している。

桜井 (さくらい)

会社に勤める男性。ギャンブル好きでこれまでも多くのお金をつぎ込んでいる。迫田は入社から可愛がっていた後輩で、最近ツキがあるということを聞きつけて代理で宝くじを買わせていた。結婚しており、迫田と同期の妻と一人息子がいる。

迫田 (さこだ)

桜井と同じ会社に勤める男性。桜井同様ギャンブルが好きで、最近は特に運が良く宝くじなどに何回か当選している。そのため、桜井からの依頼で宝くじを買っており、当たった場合は折半にする約束になっている。

桜井 勇斗 (さくらい ゆうと)

桜井の一人息子。難病を患っており、現在も闘病生活が続いている。最近、医者から「もう長くない」と余命宣告されており、早ければ半年以内に命を落とす可能性がある。助かるためには1500万円もの手術費が必要とされている。

遠野 栄太郎 (とおの えいたろう)

彫刻家を目指している29歳の男性。美大を卒業して彫刻家になろうとコンクールに参加し続けていたが、鳴かず飛ばずで切羽詰っていた。しかし、偶然目の前でバイク事故を起こして死亡した人間を見たことでインスピレーションを得て、その後作成した彫刻「死の淵」がコンクールで見事奨励賞を受賞。ようやく彫刻家としてのスタートラインに立つこととなった。

春日 (かすが)

遠野栄太郎の恋人。栄太郎が彫刻家を目指してからずっと応援し続けており、彼の心の支えとなっている。栄太郎が「死の淵」でコンクールの奨励賞を受賞したことを心から喜び、「次は大賞だね」と彼のさらなる飛躍を期待している。

梶 優子 (かじ ゆうこ)

高梨怜奈と同じ高校に通う女子。高校入学早々に「デブ」「ブス」など周りから罵倒されクラスの中でいじめられるようになり、スクールカーストの最下層にいる。そのため教室内には居場所がなく、誰も来ない学校の非常階段の踊り場が、唯一の居場所となっている。趣味は都市伝説の本を読むこと。

高梨 怜奈 (たかなし れな)

梶優子と同じ高校に通う女子。もともとは明るい性格で友達も多かったが、自分がメッセージアプリの既読無視をしたせいで中学から友達だった女子グループからいじめられるようになる。それにより、たまたま学校の非常階段の踊り場で出会った優子と交流を持つこととなった。優子と同じく都市伝説に類する話が好きで、宇相吹正の噂の真偽を確かめるために、都内の電話ボックスにメッセージを貼りコンタクトを取ろうと試みる。

浅尾 玲子 (あさお れいこ)

大河内巌のもとへ派遣されている家政婦の女性。周りの家政婦仲間からは資産家の大河内宅の家政婦として働いていることを羨ましがられている。一方で浅尾玲子は家政婦の仕事に誇りを持っており、愛情を込めて世話をすることで、巌が喜んでくれればそれでいいと考えている。

大河内 敏子 (おおこうち としこ)

大河内巌の娘。普段から金遣いが荒く、大量に買い物をする消費癖がある。巌の資産を狙っており、家政婦を雇う金すらももったいないと考えるほどの守銭奴。高飛車で傲慢な性格で、家政婦の浅尾玲子に対しても普段から嫌味を言ったり罵倒するなどキツい態度を取っている。

大河内 巌 (おおこうち いわお)

資産家の老人。現在は病気が重なり、浅尾玲子と大河内敏子には意思疎通も困難と認識されている。しかし、実際は意思疎通はもちろん快活にしゃべることも可能であり、自分の資産を譲るに値する人間がいるか値踏みしている。

国分 宏次 (こくぶ ひろつぐ)

会社員の男性。国分尚子の夫で子供ももうけている。1年前、会社からの帰宅途中に何者かに背後から鋭利な刃物で刺され、意識不明の重体となった。一命は取り留めたものの、現在は全身麻痺で身動きが取れず、ずっと病院に入院している。

国分 尚子 (こくぶ なおこ)

工場でパートとして働く女性。国分宏次の妻で子供ももうけている。現在は全身麻痺となった宏次の見舞いをするために日々病院通いをしている。これまでも大学進学前に両親を不慮の事故で亡くしたり、進学をあきらめてようやく見つけた就職先も身体を壊して解雇されたりと、何かと不幸な人生を送っている。

久米 (くめ)

国分尚子の勤める工場の営業部主任の男性。国分宏次が全身麻痺となったため気落ちしている尚子のことを気に掛けており、自分が尚子を守り幸せにしたいと考えている。そのため、宇相吹正に宏次の殺害を依頼し、その後自分が尚子の夫になろうと計画している。

仲井戸 秀樹 (なかいど ひでき)

会社員の男性。結婚をして家庭を持っているが、同じ会社の後輩である渡瀬文佳とは不倫関係にある。文佳との時間を大事にしており、社員の友人から勧められたオシャレなバーに連れて行ったりするなど、その関係を楽しんでいる。

渡瀬 文佳 (わたせ ふみか)

仲井戸秀樹と同じ会社に勤めている25歳の女性。マンションで一人暮らしをしており、秀喜を自分の部屋に招き入れて関係を持つなど親密な関係となっている。秀樹が結婚をして家庭を持っている身であることを知りながらも不倫している。

江口 (えぐち)

スーパーマーケットに勤める女性。自分の息子である江口学を女手一つで育て上げており、現在もいくつものパートを掛け持ちしながら一生懸命働いている。息子に対して過保護な性格で、学のことを常に気に掛けている。

江口 学 (えぐち まなぶ)

江口の息子。同じ高校に通う萩原秀平を多人数でいじめており、これまで何度も暴力やカツアゲなどをしている。秀平へのいじめ以外にも、ゲームセンターで暴れたり万引きをしたりと、数々の悪行を重ねている。

萩原 (はぎわら)

江口が働いているスーパーマーケットの店長を務める男性で、萩原秀平の父親。母子家庭である江口には、積極的に声をかけて相談に乗るなど優しく接している。自身も既に前妻とは離婚が成立しており、男手一つで秀平を育てている。

萩原 秀平 (はぎわら しゅうへい)

萩原の息子。同じ高校に通う江口学にいじめられており、殴る蹴るの暴行を受けたり、参考書を買うためのお金などをカツアゲされている。悔しくてやり返したいという気持ちはあるが、喧嘩では敵わないと分かっているため、思い悩んでいる。

川島 仁 (かわしま ひとし)

杏那のマネージャーを務める男性。杏那とは恋人関係にあるが、この関係が明るみに出れば杏那のアイドル人生が終わってしまうため、それだけは避けたいと考えている。宇相吹正の暗示が効かない「通じない人間」の1人。

杏那 (あんな)

アイドルをしている女性。本名は「田中杏奈」。所属事務所では現在売出し中の一押しアイドルだが、マネージャーである川島仁とは恋人関係にある。杏那自身は仁の恋人としての人生を歩みたいと考えており、そのためであればアイドル人生が終わってもいいと考えている。

紫音 (しおん)

キャバクラで働く女性。容姿のことでいじめられた過去があり、そのトラウマで現在は金を貯めては整形を繰り返すようになっている。そのため、店の従業員からも「会うたびに顔が変わる」と噂されており、評判は良くない。

(みお)

紫音と同じキャバクラで働く新人の女性。見た目はおしとやかなお嬢様タイプながら、元ソフトボール部に所属していたため、バッティングセンターに行くことが趣味のスポーティな行動派。そんなギャップが客にも受けており、店の従業員からの評価も高い期待のホープ。

野々村 利昭 (ののむら としあき)

会社員の男性。野々村栄子と結婚しており、栄子の連れ子である野々村梓も実の娘のように可愛がっている。仕事柄出張のために家庭をあけることが多いが、帰ると必ず家族旅行に出かけるなど家族サービスも積極的にこなしている。

野々村 栄子 (ののむら えいこ)

コンビニでパートとして働く女性。野々村利昭とは再婚した。利昭のことを慕っており、連れ子である娘の野々村梓も可愛がってくれるので、なんの不満もない順風満帆な人生を送っている。最近の悩みは梓が家出をしがちなこと。

野々村 梓 (ののむら あずさ)

野々村利昭と野々村栄子の娘。これまで何も問題がなかったが、最近、利昭が出張中に急に家出するようになった。家出先は「神待ち掲示板」で出会った阿比留保の家で、そこでドラッグを使用し、性行為三昧の日々を送っている。

阿比留 保 (あびる たもつ)

野々村梓と「神待ち掲示板」で知り合った男性。無職のため生活保護で食いつなぎ、梓とともにドラッグと性行為三昧の日々を送っている。最近は家出した梓とともに部屋にこもっており、ほとんど外出することもなくなっている。

富永 哲男 (とみなが てつお)

無職の男性。結婚しており妻もいるが、酒のせいで長期入院しており、仕事ができない状況となっている。最初は妻に対しても申し訳ないという気持ちがあったが、妻が自分の入院先の病院の医師と不倫関係にあると知ってからは、自分の妻を殺したいと考えるようになった。

加納 拓生 (かのう たくお)

不動産会社に勤める男性。もともと結婚に興味を示していなかったが、たまたま友人に連れて行かれた合コンで加納由紀乃と意気投合し結婚した。今は結婚して良かったと思っており、幸せな結婚生活を送っている。

加納 由紀乃 (かのう ゆきの)

加納拓生の妻。かつて合コンで拓生と意気投合し、結婚に至った。若い女性である小早川加菜が、拓生の会社に新入社員として入社したことを聞いただけで泣きわめくほど、嫉妬深い性格。自傷癖があり、腕にはリストカットの跡が多く刻まれている。

小早川 加菜 (こばやかわ かな)

加納拓生の勤める不動産会社に、新入社員として入社した女性。明るく愛嬌があり、社員からも「可愛い」と言われて入社早々注目されている。現在は教育係の拓生から仕事のノウハウを教わっている。拓生のことは優しくていい先輩だと思っている。

黒沢 いずみ (くろさわ いずみ)

百々瀬麻子の高校2年生の時のクラスメイトの女性。高校時代はマイペースな麻子のサポートをするなど、しっかり者で気の利く人物だった。現在は仕事の合間に炊き出しのボランティアをしており、困っている人の役に立つことを自分の喜びと感じている。ボランティアで知り合った伊川陽一と付き合っているが、実は既に結婚して杉田雅也という夫がいる。 ボランティアをしている際に名乗っている「黒沢」は旧姓。

伊川 陽一 (いがわ よういち)

黒沢いずみの不倫相手の男性。ホームレス同然の暮らしをしていたが、3か月前にボランティアをしていたいずみと出会い、付き合うこととなった。いずみに金を要求し、その金でパチンコやギャンブルに興じているうえ、気に食わないことがあると暴力を振るうこともある。

杉田 雅也 (すぎた まさや)

黒沢いずみの夫。最初はいずみに対して好意的に接していたが、いずみが子供のできない身体だとわかった途端に態度を急変させた。以降は自分の両親を巻き込み、家族ぐるみでいずみの存在を無視するようになっている。

永田 敦 (ながた あつし)

中学生の男子。母子家庭で、永田敦の母は重い心臓病を患い入院中。面会時間終了ギリギリまで病院から帰らないので、看護師の中では「甘えん坊の敦君」と呼ばれている。母親の勧めもあって学校では剣道部に所属しているが、試合では今まで一度も勝ったことがない。

永田敦の母 (ながたあつしのはは)

永田敦の母親。重い心臓病を患い、病院に入院している。大きな手術を控えており、自分がいつ死んでしまうか分からないこと、そして息子の敦には1人でも力強く生きてもらいたいという願いを込め、剣道部への入部を勧めた。

大家さん (おおやさん)

宇相吹正の住んでいるマンションの大家を務める老婆。正からは偽名である「宇田川」と名乗られており、それが偽名であることも、正がどんな仕事をしているかも把握していない。正がよく家賃を滞納するので、そのたびに怒鳴り込んでいるが、のらりくらりとかわされて続けている。

その他キーワード

通じない人間 (つうじないにんげん)

宇相吹正のマインドコントロールや暗示にかかりにくい稀有な人間。正と「生体リズム」が偶然合致している人間であれば、この「通じない人間」となる。とはいえ、決して無敵というわけではなく、あくまで「かかりにくい」というだけであり、正は「通じない人間」のターゲットも例外なく死に追いやっている。

クレジット

原作

宮月 新

書誌情報

不能犯 既刊6巻 〈ヤングジャンプコミックス〉 連載中

第1巻

(2014年1月9日発行、 978-4088797304)

第2巻

(2014年9月19日発行、 978-4088798905)

第3巻

(2015年4月17日発行、 978-4088901374)

第4巻

(2016年2月19日発行、 978-4088903668)

第5巻

(2016年11月18日発行、 978-4088904177)

第7巻

(2018年1月19日発行、 978-4088908526)

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