世界で一番早い春

世界で一番早い春

川端志季が『僕のオリオン』と、2作同時連載を行った作品。現代日本を舞台に、26歳の女性漫画家、晴田真帆がタイムスリップによって二つの時代を行き来し、過去の運命に抗いながら未来を改変していく物語。とあるきっかけで10年前の高校生時代にタイムスリップした真帆は、同級生にして未来の担当編集者となる嵐景政と共に、過去では病死した先輩の雪嶋周を救うために奔走する。高校生の時、漫画部部員だった真帆は、卒業後漫画家となって大ヒットを飛ばし漫画賞を受賞するものの、その作品の原作者は高校時代に亡くなった雪嶋だった。真帆自身は「本当は雪嶋先輩に描いてほしかった」「できるなら彼に作品を返したい」とつねに考えており、この思いが物語の原動力となっている。本作は、恋愛要素とSF要素を併せ持つミステリー。過去の後悔と未来の希望をテーマに、タイムループにより同じ時間軸が繰り返し描写されることで、微細な変化の積み重ねによって結果が大きく変わっていく構成となっている。作中では、現代の漫画業界と高校生活という二つの時間軸が存在する世界観が構築されており、漫画業界における編集者と漫画家の関係、連載システムや漫画賞といった具体的な制度に加え、高校のマンガ部を中心とした学校生活と、創作活動に打ち込む青春時代の描写が盛り込まれている。講談社「Kiss」2018年4月号から2021年6月号まで連載。テレビドラマが2025年6月から放送された。

正式名称
世界で一番早い春
ふりがな
せかいでいちばんはやいはる
作者
ジャンル
推理・ミステリー
 
恋愛
レーベル
KC KISS(講談社)
巻数
全5巻完結
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作品の概要

基本情報

川端志季が『僕のオリオン』と、2作同時連載を行った作品。

要旨と舞台設定

現代日本を舞台に、26歳の女性漫画家、真帆がタイムスリップによって二つの時代を行き来し、過去の運命に抗いながら未来を改変していく物語。

ストーリー展開

とあるきっかけで10年前の高校生時代にタイムスリップした真帆は、同級生にして未来の担当編集者となる嵐と共に、過去では病死した先輩の雪嶋を救うために奔走する。高校生の時、漫画部部員だった真帆は、卒業後漫画家となって大ヒットを飛ばし漫画賞を受賞するものの、その作品の原作者は高校時代に亡くなった雪嶋だった。真帆自身は「本当は雪嶋先輩に描いてほしかった」「できるなら彼に作品を返したい」とつねに考えており、この思いが物語の原動力となっている。タイムスリップを繰り返す中で、真帆は過去と現在のあいだで揺れ動きながら、自身の成長と向き合うことになる。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、恋愛要素とSF要素を併せ持つミステリー。過去の後悔と未来の希望をテーマに、タイムスリップという設定を用いて、運命の改変や人間関係の変化が描かれる。真帆が雪嶋の死の運命を変えるために奔走する中で、彼の真相や設定ノートに隠された秘密が段階的に明かされていく。

作品固有の表現技法と特徴

物語は、タイムループによって同じ時間軸が繰り返し描写され、微細な変化の積み重ねによって結果が大きく変わっていく構成となっている。漫画制作という創作活動を通して、オリジナリティと継承というテーマを具体的に描写している。また、過去と現在の対比により、登場人物の成長と変化を際立たせる演出が用いられている。

世界観の構築と設定

作中では、現代の漫画業界と高校生活という二つの時間軸が存在する世界観が構築されている。現代においては漫画業界における編集者と漫画家の関係、連載システムや漫画賞といった具体的な制度が描かれ、高校時代では、漫画部を中心とした学校生活と、創作活動に打ち込む青春時代の描写が盛り込まれている。タイムスリップのメカニズムや条件についても、物語の進行に合わせて段階的に明かされる構造となっている。

連載状況

講談社「Kiss」2018年4月号から2021年6月号まで連載。

メディアミックス情報

テレビドラマ

2025年6月から8月までMBS「ドラマ特区」枠にて放送。晴田真帆を吉田美月喜、雪嶋周を藤原樹が演じる。

雪嶋周を救うために奔走する人々

真帆は高校時代に尊敬していた漫画部の部長、周の死をきっかけに、彼の妹である紗香から周が遺した設定ノートを受け取る。そのノートを基に描いた作品は大ヒットを記録するが、作品を完結させたあとはスランプに陥り、担当編集の嵐景政に「何も描けない」と手紙を送る。そんなある日、真帆は足を滑らせて高校時代にタイムスリップしてしまう。彼女は未来の記憶を活かして周を救おうと試みるが、周が死ぬと同時に同じ日時に戻るタイムループを繰り返すようになる。最初は一人で行動していた真帆だったが、やがて同じくタイムスリップを経験する人物がいることを知り、彼らと協力しながらタイムスリップの原因と共に、周を救う方法を模索し始める。

設定ノートがタイムスリップの鍵を握る

真帆をはじめとするタイムスリップを繰り返す人々には、共通の特徴が存在する。それは雪嶋周が遺した設定ノートを読んだことがあるということ。それまでタイムループを経験していなかった景政も、真帆が2度目のタイムループをした際にこの設定ノートを読み、タイムスリップするようになる。しかし、タイムスリップの原因は依然として不明で、真帆たちは互いに情報を共有しながら、事態の真相解明に乗り出す。

周の妹・紗香は何者なのか

周の妹、紗香は、真帆のアシスタントとして長年活動してきたが、二人のタイムスリップの回数には違いがある。紗香が真帆のアシスタントを務めていたのは、彼女にとって6回目のタイムスリップ時のみである。このタイムスリップの中で、紗香は真帆とタイムスリップの秘密を共有した直後、数十年分の時間を異なる次元で過ごすという過酷な経験をしていた。周のことを話す際、紗香は時おり表情を曇らせることがあり、これに対して真帆の協力者である景政は、紗香がなんらかの秘密を抱えているのではないかと疑念を抱くようになる。

登場人物・キャラクター

晴田 真帆 (はるた まほろ)

少女漫画家の女性。高校時代に漫画部の部長だった周が亡くなり、周が遺した漫画の設定ノートを基に売れっ子漫画家になったが、連載終了後は創作活動に行き詰まっている。そんなある日、足を滑らせて高校生時代にタイムスリップし、真帆は周の病気の進行を阻止するため、未来の記憶を活用して行動を起こす。真帆は担当編集者であり元同級生だった景政にタイムスリップのことを打ち明け、共に行動するようになる。さらに、周囲の人々もタイムスリップを繰り返していることが判明し、周の妹である紗香や漫画家仲間のゴリラ丸男と共に、タイムループから抜け出して周を救うために奔走する。

嵐 景政 (あらし かげまさ)

真帆の担当編集者の男性。高校時代は特進クラスに所属し、生徒会副会長を務めていた。兄が意識不明の重体となった交通事故の原因を作ったことに罪悪感を持っている。また、義姉が初恋の相手であり、彼女の勧めで小説家を目指すようになった。真帆からタイムスリップの話を聞いた際には疑念を抱いていたが、周の設定ノートを読んで以降、景政自身もタイムスリップを経験し、真帆に協力するようになる。そして、周の妹である紗香の言動に矛盾を感じ、彼女の情報に対して疑いを持つようになる。

書誌情報

世界で一番早い春 全5巻 講談社〈KC KISS〉

第1巻

(2018-10-12発行、978-4065135174)

第2巻

(2019-09-01発行、978-4065170441)

第3巻

(2020-05-01発行、978-4065195772)

第4巻

(2021-02-12発行、978-4065222485)

第5巻

(2021-06-11発行、978-4065236888)

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