中村橋動物病院の犬

中村橋動物病院の犬

犬の生まれ変わりではないかという青年と、その恋、かつての飼い主との再会などが描かれる、心温まるロマンチック・ファンタジー。

正式名称
中村橋動物病院の犬
ふりがな
なかむらばしどうぶつびょういんのいぬ
作者
ジャンル
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概要・あらすじ

獣医を目指して獣医学部に通う原田太郎は、ハンサムな好青年だがとても犬っぽい。やたらに鼻が利いたり、動物と話せるだけでなく、電柱の臭いをチェックしてオシッコをかけてナワバリを主張するほど。同じ学部に通う中村橋かずみは、しだいにそんな太郎が気になる存在になっていく。一方、中村橋動物病院を経営している獣医でかずみの父でもある中村橋先生は、出会った太郎に言い知れぬ懐かしさを感じる。

太郎も中村橋先生に初めて会ったとは思えない親近感を感じていた。やがて、中村橋先生は太郎が21年前に手術をしたが命を救えなかった犬の生まれ変わりではないかという考えを強めていく。

登場人物・キャラクター

原田 太郎 (はらだ たろう)

獣医学部に通う大学1年生で、3浪しているので21歳。ロンゲに茶髪の一見さわやかな好青年だが、彼女いない歴21年。仕草が犬っぽく、なんでもすぐに臭いを嗅ぐ癖があり、鼻が利く。考えごとをする時は犬のおすわりポーズで舌を出し、起きたら犬のように四つん這いで伸びをし、シャワーの後は体をぶるぶる振るって水気を飛ばす、など行動がほとんど犬。 動物の気持ちが理解できすぐに仲良くなれるが、猫からは嫌われており、車を恐れている。これらの体質については、自分でも不思議に思っている。長野の実家に両親と兄がいる。

中村橋 かずみ (なかむらばし かずみ)

原田太郎と同じ獣医学部に通い、獣医を目指す女の子。獣医の父と母との3人暮らしで、「小夏」という名の小型犬を家の中で飼っている。ペットハウスでアルバイトをしており、ミスをして泣くことも。最初は太郎のことを変わった人程度としか思っていなかったが、次第に心を惹かれていく。

中村橋先生 (なかむらばしせんせい)

中村橋かずみの父親で、中村橋動物病院を経営している獣医。眼鏡に口髭のダンディなおじさん。娘を通じて知り合った原田太郎が、21年前に手術で助けられなかったベルジアンタービュレンの生まれ変わりではないかという考えを強めていく。普段はダンディで優しいパパなのだが、太郎のことになると子供のようにハイテンションになる可愛いひと。

中村橋かずみの母 (なかむらばしかずみのはは)

中村橋かずみの母親で、中村橋先生の妻。夫の経営する中村橋動物病院を手伝っている。常識人で、原田太郎が犬の生まれ変わりではないかとすぐにハイテンションになる夫を、呆れながらも優しく見守っている。

大森 (おおもり)

原田太郎と同じ獣医学部に通う男子。同学年だが、3浪して年上の太郎のことを「原田さん」と呼び、敬語で話す。一言多いため、太郎や石崎りつこに軽く殴られることもしばしば。よく女にフラれている。

石崎 りつこ (いしざき りつこ)

獣医学部に通う女の子で中村橋かずみの友達。ストレートな長髪の明るい子。校内では、かずみ、原田太郎、大森の4人で行動することも多い。かずみの太郎への思いを知ってからは、2人の仲を熱心にサポートしてくれる。

柳森 ミキ (やなぎもり みき)

獣医学部の先輩で、派手でセクシーな女性。長い黒髪を後ろでまとめており、校内ではいつも白衣姿。自分の美貌に自信を持っており、それを隠そうとはしない。中村橋先生が大学で行った特別講義に参加していたため、顔見知り。

冴木 (さえき)

獣医学部の4年生で、柳森ミキの後輩。ミキと同じ研究室に在籍し、獣医を目指している。犬についての知識も豊富で、原田太郎たちにベルジアンタービュレンの解説をした。太郎には上から目線の高圧的な物言いをするが根はいい人。

青木 薫 (あおき かおる)

原田太郎が街でぶつかって知り合った26歳の美女。「ローラ」という名の「ベルジアンタービュレン」を飼っている。新宿にあるデパートの化粧品売り場で働いており、鎌倉にある家から通勤している。

真矢子 (まやこ)

青木薫と同じ化粧品売り場で働く女性。ショートカットの派手な美人。ちゃっかりした性格で、商売も上手。銀座の画廊にベルジアンタービュレンの絵が飾られているのを見つけ、薫に連絡して教えてあげた。

大山医師 (おおやませんせい)

中村橋先生の獣医の師匠。恰幅のいい老年男性。いまは派手なアロハシャツを着ている。中村橋先生が若い頃、大山医師とともに交通事故に遭ったタローの手術をした。久しぶりに訪ねてきた中村橋先生にタローが身に着けていたペンダントを手渡す。

岩下 咲穂 (いわした さきほ)

ベルギー在住の日本人画家。26歳のショートカットの女性で青木薫とは知り合い。5歳までは日本にいて、その時にベルジアンタービュレンのタローを飼っていた。その後、父の仕事の関係で両親とともにベルギーへ移住することになり、タローとは生き別れた。

タロー

21年前、岩下咲穂に飼われていたベルジアンタービュレン。咲穂が5歳の頃にベルギーに移住した際、タローは日本に残され生き別れとなった。その後、車にはねられ、若い頃の中村橋先生に手当てされたが、手術の1週間後に死亡した。

ジロー

原田太郎が通う獣医大学に捨てられたダルメシアンのオス。太郎に引き取られて、一緒に暮らすことになる。ただし、太郎の棲むマンションはペット禁止のため、大学で太郎と一緒に寝たり、こっそり太郎の部屋で過ごしている。

フィリップ

岩下咲穂の恋人のベルギー人。ショートカットの金髪で体も声もデカい。童話作家をしていて、咲穂がその本の挿絵を描いたこともある。咲穂とタローの話を聞いて涙を流した優しい心の持ち主。咲穂を迎えに初めて日本を訪れた。

垣見 隆志 (かきみ たかし)

中村橋動物病院で助手を務めることになった獣医の青年。H大出身の29歳。「コタロウ」という名のチワワを飼っている。原田太郎と同じく犬と話すことができる。誰からも好かれる好青年で女性からもモテモテだが、いい人どまりで彼女はいない。

その他キーワード

ベルジアンタービュレン

ベルギーの牧羊犬四種のうちの一種。タービュレン村の出身で、オスは体高60~65cm、体重25kg程度、メスはオスよりひとまわり小さい。体毛が長く、胸部の長毛が特徴。仲間意識は強く、飼い主に対する忠誠心も強い。

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