ミラクルボール

ミラクルボール

天才的に野球がうまい孤高の中学生、宮本不滅が、廃部寸前の弱小野球部で奇跡を起こしていく。数々の困難を乗り越えながら、プロ野球選手になるという夢に向かって奮闘する不滅の、情熱的な日々を描いたスポ根漫画。「月刊コロコロコミック」2004年12月号から2009年3月号にかけて連載された。

正式名称
ミラクルボール
ふりがな
みらくるぼーる
作者
ジャンル
野球
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あらすじ

宮本不滅の入部(第1巻)

打っても投げても天才的な野球センスを発揮する宮本不滅は、プロ野球選手になるという夢を叶えるため、名門野球部に入部しようと、武蔵丸第三中に転校した。しかし、名門野球部と名高かったのは武蔵丸第一中であり、不滅が転校した武蔵丸第三中にあるのは、不良がたむろし、部員数が足りないために廃部を迫られている弱小野球部だった。自分の間違いに気づいた不滅は入部をやめようとするが、運動センスがゼロであるにもかかわらず、同じ夢を持つ佐々木球次郎の熱い説得を受けて入部を決意。これにより、武蔵丸第三中野球部の廃部は一旦免れた。だが、野球部を毛嫌いする校長の川上克也から、野球部存続の条件として新たに地区大会優勝を提示されてしまう。

校内野球大会1回戦(第1巻)

地区大会へ出場するためには、クラスごとに組んだ野球チームと野球部が対戦する武蔵丸第三中校内野球大会で、優勝しなければならない。野球部は1回戦で2年A組と対戦するが、プレイボール直後、マウンドに立つ宮本不滅のもとに、育ての親である祖父、宮本茂雄が入院先の病院で倒れたという情報が入る。不滅は試合を抜け出し、病院へ向かうが、そこで見たのは、すでに息を引き取っていた祖父の姿だった。不滅は悲しみのあまり、試合はもとより野球をも捨ててしまおうとする。しかし、祖父を看取った看護師から、「今日の試合、絶対に勝て」という祖父の遺言を聞かされた不滅は試合に戻り、号泣したままバッターボックスに立つ。涙で前が見えない不滅はバッティングに苦戦するが、祖父との練習用に使っていたにっこりボールが彼を救う。

校内野球大会2回戦(第1巻~第3巻)

校内野球大会の2回戦で、武蔵丸第三中野球部は、スポーツ万能で、成績優秀、そして家が大金持ちという江夏塁が率いる2年D組と対戦する。塁の切れ味鋭い変化球には宮本不滅すらも苦戦し、さらに野球部の広岡栗男が、実は稲尾幽介が操作するロボットであるとばれてしまう。その直後、塁は不滅に絶望感を与えるため、わざと栗男にデッドボールを当てて故障させる。野球部は壊れた栗男をレフトに置き、不利な状況に苦しみながら戦う。その打開策として、キャッチャーの北別府猛は、不滅に誰も捕球できない本気の豪速球を要求。ミットではなく、体で不滅の投球を受け続ける。猛の体を犠牲にしたプレイにより野球部は勢いを取り戻し、さらに故障した栗男が自立ロボットとして奇跡的に復活するのだった。

校内野球大会決勝戦(第3巻~第5巻)

校内野球大会の2回戦終了後、武蔵丸第三中野球部の前に現れた天使によって、実は幽霊であった稲尾幽介が天に召される。だが、武蔵丸第三中野球部の情熱に心を動かされていた天使は天の掟に逆らい、稲尾とロボットの広岡栗男を合体させ、稲尾栗男という一人の人間を誕生させるのだった。この行為により天界を追放された天使は、星野天馬を名乗り、野球部員として人間界で修行するようになる。そんな新メンバーを加えた武蔵丸第三中野球部が迎える決勝戦の相手は、3年B組に沢村飛鳥率いるエリート集団、勝者の会の6人が加わった強敵チーム。宮本不滅荒木竜太はさまざまな苦難に見舞われながらも、仲間達と共に奮闘する。一方、「天才」と謳われた飛鳥も、父親がプロ野球選手であるがゆえに、幼少時から苦しみを抱えていた。

東京ゼブラスターズ特別入団テスト1次テスト(第5巻~第6巻)

暑い夏にもかかわらずに猛練習をする宮本不滅佐々木球次郎は、アイスキャンディの棒に応募要項が書かれていた東京ゼブラスターズ特別入団テストを受験する。しかし実際に受験してみると、不合格となった者は同社の工場で一生強制労働させられる、という悪質な入団テストだと判明する。1次テストの内容は、3メートル離れた場所からぬいぐるみにボールを投げ当てるというもの。シンプルではあるが、あまりのプレッシャーにより、失格者が続出。そんな中、不滅達が試験前に偶然出会っていた自称「野球人」の中畑佐助や、野球を金儲けの手段と断言する落合乱など、優れた選手は楽々と合格。不滅も無事に合格を果たす中、残る受験者は運動音痴の球次郎のみとなる。

東京ゼブラスターズ特別入団テスト2次テスト(第6巻)

1次テスト合格者18名で行う2次テストは、二人一組となり、深く広い谷のように割れた床を挟み、500球のキャッチボールを行うというもの。宮本不滅落合乱のコンビは、不慮の事態に陥りながらも、乱の超人的な運動神経と病気の母親の治療費を稼ぐための執念により、窮地を凌いで合格を果たす。また、こっそり受験していた星野天馬佐々木球次郎のコンビも、苦しみながらも合格する。

東京ゼブラスターズ特別入団テスト3次テスト(第6巻~第7巻)

2次テストの合格者12人で行う3次テストは、バッターとピッチャーが対戦する、ホームランを打つか打たれるかの勝負。ホームランも三振もなかった場合は、両者不合格となる。男子に変装して受験していた武蔵丸第三中の女子野球部員、新浦ひろみは、持ち前の運動神経を発揮し、見事に合格を果たす。謎の男から金を受け取り、わざと暴投ばかりする元木と対戦した宮本不滅も、その逆境に見事打ち勝ち、合格を果たす。そんな中、第三中で残るのは星野天馬、そして類い稀な野球センスを持つ落合乱と対戦する佐々木球次郎のみとなる。

東京ゼブラスターズ特別入団テスト最終テスト(第7巻~第8巻)

3次テストの合格者6人で行う最終テストは、東京ゼブラスターズの代表としてテストを取り仕切りながらも、超一流ピッチャーのような投球をする権藤株造と勝負する事。しかしお面をかぶり、鈴木という偽名で密かに受験をしていた江夏塁の手により、株造が実は東京ゼブラスターズのエースピッチャー、梅坂大輔であると判明する。そして梅坂の口から、毎年最下位に甘んじるチームを強化するために、独断でテストを開催していたと告白されると、チームを所有する江夏コンツェルンの御曹司である塁は、テストの中止を宣言する。不合格で工場送りとなっていた受験生達が喜ぶ中、宮本不滅は勝負の続行を希望。突如その場に現れた江夏コンツェルン会長の江夏連三郎はそれを受け入れ、不滅と落合乱は、合格すれば実際にプロ契約と契約金が約束される梅坂との勝負に挑む。

地区大会1回戦(第8巻)

武蔵丸第三中野球部存続をかけた地区大会の1回戦は、入院している妹の病状が急変したために、北別府猛が病院へ向かったため、メンバー不足により失格の危機に見舞われる。だが、そこに東京ゼブラスターズ特別入団テスト鈴木と同じお面をかぶった少年が登場し、猛の代理で出場する。試合は宮本不滅が好投するが、仲間のエラーが重なり、部員60人を擁する朝潮中相手に苦戦。しかし9回に不滅が二塁打を放ち、打順はお面をかぶった少年に回ってくる。そこにお面をかぶった少年の正体だと思われていた江夏塁が、武蔵丸第三中野球部のベンチに、応援のため姿を現す。

地区大会2回戦(第8巻~第10巻)

武蔵丸第三中野球部の2回戦の対戦校は、メンバー全員が勝者の会に入れ替わった柏戸学園。そのメンバーの中には、福本右京の弟である福本左京も含まれていた。試合では、兄とは違ってスポーツも勉強も優秀な左京が、柏戸学園の先発ピッチャーを務め、武蔵丸第三中野球部を翻弄。さらにはその存続がかかった勝者の会も、佐々木球次郎の配球メモを盗み見るなど、卑怯な手段をためらわず使い、第三中を攻め立てる。一方、宮本不滅は一回り成長した沢村飛鳥を相手に、絶対誰にも打てない不滅ボールを披露する。しかし、1日に1回しか投げられない不滅ボールを再び投げたために、天国に召されてしまう。しかし、天国の祖父、宮本茂雄と、地球で修行中の星野天馬の願いが神様に聞き入られ、不滅は、神様からホームランを打てば人間界に生還できる、という勝負に挑戦。無事挑戦に成功した不滅の生還後は、6回に佐々木球次郎の点差が1点に迫る満塁ホームランによって、左京は降板、飛鳥がマウンドに立つ。だが、飛鳥の腕は実は故障しており、このまま続投し続ければ、一生ボールを投げられなくなるような状態にあった。

地区大会準決勝(第11巻)

武蔵丸第三中野球部の準決勝の対戦校は、アメリカ人の血を引く名ピッチャーのデービス・翔を擁する旭国中。翔の豪速球は日本人にとっては規格外の球速で、翔がわざと宮本不滅の打ち慣れたにっこりボールで投球しても、不滅が見逃しの三振をしてしまうほどである。それに対し、武蔵丸第三中野球部は、際どい内角攻めをする翔のボールを逃げずに、デッドボールを狙う「サムライ魂」を軸に対抗していく。ピッチングが思うようにならないため苛立つ翔は、ただ日本人であるという理由だけでチームメイトを愚弄。そこに翔の父親でプロ野球選手のリチャード・デービスが姿を現し、翔を叱責する。翔は、幼少時に日本人の母親が自分を見捨てて帰国したと考え、日本人を憎んでいた。しかし、それはリチャードが幼い翔を思って言った噓で、実際は母親は病気で亡くなっていたのだった。真実を知った翔は亡き母親のために、そして今まで無礼を働きながらも、責めずに自分を応援してくれたチームメイトのために奮闘する。

地区大会決勝戦(第12巻)

武蔵丸第三中野球部の決勝戦の対戦校は、準決勝で中畑佐助擁する高見山中に圧勝した全国一の強豪校、武蔵丸第一中。苦戦を覚悟していた武蔵丸第三中野球部だが、蓋を開けてみれば、6回表の時点で7対1とリードする意外な展開となった。さらに満塁のチャンスで宮本不滅に打順が回り、勝利を確実にするかと思われた。だが、そこでエースで4番の尾崎永遠をはじめとした第一中メンバーは、錘入りの野球具を脱ぎ捨て、通常の野球具を装備し直す。彼らは今まで錘入りの野球具で地区大会を練習代わりにしていたのだ。以降、永遠の投球は想像を絶する豪速球で、彼が打席に立てば、不滅ボールでさえも場外ホームランにしてしまう。第一中に逆転され、敗色が濃厚になる第三中だが、野球部で最も運動センスがなかった佐々木球次郎が放つ起死回生のヒットから逆襲劇が始まる。そしてついに9回ツーアウト、1点差の場面で不滅に打順が回る。過去の苦い経験が原因で野球部を憎む校長の川上克也の妨害にも負けず、不滅は、亡き祖父や、共に戦う仲間への思いを込め、永遠が投げたボールを外野席に向けて打ち返すのだった。

登場人物・キャラクター

宮本 不滅 (みやもと ふめつ)

武蔵丸第三中野球部に所属する中学1年生の男子。ポジションはピッチャー、打順は3番もしくは4番で、背番号は1。中学生とは思えない豪速球や変化球を投げ、また制球力も高い。バッターとしても中学生離れした打撃力を誇り、ホームランを連発する。5歳の頃に両親を交通事故で亡くしており、その頃に唯一興味を持ったのが野球であり、以来、祖父の宮本茂雄に教え込まれた。 当時、祖父が笑顔を描いた練習用のボールを「にっこりボール」と呼び、中学生になった今も、リュックサックに大量に持ち歩いている。のちに、魔球、不滅ボールを修得するが、この球は1日に1回しか投げられない。弱き者に優しく、道義に反する事は許さず、どんな逆境であっても絶対に諦めない強い心の持ち主。 つねに野球帽をかぶり、鼻には絆創膏を貼っており、力強い眼差しをしている。血液型は0型、星座は獅子座。好きな科目は体育で、嫌いな科目は数学。肉まんが大好物で、趣味は寝る事。好きな言葉は「あきらめない」。夢は祖父と約束した、プロ野球選手になる事。

佐々木 球次郎 (ささき きゅうじろう)

武蔵丸第三中野球部に所属する中学1年生の男子。ポジションはライト、打順は9番で、背番号は9。のちにポジションがキャッチャーとなり、背番号も2になる。勉強は苦手で、さらに運動も苦手であるにもかかわらず、プロ野球選手になるという夢を諦められず、未経験ながら野球部に入部した。同級生に対しても敬語で話す、いじめられっ子の泣き虫。 しかし、どんな困難にも立ち向かう宮本不滅を見ているうちに勇気づけられ、共に野球部の再建に尽力する。体は小柄で、眼鏡をかけている。血液型はA型、星座は魚座。ハンバーグが大好物で、趣味はフィギュア集め。好きな言葉は「友情」。なお、好きな科目は一つもない。

荒木 竜太 (あらき りゅうた)

武蔵丸第三中野球部に所属する中学2年生の男子。キャプテンを務めている。ポジションはショート、打順は3番もしくは4番で、背番号は6。宮本不滅が転校して来る前から在部していた不良の部員で、不滅と同じ時期に入部した佐々木球次郎をいじめていた。小学生時代は有名な野球少年で、地元の少年野球チームに所属していた。 しかし、チームを強くしようと、厳しい練習をチームメイトに強制したために、反感を買い、チームを追い出された。中学生ながらも、髪を脱色して耳にピアスを付けている。血液型はA型、星座は射手座。好きな科目は数学で、過去を振り返らない性格なので歴史が嫌い。チーズバーガーが大好物で、趣味はアクセサリー集め。嫌いな言葉は「萌え」。夢はF-1レーサーになる事。

福本 右京 (ふくもと うきょう)

武蔵丸第三中野球部に所属する中学2年生の男子。ポジションはファースト、打順は1番で、背番号は3。のちにポジションがライトとなり、背番号も9になる。同学年でキャプテンの荒木竜太を崇拝しており、いつもそのあとをついて回っている不良少年。荒木竜太と共に佐々木球次郎をいじめており、非常に口うるさい細かい性格をしている。 ファーストを務める以前には、外野手の経験もある。血液型はB型、星座は山羊座。好きな科目は体育で、嫌いな科目は国語。エビフライが大好物で、趣味はゲーセン通い。好きな言葉は「ちょい不良(ワル)」。夢は「荒木さんと同じ仕事に就く」事。

北別府 猛 (きたべっぷ たけし)

武蔵丸第三中野球部に所属する中学2年生の男子。ポジションはキャッチャー、打順は5番で、背番号は2。のちにポジションがファーストとなり、背番号も3になる。福本右京と同じく、同学年でキャプテンの荒木竜太の手下で、佐々木球次郎をいじめている。しかし、ほかの不良に喧嘩が起きた際は、自分を犠牲にして仲間を守り、体が不自由な妹の北別府みさきを大切にする、優しい心を合わせ持つ。 ヘルメットが頭に入りきらないほどの巨体の持ち主で、筋力だけはすでにプロ野球選手並み。血液型はO型、星座は牡牛座。好きな科目は技術で、嫌いな科目は音楽。肉が大好物で、趣味はガーデニング。好きな言葉は「明日は明日の風が吹く」。夢はコックになる事。

新浦 ひろみ (にうら ひとみ)

武蔵丸第三中野球部に所属する中学1年生の女子。ポジションはセカンド、打順は6番で、背番号は4。女子部員でありながらも、男子チームでレギュラーを務める。いつも携帯電話をいじり、ファッションにも目がない今どきな女子だが、野球部随一の運動神経を誇る。本来は右利きであるにもかかわらず、野球をする際は「かっこいい」という理由で左手を使っていた。 自称「野球部のキューティーアイドル」。血液型はB型、星座は蠍座。好きな科目は音楽と理科で、嫌いな科目は数学と英語。イタリア料理が大好物で、趣味はケータイ集め。好きな言葉は「トリートメント」。夢はかわいいお嫁さんになる事。

田淵 忍 (たぶち しのぶ)

武蔵丸第三中野球部に所属する中学2年生の男子。ポジションはサードで、打順は2番で、背番号は5。忍者の子孫であり、それ故に足がとても速い。忍法を駆使した派手かつ面白いプレイを見せる。ユニフォームの下には、黒装束と鎖帷子(くさりかたびら)を身につけている。日々、町内のパトロールにも参加している。血液型はA型、星座は天秤座。 好きな科目は歴史で、嫌いな科目は音楽。シャケの西京焼きが大好物で、趣味は盆栽。好きな言葉は「忍耐」。夢は世界忍者トーナメントで優勝する事。

稲尾 幽介 (いなお ゆうすけ)

武蔵丸第三中野球部に所属する中学1年生の男子。ポジションはセンター、背番号は8。性格が暗く、ほかの部員から名前を忘れられるほど目立たない存在。ロボット研究家の両親は、幽介が幼い頃に研究所で起きた事故で亡くしている。ただし、実は彼自身もその事故で死亡しており、野球を続けたいという強い想いによって、この世に踏みとどまっている。 血液型はAB型、星座は山羊座。好きな科目は理科で、嫌いな科目は体育。天ぷらそばが大好物で、趣味はプラモデル作り。好きな言葉は「仲間」。夢は広岡栗男といっしょにずっと野球をする事。

広岡 栗男 (ひろおか くりお)

武蔵丸第三中野球部に所属する1年生の男子。ポジションはレフト、背番号は7。いつも人間らしからぬ笑顔を浮かべている選手だが、校内野球大会で江夏塁による故意のデッドボールを受けた際、実は稲尾幽介が操作するロボットだとばれてしまう。デッドボールを受けて一度は動かなくなった。しかし、その衝撃のおかげで、製作者である幽介の両親が死んだ事故の際に停止した自立ロボットとしての機能が蘇り、自分で思考して会話し、野球ができるようになる。 現在は幽介のたった一人の家族として、二人で生活している。星座は双子座。好きな科目は数学で、嫌いな科目は美術。電気が大好物で、趣味は充電。好きな言葉は「電気を大切に」。夢は幽介とずっといっしょにいる事。

天使 (てんし)

本来は死んでいるはずの稲尾幽介を、天国に連れていくためにこの世に降りてきた天使。しかし野球や仲間、そしていっしょに暮らす広岡栗男に強い思いを抱く幽介を見ているうちに、情が移ってしまう。その結果、天界のルールに反し、幽介と栗男の体を合体し、稲尾幽介という一人の人間をこの世に残した。天界の掟を破ったこの行為により、天使自身は力を奪われてしまい、罰としてこの世で人間として修行するようになる。 学生服を着て、首にはヘッドホンをかけ、いつも頭や肩に「ラッキー」という名のフェレットのようなペットを乗せている。

稲尾 栗男 (いなお くりお)

稲尾幽介と広岡栗男が合体した人間。武蔵丸第三中野球部に所属する中学1年生の男子。ポジションはセンター、打順は7番で、背番号は8。ほかの人には天界の力でかつての記憶を変えられ、昔から稲尾栗男としてチームに所属していたとされている。栗のように頭頂部が尖っており、生気のなかった幽介とロボットの栗男からは想像できないような、元気いっぱいの少年である。 また、体の半分が元ロボットなので、試合中の敵チームの様子をよく記憶している。血液型はAB型、星座は蟹座。好きな科目は数学と理科で、嫌いな科目は美術と音楽。栗ごはんが大好物で、趣味は壊れた電化製品を直す事。好きな言葉は「二人三脚」。夢はロボット工学の科学者になる事。

星野 天馬 (ほしの てんま)

人間となった天使の姿で、武蔵丸第三中野球部に所属する中学1年生の男子。ポジションはレフト、打順は8番で、背番号は7。稲尾栗男以外の人には、天界の力でかつての記憶を変えられ、昔からチームに所属していたとされている。名前の由来は、チームメイトから名前を尋ねられた際に、眺めた街に「星野ビル」と「天馬(ペガサス)運送」という看板がたまたまあったから。 頭や肩に乗っている「ラッキー」という名のフェレットに似たペットや、首にかけたヘッドホンは以前のまま残っている。血液型はA型、星座は射手座。好きな科目は音楽で、嫌いな科目は理科。甘口のカレーライスが大好物で、趣味は音楽鑑賞。好きな言葉は「ないしょ話」。夢はもう一度天使の力を取り戻す事。

宮本 茂雄 (みやもと しげお)

宮本不滅の祖父。白髪と白い口髭を蓄えた老人。不滅の両親が交通事故で亡くなって以来、不滅を一人で育てきた。ふさぎ込んでいた幼い不滅が唯一興味を持ったのが野球だったため、長いあいだ彼に野球を教えてきた。しかし、不滅が校内野球大会の最中に、入院先の病院で亡くなってしまう。血液型はO型で、星座は天秤座。好きな科目は、犬小屋作りをはじめとした工作で、嫌いな科目は英語。 肉まんが大好物で、趣味の将棋は天国の神様より強い。好きな言葉は「不滅」。夢はいつか生き返って、もう一度不滅とキャッチボールをする事。

北別府 みさき (きたべっぷ みさき)

北別府猛の妹。黒髪にカチューシャを付けている。体が不自由なために、病院で車椅子生活を送っている。考古学者の両親がいつも海外にいるため、兄の猛に面倒を見てもらっている。不自由な生活を送る毎日ではあるが、明るい性格で、野球に頑張る兄を心から応援している。

川上 克也 (かわかみ かつや)

武蔵丸第三中の校長を務める初老の男性。口髭を蓄え、いつもダブルのスーツを身につけている。不良がたむろしていた野球部を「クズの集まり」と嫌っており、部員が足りないという理由で廃部にしようと考えていた。宮本不滅が入部したあとは、野球部継続の条件として、地区大会での優勝を提示する。なお、野球部を嫌っている真の理由は、かつて自分が同校の野球部員だった時、キャプテンにレギュラー入りを認めてもらえなかったため。 当時のキャプテンは、不滅の祖父、宮本茂雄であった。血液型はA型で、星座は魚座。全教科が好き。うな丼が大好物で、趣味の映画DVD収集は、所有数1万本を超える。好きな言葉は「虎視眈々」。夢は全国に自分の学校をつくる事。

水原 あかね (みずはら あかね)

武蔵丸第三中1年生の女子。佐々木球次郎と同じ小学校出身が縁で、野球部を応援し始める。学校の人気者で、球次郎も密かに憧れている。血液型はA型、星座は水瓶座。好きな科目は国語と美術で、嫌いな科目は理科と社会。チョコレートケーキ、スパゲティ、カルボナーラが大好物で、趣味は読書。好きな言葉は「一所懸命」。夢は女子アナになる事で、特にプロ野球ニュースの司会者に憧れている。

野村 栄子 (のむら えいこ)

武蔵丸第三中1年生の女子。水原あかねの友人で、もともとは野球部を馬鹿にしていたが、あかねと共に試合を観戦するうちに野球にのめり込んでいく。背が高く、明るい色の髪をしている。血液型はA型、星座は蠍座。好きな科目は数学で、嫌いな科目は英語。ストロベリーチョコのクレープが大好物で、趣味は悪口や陰口を含んだおしゃべり。 好きな言葉は「イケメン」。夢はセレブと結婚する事。

岡田 美依 (おかだ みい)

武蔵丸第三中1年生の女子。水原あかねの友人で、もともとは野球部を馬鹿にしていたが、あかねと共に試合を観戦するうちに野球にのめり込んでいく。背が低く、黒い髪を3つの束にまとめている。血液型はB型、星座は天秤座。好きな科目は幕末を中心とした歴史で、嫌いな科目は体育。硬いせんべいが大好物で、趣味は寺巡り。好きな言葉は「温故知新」。 夢は学校の先生になる事。

江夏 塁 (えなつ るい)

武蔵丸第三中2年生の男子。スポーツ万能で、学業は学年でトップの成績をおさめている。父親が大企業の会長を務めている大金持ちで、女子からヒーロー的な扱いを受けている人気者。校内野球大会で2年D組のピッチャーを務め、背番号は5番。アンダースローながらもストレートが速く、またストレートと同じ速さのスライダーも投げられる。 幼少時に草野球での勝負で宮本不滅に負けたため、勝負事にこだわる父親に後継ぎの権利を剥奪された。それ以来不滅を逆恨みし続けていた。校内野球大会で再対決した不滅には、ボールにガムをはりつけるという不正投球をし、跡継ぎとしての座を完全に失った。しかし、本当は心から野球を愛している事を不滅に指摘され、野球への純粋な情熱を取り戻す。 血液型はA型、星座は乙女座。全教科が好き。牛フィレ肉のグラチネプロヴァンス風オレンジソースが大好物で、趣味は乗馬。好きな言葉は「トップ」。夢は父親のような大人物になる事。

江夏 連三郎 (えなつ れんざぶろう)

「江夏コンツェルン」の会長を務める男性。社員の数は10万人、全国のあらゆる会社を束ね、日本経済を牛耳っている。江夏塁の父親でもある。年齢は50歳。「トップになる人間は、勝負に勝ち続けなければならない」と息子に教育している。いつも和服姿で、リムジン車から赤い絨毯が敷かれ、召使いを従えて歩く。宮本不滅を「トップに立つべき男」と評する。 PTA会長も務めている。血液型はA型、星座は蠍座。好きな偉人は織田信長とナポレオン・ボナパルトで、好きな車はロールスロイス。趣味は世界中のワイン集めで、地下室に1万本のコレクションがある。好きな言葉は「質実剛健」。夢は日本の経済力を世界のトップに導く事。

東尾 (ひがしお)

校内野球大会で2年D組のセンターを務めている男子。背番号は8。細身ではあるが、身長は北別府猛と同じくらい高く、腕も長い。バッティングの際は、その長いリーチで外角ギリギリの球もレフトへ引っ張る。いつも丸い目を見開き、感情が読みにくい表情をしている。

(つじ)

校内野球大会で2年D組のキャッチャーを務めている男子。内心は江夏塁のやる事に賛同できずにいるが、塁がボールにガムをはりつけて不正投球をした際には、塁を注意できなかった。その後、塁が野球への純粋な情熱を取り戻したあとは、互いに励まし合う、よきバッテリーになる。

沢村 飛鳥 (さわむら あすか)

勝者の会のリーダーを務める中学2年生の男子。校内野球大会では3年B組のピッチャーを、地区大会では柏戸学園のセカンドを務めている。左投げ左打ちで、打順は校内野球大会では4番、地区大会では3番を任されている。「ダメなヤツがいくら努力しても、天才には勝てない」というのが持論であり、バッターボックスに立つ時もヘルメットをかぶらないほどの自信家である。 ピッチングの際はストレート、カーブ、シュートとどの球種も一級品で、素晴らしいピッチングを見せる。しかし、ストレートと言いつつカーブを投げるなど、勝つためには卑怯な手段も厭わない。また、小学生時代に荒木竜太を少年野球チームから追い出した張本人でもある。髪の毛は明るい色をしており、長身。 地区大会では勝者の会の会長を務める。血液型はA型、星座は蠍座。体育をはじめ全科目が好きだが、朝礼は嫌い。パスタとピザが大好物で、趣味は読書。好きな言葉は「天才」。夢はノーベル賞を取る事、そしてずっと嫌いだった父親、沢村隼人のようなプロ野球選手になる事。

城ノ内 麗 (じょうのうち れい)

勝者の会に所属する中学2年生の男子。校内野球大会では3年B組の、地区大会では柏戸学園のファーストを務めている。打順は校内野球大会では9番、地区大会では1番を任されている。試合中にもかかわらず、頭の上に眼鏡を乗せており、首には長いマフラーを巻き、よく風船ガムを膨らませている。血液型はB型、星座は水瓶座。美術をはじめ全科目が好きだが、遠足は嫌い。 シュークリームとガムが大好物で、趣味はおしゃれ。好きな言葉は「ビューティフル」。夢は現代アートの画家になる事。

森 静一 (もり せいいち)

勝者の会に所属する男子。校内野球大会で3年B組のセカンドを務め、打順は8番を任されている。大きな眼鏡をかけており、必要な事以外はしゃべらない。地味な存在ではあるが、実は勝者の会の会長を務める真のリーダーで、彼の判断一つでメンバーの退会も決められる。また、ピッチングをはじめとした野球の実力も沢村飛鳥を上回る。 血液型はAB型、星座は射手座。好きな科目は特にないが、成績はすべて全国でトップ。好物の食べ物も特になく、栄養のバランスだけを考えて摂取する。無駄な時間を使いたくないがために趣味も特にない。好きな言葉は「完全」。夢は総理大臣になる事。

古葉 遊太 (こば ゆうた)

勝者の会に所属する中学1年生の男子。校内野球大会では3年B組の、地区大会では柏戸学園のショートを務める。打順は校内野球大会では7番、地区大会では2番を任されている。小学生かと間違われるようなあどけない顔で、小柄な体をしている。血液型はB型、星座は山羊座。好きな科目は数学。ハンバーガーが大好物で、趣味はコンピューターゲーム製作。 好きな言葉は「クリア」。夢は世界最大のコンピューター会社を設立する事。

平松 凶二 (ひらまつ きょうじ)

勝者の会に所属する中学2年生の男子。校内野球大会では3年B組の、地区大会では柏戸学園のサードを務める。打順は校内野球大会でも地区大会でも5番を任されている。ボタンを留めずにユニフォームを羽織り、長い髪を伸びるがままにしており、額にバンダナを巻いている。血液型はA型、星座は乙女座。好きな科目は外国語で、8か国語に精通する。 カレーライスが大好物で、趣味は海外旅行。好きな言葉は「I LOVE YOU」。夢は外交官になる事。

門田 大 (かどた まさる)

勝者の会に所属する中学2年生の男子。校内野球大会では3年B組の、地区大会では柏戸学園のキャッチャーを務める。打順は校内野球大会では6番、地区大会では4番を任されている。坊主頭で、「必勝」と書かれた鉢巻を額に巻いている。巨体ながらも、バックネットをよじ登って、キャッチャーフライを捕る身のこなしの軽さもある。 血液型はO型、星座は双子座。好きな科目は国語と日本史。うにをはじめとした寿司が大好物で、趣味は書道。好きな言葉は「和」。夢は大学の教授になる事。

福本 左京 (ふくもと さきょう)

勝者の会に所属する中学2年生の男子。地区大会で柏戸学園の先発ピッチャーを務めるサウスポーで、打順は9番を任されている。福本右京の弟で、外見も瓜二つ。だが、勉強もスポーツも右京とは正反対の優等生である。ストレートが速いだけでなく、変化球も得意で、ナックルボールも投げられる。ただし苛立つと、集中力を欠いた投球をしてしまうのが短所。 血液型はB型、星座は山羊座。好きな科目は数学と社会で、嫌いな科目は美術と音楽。エビフライが大好物で、趣味はシミュレーションTVゲーム。好きな言葉は「攻略」。夢は有名な弁護士になる事。

亀山 満 (かめやま みつる)

校内野球大会で3年B組のレフトを務める男子。打順は1番で、キャプテンを務めている。実際に3年B組の生徒だが、同時に勝者の会にも所属している。地区大会では柏戸学園のセンターを務め、打順は6番を任されている。血液型はAB型、星座は牡牛座。好きな科目は国語と歴史で、嫌いな科目は表向きでは体育としている。あぶりトロをはじめとした寿司が大好物で、趣味は演劇鑑賞。 好きな言葉は「ヒーロー」。夢は世界的な俳優になって、アカデミー賞を受賞する事。

駒田 大五郎 (こまだ だいごろう)

勝者の会に所属する中学2年生の男子。地区大会で柏戸学園のライトを務め、打順は7番を任されている。小太りな体つきで、黒縁眼鏡をかけている。また、帽子からは短い髪の毛が何本も突き出ている。血液型はO型、星座は蠍座。好きな科目は社会で、嫌いな科目は音楽。カツ丼とトンカツが大好物で、趣味の株取引はパソコンで練習中である。 好きな言葉は「GDP(国内総生産)」。夢は政治家で、特に財務大臣になる事を夢見る。

水野 瞬 (みずの しゅん)

勝者の会に所属する中学1年生の男子。地区大会で柏戸学園のレフトを務め、打順は8番を任されている。明るい色の長髪に切れ長の目をしており、とても無口でクールな選手。血液型はA型、星座は乙女座。好きな科目は国語で、嫌いな科目は理科。サプリメントが大好物で、趣味はブランド物を買う事。好きな言葉は「ファッショナブル」。 夢はスーパーモデルになる事で、パリコレを目標としている。

柴田 健介 (しばた けんすけ)

校内野球大会で3年B組のライトを務める男子。打順は2番を任されている。3年B組の生徒であり、勝者の会の会員が混ざったチームの中では特に戦力視されていない。勝者の会の会員とは違って、中学生らしく仲間を応援する。長い鼻、そして丸い目をしている。

淡口 ハジメ (あわぐち はじめ)

校内野球大会で3年B組のセンターを務める男子。打順は3番を任されている。3年B組の生徒であり、勝者の会の会員が混ざったチームの中では特に戦力視されていない。勝者の会の会員とは違って、中学生らしく仲間を応援する。鷲鼻、そしてつり上がった目をしている。

沢村 隼人 (さわむら はやと)

沢村飛鳥の父親で、東京エレファンツに所属するプロ野球選手。努力だけは人の何倍もしているが、一流選手とはとても言い難く、なかなか試合に出られないでいる。飛鳥が小学校1年生の頃、ようやく代打で出場したが、送りバントを決めたあとはベンチに下げられ、その翌日に二軍に降格した。無精髭を生やしており、息子思いの人物。

中畑 佐助 (なかはた さすけ)

高見山中学野球部に所属する中学1年生の男子。「日本一の野球人」を自称し、宮本不滅に匹敵する野球センスを持っている。坊主頭で、額の左の剃り込みには十字型の傷跡がある。着ている服は継ぎ接(は)ぎだらけで、背中には風呂敷を背負っている。話す言葉は関西弁。不滅や佐々木球次郎と共に東京ゼブラスターズ特別入団テストを受験する。 血液型はB型、星座は蟹座。好きな科目は「数の勘定」で、嫌いな科目は音楽。大阪のたこ焼きとお好み焼きが大好物で、趣味は野球ものを中心とした漫画集め。好きな言葉は「日本一!!」。夢はプロ野球引退後にテレビタレントになる事。

権藤 株造 (ごんどう かぶぞう)

シマウマ製菓に所属する31歳の男性。東京ゼブラスターズの全権を持ち、東京ゼブラスターズ特別入団テストを取り仕切っている。いつも笑顔を絶やさないが、心の中はつねに冷徹である。髪は七三分けにし、黒縁眼鏡をかけ、スーツを着ている。しかし、それは変装した姿で、正体は東京ゼブラスターズのピッチャーの梅坂大輔である。 血液型はAB型、星座は天秤座。好きな科目は企業会計と国際経営で、嫌いな科目は文化祭と修学旅行。三つ星レストランのフランス料理が大好物で、趣味はジャズをはじめとした音楽鑑賞。好きな言葉は「利益」。夢は財務大臣になる事。

落合 乱 (おちあい らん)

武蔵丸第一中学野球部に所属する中学1年生の男子。ポジションはセンターを務めている。野球は楽しむものではなく、金儲けの手段と言い切る、いつも無表情の少年。東京ゼブラスターズ特別入団テストを受験する。父親はおらず、かつてソフトボール選手だった優しい母親に野球を教えられて育ったが、その母親は過労のために重い病気に倒れてしまう。 その手術代金5000万円を稼ぐために、プロ野球選手を目指している。血液型はA型、星座は射手座。好きな科目は体育と社会で、嫌いな科目は数学。母親が働いていた店の生姜焼き定食が大好物で、趣味のランニングは1日10キロ以上走る。嫌いな言葉は「仲間」。夢は母親の病気を治す事。

佐藤 (さとう)

東京ゼブラスターズ特別入団テストを受験する中学生。いつも無口で野球帽を目深にかぶり、休憩する時も、一人で壁に寄りかかって体操座りをしている怪しげな人物。その正体は新浦ひろみ。女子ではあるが、プロ野球選手になれば金儲けの手段になると判断した権藤株造によって、受験を認められる。

山倉 (やまくら)

東京ゼブラスターズ特別入団テストを受験する中学生。おかっぱ頭をした少年で、丸いサングラスをかけている。非常に速い球を投げる投手で、3次試験まで進んだ。だが、そこで対戦相手の佐藤こと新浦ひろみにホームランを打たれ、失格してしまう。

鈴木 (すずき)

東京ゼブラスターズ特別入団テストを受験する中学生。お面で素顔を隠した長身長髪の少年であるが、権藤株造の手により、最終テストでその正体が江夏塁だと明かされる。江夏コンツェルンの支配会社であるシマウマ製菓が所有する東京ゼブラスターズが、危険な入団テストを行うとういう情報を耳にし、様子をうかがいに潜入していた。

長谷川 (はせがわ)

東京ゼブラスターズ特別入団テストを受験する中学生。野武士のように結った髪と身なり、そして腰には刀のようにバットを差している少年。一風変わった外見をしているが、非常に正直でまじめな性格をしている。落合乱と同じ小学校の出身で、乱の母親が重い病気であると知っている。

元木 (もとき)

東京ゼブラスターズ特別入団テストを受験する中学生。謎の男から金をもらい、宮本不滅を失格にさせるよう依頼されている少年。特に野球センスがある訳ではなく、そもそもプロ野球選手になるつもりもない。3次試験で不滅と対戦した際、謎の男から支持された通り、わざと暴投してホームランを打たせないようにする。

梅坂 大輔 (うめざか だいすけ)

プロ野球チームの東京ゼブラスターズで、エースピッチャーを務める23歳の男性。本人は超一流の野球選手であるものの、毎年最下位に甘んじるチームを嘆き、野球にすべてを捧げられる選手を発掘するために、東京ゼブラスターズ特別入団テストを一人独断で開催した。好きだった科目は体育と運動会で、嫌いだった科目は数学と自習。ステーキと焼肉が大好物で、趣味はジーンズ集め。 好きな言葉は「直球勝負!!」。夢は東京ゼブラスターズを日本一にする事。

尾崎 永遠 (おざき とわ)

武蔵丸第一中野球部に所属している中学1年生の男子。ポジションはピッチャー、打順は4番で、背番号は1。サイドスローから宮本不滅の不滅ボールに匹敵する豪速球を投げ、バッティングでは小柄な体にもかかわらず、不滅ボールをたやすく場外まで運ぶ。普段は石を満杯に詰め込んだランドセルを背負って、トレーニングをしている。長い髪を前に垂らし、両脇は短く刈り込んだ髪型をしている。 血液型はA型、星座は乙女座。好きな科目は体育で、嫌いな科目は給食。ノンカロリーのコーラが大好物で、趣味のプロ野球生観戦は年間100試合を超える。好きな言葉は「トップ」。夢はメジャーリーガーになる事。

八重樫 (やえがし)

武蔵丸第一中野球部に所属している中学生の男子で、キャプテンを務める。ポジションはキャッチャー。中学生とは思えぬ大きな体は鍛え上げられており、険しい目つきや冷静な言動も、子供らしさをまったく感じさせない。落合乱や尾崎永遠といったエリート選手であっても、彼の指示には素直に従う。

デービス・翔 (でーびすしょう)

旭国中野球部に所属している中学2年生の男子。父親がアメリカ人、母親が日本人のハーフで、金髪の少年。ポジションはピッチャー。類まれな強肩で、地区大会では17連続で三振を取り続けた。アメリカに住んでいた幼少時に、母親の明子が彼を置いて一人で日本に帰国して以降、父子家庭で育った。そのために日本人と日本の野球を毛嫌いしている。 だが実はその母親はアメリカで病気で死んでおり、それを父親が噓で隠していただけであった。血液型はAB型、星座は獅子座。好きな科目は英語で、嫌いな科目は日本史。ホットドッグが大好物で、趣味は愛犬の「スマイル」の散歩。好きな言葉は「アメリカンドリーム」。夢はメジャーリーガーになる事。

リチャード・デービス (りちゃーどでーびす)

プロ野球チームの東京エレファンツに所属しているアメリカ人の男性。かつてメジャーリーグで3度もホームラン王に輝いた名選手で、デービス・翔の父親でもある。とてつもない巨体で、フェンスを片手で粉々にするほどの怪力を誇る。長い金髪をオールバックで後ろに流し、顎鬚を蓄えている。

佐藤 新一 (さとう しんいち)

旭国中野球部に所属する中学3年生の男子で、キャプテンを務める。ポジションはセンター。チーム想いの情熱的な坊主頭の少年。血液型はA型、星座は乙女座。好きな科目は国語で、嫌いな科目は美術と音楽。さんまの塩焼きが大好物で、趣味は将棋と囲碁。好きな言葉は「一日一善」。夢はあたたかい家庭をつくる事。

神様 (かみさま)

小柄な老人のような姿をして、天国で暮らしている。天使に指示を与える存在で、天使が星野天馬となったあとも互いに交信できる。胸に「G」とプリントされた白装束に身を包み、頭頂部と側頭部に残った髪と顎髭も白く、木の杖を持っている。将棋が好きで、よく天国で宮本茂雄と対局している。

山本 浩子 (やまもと ひろこ)

武蔵丸第三中の近所で山本ストアーを営む63歳の女性。いつも宮本不滅に肉まんを売っている。血液型はB型、星座は水瓶座。好きな有名人は高橋英樹とパク・ヨンハ。好きな動物は猫で、「ミケ助」という名の猫を飼っている。江戸っ子で、寿司とそばが大好物。趣味はカラオケ。好きな言葉は「愛」。夢は韓流スターに会いに韓国へ行く事。

集団・組織

勝者の会 (しょうしゃのかい)

頭脳明晰で、スポーツ万能のエリート集団。金さえ積まれれば、どんな弱い部活でも、大会で優勝させたり、テストで高得点を取って学校の偏差値を上げたりと、なんでもやる集団。エリートであるがゆえに同情や友情といった感情はいっさいない。武蔵丸第三中の校内野球大会では、決勝戦に進んだ野球部を潰すために3年B組の選手として出場するよう、校長から依頼された。 また、地区大会では柏戸学園の選手の代理を引き受ける。会員は将来、国を背負うエリートとしての道が約束されており、その勉強のために日本全国のあらゆる施設を無料で利用できる。オーナーは江夏連三郎が務めている。

シマウマ製菓 (しまうませいか)

プロ野球チームの東京ゼブラスターズを所有する会社。主にアイスクリームを製造している。人気商品の「ビッグ野球アイス!!」が低価格である理由は、東京ゼブラスターズ特別入団テストの失格者達がタダ働きで製造しているためとされている。また、親会社は江夏連三郎が会長を務める「江夏コンツェルン」。

場所

武蔵丸第三中 (むさしまるだいさんちゅう)

宮本不滅が、武蔵丸第一中と勘違いして転校してしまった中学校。校舎は3階建てで、広い校庭には野球グランドがある。ただし、肝心の野球部は廃部寸前の弱小チーム。生徒の制服は男子が学ランで、女子がセーラー服。校長は野球部を憎んでいる川上克也が務める。

武蔵丸ビクトリー球場 (むさしまるびくとりーきゅうじょう)

地区大会が行われた球場。武蔵丸第一中が全国中学校野球大会で優勝した記念に建設された。内野外野ともに観客席があり、電光掲示板やナイター設備も整った、プロ野球さながらの球場である。武蔵丸第一中や武蔵丸第三中付近の住宅街の中に立地している。

イベント・出来事

校内野球大会 (こうないやきゅうたいかい)

武蔵丸第三中で、地区大会に出場するチームを決めるトーナメント戦の野球大会。武蔵丸第三中の野球部は、各クラスの生徒で構成されたチームと戦って優勝しなければ、地区大会には出場できない。1年前は3年B組が優勝し、地区大会へと進出した。

東京ゼブラスターズ特別入団テスト (とうきょうぜぶらすたーずとくべつにゅうだんてすと)

中学生向けに開催されるシマウマ製菓主催のプロ野球入団テスト。「ビッグ野球アイス!!」という名のアイスキャンディの当たりの棒に募集要項が書かれており、受験希望者は武蔵丸市高見山町8-5-15第5ビルに集合する。ただし、実際にそこで受験を志願すると、テストの失格者は一生アイスクリーム工場でタダ働きさせられると明かされる。 1次試験は、3メートル離れた場所から机の上のぬいぐるみにボールを一発で当てるテスト。2次試験は、床が割れてできた深く広い谷を挟んで、二人一組のキャッチボールを500球落とさずに続けるテスト。3次試験は、ホームランを打つか三振を取るかのバッター対ピッチャーの戦いで、どちらかが必ず失格になり、どちらも失格になる可能性もあるテストである。

地区大会 (ちくたいかい)

中学野球の全国大会へと続くトーナメント戦の野球大会。毎年、武蔵丸ビクトリー球場で行われる。武蔵丸第三中野球部にとっては、野球部を憎んでいる校長の川上克也の独断により、野球部存続をかけた大会となる。常勝校は武蔵丸第一中である。

その他キーワード

不滅ボール (ふめつぼーる)

宮本不滅が修得した、1日に1球だけしか投げられない、とてつもない豪速球。死んだ祖父の宮本茂雄が、天国で神様に「孫がだれにも打てないような球を投げられるようにしてほしい」と願ったため、1日に1球だけという条件で実現した。だが、1日に2球投げてしまった不滅が天国に召され、生き返る事を賭けた野球勝負で神様に勝った際、そのおまけとして一度寝て起きれば、何度でも投げられるようにしてもらえた。

にっこりボール

宮本茂雄が、孫の宮本不滅に野球を教え込む際に考案した練習用ボール。打てないと嘆く幼い頃の不滅が、ボールをよく見て打つようにするため、マジックペンでボールに笑顔を描いたもの。不滅はそれ以来ずっと不滅ボールを練習に使い、中学生になった今でもリュックサックに大量に持ち歩いている。

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