主婦の生活

主婦の生活

主婦とその姑を中心に日常に起こった出来事をユーモラスに描いたホームドラマ。全3話で「ビッグコミック」1987年12月10号、1988年3月25日号、1988年8月10日号に掲載された。

正式名称
主婦の生活
ふりがな
しゅふのせいかつ
作者
ジャンル
その他ギャグ・コメディ
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あらすじ

第1話 昌代さんのおろし金

主婦の秋野昌代は、家の台所にある「おろし金」で手を怪我し、そのおろし金が台所にあってはならない危険物だと主張する。そのおろし金の歯は、あまりにも鋭利だというのだ。は、よくおろせるし問題ないと反論するのだが、後日姑もそのおろし金で手を負傷し、大騒ぎとなる。昌代は、その無慈悲なまでに鋭利なおろし金を作った製作者に会って、その意図を知りたいと考え、おろし金を買ったデパートへ赴き、仕入れ担当者に製作者の住所を尋ねる。おろし金を作ったのが、中村ヨネという人物であることを突き止めるものの、その製作所はすでに閉鎖されていた。昌代と夫の洋太郎は、中村ヨネとそのおろし金が誕生した経緯について、互いに推論を披露する。

第2話 昌代さんの陽のあたる家

秋野昌代の義父が、築25年を迎えて老朽化した秋野邸の建て替えを提案する。それを受けて昌代は、高校時代の同級生で建築事務所を経営する小島実のもとを訪ね、建築を依頼する。小島が秋野邸のためにデザインした家のミニチュアを披露され、喜ぶ秋野家一同。しかし、昌代が家相を調べたところ、最悪であることが判明する。しかも、小島がデザインしたその家は、汲み取り式のトイレが家の中心にあり、月に一度の汲み取りの際は、バミュームカーの汲み取りホースが家の中をグルリと1周することが判明する。

第3話 昌代さんのカレーライス

秋野昌代との買い物の帰り、道端に落ちているカレールーとタマネギが入ったスーパーの袋を見つける。落とし主もわからないため、家へ持って帰り、それを使ってカレーを作り始める。家にあるホタテや奮発して車エビも投入し、美味しそうなカレーが完成する頃、落とし主である大野と名乗る女性が訪問して来る。仕方なく、完成したカレーをすべてタッパーに入れて、大野に手渡す。自分が追加した具材のほうが多いのにと肩を落とす昌代はすっかり料理を作る気をなくし、その日の秋野家の夕食は寂しいものになってしまう。しかし後日、犬の散歩をしていた昌代は、食材の入った袋をわざと道端に落とす大野の姿を発見し、隠れて様子を見守る。大野は食材を拾った人が家に持ち帰って具材を追加し、料理が完成したところに落とし主として現れ、料理を手に入れるという手口を繰り返していたのだった。

登場人物・キャラクター

秋野 昌代 (あきの まさよ)

主婦をしている女性。ショートカットの髪型で、瞳の大きな、きりりとした美人。子供はまだおらず、夫の洋太郎とその両親とともに一戸建てで暮らしている。炊事に掃除と家事に忙しいが、姑ともうまくいっている。使っていたおろし金があまりに鋭利すぎるということで、どのような意図があってそこまで鋭利に作ったのか、製造者を探して直接問いただそうとするほど、行動力がある。 旧姓は「細川」。

洋太郎

秋野昌代の夫。会社勤めのサラリーマン。スマートな体型で役者のようなハンサムな顔立ちをしている。子供はまだいないが妻との関係は良好で、2人で外で食事することもある。妻が気にしている、とあるおろし金が鋭利すぎる理由について、仕事中に会社から自分なりの推論を妻にFAXするほど、付き合いもいい。

(しゅうと)

洋太郎の母親で、秋野昌代にとって姑にあたる。玉ねぎのような古風な髪型で、和服姿、台所では割烹着を着ている。昌代のことは「昌代さん」と呼び、昌代からは「お義母さま」と呼ばれている。主婦である昌代とは一緒に過ごす時間が多いが、一緒に買い物にいったり、料理をしたりと関係は良好。

直助

秋野昌代の家で飼われている犬。大型犬のオスで、庭にある犬小屋につながれている。エサを持って来た昌代からお手をするよう言われた際、お手をするつもりだったらしいが、昌代の頬を思い切り張り倒し、頬に巨大な手形をつけてしまった。家を建て直す際、家相が悪いことを発見した昌代から命令され、その詳細を家族に説明した。その際は「直助でございます わんわん」と言って、人の言葉を話していたが、次の話では、昌代が作っているカレーの匂いがいつもと違うことや、カレーはなるべく手作りで作ってほしいということを、くおーんくおーんと鳴きながら、身振り手振りで昌代に伝えた。

洋太郎の父

「第2話 昌代さんの陽のあたる家」に登場する。洋太郎の父親。ソラマメのような頭の形をしている小柄な老人。築25年になり、間取りも狭く、あちこち老朽化してきた秋野邸を二世帯住宅として新築しようと家族に提案する。

小島 実

「第2話 昌代さんの陽のあたる家」に登場する。小島設計事務所を経営する若手建築家。少しぽっちゃりとした体型の瞳の大きな男性で、秋野昌代の高校時代の同級生。その縁から、新築することになった秋野邸の建築を依頼される。まだ若手であることから洋太郎や洋太郎の父は小島実に頼むことに不安を見せていたが、建築家としての腕前は確かであり、小島が実際に建築した家を見たことで、2人も納得して小島に依頼することになる。 実は高校時代に昌代に思いを寄せていた。

立石

「第2話 昌代さんの陽のあたる家」に登場する。秋野昌代の家の近所に住む女性。頬骨の出た不細工な顔で、髪をオールバックにして額を全開にし、チリチリのパーマをかけている。最近家を新築したばかりで、家を新築することになった昌代から参考のために家を見せてほしいと頼まれる。実際に建てて住んでみると、さまざまな問題点があることを昌代に伝え、デザインやインテリアばかりに気をとられないように忠告した。

大野

「第3話 昌代さんのカレーライス」に登場する。秋野昌代の家の周辺に住む女性。猫のような細い目で、ボサボサの髪をしており、小柄な体型をしている。昌代が拾ったカレーのルーとタマネギの入ったスーパーのビニール袋の落とし主だと、昌代の家を訪ねて来る。昌代はその拾ったカレールーとタマネギに自宅のさまざまな食材を加えてカレーを作っていたのだが、それをすべてタッパーに入れて、落とし主である大野に返すことになる。 実は大野は、食材をわざと落として誰かに拾わせて尾行し、落とした食材が使われて料理が完成したところを見計らって訪ねて、料理を手に入れるというセコい手口を繰り返していた。

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